♈ ♉ ♊ ♋ ♌ ♍ ♎ ♏ ⛎ ♐ ♑ ♒ ♓     星座宮夜宵之闇物語之神話書記 ANAVIOSI SYN+       ♓ ♒ ♑ ♐ ⛎ ♏ ♎ ♍ ♌ ♋ ♊ ♉ ♈   作:lOOSPH

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異世界に広まる、悪魔のうわさ・・・・・・・・・


猟犬座 第β話 悪魔の猟犬

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある世界の夜の道

 

そこにおいて一人の人物が急ぐように走っていた

 

その様子は急いで帰らないといけないという

認識はあっているが、門限に遅れそうであるとか

良心がそう言うのに厳しいといったそれとはまた違う

 

そう、それは

 

「‥‥はあ、はあ、はあ、はあ!

 

 た、助けてくれ助けてくれ!!」

 

なにかに追われているという恐怖であった

 

何かに追われているというのは誰もが感じる恐怖である

夜一人で歩いていると、人通りが少ないと、人は余計に恐怖を感じていく

 

特に今ここで追われている人物は、何かに追われているという予感が

当たっているのだからこそ、余計に恐ろしいのだと感じているのだ

 

さらに、彼を追っている存在の正体は

 

はっ、はっ、はっ、はっ‥‥

 

なにやら犬が息を吐いているような声が響いていた

それがだんだんと近くなっているのを感じていたので

 

息が荒く、さら時体力の消耗も大きく消耗していくのを感じていた

 

だが

 

「うあ!」

 

男性はやがて、体力の限界によって

其の場で足をもつれさせて転んでしまい

俯くようにその場で動けなくなってしまう

 

無理もない、ただでさえ体力の消耗や

身体の負担も考えずに走りこんでいたのだから

 

男性はどうにか立ち上がろうとするが

もう体はほとんど動かすことが出来ない

 

できるのはせいぜい、ゆっくりと

這いずっていくだけの体力しかない

 

それでも、どうにかして逃げていこうとする男性

 

しかし

 

ハッハッハッハッ‥‥

 

悪魔の声は少しずつ男性の鼓膜を揺らしていき

それによってさらに男性の恐怖心が大きく膨れ上がっていき

冷静な判断力と心の中にあった余裕や平常心を奪って行く

 

男性は助けて、とただただ祈るようにつぶやいていた

 

だが、そんな男性の願いを聞き入れてくれるものは、いない

 

いるのは

 

グルルルル‥‥

 

男性の命を奪う事しか考えぬ、悪魔のみであった

 

男性は自分にかかっていくそれが何なのかが

理解できなかった、いや、抜け落ちてしまったのだろう

 

それゆえに男性は後ろを振る向き

見た、見てしまったのだ、自分の命を奪わんとするその

 

グアアアア!!!!

 

「あ‥‥ああああ‥‥」

 

悪魔の姿を、それがこの男性が

その若い命を散らしていく最期の瞬間にみた

 

最後の景色であった

 

この世界においては悪魔のうわさがある

その悪魔に目を付けられたものは必ず残酷に殺されるという噂が

 

そこにはあった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

その世界にある悪魔のうわさは

英雄達の耳にも届き、勇者達が集められる

 

そこにいたのは、五人の少女であった

 

「‥‥そういうわけで‥‥

 

 お前たちにはこれから向かう異世界において

 ささやかれている、悪魔の伝説について調べてきてもらいたい」

 

その少女達に話を進めていくのは

 

春の大曲線の槍使い

 

春組 組長

 

東龍 春三

 

 

英雄達を束ねる世人の組長の一人で

英雄達の実質上の指揮官を務めている男性だ

 

「それで、タマたちが呼ばれたってわけなのか?」

 

「悪魔の伝説ですか…

 

 でも、異世界と言うのは魔法とか超能力とか

 私達の元の世界においては空想だってされていた

 それだって存在するものですから、別に悪魔ぐらいがいても…」

 

そう言って質問をしていくのは一人の物静かな雰囲気の少女

伊予島 杏はそう言って、自分たちの管轄なのかと確認を取る

 

「もちろんその件に関してもしっかりと調べている

 

 調べたところによるとその異世界はお前たちが暮らしている

 この世界と何も変わらない世界だ、魔法も超能力もそう言う類の存在もいない‥‥」

 

「なるほど…

 

 それで私達が呼ばれたと…

 

 その認識で間違ってはいない?」

 

そう言って褐色肌の白銀の髪の少女が確認する

 

「その通りだ‥‥

 

 それでは、今回はお前たちに

 その異世界に向かっていきその場所について

 調査をしてきてもらいたい、別の世界から異形の者が

 流れ着いていってしまったのならば即座に確保して元の世界に離す‥‥

 

 穢れだったのならば、すぐに対処しろ」

 

「「「「「はい!!!!!」」」」」

 

この場に居る五人の少女達

 

烏座の勇者、土居 球子

 

三等級勇者

 

 

髪の毛座の勇者、伊予島 杏

 

四等級勇者

 

 

カメレオン座の勇者、古波蔵 棗

 

四等級勇者

 

 

帆座の勇者 尾崎 帆波

 

二等級勇者

 

 

そして

 

「春三さん、わたしたちの指揮を担当する

 一等級勇者がいないように見えるのですが…」

 

帆波がたまらずに聞いていく、すると

 

「ここにいますよ、帆波さん」

 

「わきゃあああああ!?」

 

突然目の前に現れたのは

修道女のような勇者服に身を包んだ一人の少女

 

南十字座の勇者 十文字 美南

 

一等級勇者

 

「美南さん!」

 

「お久しぶりです杏さん

 

 球子さんもお久し振り」

 

「むう、何だかタマはついでの様に扱われているぞ!

 

 タマだって前の時には本当に活躍したんだからな!!」

 

杏との扱いの差に憤慨の様子を見せていく球子

 

「遅かったな美南‥‥

 

 ところで、もう一人呼んでいた

 勇者の姿が見えないように思えるが?」

 

「ごめんなさい、準備に時間をかけてしまい

 連れ出していくのに手間どってしまって…‥あ、やっと来ましたね…」

 

勢い良く乱暴に扉が挙げられていくと

そこにやってきたのは、一人の少女であった

 

その見た目はまだ幼い雰囲気があるが

その目はどこか得物を狩ろうとしている動物を思わせる

 

猟犬座の勇者 犬山 令

 

三等級勇者

 

「相変わらず手間をかけさせてくれるな令‥‥」

 

「‥‥そんなこと言わないでよ

 こっちは昨日ばたばたしていたんだ‥

 

 多少の遅刻は勘弁してよ‥」

 

そう言って、申し訳なそうにしながらも

急いでいるせいかめんどくさそうにそう告げる

 

「おお、令じゃないか!

 

 春三にこってり絞られたとき以来だな」

 

「球子か‥

 

 久しぶりだけれども

 今日はちょっと構わないでくれる?

 

 悪いんだけどあんたに構っている気分じゃないのよ」

 

そう言って令は、球子に適当に会釈しながらそう返す

 

「さて、これで全員そろったな‥‥

 

 七誠の方も既に現地に到着している

 まずはそこに合流していくぞ、球子‥‥

 

 一応言っておくが、勝手に突っ走ったりするなよ?」

 

「う、うぐ…

 

 だ、大丈夫だ

 タマだって反省は覚えるんだ

 

 できる限りはしないように心がけるぞ」

 

春三にそう言われてバツの悪そうにする球子

 

「‥‥まあいい、それじゃあ

 そろそろ行こうか、全員そろったのなら

 

 俺様たちも個々でゆっくり説明を続けていく必要もあるまい‥‥

 

 向こうの世界に行ってから、向かう事にしよう‥‥

 

 それと、同行する英雄だが‥‥」

 

「え、七誠さんではないのですか?」

 

杏が春三の言葉を思わず遮って聞いていく

 

すると

 

「‥‥今回は二人で行く‥‥

 

 本来は七誠一人で行くつもりだったが‥‥

 

 ここは、俺様が行こう」

 

そう言って自分の机からゆっくりと立ち上がっていく春三

 

その言葉に、その場に集まっていた勇者達は全員が驚きの様子を見せていく

 

「春三さんが‥‥行くのですか!?」

 

「優生も他の英雄達も出払っている‥‥

 

 それだったら、俺様が行くしかないだろう

 

 心配には及ばない、俺様はこれでも、腕は立つ方なんでな‥‥」

 

そう言ってゆっくりと先に部屋を出ていく春三

その際について来いと声をかけると、勇者達はその後ろを歩いていく

 

「タマげたな、まさか春三が直々に行くなんて」

 

「英雄の方も人手不足なんだよ

 一等級勇者の方も、指揮を任せるにはまだ未熟だしな

 

 まあ、近いうちにそいつらも直接の指揮を任せるつもりらしいしな」

 

球子が驚きの様子を覚えながらそう言うと

令がそれに答えるようにして、言葉を告げるのだった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

そのころ

 

町を歩いている二人の男女が話をしていた

 

「七誠さん…

 

 ここってどういったところですか?」

 

そう言って聞いてくる少女

 

「まあ、基本的には明ちゃんのいた日本と

 そんなに大して変わらないよ、ああでも

 パラレルワールドとも少し違うんだよ‥‥

 

 まあ、君やみんなのいる日本とは

 まったくの別物だって覚えていればいいよ」

 

そう言って、その世界に溶け込むために

普通の服装であたりの方を見回っていく七誠

 

「まあそのくらいならわかりますよ…

 

 ところで、他の勇者達が向かってくるのはいつでしょうか?」

 

「多分、今日ぐらいだと思うよ?

 

 待ち合わせ場所の方も聞いてるし

 特に慌てる必要もないしね、さて‥‥」

 

七誠はふと、建物にうつっている巨大なテレビを見る

そこに映っていたのは将棋のタイトル戦に関してのニュースだ

 

「そう言えばこの世界はいっつも

 将棋関連のニュースやってるよね‥‥

 

 流行ってるのかな?」

 

「まあ、私も気になりはしていますけど‥‥

 

 穢れに関してとは特に関係がないと思いますよ

 それよりも早く、合流していきましょうよ七誠さん」

 

明にせかされて、急ぎ待ち合わせ場所に向かって行く七誠

 

「(九頭竜 八一、か‥‥

 

  まあ、明の言う通り

  穢れには関係がないだろう)」

 

七誠はそう言ってテレビから目を離していく

 

彼がこの世界に先に来ているのは

情報を的確に収集するためである

 

どの世界において穢れが発生したのかは

英雄や勇者達とは別の役目を担っている者達の役目

 

しかし、どこにどんな穢れが現れているのかは

残念ながらわからないために、こうして率先して英雄たちが

直属の勇者とともに先鋒として最初に赴き、情報を収集する

 

今回出撃したのは、七誠であり

同行しているのは彼の直属の勇者

 

大熊座の勇者、二等級勇者

 

隈井 明

 

 

彼女であった

 

そしていよいよ、二人は情報収取を終えて

先程到着したという今回のチームと合流することになる

 

「そう言えば今回のチームって

 いったい誰誰が来るのかしら…

 

 そのあたりのことは詳しく聞いてないけれど…」

 

「うーん、そうだね‥‥

 

 一等級勇者に選ばれるのは

 美南ちゃんだと思うよ、他の子は

 ついこの間出撃し打たから、しばらく休暇をもらってるはずだし」

 

七誠はそう言って、残るの勇者たちの来る候補をあげていく

 

「うげ、球子の奴も来るかもしれないの?

 

 前の事もあるし、無茶苦茶不安なんだけれども…」

 

「そんなこと言わないの

 

 さて、そろそろ着くよ‥‥」

 

そう言って合流地点の方に到着する二人

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

「うげ…

 

 まさか本当にいたなんてね…」

 

到着して無事に、一堂と合流した二人

明は球子の姿を確認して早々、ため息をついて頭を抱えた

 

「おい、明!

 

 いくら何でも人の顔を見て

 一番にそんな溜息をつくなんて

 

 いくら何でも失礼じゃないか!?」

 

「あんたね…

 

 過去の自分がやったこと思い浮かべてみなさいよ

 

 ぶっちゃけ、不安しかないわよ…」

 

「ま、まあまあ二人共

 

 今回から一緒の任務につくんですし

 お互いに協力し合って行きましょうよ」

 

にらみ合って行く球子と明に

そんな二人をなだめていく杏

 

「そうですよ、お二人とも

 戦いの方だってまだ始まってもいないんです

 

 それなのにいきなり嫌悪な雰囲気を作っては

 それこそ、周りの士気にも関わりますよ」

 

「うぐ…」

 

「ぬう…」

 

美南の言葉に球子と明は渋々と従って行く

 

「美南ちゃんはチームワークを

 大事にするのがうまいね、本当にすごいよ」

 

「ありがとうございます、七誠さん

 

 私もこれでもひび、精進しております故」

 

そう言って頭を下げる美南

 

「さあて‥‥

 

 それで来たのは‥‥

 

 球子ちゃんに杏ちゃん

 棗ちゃんに帆波ちゃん‥‥

 

 それから、令ちゃんも来てくれたんだね」

 

「ま、まあ‥‥任務だからね…」

 

七誠に話しかけられて、少し照れ臭そうに顔を背ける

 

「それにしても…まさか、春三まで来るなんてね‥‥」

 

「うん‥‥

 

 俺様個人としてもこの異世界に

 少し気になるところがあったのでな‥‥

 

 それで、成果の方は?」

 

春三がそう言って、調査結果を求めていく

 

「うん、どうやら当たりの様だ‥‥

 

 かなり活動する頻度が少ないから

 情報を得るのにかなり手間どってしまったけれども

 

 どうやら、今回の穢れは夜に一人で

 出歩いている人間を優先的に襲っているらしい

 

 逃げ切った人の方からも話を聞きたかったんだけれども

 残念だけれど、精神的に追い詰められるほどの状態になってて

 

 とても、話せるような状態じゃなかった‥‥

 

 ただ、その人達は全員が同じことを口走っていたらしい

 鎖に繋がれた真っ黒な悪魔が牙を見せて向かって来ている、と‥‥

 

 なんでも担当のお医者さんの話によると

 犬を見ると異常なまでに怯える様子を見せるらしい

 

 それらのことを踏まえると今回の穢れは、犬の姿をした

 

 召喚系の穢れ、と言う事になる」

 

「召喚系…

 

 確か、生き物のように

 動いているタイプの穢れだな…

 

 それはいろいろと、戦うのが大変そうだな…」

 

「それでもやるしかないよ…

 

 出ないとこれからもっと

 犠牲者が増えていくかもしれないしね」

 

棗の呟きに、帆波がそう告げていく

 

「そうだな‥‥

 

 しかし、話によるとどうやら

 穢れは夜に主に活動を始めるようだな‥‥

 

 できればその前に見つけられればいいが‥‥

 

 何か手掛かりになりそうなものはありそうか?」

 

「そうだね‥‥

 

 手掛かりに繋がるのかは

 わからないけれども、この地図を見てほしい‥‥

 

そう言って、見せてきたのは

いくつか印が付けられている地図であった

 

一同はその地図に目を通していくと

 

「なんだこれ?」

 

「これまで分かっている分の

 穢れを目撃したというポイントだ‥‥

 

 ここの警察の人にも協力して貰って

 そのうえで記録したから間違いはないよ」

 

「うーん…

 

 見たところ、規則性は無いように見えるが…」

 

七誠に見せてもらった地図を見ても

ちんぷんかんぷんな様子をな見せていく一同

 

すると

 

「‥‥七誠さん!

 

 この中で実際に犠牲者

 あるいは先ほど言っていた

 精神異常をもたらしてしまったという人の部分はどれですか?」

 

「うん、ちょっと待って‥‥

 

 えーっと‥‥」

 

地図につけられた印のうち

いくつかの部分に、さらに円を描いていく

 

「…これで全部だ」

 

「やっぱり…」

 

それを見た、杏は何かに

気が付いたように真剣な表情で地図を見ていく

 

「何かわかったのですか?」

 

「七誠さん、もしかしてですけれども

 穢れに襲われて生き残った人たちは…

 

 このあたりで保護されたのでは?」

 

「っ!?

 

 その通りだ」

 

そう言って杏が示しているのは

地図のポイントがしめしている部分のうち

円形で囲ったポイントを丸く繋げた部分の外側であった

 

「どういうことだよ、杏?」

 

「いい、今まで襲われた人たちは

 この街のある地区を中心に大体、五百メートル付近に集中してる

 

 でも、生き残った人たちはここまで逃げ切ったことで助かった…

 

 それがどういうことかわかる?」

 

「どういうことだ…?」

 

球子の質問に杏は説明を交えて質問するが

球子はもちろん、棗の方も首を傾げてしまう

 

すると

 

「…‥なるほど!

 

 襲いたくとも襲えなかった

 つまり、穢れが活動できるのは

 この、円形より内側、五百メートル付近!!

 

 つまり穢れは、この場所を中心に活動している…

 

 そういう事ですね!!!」

 

「なるほど!

 

 そうなってくると、場所は絞れて来るかな?」

 

「はい、この救助者が現れたポイントは

 このように円の様に緩やかな場所となっています

 

 だとすると、この救助者の発見されたところを結んで…

 

 ここ!」

 

杏はある場所に指をさした

そこには、一軒の家がある

 

「なるほど、この家を中止に活動しているってわけか!」

 

「さっそくここに行ってみましょう‥‥

 

 そこに夜まで待って

 もしも穢れが現れれば

 全員で一気に討伐しましょう!」

 

「「「「うん!」」」」

 

美南の言葉に、他の勇者達も頷く

 

「すごいね、杏ちゃん‥‥

 

 あの情報だけであそこまで分析するなんて」

 

「い、いえ…

 

 私はあくまで、予測を立てただけで…」

 

七誠に評価されて、少し恥ずかしそうに頬を染める杏子

 

「ううん、杏ちゃんはもっと自分の能力に

 自信を持ってもいいんだよ、杏ちゃんには

 杏ちゃんにしかできない事がある、そしてそれは絶対に

 

 杏ちゃんがこれから先、勇者として戦っていくうえで

 絶対に必要になってくるものなんだ、だからその力をもっと生かしてみて」

 

「七誠さん…

 

 わかりました、七誠さんのお役に立てるように頑張ります!」

 

そう言ってぐっと拳を作り、がんばりますと言いきる

 

「おいおい、杏ぅ…

 

 タマのことも忘れないでくれよ~」

 

「あ‥‥う、うん…も、もちろん‥‥…

 

 タマっち先輩やほかの皆さんのためにも、ね」

 

「フフフフフ…

 

 さて、杏さんの予想地点に

 早速行ってみましょう、穢れはもしかしたら

 

 この家を巣の様にしているのかもしれませんしね」

 

そう言って、一同は杏が予想した

穢れの出現ポイントに早速向かって行く

 

「‥‥どうやら、伊予島は

 分析や、情報整理等に優れているようだな‥‥

 

 それにしても…力を生かせ、か‥‥

 

 それはお前の姉の言葉だな」

 

「同時に僕の決意でもある‥‥

 

 まあ、本心であることは本当だし

 何より戦いの上でもそれは大事なことだしね‥‥

 

 さあて、それじゃあ僕たちの方も行ってみますか?」

 

「そうだな‥‥」

 

七誠と春三はそんな会話をつぶやきながら

杏が予想したポイントに後を追う様に向かって行った

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

「はあ‥‥はあ…

 

 どうしてだ、どうして俺は…」

 

ある場所の部屋で

一人の青年が頭を抱えている

 

「くそ‥‥俺は…

 

 俺はああああ!!!」

 

そう言って叫ぶように言い放つ

 

すると、青年の背中から鎖が伸びていき

その鎖が囲んだ場所から巨大な何かが唸り声をあげていた

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

二人の英雄と六人の勇者達は

さっそく、例のポイントの方に向かう

 

すると

 

アオオオオ!!!!

 

そんな巨大な雄叫びが辺りに響き渡る

 

「どうやらお出ましの様だな…

 

 ようし、ここはタマが先行するぞ!」

 

「待って下さいタマさん!

 

 いきなり突っ込んでいったらそれこそ…」

 

球子はさっそく武器である旋刃盤をふるって行く

 

すると、そこに現れたのは

全長五百メートル足らずの巨大な犬のような怪物

 

背中からは悪魔のようにも見えるような翼が生え

首についている首輪からジャラジャラと音を立てて鎖がつながっている

 

その頭部には悪魔の角のようにもみえる耳がピクッっと動くと

自身に向かって行った球子の方に目もくれずに、別の場所に向かって行く

 

「お、おい!?

 

 こらあ、何処行くんだよ!?」

 

「ひょっとして…

 

 走って言った方向にだれかいるんじゃ!」

 

「私が行く‥‥この中では早い!」

 

そう言って棗は武器である双節棍を手に

巨大な怪物の進行方向に向かって行き、立ちふさがる

 

「はああああ!!!」

 

武器を振るい、怪物の進行を妨げることには成功した棗

 

「ここは‥‥通さない…!」

 

そう言って武器である双節棍を構えて

目のまえでよろよろと立ち上がっていく怪物を見やる

 

ガアアアア!!!!

 

自分の狩りの邪魔をされ怒ったのか

目のまえで武器を手に構えていく棗に威嚇する

 

「‥‥犬か…」

 

棗はそれ以上特に何も言うことなく

武器である双節棍の片方を手に持ち

 

もう片方をぶんぶんと振り回していく

 

暫くにらみ合って行くと

 

ガアアアア!!!!

 

怪物の方が、棗を食いつくさんと突っ込んでいく

 

「フン!」

 

棗はそれにむかって、武器である双節棍を振るい

カウンターを決めた、すると棗の足もとから鎖が

まるで生きているかのように伸びていき、棗に迫っていく

 

「ちい!」

 

それに気づいた棗は鎖をどうにか弾くが

そこに、棗に向かってかぶりつかんと迫ってきた

 

「しまっ…!?」

 

「任せて!」

 

棗はやや追いつめられるが

巨大な犬の後ろから声が聞こえると

 

その犬の前足を布の様なものが

伸びて、それが怪物の動きを制止させる

 

「とった!」

 

そう言う帆波には、背中にマントを思わせる布が伸びており

それが、敵の両前足を拘束して動きを鈍らせていた、だが

 

グルルルル‥‥!!!!

 

怪物の方は、負けじとその前足を

力いっぱい引いていく、すると帆波は

段々と押され気味になっていき、逆に引き寄せられていく

 

「ぐううう…」

 

帆波の方も堪えるが

大きさや力の差の方もあり

 

勇者の力によって力が強くなっているとはいえ

それでも敵の力の方に引き寄せられて行っている

 

しかし、それでも敵の動きを

鈍らせていくのには十分であったようで

 

「はああああ!!!」

 

棗が勢いよく、武器である双節棍をふるって

巨大な犬に一撃を加えることが出来た、しかし

 

「っ…!

 

 固い…」

 

敵の外側は想像よりも固く

棗は双節婚を持っていた方の手がしびれてしまい

 

思わず表情を歪めてしまうのであった

 

だが、その際に猟犬は前足を勢いよく突き出し

 

「え、ちょっ!?

 

 うわあああ!?」

 

帆波を棗の方に吹っ飛ばしていく

棗は腕のしびれのこともあって反応が遅れてしまい

 

「ぐう…っ!?」

 

「ああ!」

 

二人は激突、その二人に向かって

巨大な犬は食らいつかんと大口を開けて迫っていく

 

だが

 

「おりゃああ!!!」

 

それを球子が投げた旋刃盤が飛び出して

それが犬の口の中を切り裂いていき、その

犬の口から黒いオーラが勢いよく噴き出していく

 

「二人とも、大丈夫ですか!?」

 

「なんとか‥‥すまない…

 

 手を煩わせる結果になってしまって…」

 

「いいえ、お二人が率先して

 攻撃したおかげで、私たちの方も無事に到着しました」

 

そう言って、この場に勇者達が集まっていく

 

「さあて…

 

 ここからどうしてやろうか…」

 

「‥‥うん?」

 

ほかの勇者達が対峙していく中

令は怪物を見て、不意に何かを感じた

 

「‥‥なんだこれ‥

 

 何だかわかんないけど

 あの化け物と私の中に

 何かが響き会うのを感じたんだけれども‥」

 

「どういうこと?」

 

令の言葉に理解ができず、首を傾げてしまう明

 

すると

 

「其れはたぶん、あの怪物と

 君の中にある星の力は同じものなんだ‥‥」

 

そう言って七誠と春三も遅れてその場におり立った

 

「どういうこと?」

 

「つまりあの穢れには‥‥

 

 お前の誕生星座である

 猟犬座の力を宿しているってことだ‥‥」

 

春三がそう言って武器である槍を構え

その穂先を、巨大な犬の怪物に向けていく

 

「りょーけんざの?

 

 それってどうなるんだ?」

 

「…まあ、どうにもならないさ‥‥

 

 そもそも、星の力を宿している

 穢れなんてそうも珍しいってわけでもないしね」

 

「だったら、問題ない…

 

 すぐにこの場で倒す!」

 

そう言って、棗が双節棍を

しびれていない左腕でふるって行く

 

「へ、それを聞いて安心した‥

 

 わたしとおんなじ星の力を

 宿しているからって何か変わるって

 訳じゃないってことだよね、だったら!」

 

そう言って武器である鎖が伸びた

鎌を手に取り、槍のような形状の

分銅のついた鎖をふるって、敵を見る

 

「遠慮なくいかせてもらうよ!」

 

そう言って鎖の方を勢いよくふるい

それで、敵の口の中へとふるって行く

 

だが、敵の方もそれに気づいたのか

口を閉じて、牙を使ってその一撃を防ぐ

 

「わあ、意外におりこうさん‥

 

 これは意外に手間どるかもね」

 

「だったら、あの牙を破壊して

 防ぐ手立てを失わせてやるだけ!」

 

明はそう言うと、武器である剣を

手甲から爪のように展開し、そこから

 

「おりゃあああ!!!」

 

六つの斬撃を勢いよく飛ばしていく

攻撃を飛ばしていくのは、男性型星座の特化である

 

しかし

 

グルルルル‥‥

 

そんな連続の斬撃も

猟犬座の力を宿した穢れの牙はびくともしていない

 

それを見て、激しく下を打つ明

 

「(一点特化でもびくともしない…

 

  なんて頑丈なのよあいつの体…)」

 

すると、猟犬座の穢れは

今度はこっちの番だと言わんばかりに

 

自分の首輪から伸びている鎖を

まるで自分の手のように勢いよく突き伸ばしていく

 

「おっと!」

 

その攻撃を球子が自分のぶきである旋刃盤を

盾のように扱って行き、巧みに防ぎきっていく

 

「へへ…

 

 あいにくとタマの武器は

 こうやって攻撃を受けることもできるんだよ

 

 そおおらあああ!!!!!」

 

今度はこっちの番だと言わんばかりに武器を投かんする

 

しかし、敵の頑丈な体の前に

なすすべもなくはじかれて行ってしまう

 

「うげえ…

 

 効かないってのはわかってたけれど

 いざこうやって目の当たりにすると

 さすがのタマもショックだな、しっかし…

 

 どうしたもんかね」

 

「やあああ!!!」

 

帆波は背中のマントを操り

それで、敵の攻撃を防いでいく

 

防ぎきったもののマントは殆どボロボロである

 

「さすがに長くはもたないか…

 

 一体どうしたら…」

 

その様子を見て、打開策を考える杏

 

「っ!

 

 七誠さん、猟犬座は確か

 女性型星座に含まれるんでしたよね?」

 

「そうだ、猟犬座は女性がただけど…っ!?

 

 まさかだと思うけれど、杏ちゃん!?」

 

七誠は杏の狙いに気づく

杏はそれにただ頷いて見せる

 

「タマっち先輩、美南さん!

 

 敵の攻撃を避けることなく

 すべて受け切ってください!!

 

 星の力を展開して!!!」

 

「あんず!?

 

 それってどういう…」

 

杏の言葉に球子は思わず聞き返していく

 

「…‥何か策があるのよね?」

 

「はい、私の考えが正しければ

 きっと、これで奴の守りを突破できます!

 

 二人にはつらいかもしれないけど、そこは私がフォローするから!」

 

そう言って杏は自分のぶきであるボウガンを構えていく

 

「私達は‥‥どうする?」

 

「お二人は、準備が出来たら

 とどめに一発決めてもらいます…

 

 それまでは、皆さんのフォローを…」

 

「了解!

 

 合図が出るまで球子ちゃんや

 美南ちゃん達のフォローをすればいいんだね

 

 任せて!!」

 

そう言って二人は、勢いよく前に出て

不測の事態に備えて、それぞれの持ち場につく

 

グルルルル‥‥

 

それをみても、猟犬座の穢れは

特に何も思うわけでもなく、向かって行き

 

勢いよく二人の方に向かって行く

 

「ぐうう!!!」

 

「はあ!」

 

球子は旋刃盤を盾のようにして

美南の方は、槍を杖の様に掲げて

バリアのような物を張り、それで敵の攻撃を受ける

 

「いったい何をするつもりなの?」

 

「杏はきっとあの子なりに

 考えがあってやってるのよ

 

 だったら、ここは信じてあげましょう」

 

そう言って、理解しきれない令に

明はただ、猟犬座の穢れの様子を見ていく

 

すると、穢れの首から

伸びている鎖が、球子と美南の横から

攻撃を仕掛けんと、その先についている突刃をふるう

 

「はああああ!!!」

 

それに気づいた杏が、その鎖に向かって

金属性の力によって生成した、矢を使って撃ちぬく

 

だが、鎖を緩めただけで攻撃自体は振り切れていない

 

「棗!」

 

「うん…」

 

それに気づいた、帆波と棗は

それぞれ、鎖に向かって攻撃を仕掛けていき

 

攻撃を、打ち払って見せる

 

ガアアアア!!!!

 

猟犬座の穢れの本体の方も

球子と美南に食いつかんとさらに迫っていく

 

「ぐうう…

 

 うおお!!!」

 

「何だろう…

 

 すっごく力がみなぎってくる!」

 

そう言って二人の守りはさらに強固になっていく

 

すると

 

「「はああ!!」」

 

キャイン!

 

二人は逆に穢れを押しやると

穢れは悪魔的な見た目とは裏腹の

可愛らしい声をあげて、後ろに倒れていく

 

「棗さん、帆波さん、明さん、お願いです!

 

 やつに攻撃を仕掛けてください!!」

 

「うん…!」

 

「わかったよ!」

 

そう言ってまずは二人が腹を見せて倒れこんだ穢れに

横っ腹から攻撃を与えていった、すると先程までびくともしなかった

穢れの体に嘘のように攻撃が通っていき、仕掛けた二人も驚きの様子を見せた

 

「脆くなっている…!?」

 

「よくわかんないけれど…

 

 これならいけそうな気がする!」

 

そう言って勝利を確信していく二人

すると、その二人の間に飛び込んでいく一人の影が

 

「ようし!

 

 ここから一気に決めるよ!!

 

 うおおお!!!」

 

明が展開した五対の刀身を

文字通り熊の爪のように振るい

 

それで、穢れの腹を引き裂いて見せた

 

グアアアア!!!!

 

その悲鳴のような雄叫び

もとい断末魔をあげながら、黒いオーラを噴き出していく穢れ

 

やがて

 

アアアア‥‥

 

声が途切れ途切れになっていくと同時に

穢れは爆発するように消滅するのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう‥‥何とか…なった‥‥…」

 

杏子はそう言ってその場に崩れ落ちていくのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         




悪魔退治・・・・・・・・・
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