♈ ♉ ♊ ♋ ♌ ♍ ♎ ♏ ⛎ ♐ ♑ ♒ ♓     星座宮夜宵之闇物語之神話書記 ANAVIOSI SYN+       ♓ ♒ ♑ ♐ ⛎ ♏ ♎ ♍ ♌ ♋ ♊ ♉ ♈   作:lOOSPH

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依り代・・・・・・・・・


猟犬座 第α話 穢れが潜むのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして

 

猟犬座の穢れを無事に倒した一同は今回敵の討伐において

的確な指示を出し、導いてくれた杏の方に集まっていたのだった

 

「いやー、すごいな杏…

 

 杏の指示が無かったら

 もしかしたらタマたちは危なかったかもしれないからな

 

 同郷として、タマは鼻が高いぞ」

 

「そんな、タマっち先輩ったら大げさだよ

 

 でも、みんなの約に立つことが出来てよかった…」

 

球子に褒められてやや照れ臭そうにしながらも

無事に一同を勝利に導くことが出来て、安心した様子を見せる杏

 

「杏さん…」

 

「あ、美南さん」

 

そんな彼女に微笑みながら近づいてきたのは

今回の部隊の隊長を務めている、一等級勇者の美南だ

 

「それにしても…

 

 いったいどうやってあの作戦を思いついたの?」

 

「あの穢れの体が硬かったのは

 女性型星座の特徴である力の吸収に

 よって引き起こされている者じゃないかなって思ったの

 

 普通に攻撃を当てても、穢れに攻撃は効かないなら

 逆に敵の攻撃を受けて、向こうの力を吸収出来ればって思ったの

 

 タマっち先輩と美南さんはともに女性型星座で

 二人の武器は防御にも使えるから、それでお願いしたの

 

 それで、敵の力が弱くなっていくのを見計らって、一気に!」

 

杏子が説明していく

 

「そうだったのか…

 

 つまり、あいつの体は

 球子と美南が防御のために

 攻撃を受けつつ、敵の力を吸収して

 やがて、敵は攻撃に使った攻撃を殆ど使い切って

 

 それで、私達の攻撃が通ったと言う事か」

 

「へえ、杏ちゃんって頭がいいんだね~

 

 ほんと、杏ちゃんのおかげで助かったよ、ありがと」

 

棗は納得し、帆波は笑顔を浮かべてお礼を言う

 

「そ、そんな…

 

 私はただ、皆さんのように

 前線に立てるタイプじゃないから…

 

 それでも、みんなの役に立ちたかっただけで…」

 

褒められて、ややしどろもどろになっていく杏

 

「ほらほら、みんな

 あんまり杏ちゃんを困らせてあげないの」

 

「ご、ごめん…」

 

「杏は引っ込み思案で恥ずかしがり屋だからな…

 

 でも、みんなが杏に感謝してるのは本当だ

 もちろん、タマも杏には感謝しているからな」

 

球子がそう言うと

杏はうんと絞り出すような声を出して頷く

 

「さて‥‥

 

 とりあえずは無事に終わった‥‥

 

 でも、もうしばらく様子を

 見ておこうと思ってるんだけど」

 

「どういうことですか、七誠さん?」

 

七誠は、そう言って明け始めていく空を見て

もう今日のところは被害はなくなるだろうと判断し

 

今回はここで退き上げようと呼びかけようとした美南だが

その前に七誠がそのように一つの提案を一同に持ちかける

 

「実はね、杏ちゃんが前に

 推察してくれた礼の場所なんだけれど‥‥

 

 この場所には一軒の家があったんだ

 それも空き家じゃないどころか、まだ人が住んでいる」

 

「「「「「「「ええ!?」」」」」」」

 

七誠の言葉に驚いた様子を見せていく勇者達

 

「‥‥確かに、妙だな‥‥

 

 穢れがもしもここから発生したのなら

 その近くにいた人は一番に襲われるはず‥‥

 

 それなのにまだ、人が住んでいると‥‥」

 

「うん‥‥

 

 穢れ自身は倒したけれども

 最後にそれを調べていこうと思ってる‥‥

 

 それを調べ、その住人の異常が確認でき次第

 引き続き調査を継続するかしないかをきめないとね‥‥」

 

七誠が春三にそう提示していく

 

すると

 

「‥‥わかった‥‥

 

 それじゃあ、七誠には

 その調査の指揮を任せるぞ

 

 同行者に俺様と明と令もついていく

 

 美南は他の勇者と一緒にここで待機をしていてくれ‥‥

 

 万が一に備えて外側の方も厳かにできないからな」

 

「分かりました」

 

春三は勇者達にそう言うと

今回の勇者のリーダーを務めている美南に

待機組となったほかの勇者達の指揮を一任する

 

「それでは‥‥」

 

「まって、春三

 

 明、悪いんだけれども

 ここで待っていてくれない?」

 

「え!?

 

 それは何で!?」

 

突然、待機組に回されて

驚きの様子を見せる明、すると

 

「その代わり、杏ちゃん‥‥

 

 僕と一緒に来てくれないか?」

 

「ふえ!?」

 

いきなり名指しで指名されてしまったことに

顔を真っ赤にして、驚いた様子を見せていく

 

「杏を…ですか…?」

 

「うん、今回の討伐において杏ちゃんの分析や推察が

 功を制したんだ、これは調査が主流だし彼女の知恵が

 もしかしたら必要になる事もあるかもしれない、だから

 

 杏ちゃんにもついてきてほしいんだ、もちろん強要はしない

 

 あくまでどうするのかを決めるのは杏ちゃんだよ」

 

「七誠さん…」

 

いきなりの名指しで、それも今回のことで

大いに期待を寄せられていることに勘づく杏

 

杏の心には彼の期待に応えられるのかと言う不安がある

 

でも、少なくとも今回の戦いでは

自分の分析が役に立ったのも事実

 

この能力でここにいる全員の、なにより

あの時助けてくれた七誠の役に立てるのなら

 

そう思って、少し悩んで決意を固めていく

 

その答えは

 

「‥‥やります!

 

 どこまでお役に立てるのか

 わかりませんが、こんな私でも

 できることがあるというのなら…

 

 私、やります、やらせてください!!」

 

「杏…」

 

杏の決意を秘めた言葉に

何も言えずにただ彼女の名前を呟く球子

 

すると

 

「…杏ってさ、体弱いくせに

 意外に芯が強い部分があるよね

 

 だったら止めないわ、行ってきなさい」

 

「明さん…」

 

「ただし、無茶はしない事

 

 勇者の力のおかげで

 体は問題なく動けたとしても

 それでも負担がかかる事には

 変わらないんだから、無理だと

 思ったら絶対に引くこと、いいね?」

 

明はそう言い聞かせるように言う

 

「分かりました、それと…

 

 ありがとうございます!」

 

杏はそう言って明にお礼を言いつつ頭を下げた

 

「あんずぅ…

 

 本当に気を付けてくれよ~」

 

「何を言うんだ球子‥‥

 

 おまえも来い」

 

「‥へ?」

 

春三にそう言われて

思わず間の抜けた声をあげる球子

 

「‥え、ええっと…

 

 春三‥殿‥‥?

 

 それってどういう…」

 

「そのままの意味だ、杏が来るなら

 いざってときの盾役も必要になるだろう

 

 俺様も春三も善処はするが保証はできないし

 令は武器の性能上防御にはまったくもって向かん

 

 よって、お前にも調査の方に来てもらう」

 

そう言われて、過剰なまでに動揺するそぶりを見せる球子

 

「それとも、自身がないのか?

 

 また守れなかったって後悔を募らせるか

 それでもいいならここに残ってろ、別に責めはしない‥‥」

 

春三はやや厳しめに言う

 

「‥フン、舐めるなよ春三

 

 タマだってな、決める時は決めるんだ

 それにそんなこと言われて逃げるようなほどタマは腰抜けじゃないぞ!」

 

球子は春三の言い方に少しむきになりながらも

それでも確かな決意を口にし、それを春三に告げた

 

それを聞いた春三はうっすらと笑みを浮かべた

 

「そうだ、それでいい‥‥

 

 それじゃあ、改めて調査の方に行こう」

 

「それじゃあ、よろしくね杏ちゃん」

 

「は、はい!

 

 こちらこそよろしくお願いいたします」

 

七誠にそう言われて恥ずかし気ながらもうれしそうに返す

 

「明の方も、別行動だけれどもがんばってね」

 

「任せてください

 

 七誠さんの方こそ、お気を付けて」

 

七誠と明はそんな会話を交わしていき

二人はそれぞれの持ち場の方に移動していく

 

「それではみなさん…

 

 どうかお気を付けて…

 

 皆様にどうか、神の祝福があらんことを…」

 

美南はそう言って何かの印をきるような仕草をする

 

「あるがとうね、美南ちゃん‥‥

 

 帆波ちゃんと棗ちゃんも気を付けてね」

 

そう言って早速行動を開始していく双方であった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

やがて、調査組の方は

向かって行く家や近くにいる人々に

不審に思われないように、ある家の方に向かって行く

 

そこが目的の穢れが発生したという場所にある家だ

 

現在勇者は勇者の姿を解いて

普通の服装で、向かっている

 

もちろん、何かあったときのために

スマホはいつでも起動できるようにしてある

 

「ようし、ここだな‥‥

 

 それにしても、思ったよりは広い家だな」

 

春三はそう家の外観を見て言った

 

「それじゃあ、さっそく話を聞いてみよう‥‥」

 

そう言って家のインターホンを押していく

 

すると、その中から出てきたのは

 

「はい、どちら様でしょうか?」

 

一人の二十代ともいえる女性がお出迎えをしていく

 

「…あの‥‥北斗 七誠と言います‥‥

 

 こちらは、清滝一門で間違いないでしょうか?」

 

七誠はそう言って話しを進めていく

 

「‥な、なあ、清滝一門ってなんだ?」

 

「タマっち先輩。ひょっとして

 ここの家のこと教えてもらってないの?

 

 九頭竜 一さんをはじめとして

 多くの名棋士さんを輩出している一門だよ」

 

疑問符を浮かべる球子に

杏はあきれたように教えていく

 

「ちなみに何の一門かわかってる?」

 

「え?

 

 えーっと…

 

 きし、だから

 剣とか槍とかの道場か?」

 

それを聞いてさらに呆れの様子を見せていく令

 

「あんた、きしってよく言う

 鎧纏ってる盾と槍持ってる奴だと思ってない?」

 

「いい、タマっち先輩?

 

 棋士っていうのは将棋を指す人の事

 省議くらいだったらタマっち先輩も知ってるでしょ?」

 

「おお、将棋だったら知ってるぞ

 

 なるほど、将棋を遣る奴が棋士っていうんだな」

 

杏の説明を受けてとりあえず納得していく球子

そんな彼女を見て、ややあきれた様子を見せる令

 

「はい、確かにこちらは

 清滝 藍助一門の家ですが…

 

 父に何か用事でしょうか?」

 

「いえ、お父様にというよりは

 このあたりの方々にお聞きしているところなのですが‥‥

 

 ご存じかと思いますが、最近このあたりで

 人びとが襲われるという謎の事件が多発しておりまして

 

 その調査のために近隣の人にお話を聞いて回っている次第です」

 

七誠はそう言って、事情を話していく

 

「ああ、と言う事は警察の方でしょうか?」

 

「ええ、よろしければ

 お父様からもお話を聞かせて頂きたいのですが‥‥」

 

そう言って、七誠は娘さんの反応の方を観察していく

 

「え、ええ‥‥申し訳ないのですが…

 

 父は、四か月前から寝込んでおりまして…」

 

娘はそう、ややばつが悪そうに答えていく

 

「(‥‥四か月…

 

  確か、このあたりで

  穢れが頻発するように

  なったのも丁度同じ時期…

 

  だけれど…)

 

 あ、あの…!」

 

杏はたまらずに女性に話しかけてきた

 

「は、はい何でしょうか?」

 

「あの‥‥お父様の体調はが

 先程すぐれないとおっしゃっていましたが…

 

 現在のその‥‥お父様の体調は今はどのように…?」

 

杏のその問いに娘さんは少しか悲し気に答える

 

「父の体調は‥‥相変わらずです…」

 

その言葉に杏は考え込むように顎に手を添えていく

 

「ひょっとして‥‥そんなことが…」

 

杏はうわ言のようにつぶやいている

 

すると

 

「おい、杏!」

 

「きゃ!?

 

 タマっち先輩…?」

 

球子が呼びかけるように杏に声をかけた

 

「どうしたんだよ、杏…

 

 何か思ったことがあるならはっきり言いタマえよ

 

 タマだって杏のひらめきはすごいって思ってるんだぞ?

 

 だから自信をもって思ったことをいってみタマえ」

 

「タマっち先輩…」

 

球子に言われて、杏は自分の考えを口にする

 

「あの、春三さん…

 

 確か穢れは人の心の中になる

 真っ黒な欲望、それらが制御を失って

 噴き出したそれが分裂と融合を繰り返して

 形を成していく、確かそうだったですよね?」

 

「ああ、それで会っている‥‥」

 

杏は春三に質問をしていく

 

「では、もしかしたら‥‥

 

 穢れがその宿主から排出しきれずに

 その体に残っている場合はありませんか?」

 

「「っ!?」」

 

杏の質問を聞いて、驚愕の様子を浮かべていく球子と令

 

「前例はないが、可能性はある‥‥

 

 そもそも、穢れが宿主の身体にあるうちは

 形自体は固定されていないのだ、穢れが完全に

 宿主から出てこないまま、形を成すこともあり得るしな‥‥」

 

春三も感心したように言う、すると

 

「申し訳ありませんが、お父様のお部屋に

 案内させていただけませんか、このままだと‥‥

 

 お父様が危険です!」

 

「っ!?

 

 ええええ!?」

 

それを聞いて驚いた様子を見せていく娘さん

とりあえず彼女の案内を受けて中に入っていく一同であった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

部屋の前にまで来て、娘が慌てて部屋の襖を開ける

 

そこには部屋に敷かれた布団の上に

一人のそれなりに年齢を重ねている男性が寝込んでいる

 

「お父さん、お客様よ

 

 なんでも最近このあたりに起こった

 事件についてのお話を聞きたいんだって…」

 

先に入った娘さんが、父親であるその男性に声をかける

 

すると、男性は布団の中で何やらうごめいている

更にその布団の中では何やら唸り声のような声をあげている

 

「お父さん!?

 

 大丈夫、どうしたの!?」

 

娘さんが駆け寄ろうとするが、それを七誠が止める

 

「…ここは僕が‥‥

 

 なにかった時のためにも

 貴方は離れていていてください」

 

そう言って下がらせて

布団の中でうごめいている男性のもとに近づいていく七誠

 

七誠はゆっくりと顔を覗き込んだその時

 

「うがああああ!!!!」

 

「っ!?」

 

突然男性が豹変した様子で七誠に襲い掛かっていく

 

「お父さん!」

 

「七誠さん!」

 

娘と杏がそれぞれほぼ同時に名前を挙げていく

娘は思わず飛びださんと前に出ていくが、それを球子が止める

 

「大丈夫、七誠に任せておきタマえ

 

 杏も前には出るなよ、それはタマの役目だからな…」

 

「タマっち先輩…」

 

そう言って二人を下げつつ、前に出て

スマホを手に取り、いつでも起動できるようにしていく

 

「うがああああ!!!!」

 

「ぐう‥‥

 

 このぉ‥‥」

 

七誠はどうにか抑えると

男性の口元に何かを押し付けていく

 

すると

 

「もごもごもごもご‥‥

 

 うもももも‥‥」

 

暫く抑えられると、男性は気を失ったように眠りにつく

 

「…ふう、この様子‥‥

 

 どうやら杏ちゃんの推測が

 悪い意味で当たってしまったようだね‥‥」

 

そう言って、七誠は男性を布団で寝かして

だいじではないことを確認すると、安堵のため息をつく

 

「お父さん!?」

 

「…大丈夫です、もう落ち着いています‥‥

 

 それよりも、貴方とお話をしないといけません‥‥」

 

七誠はそう言って、娘さんの方を向いて言う

 

「え…?」

 

娘は突然のことにやや落ち着いていないようであり

あまりの出来事に動揺している様子が見受けられている

 

「ふう‥

 

 とても話をまともに聞ける様子じゃないわね‥」

 

「令、球子、お前たちはしばらく彼を見ていてくれ‥‥

 

 いざってときはお前がどうにかしろ‥‥

 

 こちらの娘さんとは俺様と七誠が話をする‥‥

 

 杏はすまないが娘さんに付き添っていてやってくれ」

 

「分かりました…」

 

そう言って、男性の様子を見る側と

娘さんに話をしていく側に分かれていった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

「そんな…!?

 

 これまでの怪物騒動は

 父の仕業であると言う事ですか!?」

 

少し落ち着いた様子を見せた娘さんは

七誠と春三の説明を聞いて、驚愕の様子を浮かべていた

 

「厳密には、その怪物が

 お父さんの体の中にいるんです‥‥

 

 怪物は夜な夜なお父さんの身体から出てきて

 その怪物が、夜に歩いている人々を襲っているみたいなんです‥‥」

 

「そんな…

 

 どうして父がそんなことに…」

 

娘は嗚咽交じりに話しをしていく

 

「父は代々、棋士の一門であるこの清滝一門の看板を

 祖父の代からずっと守り続けていたんですが、最近は

 テレビゲームや電子機器が発達していったのも手伝って

 

 最近は古典的な将棋を進んでやろうとする若者が減っていて

 

 その影響やこだわりの強い父の指導方法も合わさって

 門下生がめっきり減っていってしまっていて、父はそのことを憂いていました…

 

 最近では、看板を下げることも考えていたそうです…」

 

「なるほどな‥‥

 

 その葛藤が心の中に

 闇を作って、穢れを生み出してしまった‥‥

 

 そう言ったところか‥‥」

 

春三は娘の話を聞いて父親の体の中にどうして

穢れが生み出された原因がそこにあることに気づく

 

「うーん‥‥確かに最近なんて

 将棋云々の話なんて聞かないもんね…

 

 でも、お父様はそれほど、将棋を愛していらっしゃるんですね」

 

「‥‥はい!

 

 お父さんは普段は頑固で物静かだけれど

 将棋をしているとき、将棋の話をしているとき

 

 お父さんはまるで子供のころに戻ったように無邪気になって…

 

 私はそんな父が大好きで、おおきくなったら

 そんなお父さんが自慢できるような棋士になりたいって思ってたの…

 

 結局、プロの道は断念しちゃったけれども

 お父さんの教えは絶対に間違ってなんていない、だって…

 

 お父さんの一門からそんなプロ棋士が生まれたんだもの…

 

 だから‥‥だから私…お父さんとしっかりと話をしたいの…」

 

杏の問いかけに、娘はそう答えていく

すると娘は七誠と春三の方に向きなおっていくと

 

「お願いします!

 

 どうか父を、助けてください!!」

 

そう言ってはっきりと頭を下げながら言う

 

「もちろんだよ‥‥

 

 そのために来たんだから」

 

「ああ、夜が来たら

 絶対に親父さんには近づくなよ‥‥

 

 俺様たちが必ず、助けてやるからな」

 

そう言って、娘さんと言葉を交わす英雄の二人

 

「任せてください!

 

 みなさんを守るのが

 私達勇者のお役目ですから」

 

杏もまた、そう胸を張るように言う

 

「ありがとうございます」

 

娘は感激するように

杏に感謝を述べて、頭を下げるのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

 

一同が寝静まった、あと

 

「うううう‥‥

 

 うああああ‥‥」

 

布団の中で落ち着いていた

藍助が、またもうめき声をあげていく

 

「来るのか‥来るんだなこれは…

 

 絶対に来るぞ!」

 

「ああ、構えるぞタマ!」

 

そう言って端末を取り出していき

布団の中から現れるであろう、その敵の出現に供えていく

 

すると

 

「うがああああ!!!!」

 

ウゴアアアア!!!!

 

布団の中から飛び出したそいつは

まさに、悪魔のような雰囲気を持った

大きさはおよそ五百メートルの犬であった

 

首には巨大な鎖が男性の身体とつながっている

 

「この犬…

 

 昨日の夜に倒した奴と

 同じような姿しているぞ…」

 

「なるほど‥

 

 あの様子から大体予想していたが

 穢れは二体いたんだな、つまりは

 こいつさえ倒せれば、完全勝利って奴だ!」

 

そう言って令は武器である鎖鎌を取り出し

その内鎖の方をぶんぶんと振り回していく

 

「まずは、人気のないところに誘い込む‥

 

 タマ、守りの方よろしく!」

 

「おう、タマに任せタマえ!」

 

そう言って、武器である旋刃盤を

盾のように構えていきつつ、ゆっくりと下がっていく

 

すると

 

グアアアア!!!

 

それに気が付いたのか

穢れは二人の方に襲い掛かるようにとびかかっていく

 

「‥‥ようし‥

 

 狙い通りにやってきたな‥

 

 はああああ!!」

 

令は鎖鎌の鎖の部分を伸ばし

それを使って穢れの口元に巻き付けていく

 

ウググググ‥‥

 

必至にもがいて鎖を引きちぎらんとしていくが

鎖は思っていたよりも丈夫なうえに、令の手によって

 

まるでリードのように引き寄せられていく

 

すると、穢れは我慢できなくなったのか

自分の首から伸びている鎖をまるで手足のように

動かしていく、その先についている突刃の先を令に向けると

 

それを勢いよく突き出していった

 

しかし

 

「おりゃ!」

 

その一撃を球子は決死の防御で受け止めれみせた

 

「へへ…

 

 タマだってな

 やるときはやるんだぞ」

 

「タマ、来るぞ!?」

 

すると、地面から鎖が

勢いよく伸びていって

 

それが球子と令に振るわれて行く

 

「しまっ!」

 

しかし、その攻撃を

間一髪で弾いて、二人を守る

 

二人の人物が現れる、それは

 

「大丈夫か、二人とも」

 

「何とか間に合ったね」

 

棗と帆波の二人であった

 

グアアアア!!!!

 

たまらずとびかかっていく穢れだが

 

「おおおりゃああああ!!!!!!!」

 

そこに、七誠が前に出て剣を交差せることで

穢れの巨大な顎による、かぶりつきを凌いで見せた

 

ウガアアアア!!!!

 

悲鳴のような声をあげて

ゆっくりと下がっていく穢れ

 

それを見た、七誠は武器の剣で空を切る

 

「ようやく姿を現したね‥‥

 

 ここからが、僕たちの本当の戦いだ!」

 

そう言って、武器の剣のうち

右腕に持っている剣の切っ先を敵の方二向けていく

 

それを見た、穢れは

うなり声をあげながら一同をにらみつけていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いよいよ、穢れとの最後の決戦を迎えんとしていた・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          




もう一匹の猟犬・・・・・・・・・
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