♈ ♉ ♊ ♋ ♌ ♍ ♎ ♏ ⛎ ♐ ♑ ♒ ♓     星座宮夜宵之闇物語之神話書記 ANAVIOSI SYN+       ♓ ♒ ♑ ♐ ⛎ ♏ ♎ ♍ ♌ ♋ ♊ ♉ ♈   作:lOOSPH

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追いつめられる勇者達…‥‥‥


六分儀座の異変 Sex 北斗七星の剣士

 

 

 

突如、アルザーノ王国の近くに

そびえ立った巨大な天文台の様な建物

 

その中に入った勇者達は一人の勝手な特攻によって

意図せずに二手に分かれていくことになってしまう

 

だがそんな勇者達に突然現れた巨大な虫の様な怪物が

勇者達に襲い掛かっていく、はぐれた一人はもう一人の勇者と

北斗七星の英雄と合流、一方の残りの面々は建物の奥深くに向かって行くのだった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

「随分と進んだけれども…

 

 本当にここに大本がいるのかな?」

 

「分かりません…

 

 でも、可能性としてはあり得ないとも言い切れません

 

 おそらく先ほど私達が戦ったあの虫のような怪物は

 穢れが分裂した際に生まれたいわば副産物の様なものだと思います

 

 穢れは分裂と融合を繰り返すことで、その姿を作っていきますから…」

 

「杏さんの推測はあながち間違いではないと思います…

 

 おそらくですが、この建物自体が穢れである可能性もあります」

 

そう言って奥へ奥へと進んでいる三人

 

ケンタウルス座の勇者

 

漆間 恵子

 

 

南十字座の勇者

 

十字世 美南

 

 

そして

 

髪の毛座の勇者

 

伊予島 杏

 

 

更に彼女たちのもとには

 

「ほう、それは興味があるね

 

 よかったら話してくれないか?」

 

セリカ・アルフォネア

 

三人にこの建物の居場所を伝えて

同時に同行した、この世界の住人である

 

「えーっと…

 

 穢れはその時その時で

 いろんな形になっていき

 

 主に三つの形態があるんです

 

 動物のように動き出す、召喚型…

 

 建物や場所、物などの形をしていて

 そこにあるだけで影響を与える、配置型…

 

 そして

 

 現象のようにあたりに影響を与える、発動型…

 

 普段の穢れはあたりに漂う黒い霧のような形ですが

 それらが融合と分裂を繰り返し、星の力を得ることで形を得るんです」

 

「星の力‥‥‥?」

 

杏の説明の中にあった星の力という単語を聞いて思わず聞き返すセリカ

 

「はい、星の力はその名の通り

 星より授かった力なんです

 

 すべての人間は生まれたその瞬間に

 得られる星の力が決まっていて、世界に

 生を受けた人々はその力を常に消費し続けていき

 

 その力をすべて失った時に、天寿を全うするんです」

 

「なるほど‥‥‥

 

 すなわち、星の力が与えられれば与えられるほど

 どこまでも生き続けていくことが出来る、と言うわけか‥‥‥」

 

そう言って自分の左胸にそっと手を当てるセリカ

 

「アルフォネアさん?」

 

「…なんでもないよ、それよりも

 そろそろ気を引き締めた方がよさそうだ‥‥‥

 

 さっきから感じている気配がだんだんと大きくなっている‥‥‥

 

 この先に大本がいる、なんとしてもこの悪夢を終わらせるぞ!」

 

セリカの言葉を聞いて、ぐっと気を引き締めていく一同

 

そしていよいよ、最深部へと足を踏み入れていった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

 

「これが…

 

 この穢れの本体…?」

 

四人がそこで見たものは

何やら大きな動力炉のようなものがそびえ

 

そこから黒い霧状のオーラが噴き出していっている

 

すると、その中からオーラがはじき出され

それが先ほど一同が戦っていた巨大な虫の形になる

 

「なるほど…

 

 分裂した穢れの一部が

 召喚型の穢れになっていたんですね…」

 

「あれさえ止められればきっと穢れを倒しきることが出来ます…

 

 しかし、そのためには周りにいる召喚型の穢れを

 どうにかしてもらう必要がありますけれど、どうしますか?」

 

「ようし!

 

 だったら私と美南で虫たちを引き受けよう

 

 杏には隙ができ次第、本体を確実に撃ちぬいてほしい!」

 

チームリーダーの恵子が作戦を立案する

 

「ええ!?

 

 私が、ですか!?」

 

「ああ、私達は接近戦がメインである以上

 狙って奴のもとに行くのは正直難しいし…

 

 それにあれだけの召喚系の穢れだ

 足止めの方は必要になってくる、それは

 私と美南が適任だ、あの化け物共は私達が引き受ける

 

 杏はあの本体の部分をぶち抜くことだけを考えてくれ…」

 

杏は図らずも重要な任務を任せられてしまうも

恵子の言葉、彼女と美南の真剣なまなざしに何も言えず

 

「‥‥わかりました、やってみます」

 

そう言うと、恵子と美南は力強い笑みを浮かべ

そのまま、二手に分かれていくと、案の定、敵の大群は

それぞれ二人の方を狙って行き、二人はうまく杏より距離を撮り

 

そこで戦闘を開始していく

 

「‥‥…」

 

杏は武器であるボウガンを構えるが

同時に自分に降りかかるプレッシャーに押しつぶされそうになっていた

 

うまくいくだろうか、外してしまったらどうしたらいいのか

 

そんなマイナスなことばかり考えてしまう杏

すると、そんな彼女の肩にポンと優しく手が置かれた

 

「‥‥ひゃあ!?」

 

「すまない、脅かすつもりはなかったんだ…‥」

 

その手を置いたのは、セリカであった

 

「…杏、この作戦は何よりもお前が重要だっていうのは

 私もあそこで戦っているあの子達だって理解しているさ

 

 でも、私もあの子達も君だったらできると信じているから後を託してる

 

 私がそばにいてやる、だからお前は何も心配するな」

 

「あ…」

 

その言葉に彼女は不思議と自分が誰よりも憧れ

頼りにしている一人の少女の姿がセリカと重なったように見える

 

すると

 

「分かりました、とにかくやってみます」

 

そう言ってボウガンを構え、恵子と美南の様子も見つつ

敵の本体を撃ちぬく準備の方を進めていくのであった

 

一方

 

「はああああ!!!」

 

一人敵の大群に挑んでいく恵子

彼女の手には矢のような形状をした槍がある

 

さらに身軽な動きで敵の大群を誘い出す様にしていく

 

シャアアアアア!!!!!

 

すると、動きの止まった恵子に襲い掛かるように

一体の穢れが彼女に勢いよく襲い掛かっていった

 

すると

 

「はあ!」

 

恵子はトントンと足で地面を鳴らし

まるで自分を矢にするようにして

 

勢いよく自分に襲い掛かっていく怪物の方に突っ込み

 

見事、怪物の体を勢いよく貫いて見せるのであった

 

「‥‥なるほど…

 

 木の属性は自然を操れるって

 言っていたけれども、本当なんだ…」

 

そう言う彼女は足元の地面をトントンと小突く

 

星の力には属性があり、勇者はその属性を扱える

その数は七曜にさらに天、海、冥三つの力を加えたもの

 

恵子が持つ属性は木、自然をつかさどる力

 

恵子はその力で地面を操作しトランポリンのようにして

勢いをつけて飛び上がって矢のような貫通力を発揮したのだ

 

ケンタウルス座が持つエレメントは地

 

ゆえに地面を操作するのは扱いが慣れればたやすいものなのだ

 

「ようし…

 

 このままある程度

 数を減らして、杏にうまくつなげるぞ!

 

 ‥‥って意気込んでみたいけれども…」

 

そう言って目の前の方に目をやると

もはや一匹いたら何十匹いるという具合の数が迫ってきている

 

「これはいくらなんでも多すぎるだろ…」

 

余りの大きさに思わず力が抜けていってしまう感覚に陥るが

もう一度気を引き締めて、敵の大群の方に向けて武器の槍を向ける

 

「ええい、こうなったら…

 

 一匹一匹じゃなくって

 一回で多くの敵を倒していこう

 

 出ないとこの数に押され行ってしまうぞ…」

 

そう言って一回の攻撃で多くの敵を倒していく作戦に移る

 

そして再び地面を足でコンコンと小突いていき

勢いよく足を踏ん張らせていき、敵の方を見定めていく

 

「やああああ!!!」

 

恵子は槍の穂先を構えて

まっすぐそのまま向かって行き

 

一気に複数の敵を撃ちぬこうとしていく、のだが

 

「ぐう!?」

 

一体は貫けたものの、次の一体は

大きなダメージを与えたものの、貫くには至らなかった

 

シャアアアアア!!!!!

 

攻撃を受けた二体はそのまま消滅

少なくとも倒せるくらいのダメージは与えられることは理解する

 

「ぐう…

 

 さすがに一気取りは難しいか…」

 

悔しそうに敵の大群の方を見つめていく恵子

 

さらに別の方では

 

「参ります!」

 

美南は杏より距離を取り

その場所において向かって行く敵の方を向いて

 

武器である十字架を模した槍を掲げながら

向かってくる敵の大群を真剣な表情で見つめていく

 

「はあああああ…」

 

美南は声を張り上げるように言うと

持っている槍に闇のようなものが集まっていく

 

「今日は月がきれいですね…

 

 そしてその日が、貴方達の命日です!」

 

そう言って槍をぶんぶんと振るい

そこから勢いよく敵の方に向かってとびかかっていく

 

「やあああああ!!!」

 

槍に闇がまとわれて行き

それを使って敵を次々と切り裂いていく美南

 

南十字座の勇者たる美南

彼女の属性は月、闇と幻想をつかさどる力

 

闇は世界の始まりより存在していた原子の力

 

故に闇はいかなる力をもその色に染め上げてしまうとされる

 

シャアアアアア!!!!!

 

ゆえに、その闇にとらわれてしまったものは

決してその力から逃れ出ることはできず、飲み込まれて行く

 

だが、月の力はそれのみではなく

 

「…‥!」

 

美南の死角から一体の虫が襲い掛かり

彼女の体を瞬く間に貫いてしまうのだった

 

「がはっ!」

 

血を吐いて、ブランとうなだれる美南

 

だったが

 

「…‥甘いですよ」

 

するとその虫の背後より槍を大きく振り上げた

美南が勢いよくとびかかっていき、その虫を闇の力で切り裂いた

 

シャアアアアア!!!!!

 

攻撃を受けたその虫は切られた個所より

黒いオーラを噴き出しながら倒れ、爆発するように消滅した

 

「‥‥この世にはびこる卑しき穢れよ…

 

 星の運命の元に、還りし場所に帰りなさい…」

 

そう言って祈るように手を合わせる美南

 

その姿は修道女、もとい聖女を思わせていく

 

「‥‥さて、このまま一気に決めて

 行きたいのですが、あいにくと数が多い…

 

 杏さんが見事に敵の核を撃ちぬけるように

 できるだじぇもっと多くの敵を倒さなくてはなりません…」

 

そう言って祈るように伏せていた顔を上げ

自身に迫っていく敵の大群をしっかりと見据えていく

 

その数はやはり多く、それどころか段々と増えているようにも見える

 

「‥‥正直言うと、これはきついですね…

 

 私の持つ星の力ではそう長くはもたないかも…

 

 ですがそれでも、出来るだけ多くの敵を引きつけなくてはなりません!

 

 この世界に生きている、すべての人々の幸いのためにも!!」

 

そう言って多勢に無勢ながらも一歩も引くことなく向かって行く美南

 

恵子と美南、二人がそれぞれ召喚系の穢れを相手にする中

杏は敵の数が減ってきているのを確認し、狙うべき的を見据える

 

「‥‥恵子さんと美南さんは

 私のことを信頼して後を託してくれたんです…

 

 でしたら、私も私の為すべきことを成して見せる!」

 

そう言って杏はボウガンに矢を装填して

穢れの核が見える方へと向かって駆け出す

 

セリカもそれを見て、どこか安心したように杏についていく

 

が、そこに

 

「まずい!」

 

すると上の方から、二人が引き受けているほどではないが

多くの虫たちが勢いよく襲い掛かってきた、セリカはそれを見て

 

魔法を展開して、敵の数を減らしていく

 

「セリカさん!」

 

「私に構うな、きみは君がなすべきことを成せ!」

 

セリカはそう言って、魔法で敵を蹴散らし

杏の侵攻を阻まれるのを防がんとしていく

 

「ありがとうございます…

 

 はああああ…」

 

杏はそう言って、地面に手を突き

そこから、何やら物質のようなものを抽出し

 

それを矢の形に変えていくと、それを目の前に構えていく

 

髪の毛座の勇者たる杏子の属性は金、物質をつかさどるもの

 

自身の星の力を使ってあたりにある物質を自由に変換させることで

武器にしたり、攻防両方の手段に用いたりと有用を聞かせている

 

さらに、杏は勤勉さによって得られた知識の方もあるので

 

「やああああ!!!」

 

杏は地面に含まれる物質の中から

攻撃として放つにも申し分のない威力の矢を生み出す

 

無数に放たれる矢はさすがに穢れの装甲を貫けはしなかったが

 

ギ、ギギギギギ…‥

 

何と装甲の隙間である関節と関節の間を

的確に狙うことで、敵の動きを見事に封じていった

 

「これならしばらくは動きを止めていられる…

 

 今のうちに敵の本体を!」

 

今のうちに穢れの核のもとへと向かって行く杏

 

その後も、敵の大群が襲い掛かってきたが

杏はそれらを生成した矢で動きを止めていき

 

なおかつ、ボウガンによる攻撃で討ち果たしたりもする

 

「っ!?」

 

すると、杏にも驚くべきことが起こる

彼女に向かって形を成していない穢れそのものが

這って行くように杏子の方へと向かって行く

 

「さすがに本体には近づけないように

 徹底しているんだね、でもそう簡単には…

 

 やられないよ!」

 

杏はそう言うと、くるりと回転して

ボウガンと自分が生成した矢を全方位に放っていく

 

これによって黒い穢れは牽制されて行き

ついに杏は敵の本体のもとへとたどり着いた

 

「これが…

 

 この穢れの本体…」

 

温めて近くに行くと

この建物に本当に収まっているのかと

思えるくらいに大きな動力炉が見えた

 

杏は気を引き締めてボウガンを勢いよく引いていく

 

「一気に決める!」

 

そう言って思いっきりボウガンの矢を装填する

 

だが

 

「きゃ!?」

 

動力炉の下から、黒い穢れが

触手のように伸びて杏に一斉に襲い掛かっていく

 

杏は驚きながらもどうにかその場から移動し

敵の猛攻をどうにか、かわしていき、地面に着地した際に

地面の物質を抽出し矢を生成し、それを黒い穢れの方に放っていく

 

だが、先ほどの方とは違い

黒いオーラの密度は大きく、杏も生成と攻撃の手が足りなくなっていく

 

「く…

 

 これじゃあ、本体の攻撃どころか

 相手の力を削りきることだってできない…」

 

杏はどうにか攻撃の手を緩めることなく対応していく

 

しかし、それも相手の攻撃自体を阻んでいくことはできるが

敵へのダメージに関しては残念ながら、決定的な一打にはならない

 

「恵子さんも美南さんも

 敵の軍団の方に回っていて

 

 攻撃に行くことが出来ない…

 

 私の方も攻撃の手は足りてるけれども

 相手に決定的な一撃を入れることもできないし…

 

 こうなったら…」

 

杏は集中するように目を閉じて

じっと、敵の動きを感じ取っていく

 

すると、彼女の癖があるが

長くも美しい髪が静かにたなびいていく

 

「‥‥ほんの少しでいい…

 

 私に力を貸して!」

 

そう言うと、杏の髪の毛は

杏のその言葉に答えるようにゆっくりと動いていく

 

そして、彼女を守らんとするように

大きく広がって、這い寄って行く黒いオーラを

 

払うようにしてその攻撃を打ち払って行く

 

そのおかげでこの建物、配置型の穢れの本体

動力部への道筋が、自然に開いていった

 

「今だ…」

 

杏はもちろん、弓の弦を引いて

標準を底にしっかりとむけていき

 

「行っけええええ!!!」

 

引き金を引いて、そこから一気に矢を打ち出して行く

 

その矢はまっすぐ穢れの動力部へと向かい

見事に命中、大きな爆発を起こしたのだった

 

「やった!」

 

「うん!」

 

それを見て、離れた場所にいる恵子と美南も

杏がやってくれたのだと確信し、笑みを浮かべる

 

「はあ‥‥はあ…」

 

杏は煙に包まれた目の前の光景を息を切らしてみている

 

彼女はもともと体が丈夫ではないことも手伝って

他の二人に比べても相当なくらいに息を切らしている

 

「正直きついけれど‥‥何とか…やったよ‥‥…」

 

そう言ってその場にガクリと膝を突く杏

 

煙が晴れていくそこには杏の攻撃によって

見事に損壊している動力炉の部分が見えていた

 

「おお、どうやらやったようだな」

 

「セリカさん…

 

 はい、正直言うとぎりぎりでした…

 

 う、うううう…」

 

杏はふらりとめまいを覚えて体を傾け

セリカは慌てて彼女の体を支えている

 

「おい、大丈夫か!?」

 

「はい、ごめんなさい…

 

 安心したらちょっと

 眩暈がしてきてしまって」

 

杏はセリカに支えてもらいつつ

ゆっくりと地面に座り込んでいく

 

「‥‥実は私、生まれた時から体が弱くって…

 

 昔は外で歩きに行くことはできても

 遠いところに行くことはできなくって

 

 ずっと部屋で本ばっかり読んでいたんです…

 

 そのおかげが本を読むのが好きになって…

 

 でも、それでも外に出るのをあきらめたくなくって

 お医者さんのご指導の下、治療とリハビリを受けて

 

 ようやく外に行っても倒れることのないくらいによくなって…」

 

「そうだったのか‥‥‥

 

 其れは大変だったな」

 

杏の話にセリカは少し申し訳なさそうに言った

 

「‥‥大丈夫です

 

 それに、外に出られたおかげで

 学校にも行けるようになったし

 

 タマっち先輩にも出会えたんだもん

 

 つらいこともあったけれど、それを乗り越えて

 楽しいこともうれしいこともたくさん経験したの

 

 だから、あの時の努力は決して無駄じゃないんだって

 胸を張って過去の頑張った自分を誇れることが出来るんだよ

 

 勇者に選ばれてからも、七誠さんや優生さんが

 うまくサポートしてくれて、最初よりも動けるようになったし

 

 そのおかげで、世界のどこかにいる私のような人のことを

 守ることのできる力を、こうして得ることが出来たんだもん」

 

「…そっか‥‥‥

 

 それだったらその気持ち‥‥‥

 

 これからも大事にすると良い

 そうすればきっと君は今よりも強くなれるさ」

 

セリカの言葉を聞いて、杏は嬉しい気持ちを表して頷いた

 

「はい!」

 

そう言う二人のもとに、合流してくる二つの影が

 

「杏!」

 

「杏さん、やりましたね」

 

そこに現れたのはややボロボロになった

恵子と美南の二人が、杏とセリカの二人のもとに合流する

 

「恵子さん、美南さん…

 

 ごめんなさい、お二人には

 大変な役目を背負わせてしまって…」

 

「謝ることは無いわよ

 

 私たち自身がやるんだって決めたんだもの」

 

「それに、杏さんはしっかりと

 自分のお役目を果たされました…

 

 今はそのことを誇りに思うべきです」

 

三人はそう言って微笑み合って行き

セリカはそんな様子を微笑ましそうに見ている

 

誰もがこれでやっと終わったと思ったその時

 

「‥‥っ!?

 

 この感じ…」

 

美南が不意に杏が撃ちぬいた方に目を向ける

すると、そこで一同が見た光景とは、何と

 

ジ‥‥‥ジジジジ‥‥‥

 

杏に撃ちぬかれた動力部が

破損しながらもまだ動いていた

 

「「「「んな!?」」」」

 

それを見た四人は驚愕する

 

動力部を杏は確かに撃ちぬいた

だが、それでも穢れはまだ動いてた

 

「核を狙ったのにまだ穢れが稼働している…

 

 まさか、似非さんが言っていたのが本当だったなんて…」

 

恵子は誰にも聞こえないような声でつぶやき

美南にアイコンタクトを送ると、彼女はコクリと頷いた

 

「そんな…

 

 核を撃ちぬいたのに

 まだ倒れることは無いっていうの!?」

 

すると、動力部から黒いオーラが噴き出し

そこからまたも巨大な虫が複数体生み出されて行った

 

「く…

 

 もういい加減に

 虫の相手は嫌だっての…」

 

「く…

 

 正直に言うと限界ですが…

 

 それでもやるしかないですね!」

 

「‥‥…」

 

再び向かって行こうとする恵子と美南だが

杏は身体を震わせて、自分の胸元に手を合わせる

 

自分の手の震えを自分の手で押さえるように

 

「(私のせいだ…

 

  私がしっかり狙わなかったせいで

  皆さんを窮地に陥らせてしまった…

 

  ごめんなさい‥‥ごめんなさい…)」

 

そう何度も心の中で自分を責めて

懺悔の言葉を何度も心の中でつぶやいていく杏

 

だが、敵の大群はそんな杏の心情など

知ったことかと言わんばかりに一斉に襲い掛かっていく

 

「はああああ!!!」

 

「やああああ!!!」

 

二人は体力がぎりぎりながらも

それでもかまわずに敵の大群に向かって行く

 

「杏、もう一度穢れの本体を狙うんだ!

 

 一発でダメなら、もう一発だ、早く‥‥‥」

 

「‥‥…」

 

セリカは杏に呼びかけるが

杏の方は敵を倒しきれなかったのを

自分のせいに感じてしまい、放心状態になっている

 

そんな彼女にセリカはやや乱暴に

杏の顔を自分の方に向けていった

 

「しっかりしろ!

 

 たった一発攻撃が効かなかった程度で

 うじうじするな、きみがそうやってうじうじしている間にも

 

 君の仲間は、必死に戦っている

 自分の足で立つのが無理なら私が支えてやる…

 

 だから…諦めるな!」

 

「‥‥…」

 

セリカにそう言われて杏は意識を覚醒していく

杏は瞳に光を戻して、セリカの言葉にうなずいた

 

それを見たセリカは力強い笑みを浮かべて応える

 

「‥‥セリカさん!

 

 サポートの方をお願いします

 

 正直言うと、私はもうほとんど体力が残っていません…

 

 ですからこの一発で決めなくてはなりません」

 

「そうか‥‥‥

 

 承知はした、だが‥‥‥」

 

そう言ってあたりに飛び回っている虫共の方に目をやる

恵子と美南も疲れが見え始めているので、うまく誘導ができない

 

そのために先ほどよりも多くの敵が杏の方に寄ってきている

 

「…これほど多いとさすがの私も振り切れない‥‥‥

 

 すまないが、攻撃ではなく防御で行かせてもらう」

 

「分かりました」

 

セリカはそう言って手を前に出すと

自分と杏の周りに障壁を張っていく

 

「今だ!」

 

「はい!」

 

敵の大群はわらわらと自分たちの方に向かっている

そのおかげか本体の動力炉の方が手薄になっている

 

虫たちの独断専行か、先ほどの杏の攻撃によるダメージで

うまく群れを纏められないのか、いずれにせよ好機であった

 

「これで‥‥決める!」

 

そう言って狙いを定めて、本体の方に攻撃を仕掛けんとする

 

そして、引き金を引き必殺の一撃を動力炉に向かって放つ

 

其れは見事に、穢れの本体、天文台の動力炉に再び命中する

 

だが

 

ビ‥‥‥ビビビビ‥‥‥

 

動力炉はいまだに健在である

 

「そんな…」

 

杏は今度こそ限界を迎え

その場にどさりと地面にうつ伏す

 

「杏!」

 

「杏さん!!」

 

「ぐう‥‥‥」

 

セリカはどうにかして杏のことを守ろうと

障壁の方を張る力を込めていく、だがそれも限界が近い

 

「未来ある若者の命を‥‥‥

 

 おめおめと死なせてたまるものかあああ!!!!!!」

 

セリカは自分に喝を入れるように声を上げる

 

杏の方は意識が朦朧としていき

そんな中でも彼女はあることを考えていた

 

それはいつでも自分のことを守ってくれていた

小さくてもとっても頼りになる一人の少女

 

体の弱いせいでいつも後ろ向きになる

自分の背中をその少女と一緒に押してくれた一人の青年

 

ータマっち先輩‥‥七誠さん…ー

 

杏はその二人の名前を、心の中で思いうかべる

 

自分がよく読んでいる本を自分も読みたいと

見栄を張ってお願いして、数分もしないうちに寝てしまった球子

 

逆に自分のおすすめの本を見せてあげた時に

すっごく面白かったと嬉しそうにいった七誠

 

ほかにも様々な出来事が

走馬灯の様に彼女の頭の中に流れ込んでいく

 

すると

 

「どおおりゃあああ!!!!!」

 

そんな声が聞こえたと同時に

自分とセリカを取り囲んでいた虫の群れを

 

飛んできた何かが一気に薙ぎ払い

次々と切り裂いて消滅させていった

 

「‥‥え?」

 

杏はふと、視線を上げて

目の前の方を見る、そこにいたのは

 

「‥ごめんな、杏…

 

 タマが突っ走ったせいで

 杏に無茶をさせちまって…」

 

「‥‥あ…」

 

杏のことをいつも守ってくれた親友の少女

 

その少女は

 

「ここからは、タマに任せタマえ!

 

 杏に手を出す奴は

 このタマが一匹残らずぶっ飛ばしてやる!!」

 

そう言って武器である旋刃盤を前に出し

敵の大群の方をみて言い放った、すると

 

「もう‥‥タマっち先輩…

 

 勝手に突っ走らないでよ…

 

 私、本当に‥‥本当に心配したんだもん…」

 

「‥すまない杏…

 

 いろいろ心配かけちまったみたいだな…

 

 でも、これだけは絶対に約束する、杏は絶対にタマが守る!」

 

そう言って武器を盾のように構えて

向かってくる敵の方を見て決意を込めて言い切る

 

「来いよ、化け物共!

 

 タマがいる限り杏には傷一つつけさせねえぞ!」

 

「タマっち先輩…」

 

自分の前に立って自分の事を守ろうとする

球子の背中をじっと見て、少し暖かい気持ちになっていく

 

シャアアアアア!!!!!

 

虫の大群は自分の足を突き立てんと

球子と杏に向かって振るって行った

 

球子はそれを縦のように構えた旋刃盤

そこから伸びた二本の刃が翼のように広がり

 

自分と杏を問題なく守れるように

敵の攻撃を受け続けていく、だが

 

「ダメだよ、タマっち先輩!

 

 そればっかりじゃタマっち先輩に限界が…」

 

「大丈夫だよ、タマの属性、知ってるだろ?」

 

不安を口にする杏に

球子は彼女を安心させるように言う

 

すると

 

「うおお!!!」

 

烏座の勇者

 

土居 球子

 

 

彼女の属性は水

 

水はそのままの通り水に関する攻撃能力

また、回復にも優れており、回復役にもなる

 

球子はこの水の力で自信を回復させて

守りの方に適しつつ隙の方を伺って行く

 

「タマは絶対に、破れたりなんてしない!」

 

そう言って盾のように防御に使っていた旋刃盤を

敵が攻撃を繰り出すのと合わせるように押し出し

 

攻撃を仕掛けた、虫の体制を崩し

さらにそこから、ドミノが倒れていくように

ビリヤードで球が球を押し出す様に大群は倒れこんでいく

 

「おっしゃ!

 

 タマげたか、タマの底力を!!

 

 さあて、それじゃああと一息だ!!!」

 

そう言って武器である旋刃盤を上に掲げて

その方向に向かって水のようなものを噴き出していく

 

すると

 

「これって!?

 

 水属性の回復の能力!?」

 

「球子さん!

 

 無事だったのですね」

 

疲労が蓄積されて行った恵子と美南に

水が雨のように打たれて行くと二人の体力が

みるみると回復をしていくのであった、さらに

 

「杏の身体も、これで少しはましになったろ?」

 

「うん、ありがとうタマっち先輩」

 

病弱なせいで動かすこともままならなかった杏も

球子の回復能力のおかげで立ちあがれるくらいには体力は回復する

 

だが、動力炉はまたも虫の大群を生み出して

一同にさらに攻撃を仕掛けていくのだった、それを見た杏

 

「タマっち先輩!

 

 あの動力炉を狙って!!

 

 アレがこの建物、穢れの本体なの!!!」

 

「安心しろ!

 

 それだったらもう、どうにかなる!!」

 

球子がそう言うと天井の方から何かが飛び降り

一方は爪のように歪曲した刀を振るって動力炉を切り

 

その斬った動力炉に向かっていくのは

 

「うおおお!!!!」

 

背中に鎌のような形状で

骨がむき出しになったような片翼を広げた青年が

 

切り裂かれた動力炉にむかって、切っ先の中腹辺りから

鎌の様な突刃が飛び出している剣をふるって行ったのだった

 

それは先ほど切った場所からさらに深く切り込まれて行く

 

すると

 

ガガガガガ…‥ピピピピピ!!!!!

 

悲鳴のような電子音があたりに鳴り響いていく

 

その様子を目を見開いて見つめている杏

 

「ああ…」

 

一撃を決めたのちに杏の目の前に着地する一人の青年

 

「…まったく、僕が来るまで待ってろって言ったのに‥‥

 

 でも間に合ってよかったよ、良く頑張ったね三人とも

 遅れた分はしっかりと取り戻すから、しっかり休んでて?

 

 後は、僕達がやる!」

 

そう言って大きく広がった紫色の鎌のような形の

骨組み状の片翼を大きく広げて目の前の相手の方を見ていく

 

すると、その隣にもう一人の人物が降り立つ

 

「球子、元はと言えば貴方が突っ走っていったせいで

 この事態に陥ったんだからね、しっかり杏の事守ってあげなよ」

 

「うぐ‥わ、わかってるって…」

 

球子ににらみを利かせながら有無を言わさずに言い放ち

 

「それじゃあ、一気に決めさせてもらいましょう

 

 七誠さん!」

 

「分かってるよ、一気に一撃を叩き込む!」

 

そう言って明は武器である熊手状の爪を展開し

七誠はすでに持っている剣とは別の剣をぬいて両手持ちになる

 

「それじゃあ、明ちゃん!

 

 一気に飛び込んで、僕がそれに合わせる

 それで一気にこの穢れを討伐するよ!!」

 

「オッケー!

 

 一気に攻めていく!!」

 

そう言ってタンタンと地面を足で踏みならし

勢いよく地面を蹴って飛び上がっていく、すると

 

彼女の両腕から炎のような輝きを持った

三日月形の刃が展開されて行くのであった

 

「はああ!!!」

 

明と呼ばれた少女が

穢れの本体である動力炉に飛び込んでいくと同時に

 

「これで‥‥

 

 終わりだあああ!!!!」

 

七誠がそれに合わせて跳び

ほぼ同時の勢いで動力炉を斬りつけていくのであった

 

ガガガガガ!!!!!

 

ビビビビビ!!!!!

 

激しい電子音が激しく鳴り響いていき

やがて動力炉から激しい電子音が鳴り響いていく

 

「行くよ、ここはもうすぐ消滅する!」

 

「球子、杏をお願い

 私は恵子と美南たちを!」

 

「分かった!」

 

そう言って七誠はセリカをお姫様抱っこで

明は恵子と美南を両脇に抱えて、そして

 

球子は杏を背負って急いで天文台から脱出する

 

「杏‥ごめんな…

 

 タマが突っ走ってってせいで

 お前を危険な目に合わせちまって…」

 

「ううん‥‥私だって…

 

 元早くにあの穢れを

 倒すことが出来ていれば…」

 

お互いに自分のいけない部分を口にしていく二人

 

「タマももっと‥しっかりしないとな…」

 

「私も‥‥タマっち先輩やみんなを守れるくらいに…

 

 強くなりたい…!」

 

二人はそんな決意を口にして、お互いにうっすらと笑みを浮かべていくのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

こうして無事に脱出することが出来た一同

 

町はずれにそびえていた天文台は

辺りから黒いオーラを噴き出していき

 

音を立てて崩れ落ちていく

 

やがて、黒いオーラにつつまれると

爆発するように霧散して、消滅するのであった

 

「ふう‥‥

 

 いろいろ問題はあったけれど

 どうにかなってよかったね、みんな‥‥」

 

「あ、あの‥‥‥

 

 勝利を喜ぶのは良いのだが

 そろそろ降ろしてもらえないだろうか‥‥

 

 脱出の助けをしてもらったのは素直に

 うれしいのだが、ずっとその…抱えられたままだと‥‥‥

 

 さすがの私も恥ずかしいのだが‥‥‥」

 

「え、ああ‥‥

 

 ごめんごめん‥‥」

 

セリカにそう言われて抱えていた彼女を

優しくゆっくりと降ろしてやるのであった

 

「いやー…

 

 今回はほんとに死ぬと思ったね」

 

「ええ、何分いろいろと問題が起こりましたからね

 

 その一番の原因は…」

 

三人の少女が一斉に球子の方を向く

 

「「「球子ぉ!!!」」」

 

「うええ!?

 

 ま、待ってくれ

 今回ばっかりはタマが悪かったから

 説教だけは勘弁してくれ、頼むよ七せ~」

 

三人の少女に詰め寄られる球子は

七誠に助けてもらおうとすがっていく

 

「しょうがないな、みんな‥‥

 

 その辺にしてあげなよ」

 

「おお…」

 

一同に話しかける七誠の言葉に

球子はよっしゃと心の中でガッツポーズをとる

 

三人の少女はどこか不満そうだ

 

すると

 

「球子ちゃんへのお説教は、優生ちゃんにお願いするから」

 

七誠のその言葉に、球子は

 

「がっびーん!」

 

思わず擬音を口にしてしまうほどのショックを受ける

 

一方

 

「それならいいわ」

 

「構いません」

 

「たっぷりお説教を受けてもらいなさい」

 

三人の少女の表情はどこかすっきりしているようにも見えた

 

「ふぎゃあ、やだー!

 

 優生の説教は本当に長いんだー!!

 

 あんずぅ、後生だから助けてくれぇ!!!」

 

「タマっち先輩

 

 今回は弁護のよちなしだから

 諦めて罰を受けようよ、優生さんだって

 しっかり反省してくれてるなら軽くしてくれるよ」

 

「裏切り者おお!!!」

 

そんな球子の絶叫があたりに響く

その様子にほかの少女達は思わず吹き出してしまう

 

それを見ていたセリカの方も声を出して笑ってしまう

 

「あーっはっはっはっ!!!!!!

 

 本当に面白い子達だな、勇者と言うのは‥‥‥」

 

セリカはそこまで言うと七誠の方にまで寄ってくる

 

「それにしても、穢れか‥‥‥

 

 あんなのがこの世界に沸いているだなんてね‥‥‥」

 

セリカは話しかけるように七誠に言う

 

「貴方は?」

 

「私はセリカ、セリカ・アルフォネア‥‥‥

 

 まあ人より長く生きているしがない魔術師さね

 

 しかし、それでもあんな怪物は私も見たことがない

 

 君たちはあんな怪物と戦っているのかい?」

 

セリカの七誠を見る目には何やら含みがある

 

「…その通りだけど‥‥

 

 貴方のその目線の感じは

 少なくとも褒めてくれているとも思えないね‥‥‥」

 

「まあね‥‥‥

 

 正直言うと、さっきも言ったけれど

 私はこう見えても、人よりも長く生きている

 

 いいや、生き続けていく宿命を背負っている

 

 最初のうちはそんな自分の運命を喜びもした

 でも、生き続けていくうちにそこから虚しさを覚え始めた

 

 こんなにも生き続けて、一体何の意味があるのかってね‥‥‥

 

 だが、ある出来事で私はそんな人生に一つの光を見たんだ‥‥‥」

 

セリカが真剣な様子で話しをしていく

 

「光‥‥?」

 

「若く才能にあふれた子供たちを導いていくことさ

 

 あの子達は私と違って、生き続けていくことはできない

 でもその意志はその子達が大人になって、その子供や弟子など‥‥‥

 

 しっかりと受け継がれて行く、それはまさに鎖のように

 長くそれでいてがっちりとね、私もいつの日かそんな未来あるものを

 導いていくことが出来る、その後押しができるようになりたいのさ‥‥‥

 

 さて…ここからが本題だ…君たちはあの子達を

 あの子達をしっかりと導けていると思うのかな?」

 

セリカはそう聞いてくる

 

「そうだね‥‥

 

 そうなのかどうなのかと聞かれれば

 そうじゃないと僕は思う、僕達はあの子達に

 事情があるとはいえ、戦いと言う過酷な宿命に

 背負わせてしまっている、でもだからこそ僕は‥‥

 

 ううん、僕達はあの子達をしっかりと導いていくさ‥‥

 

 まだ、貴方の納得のいく結果はお世辞にも残せていない‥‥

 

 でもだからこそ、僕達はしっかりとあの子達行く未来を

 守り抜いて見せるさ、どんなに過酷であっても絶対にあきらめたくないしね‥‥」

 

「そうか‥‥‥

 

 まあ、頑張りなよ‥‥‥

 

 君やあの子達うが歩む道は

 厳しく過酷なものだろう、だからこそ‥‥‥

 

 己の中にある可能性を信じて見せろ‥‥‥

 

 私が言うのはそれだけさ‥‥‥」

 

そう言って七誠の元を離れていくセリカであった

 

「…信じるさ、僕は絶対に

 あの子達の可能性を、僕自身の可能性もね‥‥

 

 そうだよね…みんな‥‥」

 

七誠はそう言って、目の前で騒いでいる

五人の少女達を微笑まし気に見詰めるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春組の勇者たちの戦いは、まだ始まったばかりである…‥‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  




大魔導士からの御言葉…‥‥‥
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