♈ ♉ ♊ ♋ ♌ ♍ ♎ ♏ ⛎ ♐ ♑ ♒ ♓     星座宮夜宵之闇物語之神話書記 ANAVIOSI SYN+       ♓ ♒ ♑ ♐ ⛎ ♏ ♎ ♍ ♌ ♋ ♊ ♉ ♈   作:lOOSPH

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帰還


幕間;勇者たちの帰還

 

 

 

 

異世界より帰還してきた恵子と美南一行

 

「お帰りなさい」

 

一行を出迎えたのは、一人の巫女装束の少女

 

さらに

 

「げ…」

 

「球子ちゃん?

 

 人の顔を見て、その一言は

 いくら何でも非常識でしょう?

 

 それとも、ゲッ、って声を出してしまうような

 何かを向こうでやらかしたのかしら、球子ちゃん?」

 

一人の女性の姿を見て、思わず鈍い声を出してしまう球子

そんな彼女の様子を見て、ジト目で彼女に詰め寄る優生

 

「‥んな、なな何もないぞ!?

 

 何にも問題ないぞ、なあみんな?」

 

「ええ、問題ないなんてないわよ

 

 球子がいつものように一人で勝手に突っ走ったからね」

 

「ええ、いつも通りの球子さんでしたね

 

 おかげでこっちはいろいろと大変なことになりました」

 

「うん、タマっち先輩はいつも通り

 一人で突っ走っていきましたからね

 

 問題がないと言えば問題はないです」

 

「ええ、おかげで後から問題が迫ってきたけれどね」

 

球子は何とかごまかそうとするが

四人の少女達の告発に顔を青くしていく

 

球子は恐る恐る優生の方を

ギギギと音を立てるように振り向いていく

 

そこには

 

「…球子ちゃん…

 

 何度も何度も一人で

 勝手に突っ走ったらだめだって

 言ったのに、またやっちゃったんだね…」

 

「い、いや‥これはその…えっと‥…」

 

球子は不意に襟をつかまれ、引きずられて行く

 

「いらっしゃい球子ちゃん

 今日はみっちりと指導しますからね」

 

「ぎゃああ!!!

 

 助けてくれええ!!!」

 

「頑張って来いよ~」

 

ずるずると引きずられて行く球子は

助けを求めるように手を伸ばすが、それに対し

恵子はお別れのあいさつのように手を振っていくのだった

 

「フフフフ‥‥うん?」

 

美南がその声系に笑みを浮かべて言ると

彼女達のもとに一人の少女が近づいてくる

 

褐色肌で長身の少女がこちらを見つめている

 

「棗さん…?」

 

杏は彼女に気が付いて

声をかけようと近づいていく

 

「お疲れ様です…

 

 棗さんも戻ってきていたんですね」

 

「うん…

 

 それでいきなりで申し訳ないが

 恵子と美南の二人を貸してもらえないか?

 

 二人に用事がある」

 

「え?」

 

恵子と美南は首を貸しげるが

棗がこうしてここに来た理由を察し

 

アイコンタクトをかわしてコクリと頷いた

 

「‥‥杏、悪いけれどちょっと行くわ…

 

 先に帰ってて、球子の方にもよろしく伝えておいて」

 

「それではお疲れ様です、杏さん…

 

 今日はゆっくり休んでいてくださいね」

 

「あ、はい…

 

 それではまた…」

 

そう言って二人は棗に連れられて

杏と別れてその場を後にしていくのであった

 

「ねえ、七誠さん…

 

 あの二人と彼女達って

 最近任務終わりにどこかに行ってるけれど…

 

 何か知ってます?」

 

「…いろいろあるんだよ‥‥

 

 特に女の子同士だったらね」

 

七誠は何やらはぐらかす様にして

明に小さく手を振ってその場を後にしていく

 

「…まあ、いっか‥‥

 

 杏ちゃん、よかったら一緒に帰らない?

 

 今回の戦いで相当無茶したみたいだし

 送っていくわ、私にできるのはこのくらいだけど」

 

「ありがとうございます

 

 本当は寄りたいところがありましたけど

 今日は大事を取ってすぐに自室に戻ることにします」

 

そう言って杏はお言葉に甘えることにするのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

そのころ

 

杏と明たちと別れて

棗に連れられる恵子と美南

 

その先にはまた別の少女の姿が

 

「お疲れ様ですお二人とも

 

 今日は大変だったようで」

 

「まあね…

 

 球子の暴走はもう

 いつものことだから慣れっこだよ…

 

 それよりも、今回集まってるってことは…」

 

恵子がその少女に今回呼ばれた理由を聞く

 

「うん、いつもの報告会だよ

 

 まあただ、今回はいつもと違うかも

 しれないって感じかもしれないけれどね…」

 

「‥‥とにかく入る…

 

 ほかの勇者に気づかれたら

 この先いろいろと面倒になる…」

 

棗に言われて四人の少女は

部屋の中へと入っていくのだった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

部屋の中に入っていく四人

 

そこには、何人かの少女たちが集められていた

 

「…‥これで全員がそろったな‥

 

 ではこれより定例報告会を行う…

 

 それじゃあ各自、報告の発表をしてくれ‥」

 

そう言って彼女たちを取り仕切るのは一人の青年であった

 

「‥はい、今回私のいる

 冬組のチームにおいて、ある穢れと遭遇しました

 

 能力自体は変わった部分はありませんが、力が大きくなり

 お恥ずかしい話、大きな被害を出してしまう結果となってしまいました‥

 

 犠牲者が出なかったのが、幸いと言ったところです‥」

 

「‥‥変わったことだったら

 こっちの方でもあったわ…

 

 穢れの中で分裂した時に

 放出された穢れの一部が別の穢れになったわ

 

 そんなこと、今の今までなかったっていうのに…」

 

 

「もしやこれも、皆さんが追っている…

 

 わたしたちが必ず戦わなくてはならない

 敵による干渉があるのでしょうか、似非さん…」

 

恵子の言葉にその場にいる多くの少女達が

うーんと考え込むように唸る、美南がたまらず

この場を取り仕切っている似非と呼んでいる青年に聞く

 

「まだ詳しく分からないが、可能性は十分にある‥

 

 もしもそうなのなら、きっとこの戦いは

 今まで以上に厳しいものになっていくだろう‥

 

 そこで、ここ場に居るものにだけにとどめておきたい‥

 

 俺とほかの英雄達しか知りらない、ある意味最重要機密‥

 

 実はここのところの穢れには、星の力による干渉が施されていた‥」

 

似非がそう言うと、少女達は大いに驚きを覚えていく

 

「星の力‥‥

 

 私達をはじめ、すべての世界に

 生きている者達は生を受ける時

 

 その誕生したその日に決まった星より加護をもらい

 

 それによってもたらされた祝福とともに

 生涯を謳歌していく、その際に得ることが出来る

 星の力は言うならば人の命の力そのもの、そしてその力は

 

 私たち勇者の力は、その祝福をもたらした加護を与えし

 十二柱の神が、自分の力を与えることで戦う力を与えられたもの

 

 そして、今回までに戦ってきた穢れのもとに星の力があるということは‥‥」

 

「‥何者かが星の力を与えている‥

 

 穢れの力を高め、使役するために‥」

 

その言葉に似非は黙ってうなづく

 

「…‥そうだ‥

 

 そしてその穢れを使役するものこそ

 俺やお前たちが何よりも対峙するべき存在であり

 

 同時に世界を脅かす脅威たりうる者達、その者達の名は‥

 

 ’星座宮の御巫女子‘‥」

 

似非は静かに、シンに対峙するべきもの達の名を告げる

 

「‥‥星座宮の…」

 

「‥‥御巫女子…」

 

「お前たち勇者のサポートとしている巫女達とは違い

 

 彼女たちはある者達を神としてあがめ

 その力をもってして、世界そのものの理を脅かさんとしている‥

 

 今の今まで動きを見せてこなかった

 彼女たちがいよいよ動き始めたということだ‥

 

 いずれ、彼女達は君たちのひいてはこの場に居ない勇者

 敷いては俺たちの前にいずれ現れるだろう、いよいよ戦いが

 熾烈に極まっていくことになる、俺たちの方も覚悟を決めなくてはな‥」

 

そう言ってその場にいる者達に真剣なまなざしを向けていく

 

「今後とも監視と報告を怠らないでくれ

 もしも不審なものを見つければ、すぐに英雄の誰かに話せ

 

 絶対に見逃すな、来たるべき戦いに備えて絶対にだ」

 

「「「「はい!」」」」

 

少女達の声があ部屋全体に響き渡っていく

 

「‥‥ふう‥

 

 それでは今日はここで解散としよう‥

 

 各自しっかりと体を休めておいてくれ‥」

 

似非のその言葉とともにどこか息をつく声が聞こえ

少女達は、次々とその場を後にしていくのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

ある場所

 

勇者たちが拠点にしているある場所を

じっと見つめる一つの影があった、それは

 

黒く、ローブと修道服を掛け合わせたような服装で

顔はフードとウィンプルを合わせたような物を深くかぶって隠している

 

そのものは不意に拠点から出てきた一人の少女を見つける

 

その少女はどこかぐったりした様子で

家路に向かっているようだった、すると

 

謎の人物はその少女がある程度拠点より離れた場所にまで

歩いたのを確認すると、その人物は立っているその場所から

 

素早い動きでその少女のもとにまで向かって行く

 

その人物の着物の袂のように大きな袖が

その勢いではためかされて、まるで一羽の鳥を彷彿とさせる

 

そしてその人物はその少女の前に降り立つ

その人物はゆっくりと顔を上げて少女を見詰める

 

目の前の少女は目を丸くしている様子を見せるが

その謎の人物はゆっくりと自分の顔を覆っている布を取り

 

素顔をさらした

 

それを見た少女はしばらく呆然としていたが

何やら怪しげな笑みを浮かべてその人物に近づいていく

 

その人物とその少女はしばらくお互いに見つめ合っていた

 

何やら、言葉を交わしながら

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

「ふう…」

 

杏は自室に戻ると

戦いの疲労が残っていたので

 

早いところ寝てしまおうとお風呂に入り

ある程度の準備をしてベッドに飛び込んだ

 

「‥‥今日は大変だったな…

 

 今回の敵は何だが手ごわかったし

 いつもだったら一発で決められた一撃でも

 

 ほとんど効果がなかったし…

 

 まったくもう、タマっち先輩ったら

 相変わらず考えなしに突っ込んでいくんだから…

 

 それにしても…」

 

杏はベッドに潜って

今日の戦いのことを思い浮かべていた

 

球子が突っ走ってそれを恵子と美南

二人とともに追いかけていったこと

 

その際にたくさんの召喚系の穢れに襲われたこと

 

追いつめられてもう駄目だと思ったらそこに

どこかに言っていた球子と一緒に駆け付けた明

 

そして、七誠

 

「あの時の七誠さん…

 

 物語に登場する

 英雄さんみたいで‥‥かっこよかったな…」

 

ふとそんなことをつぶやいていると

急に恥ずかしさがこみあげてきたのか

 

顔を真っ赤にして布団に顔をうずめていく

 

「~~~~!!!

 

 あーもう、何やってるのよ私は…

 

 とにかく、今日はもう早く寝ちゃおう…

 

 次の日はお休みだから、ゆっくりしよう…」

 

そう言って疲労によって眠気に襲い割れて

やがてゆっくりと目を閉じて、眠りにつくのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

「ふう‥‥」

 

七誠は待機室の椅子の背もたれに

背中を思いっきり預けて、ひと息ついていた

 

「お疲れさま、ななちゃん」

 

「優生ちゃんもね…

 

 そっちの方はどうだった?」

 

そんな七誠に飲み物を持ってきてやる優生

 

「棗ちゃんと帆波ちゃんがね

 うまい具合に連携を取っててね

 

 指揮を執ってた子も悪くなかったし

 

 ななちゃんの方は?

 

 まあ、球子ちゃんが

 また一人で突っ走ってたんでしょうけど…」

 

「まあね‥‥

 

 まああの場にすぐに行けなかった

 僕の方にも責任があるから何も言えないけど‥‥」

 

七誠はそう言って優生が用意してくれた飲み物を口にする

 

「そう言えば明ちゃんも言ってたけれど

 

 どうしてすぐに穢れのいるところに行かなかったの?」

 

「うん、実はね‥‥

 

 あの近くにいたような気がしたんだ‥‥

 

 誰かの影を‥‥」

 

七誠のその言葉に、優生は真剣な様子で聞いてくる

 

「だれかって…

 

 それってまさか…」

 

「急いで追ったんだけれどもすぐに見失っちゃってね‥‥

 

 随分と離れていたところまで行っちゃったから

 それで到着に遅れてしまって、まったく情けないよ‥‥

 

 仮にも勇者を導く立場の英雄の僕が立場よりも

 自分の感情に身を任せてしまうなんて、とんだ失態だ」

 

自分を迫るようにして前かがみになる七誠

 

「ひょっとしてその人物って…

 

 あの子たちの方も動き出してるってことなのかな…」

 

「…断言はできないけれども

 可能性としては十分にあると思う‥‥

 

 現に今回戦った穢れはどこもこれまでよりも

 格段に手ごわくなっていた、僕の方でもそうだ‥‥」

 

七誠はふうっと一息つきつつ顔を上げる

 

「…ねえ、優生ちゃん‥‥

 

 僕達はどうしてあの時

 彼を止めることが出来なかったんだろ‥‥

 

 ぼくたちは彼がとても悲しい人だって

 いうことは理解していたはずだった‥‥

 

 だからせめて、僕たちの手でどうにかして

 彼にその悲しみを癒してあげようとしたのに‥‥

 

 一体どこで…僕たちは間違えてしまったんだろう‥‥」

 

七誠の言葉に優生はしばらく黙り込み

ただゆっくりと彼のとなりにただ静かに座り込んだ

 

「ななちゃんは間違ってなんてないよ…

 

 ななちゃんは誰よりも優しくて

 その優しさを力にできる人なんだよ

 

 私もななちゃんの優しさがあったから

 つらい過去から乗り越えていくことが出来たんだよ

 

 確かにあの人を悲しみからすくってあげることは

 出来なかったかもしれない、でもななちゃんがあの人に

 向き合おうとした事は、絶対に間違ってないって私は思ってる

 

 だって、私やいろんな人が、ななちゃんの優しさに救われたんだから…」

 

優生はそう言って笑みを浮かべて七誠に語り掛けた

彼を止められなかった彼の背中を優しく押してやるように言った

 

あの時の彼が、そうしてくれたように

 

「…ありがとう‥‥」

 

「…気にしないで…

 

 今の私にできるのは

 私達がみんなにしてあげられるのも

 

 このくらいだから…」

 

優生の声の感じもどこか震えているようだった

悲しいのか不安なのか、それは決してわからないが

 

「…‥‥」

 

彼を支えられることが

出来たことは、間違いではないだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   




英雄達の心情
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