♈ ♉ ♊ ♋ ♌ ♍ ♎ ♏ ⛎ ♐ ♑ ♒ ♓     星座宮夜宵之闇物語之神話書記 ANAVIOSI SYN+       ♓ ♒ ♑ ♐ ⛎ ♏ ♎ ♍ ♌ ♋ ♊ ♉ ♈   作:lOOSPH

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激突…‥‥‥


炉座の異変 For それぞれの心境

 

 

 

 

 

 

 

 

穢れの内部において

ある程度進んできたので

休憩の方を挟んでいた一行

 

「‥ようし…

 

 ある程度休憩は挟めたな…

 

 それでは、引き続き最深部を目指していこう…」

 

若葉がそう言うと、一同もそれに合わせ

ゆっくりと降ろしていた腰を上げていった

 

「ほっほっほっほっ‥‥

 

 若葉嬢、張りきるのは構いませんが

 焦りは禁物ですよ、なにぶん道のりは遠いですからな…」

 

「そうよ若葉…

 

 リーダーとして私たちの命を

 預かっているって責任は大きいけれども…

 

 私たちに頼ってくれてもいいんだからね」

 

冬三と容子が若葉に諫めるように言う

 

「ありがとう…

 

 でも、私もできるなら

 進めるだけ進めておきたいんだ…

 

 余りのんびりしていると

 それこそ、この穢れが世界に及んでしまい

 そこに暮らしていく人々の命が脅かされてしまう…

 

 だから、少しでも多く、出来るだけ早く穢れを討伐しておきたいんだ…」

 

若葉はそう言って自分の武器である刀を改めて腰に差しなおしていく

 

「若葉さん‥

 

 うん、私もがんばります!」

 

「確かにあんたの言うとおりね…

 

 まあ、どのみちリーダーはあんたなんだし

 あんたの意見にどうこう言うつもりはないわよ」

 

恵と宇津美も同意するようにゆっくりと腰を上げる

 

「……」

 

一方の千景は何か思うところがありそうだが

若葉の言葉も理解できるので、おとなしく言う通りにする

 

「其れではいきましょう‥‥

 

 穢れの最深部の方は

 もうそう遠くはありません‥‥

 

 ここから戦いの方はより一層

 厳しいものになります、お気を付けください」

 

冬三はそう言っては自分の手に持っている杖を

地面について、一同に呼びかけるように言うのだった

 

リーダーである若葉を先頭に

五人の勇者達が後に続いて歩いていく

 

「さあて、ここからがメインイベントね…」

 

「ええ、ちょっと緊張してきます‥」

 

そう言っている勇者たちの顔には

どこか緊張のようなものが走っている

 

前に進んでいる若葉の方も、不思議と

自分の足取りが重くなってきているのを感じていた

 

「‥感じる、この先にこの穢れの本体…核がある‥…」

 

「ええ、それではみなさん…

 

 心の準備を決めておいてください

 

 それでは、参りますよ!」

 

冬三がそう言って先陣を切っていき

その次に若葉、他の勇者達も先に進んで行くのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

そこは今の今まで通ってきたところの

どこよりも激しく穢れがプロミネンスのように舞い踊り

 

その中心に何やら、宝石のようなものが目に見えた

 

「みなさん、あの中央にあるあれが核です!」

 

「オーケー、あれさえどうにかできれば

 この穢れをどうにかできるのね、了解ですグランパ」

 

「ああ、ようやくここまで来た

 

 私たちの全てをぶつけても

 この穢れを抑え込んで見せるぞ!

 

 行くぞ皆!!」

 

「「「「おう!」」」」

 

若葉の言葉に全員が一斉に核の方へと向かって行く

 

すると、周りで舞い上がっている

プロミネンスがまたも怪物に代わっていき

 

一同に再び襲い掛かっていく

 

「く…

 

 さすがに向こうも本気ってことね…」

 

「でも、ノープロブレム!

 

 数こそは多いけれども

 さっきまで戦っていた奴らと変わらないわ!!」

 

「そうね、だったら私たちでこいつらのせん滅に専念しましょう

 

 誰か一人でも核を倒すことが出来れば、それで十分よ!」

 

「ああ!」

 

宇津美の提案に若葉も賛同

向かって行く敵の大群を次々と打ち伏せていく一同

 

「勇者の皆さん!

 

 ここは私がお引き受けします

 皆さんは先に進んで核のほうを!!」

 

「「「「「「了解!」」」」」」

 

冬三がそう言って先に怪物たちの方を引き受けていく

 

勇者たち一同はその姿に頼もしさを覚え

とにもかくにも敵の本体である核の方を目指していく

 

だが、それでも多くの怪物たちは迫りこんでいく

 

「みなさん、ここは私が引き受けます!」

 

そう言って、前に出たのは

棒状の鞭を武器に振るう恵

 

「何言ってんのよ!

 

 一番弱いアンタが

 こいつら一人を相手になんて…」

 

「確かに私は弱いし

 弱虫でへっぴり腰です‥

 

 でも、それでも私は勇者なんです!

 

 こんなこともできないんじゃ、それこそ

 ここまで皆さんと戦ってきた意味がなくなっちゃうよ!!」

 

そう言って一同の殿を志願する恵

 

「でも…」

 

「‥行けるんだな…」

 

宇津美がそれでも思いなおそうとするが

若葉が恵に対して、ただ短い質問をしていく

 

それに対して恵はただ、こう答えた

 

「いけるかどうかじゃありません‥

 

 行きます!」

 

恵は力強い声とともにそう断言して見せた

 

「‥お前の覚悟、鹿と聞き届けた!

 

 ただし絶対に無茶はするなよ、生きてこそだ

 必ず私たちが穢れの本体である核を倒す、だから…

 

 それまで絶対に死なないでくれ!」

 

若葉の力強くも気遣った言葉に恵も頷いて応える

 

「行こうみんな、彼女の思いを無駄にしないためにも…

 

 絶対にこの穢れの本体を目指すぞ!」

 

「でも、あいつは…」

 

「大丈夫よ宇津美さん…

 

 あの子は行くんだって言ったの

 だったらあの子のその意志を、力を信じて

 

 私たちは先の方を目指しましょう」

 

「そうね、それに急いで核を倒しきれば

 それこそノープロブレムよ、だから急ぎましょう!」

 

「…まったく…しょうがないわね」

 

宇津美は内心は納得できないながらも

一同の意志を尊重して急ぎ先の方へと向かって行く

 

「行きましょう、ぜったいに穢れを倒しきるわよ!」

 

千景のその言葉とともに、一同は急ぎ奥の方へと向かって行く

 

「ううう…ああは言ったけれど

 いざってなるとちょっと緊張するな‥」

 

そう言って自身の目の前にいる怪物の群れに

少し気持ちが揺らぎ始めていってしまう、しかし

 

「ううん‥

 

 決めたんだもの‥

 

 もう弱虫でへっぴり腰なだけの

 私とは、終わりにするんだって‥

 

 そのためにもこのくらい乗り越えて見せる‥

 

 だって、私は…勇者なんだから!」

 

そう言って武器である棒状の鞭をのばし

其れで空を切って敵の群れを見据えていく

 

「はあああ!!」

 

恵はそう言ってまずは目の前から

いきなり自分にとびかかってきた怪物に鞭をふるう

 

まずはその怪物を見事に真っ二つにして見せる

 

だが、そんな恵に向かって

別の怪物が自身の尾を突き出して

攻撃の方を仕掛けていく、すると

 

「っ!?」

 

その攻撃を受けて

自分の腹部を貫かれてしまった恵だったが

 

貫いたはずの恵の姿は

まるで書き消されて行くかのようになくなっていく

 

「はあああ!!」

 

恵が鞭をふるい

怪物の頭部を勢いよく貫く

 

どうにか、戦いの方にも慣れてきたが

 

「うーん‥

 

 これはさすがに多すぎるかもね‥

 

 でも、数を少しでも減らして

 若葉さん達への負担を少しでも減らさないと!

 

 そのためにも、もっと頑張るんだ!!」

 

そう言って武器である鞭が

真っ黒なオーラを纏って行く

 

恵はその鞭をふるい

怪物たちに向かって行く

 

怪物たちはその攻撃を受けると

何やら力が抜けていくようにふらふらとしていく

 

「月属性には、こういう使い方もあるんだよ!」

 

そう言って鞭を横にやると

その柄が大きく闇色に染まっては伸びていき

 

恵の身の丈を完全に超えるようなくらいにまで伸びると

 

「やあああ!!」

 

恵はそれを、怪物の群れにふるって行く

 

星の力は性別と生まれたときによって

その力の生き方に特化していくようになる

 

男性は力を放出、女性は力を吸収

 

生まれながらの性別に

さらに生まれたときに授けられる恩恵によって

 

星の力の行き方が決まる

 

恵の場合は顕微鏡座であるため

女性型星座の女性であるために

 

力を取り込むことに本当に特化している

 

「やあああ!!」

 

放出には向いていない反面

ふるう際に威力を変えずにその力をふるうことが出来るのだ

 

「まだまだ‥

 

 ここからです!」

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

恵の決意をむげにしないためにも

急ぎ敵の核の方へと向かって行く若葉たち

 

だが、それでも多くの敵が次々と迫ってきている

 

すると

 

「やああああ!!!」

 

容子が後ろから向かって行く穢れにたいして

武器であるレイピアを突き出して、怪物たちを攻撃する

 

「容子!」

 

「みんな、ここからは私に任せて!

 

 こいつらの足止めくらいなら私もできるわ!!」

 

容子はそう言って足止めをかって出ていく

 

「‥容子…わかった‥…

 

 くれぐれも気を付けてくれ…」

 

「若葉もね…

 

 それじゃあ、急いで!」

 

若葉は容子の言葉に笑みを浮かべ

他の面々も若葉の彼女への信頼を感じ取り

 

特に何も言わずに向かって行く

 

「さあて…

 

 来なさいよ化け物!

 

 勇者の力‥‥見せてあげる!!」

 

そう言ってレイピアを突き出し

その切っ先をしっかりと怪物の方へと向けていく

 

すると、その剣をヒュンヒュンと振るい

その音で相手を惑わしていくように勢いを増していく

 

「はああああ!!!」

 

そして、勢いよくレイピアをつきだすと

その刀身からまるで弾丸のような突撃が放たれ

 

それが目の前の怪物や、その後ろにいる怪物を何体か貫いた

 

一角獣座は男性型星座、其れゆえに

力を放出させるのに向いている、しかし

容子は女性であるので、吸収の適性

 

其れゆえに放出にも吸収にも残念ながら特化していないが

代わりに相手の力を吸収して相手に攻撃を放っていくという

 

言うならば、汎用型である

 

「ようし…

 

 この調子だったら…

 

 あんまり時間はかからないかな?」

 

そう言って恵は余裕を見せるが

それに対して怪物どもはそれをあざ笑うかのように集まっていく

 

「さあて…まだまだ行くよ!」

 

そう言って容子は武器であるレイピアで空を切って構えなおす

 

「やああああ!!!」

 

容子は自分の剣に月属性の闇を纏わせ

それで、レイピアの攻撃を上げていく

 

汎用型である彼女ならば

放出も吸収も使える、さらに

 

「やああああ!!!」

 

つきだしたその一撃を敵に向かって放っていく

すると、その一撃はあり得ないように曲がっていき

 

其れであたりにもいる怪物にも攻撃をしかけていく

 

これは星の力の性質のおかげである

 

彼女の星座である一角獣座は

柔軟性星座であるために型にとらわれぬ攻撃ができる

 

その力をふるうことで、剣による突きを

自由自在に振るうことで、相手の不意を突いていく

 

「はああああ!!!」

 

容子は自分の技量に持てるだけの力

すべてを出し切っていき、そのうえで自らに課せた役目を果たして行く

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

のこる勇者達も向かって行く敵の数に

臆することなくどんどんと敵のもとに向かって行く

 

そして、見事に目的の場所にまでたどりついた

 

そこにあったのは燃え盛る火山の火口の中で

燃え滾っているような、燃え盛る一本の剣

 

「あれが‥この穢れの核か…

 

 ここもさすがに炎が舞い踊っているな…」

 

「そうね、でも!

 

 せっかくここまで来たんだから

 一気にハリーアップよ、ここにいない

 子達のためにも私たちがしっかり頑張らないと…」

 

「っ!

 

 皆、見て!!」

 

宇津美がそう言うと

その核へと若葉たちを進ませないようにと

再び炎が怪物の姿になって、一同の前に立ちふさがる

 

「ぐ…

 

 あともう少しだというのに…」

 

表情を歪めていく若葉

 

すると

 

「オーケー、ようやくここから私の出番の様ね…」

 

そう言って武器である鞭をビシッっと張り

自分達に襲い掛かろうとしていく怪物を見据える歌野

 

「歌野…」

 

「若葉、こいつらは私に任せて頂戴…

 

 せっかくここまで来たんだから

 絶対に最後までやり遂げて見せるわよ!」

 

そう言って前に出る歌野

 

すると、もう一人前に出るものが

 

「ちょっと、なに一人で

 格好つけていこうとしてるのよ」

 

「宇津美…?」

 

そう言って武器であるハルバードをふるい

歌野の横に並んでいく宇津美、彼女も前に出る

 

「王野さん…

 

 貴方…」

 

「フン、正直に言うと

 貴方のような人にこの先を

 任せていくのは不安だけれども…

 

 ほかに頼れる人がいないのも事実だしね…

 

 仮にも二等級勇者なら、しっかりやってみなさいよ郡」

 

宇津美の言葉には千景のことはよく思っていないながらも

それを決して戦いの場に持ち込まないようと言う真剣さも感じられる

 

「ふ…

 

 言われるまでもないわ…

 

 そう言うあなたこそ

 自分がやるって決めたこと…

 

 しっかりやって見せなさいよね」

 

「フン…」

 

千景もやや突き放す様に言い方だが

そこには絶対に死ぬなと言う思いが感じられる

 

「ハリーよ若葉!

 

 リーダーとして決めるところ

 しっかり決めていきなさいよ」

 

「郡!

 

 あんたも勇者として

 しっかり為すべきことやんなさい!!」

 

そう言って二人は敵の群れを引き受けていく

 

「ああ、行こう郡!」

 

「ええ…」

 

若葉と千景はその場を歌野と宇津美に任せていき

 

「カモン!」

 

「はあああ!!!」

 

二人は手に持った武器をふるって

怪物の群れへと向かって行く、すると

 

怪物の一体が歌野に襲い掛かっていく

 

「バリアー!」

 

歌野が鞭をふるって

それを自分の周りに回らせていき

 

それを使って敵の攻撃を防いでみせる

 

「ふふん、私のガード…

 

 甘く見ちゃったらノーよ!」

 

歌野の守りが固いのもまた

勇者の力の源である星の力の影響

 

性別と性質にもう一つ加わているのは属性である

 

ただし、属性とはいっても月や日といった

能力の属性ではなきう星の力の属性そのものである

 

歌野の属性は土

 

土はそう簡単に動かざるように

守りに特化しているとされている

 

ゆえにその属性を持つ歌野も

それによる防御力はもちろん

それを生かした特攻なども、扱うこともできる

 

性質は活動であるために、力を進めていくのにたけ

性別の方も生粋の女性型であるために、吸収に特化している

 

「やああああ!!!」

 

歌野はそのすべてを合わせ

武器である鞭をふるい、攻撃をしかけていく

 

怪物たちを鞭を使って

次々となぎ払う様に倒していく歌野

 

「イエーイ!

 

 この調子だったらまだまだゴーできるわ

 

 さあて、若葉と郡さんがしっかりと

 やってきてくれるようにしっかりとやっていくわよ…

 

 そのためにももっと頑張らないとね、ファイトー!」

 

そう言って再び敵の大群へと攻撃を続けていく

 

「白鳥の奴、相も変わらず

 ハイテンションなんだから…

 

 まあ、やる気がないよりは

 ある方がもちろん、断然いいんだけれどね」

 

そう言って武器である斧をふるって構える

 

怪物たちの特攻も意にかえすことなく

高くに飛び上がっていき、そこから戦斧をふるって行く

 

それも小型とはいえそれなりに大きさのある斧を

振るいながらとは思えぬほどの速さで切り抜けていく

 

それは、彼女の属性もまた関係している

 

彼女の属性は風、素早く吹き抜けるように

素早い動きに特化しているものである、さらに

 

性質は不動型で、力を固定するのに長け

性別は男性型であるがゆえに、吸収と放出

その両方を扱うことが出来る汎用がたである

 

不動型のおかげで力をぶらすことなく振るえ

更にその力を相手から常に吸収し放出することで威力も変えられる

 

「やあああ!!!」

 

そのすべてをもって、敵の大群に

己の全てをかける勢いで向かって行く宇津美

 

怪物を次々に撃破していくのだった

 

「お前たちに後れを取るほど…

 

 私はまだ、衰えちゃいない!」

 

そう言って戦斧を回転させていき

自分の周りに嵐を起こしていくことで

辺りにいる怪物たちの殆どを一網打尽にしていくのだった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

こうして、残る二人

若葉と千景はようやく

 

敵の大元である、格の前までたどり着いた

 

「ようやくここまで来たぞ…

 

 絶対に打ち取って見せる!」

 

「っ!

 

 待って!!」

 

向かおうとする若葉を

千景は異変に気が付いて制止させる

 

すると、目のまえで炎の中に

くべられている剣の周りから

 

八体の怪物たちが一気に貌を見せる

 

しかし、それは今までの敵のように

怪物自身が自立して動き出しているというより

 

まるで穴の中から八つの頭を持つ

怪物が顔を見せて二人をにらみつけているようにも見える

 

「なるほど…

 

 あれがこの穢れの

 本来の姿、と言ったところか…

 

 郡‥行けるか…?」

 

「私のことよりも自分のことを心配しなさい…

 

 それとも、敵の数が圧倒的なところを

 気にしているというのなら問題はないわよ…

 

 だって私の数は一から七までだから!」

 

そう言って武器である大鎌をふるい

其れで空を切ると同時に、千景が七人になる

 

「…これで、数は互角よ!

 

 速くいきなさい、私たちに

 託したみんなのためにもね…」

 

「郡…」

 

千景はそこまで言うと

七人全員がそれぞれの怪物の首に向かって行く

 

千景の属性は宇津美と同じ風、素早さに特化している

性質も同じく不動で性別も男性、星座と属性が違うだけである

 

「分かった!

 

 すまない、いや

 あるがとう、郡!!」

 

若葉も千景のフォローに感謝しつつ

のこっている怪物の方へと急いで向かって行く

 

「行くぞ…

 

 あの時、助けることが出来なかった者達よ

 その無念、私にも理解はできる、だからこそ…

 

 その無念を力に変えて、私に貸してくれ!」

 

そう言って武器である刀を構えると

その刀に真っ黒で邪気たオーラがまとわれて行き

 

若葉はその力を纏い、敵の大元へと向かって行く

 

「はああ!!!」

 

だが、そうはさせぬと若葉に向かって

八つのうち、千景が対処しきれなかった一つが

 

若葉を葬り去らんと、彼女に齧りつかんとしていく

 

だが

 

「はああ!!!」

 

若葉はそれを素早い動きでかわし

さらには怪物の首にまで移動していき

 

その首を居合による一太刀で切り落として見せる

 

他の首は千景とその分身によって阻まれて向かえない

 

若葉はこれを好機と受け取り

核の方へと向かって行き、対峙する

 

「‥穢れよ…

 

 意思もなく信念もなく

 ただうごめくだけのお前には理解できないだろう…

 

 お前たちによって奪われた私たちの日常

 さらにはお前は、あのときにできた私の大切なものを

 容赦なく奪って行った、その報いをここで受けさせてやる!」

 

そう言って武器である刀を地面に突き刺す

すると、若葉のその体を真っ黒いオーラが包み込まんとしていく

 

「‥すまない…

 

 本来ならばお前たちの命を

 このようなことに使うなど…

 

 決して赦されることではないだろう…

 

 私の無力を許してくれ、そして約束する…

 

 私が必ず、その無念を晴らして見せると!」

 

そう言うと若葉の背中に真っ黒なオーラ

其れで生成された翼が広げられ、若葉は大きく飛び上がっていく

 

若葉の属性も千景と宇津美と同様に速さに特化した風

性質は変幻自在な柔軟型、性別は男性型で放出と吸収を一度にできる汎用型

 

若葉は素早い動きに自分の属性である冥の力を

自身の強化に使って、さらに先ほど切った怪物の力を吸収していき

 

「はああ…」

 

その力を自身の武器である刀に纏わせていく

 

「今ここに、報いを受けさせてやる!

 

 これが私の、私にすべてを託してくれた者達の力だ!!」

 

若葉はそう言って核を勢いよく核へと振るっていく

核はその一撃を受けながらもその頑丈さで耐え抜いている

 

「うおお!!!

 

 もっとだ‥もっとだ…

 

 もっと力を込めて、もっと鋭い一撃に!」

 

若葉は自分に言い聞かせるように口にしていく

 

すると

 

「はあああ!!!」

 

若葉のあらゆる方向から跳び出してきた人物たち

それは、若葉の冥属性の力の前に呼び出された怨念

 

言うならば、若葉の決意に導かれた思いの結晶である

 

「うおお!!!」

 

若葉はそれを見て、自分とともに戦ってくれたもの達

 

恵、容子、歌野、宇津美に千景

 

そして自分達にすべてを託してくれた冬三

その思いも感じながら、目のまえの敵を見やっていく

 

「穢れよ…

 

 私たちの思いを受けるがいい!!!」

 

双言って刀を中心にある剣のようなもの

この穢れの核を勢いよく切り付けていく

 

最初のうちはなかなかきれなかったそれが

段々と、食いこんでいくのを感じている

 

「まだだ!

 

 まだこんなものではない…

 

 私は必ず、すべての戦いに

 決着をつけて見せるんだ!!」

 

そう言う若葉の脳裏に浮かぶのは

穢れに襲われて亡くなってしまったクラスメイト

 

最初のころは少し周りから距離を取られて

親しい友人はいなかった若葉であるのだが

 

幼なじみであるひなたの仲介もあって

その日、初めてクラスメイトと親しい会話をしたものだった

 

しかし、その日にすべては奪われてしまった

 

そう、奪われてしまったのだ

穢れに、人々の悪意から生まれた怪物に

 

「うあああああ!!!!!」

 

若葉はその思いとともに刀を振るい

見事、穢れの核を切り裂いて見せたのだった

 

すると

 

核の周りにいた怪物たちのうち

若葉が斬った怪物以外の怪物の様子がおかしくなる

 

千景も奮闘の末に、七つの怪物のうち

三体の怪物を倒しきることに成功するが

 

残る四つの怪物の前に思わぬ苦戦を強いられ

分身の数も徐々に減っていたところだったのだ

 

そろそろまずいかもと千景が感じていたそこで

怪物たちの様子がおかしくなっていき、やがて

 

 

その場に伏せるようにして地面に落ち込んでいくのであった

 

「っ!?

 

 これって…」

 

その様子を見て、いったい何事なのかと考えるが

すぐにその答えにはいきついた、そしてそれは彼女だけではない

 

「あ!」

 

「消えた…」

 

「ワオ!」

 

「これって、ひょっとして…」

 

怪物を引き付けるために其の場に残って

足止めをかって出てくれた勇者達もまた

 

怪物が沈黙していくのを見て、何が起こったのかを察した

 

「ふう‥‥

 

 どうやら、何とかなったようですな‥‥」

 

冬三の方も辺りの様子を見て、原因を察す

 

こうして、秋組と冬組の合同作戦は無事に成功するのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

「ふう、穢れの侵攻は無事に抑えられたようで何よりです‥‥

 

 皆さん、お疲れさまでした」

 

冬三がそう言って作戦より戻ってきた一同をねぎらう

 

「これで‥穢れの今日から人々は解放されたのでしょうか…」

 

「残念ですが、穢れそのものは人々の心の中に

 無尽蔵に発生していきます、その発生の原因も

 悔しいですが、私たちの方も把握しきれていないのです‥‥

 

 ですがそれでも、皆さんの活躍のおかげで

 かの世界に住まう者達は確かに救われたのです‥‥

 

 それを、お忘れなきよう」

 

「「「「「「はい!」」」」」」

 

こうして、解散となり

冬三は先に部屋を出ていき

 

その際に今回のリーダーであった若葉に

後で報告に来るようにとしっかりと声をかけた

 

「ふう…」

 

「お疲れ様、若葉」

 

目元を指で押さえながら

一息つく若葉に、容子は優しく声をかけてやる

 

「いや、まだ休むわけにはいかない…

 

 しっかりと報告をまとめておかないとならないからな…」

 

「そんなの今すぐじゃなくてもいいじゃない

 

 あんまり煮詰めたら体に毒だよ?」

 

「いいや、出来るうちにやっておきたい…

 

 それに、私は今回の戦いにおいて

 改めてリーダーとしての責任の重さを理解した…

 

 今後より一層に引き締めないとならない

 それに、頑張ったのは私だけじゃないさ…」

 

そう言って、その場に残っている

秋組の勇者たちの方も見回す様にいう

 

「秋組のみんな!」

 

若葉はゆっくりと立ち上がりながら

秋組の勇者達に向かって声をかけていく

 

「今回の作戦…

 

 皆の力があったおかげで

 こうして、無事に誰も傷つくことなく

 何より誰も欠けることなく戻ってこれた

 

 改めてお礼を言わせてほしい‥ありがとう」

 

若葉が笑顔を浮かべて言う

少しぎこちないがそれでも精一杯の気持ちだ

 

すると

 

「こちらこそありがとうございます

 

 私も、若葉さんみたいに強くなって

 多くの世界やそこに住まう人たちのことも守れるように頑張ります」

 

「いつでもウェルカムよ若葉

 

 困ったことがあったらいつでも頼って頂戴」

 

恵と、元々親しい仲であった歌野の二人は嬉しそうに告げる

 

「あなたの覚悟はしっかりと感じたわ

 リーダーとしてはちょっと未熟な部分もあるけれどね…

 

 だからもしもまた、一緒に戦う事があったら

 その時は改めてよろしくお願いするわね、乃木さん」

 

宇津美はそう言って、若葉に握手を求める

若葉はそれを見て握り返し、固い約束を交わす

 

「…それじゃあ、私はこれで…

 

 さすがに今日はいろいろあって疲れちゃったから…」

 

千景はそう言って、一人さっさと後にせんとする

 

「ちょっと、郡!

 

 何か言ったらどうなのよ」

 

「…あくまで当然のことをしただけよ…

 

 私もあなたも、それに乃木さんもね…」

 

宇津美の言葉に対してもはっきりとしたように言う

 

すると

 

「…言葉にするだけだったら誰にでもできるわ

 

 その言葉がもしも本心からくるものじゃなく

 しっかりと行動で示して見せなさい、乃木さん…」

 

若葉にそう言って部屋を後にしていく千景

 

「結局、郡さんは

 最後まで心を開いてはくれなかったわね…」

 

「‥ううん、そんなことは無いさ…

 

 郡も郡なりに私のことを認めてくれたんだ…

 

 そうでないと、あんなことは言わないさ…

 

 ようし‥そうと決まったら私も私にできる限りで

 己を磨かないとならないな、絶対に穢れに己が犯した行い…

 

 その報いを受けさせてやるさ…」

 

そう言って自分の武器を取り出して、決意を新たにする若葉であった

 

「フフフフ、やっぱりそういうところが若葉らしいよね」

 

「ほんと、若葉って本当にメンタルがストロングなんだから」

 

それを聞いて、若葉のことを知る容子と歌野は笑みを浮かべていくのだった

 

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一方、一人さっさと出ていった千景

 

そんな彼女のもとに

 

「待ちなさいよ、郡!」

 

宇津美が走って追いかけていった

 

「…何?」

 

「なにじゃないわよ!

 

 いくら何でもあんなそっけない態度

 私達のために頑張ってくれた乃木さんに失礼じゃない!!」

 

宇津美はそう言って千景に詰め寄っていく

 

「…さっきも言ったじゃない…

 

 勇者は穢れを倒して、その脅威から世界を守る

 それは当然のことだって、そのことに対してなにも言う必要はないわ」

 

「でも、だからこそ私たちは力を合わせていかないといけないのよ!

 

 貴方の様に、誰ともかかわろうと

 しない上に、そんな突き放す様なこと言って…

 

 それがもしも今後のことに関わったらどうするつもりなのよ!」

 

宇津美は言い聞かせるように怒鳴りつける

 

「…私が誰と付き合おうと貴方に関係ない

 貴方には貴方、私には私のやり方がある…

 

 別にあなたにそれを押し付けるつもりはない

 だからあなたもそんなに頭ごなしに自分の考えを押し付けないで…

 

 はっきり言って迷惑なのよ…」

 

そう言ってふたたび歩み始めていく

 

「やっぱりあんたは…あの時と何にも変わってない…」

 

宇津美は顔を俯けてつぶやく

 

「アンタのその身勝手さのせいで…

 

 私達があの時、命の危機に

 陥ったのがどうしてわからないのよ!」

 

叫ぶようにして

歩き去っていく千景に罵声を浴びせる宇津美

 

その目からは涙を浮かべており

其の場に蹲るように、嗚咽を漏らす

 

そんな彼女にハンカチを伸ばしてやるものがいた

 

その人物は

 

「今日、任務から戻ってきたんだね…

 

 お疲れ様…」

 

「秋四さん…」

 

秋の大四辺形の英雄

 

秋組の組長

 

西虎 秋四

 

 

彼女であった

 

「秋四さん…どうして…

 

 どうして、あいつは…」

 

やがて泣き出していく宇津美に

優しくそっと抱きしめてやる秋四

 

「ちーちゃんを嫌いにならないで上げて…

 

 あの子はただ…誰よりも勇者であることに

 一生懸命なだけなの、それだけは分かってあげて

 

 それに、うっちーの言ってることも間違ってない…

 

 うっち-がうっちーなりに周りのことを

 気にかけてくれていること、私もわかってるから…」

 

「うあああ!!!」

 

秋四がそこまで言うと、宇津美は泣き出し

そんな宇津美を秋四は優しく包み込んでやっていた

 

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「……」

 

千景は一人、夜の街を歩いていた

よく見るとその周りには多くの人がにぎわっている

 

「おお、勇者様!」

 

「勇者様だ!」

 

その人々は千景の姿を見ると一目散に駆け寄っていく

 

千景はそんな姿を見て、自身の心が満たされているのを感じていたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物語は少しずつ動き始めていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         




それぞれが戦う意味…‥‥‥
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