♈ ♉ ♊ ♋ ♌ ♍ ♎ ♏ ⛎ ♐ ♑ ♒ ♓     星座宮夜宵之闇物語之神話書記 ANAVIOSI SYN+       ♓ ♒ ♑ ♐ ⛎ ♏ ♎ ♍ ♌ ♋ ♊ ♉ ♈   作:OOSPH

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少女の思い‥‥‥‥‥


竜骨座 Car 結着、そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女には幼馴染とともにした夢があった

 

その夢はいつしか

彼女にとって前に向かって行く心の支えになった

 

しかし、段々と大人になっていくにつれて

夢を追って行く心の余裕はなくなっていった

 

それでも彼女は夢をあきらめることはせずに

それでも前を向いて進んでいったが、同じように

夢を追っていた友達は、現実の厳しさに負けてしまい

 

やがて、夢をあきらめずに向かって行く自分の存在が

まるで周りからおかしいと思われるようになり、孤立していった

 

もう、夢を向って進んでいくのに疲れた

 

そう思って現実の荒波の前に心が折れかけた

そんな彼女に声をかけてくる一人の少女がいた

 

それが、高坂 野乃花だったのだ

 

彼女は自分と同じ夢を持ち、明るく好感をもてる性格から

やがて、二人は仲良くなり、折れ掛かった彼女の心を再び立ち上がらせた

 

だが、彼女と自分は何もかもが違っていた

 

彼女は明るく好感をもてる性格のおかげで友人も多く

彼女の周りには常に笑顔を浮かべた人が集まっていた

 

自分の周りには、そんな人なんていないのに

 

深く気にする必要はない、彼女は自分の夢を応援してくれているのだ

 

彼女とともに夢に向かって進んでいけばいい

 

そう言って自分の中にある劣等感をごまかしていった

 

だが、ついに彼女とともに

その夢への第一歩へと進んでいった、その時

 

彼女の心が闇におおわれる様な出来事を体験してしまった

 

漸く夢を果たすための道にともに歩めると思ったが

そこに、残酷な結果を言い渡されることになってしまう

 

野乃花やほかにもともに頑張ってきた

仲間たちはついに夢の舞台に立てた、そう彼女たちは

 

自分だけが、舞台から引きずり降ろされてしまったのだ

 

ついに夢にまでたどり着けたと思ったのに

自分だけがそこに居られない、それが彼女の心に闇を落とした

 

野乃花や他の友人からの制止も聞こえず

生きながらに死んだようにあたりをさまよい歩いていた彼女の元に

 

一人の人物が現れると、その人物は時分に向けて手をかざし

 

意識もまた、闇の中へと落ちていくのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

「…あ…」

 

少女はゆっくりと目を覚ましていくと、そこに映ったのは

 

「…よかった、目を覚ましたみたいだね」

 

優しげな青年の安どの表情であった

彼女はいきなり目の前に男性の顔が映ってしまい

すこし驚いた声を上げてしまい、青年を脅かしてしまう

 

「…ごめんごめん‥‥

 

 びっくりさせちゃったよね‥‥

 

 でも安心して、僕は君を助けに来たんだよ」

 

「…は…はあ……」

 

突然のことに驚いた様子を見せていき

安全な場所に隠れているように進めていく

 

七誠が少女を安全な場所にまで運んでいく間に

他の面々は残っていよいよ大詰めとなった戦いに挑んでいく

 

「ようし!

 

 あとはこいつをここで倒すだけだ!!」

 

そう言って青年が武器である大剣を構えていくと

 

「おっしゃ!

 

 ここからはタマに任せタマえ!!」

 

「タマっち先輩!

 

 たよりにしてるからね!!」

 

「でも勝手に突っ走りすぎないでよね…」

 

「タマちゃんは言われっぱなしだね…」

 

「でも、逆に安心する…」

 

「ようし…

 

 とにかく行くぞ!」

 

そう言って青年が向かって行くのと同時に

勇者たちの方も一斉に向かって行った、すると

 

「っ!?」

 

青年の攻撃の軌道が突然変わった、青年だけではない

勇者たちの方も突然攻撃の方から避けていき、それぞれ地面に倒れこんだ

 

「っ!?

 

 なんだ今のは‥

 

 穢れの能力‥?」

 

似非はどうにか着地しながらも

突然のことに驚いた様子を見せていく

 

「‥この…

 

 何が起こっているのか

 知らないが、今度こそ!」

 

「タマっち先輩!」

 

球子はそう言って武器である旋刃盤をふるって行く

 

だが、それも勢いよく向かって行ったものの

またも大きく攻撃の方からかわしていき、旋刃盤は地面に突き刺さった

 

「一体ホントにどうなってんだ!?

 

 攻撃の軌道が勝手に変わっていくとか

 そんなの反則じゃねえか、どうするんだよ!?」

 

「‥‥まずは敵の能力の方を知らないと…

 

 それにしても‥‥いきなり攻撃の軌道が変わるなんて…

 

 でも、そんな能力があるのなら

 どうして最初っから使わなかったんだろ…

 

 むしろ今までの戦いとはっきり言って違いすぎる…」

 

杏は敵の能力を見て、どこか今までの竜骨座の穢れと

まったくもって違うと感じ始めており、警戒を強めていく

 

「どうやら意地でも、本体に手出しはさせないって感じみたいね…

 

 だったらさっきの能力がどういったものなのかをしっかり

 見つつどうにか攻撃を仕掛けていくわよ、穂波に棗も協力して!」

 

「分かったよ!」「うん…」

 

志組の三人は散開して、穢れの本体をかく乱させていこうと試みる

 

「はあ!」

 

志が先に武器である槍を振るい

風による攻撃を振るう様にして放っていく

 

すると、案の定風は軌道を変えて

何もないところに命中していった

 

「‥‥属性攻撃でもだめか…

 

 接近戦の方も近づいていこうとするだけでやられるからな…」

 

「ようし、だったら今度は…」

 

帆波はそう言って、自分の属性尾である月属性の力で

自分の姿を何人も見せていき、穢れをかく乱させようと試みる

 

分身たちは見事に攻撃にかかっていくものの

元々攻撃力を持たせていないことも手伝って大した問題ではない

 

「今だ!」

 

そう言って穢れが分身たちによって翻弄されていると思い

不意をついて攻撃を仕掛けていった、しかし、その一撃もまた

 

「うわあああ!?」

 

敵の能力によって軌道を変えられて

帆波はその反動を受けて大きく吹っ飛ばされていく

 

帆波は吹っ飛ばされた先の方で、地面に勢いよく叩きつけられる

 

「いったたた…

 

 月属性の幻覚による錯乱だったら

 もしかしたら、一撃当てられるかもしれないって思ったのに…」

 

「だったら…

 

 ここは一気に押しつぶす!」

 

そう言って棗が腕を地面に叩きつけるようにふるう

すると、穢れの周りに重力が発生していき、穢れに負荷をかけていく

 

「ようし!

 

 これだったら…」

 

「はああああ…!」

 

更に重力の負荷を大きくしていく棗

穢れの方もそれなりにダメージを受けている様子を見せる

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

そのころ

 

穢れにとらわれていた少女を介抱する七誠

 

「今のところ、容体に変化はないように思えるけれど‥‥

 

 隊長の方は問題ない?」

 

「…は、はい…

 

 ありがとうございます…」

 

依り代にされた少女の方はだいぶ気持ちが

落ち着いてきた様子で受けごたえができるようになっている

 

「よかった…見たところ大丈夫そうだね‥‥

 

 待ってて、すぐにでも君を友達のもとに送り届けてあげるから…:

 

「お友達…それってひょっとして…

 

 野乃花ちゃんの事ですか?」

 

少女が恐る恐る訪ねていく

 

「うん、高坂 野乃花ちゃんの事でしょ?

 

 君のこと、本当に心配してたよ?」

 

七誠は何気なく、彼女の言葉に答えた

 

「いや…」

 

すると、彼女の様子が段々と変化し

 

「いやぁ…」

 

彼女の表情が悲しみに染まっていき

 

「《b》いやあああ!!!《/b》

 

彼女が叫ぶと、その体から真っ黒なオーラが噴き出していき

そのオーラは穢れの核の方にへと吸い寄せられるように向かって行く

 

すると、重力に圧されてダメージが掛かっていた穢れの核に

とんでもない変化が巻き起こっていき、さらなる脅威にへと変貌していく

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

少女の身体から噴き出したオーラが

穢れの核に吸い寄せられるようにして取り込まれて行く

 

「な、何だ…!?」

 

「あれって‥‥穢れ…!?」

 

目の前の初めて目にする現象に

勇者達は言葉を失い、その光景に眼をやっていた

 

すると、今まで重力に圧されていた穢れの核が

それによってさらに大きな変化をもたらしていく

 

すると、格の方から何やら爬虫類の足のようなものが突き出てきて

それは勢いよく伸びていき、ゆっくりと地面の方に突き立てていった

 

「何が起こっているの…!?」

 

すると、地面に固定されていた核は

ゆっくりと自らその体を浮かせていく

 

そこに映ったのは、核の入った白い球体を胴体に見立てて

やがて、それぞれ伸びた足の間から頭部と尾がゆっくりと生えていく

 

こうして、まるで召喚系の穢れを思わせる

巨大な怪物が一同の前に立ちふさがっていく

 

「ぐう…」

 

それでも変わらずに、重力で負荷をかけ続けていく棗

だが、目の前で核が変化した怪物はそれを気にすることなく

 

一同の方にへとゆっくりと近付いていく

 

「重力による圧が効かない…」

 

「そんな‥‥一体何が起こって…」

 

目の前でいきなり起こった現象に戸惑った様子を見せていく

 

「こいつに取り込まれて行った黒のオーラ‥

 

 もしかしてだが、依り代の方から噴き出したのか!?」

 

似非は慌てて、依り代の介抱を担っている七誠と

その七誠が介抱している依り代の少女のもとに向かって行く

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

「七誠!」

 

似非は声を荒げて七誠の服を掴み上げていく

 

「お前、一体何をしたんだ!

 

 依り代の身に何かあったら

 どうなるのか分かってんだろ!?」

 

「分かってるよ!

 

 でも僕は彼女にただ

 友達が待っているって

 教えてあげただけなんだ‥‥」

 

英雄の二人が激しい口論に陥らんとしていったそこに

 

「いやあああ!!!

 

 お願いだからもうこれ以上は話さないでえええ!!!」

 

少女の叫び声に驚いた様子を見せる二人

 

「一体どうしたんだよ!」

 

七誠が呼びかけていくと

少女は涙を流しながら答えていく

 

「だって私には、もうどうしたらいいのかわかんないんだもん!

 

 子供のころからアイドルに憧れて

 自分も周りを笑顔にさせられる人になりたいなって思ってた

 

 でも、どんなにがんばっても傷つくだけで、挙句には私には

 アイドルになる素質は私には備わっていないって、はっきり言われた…

 

 私はずっと夢に向かって進んできたのに、その道が閉ざされてしまって…

 

 もう…もう私どうしたらいいのかわからないよおおお!!!」

 

そう言うと、またも少女の身体から勢いよく黒いオーラが噴き出し

それがさらに怪物の方にへ吸収されるように融合させていく怪物

 

すると、怪物は大きな足音を響かせていきながらユックリと迫っていく

 

「‥‥七誠、そのガキをこっちに引き渡せ!

 

 このペースだといずれこの世界が飲み込まれる‥

 

 そうなる前に‥」

 

「っ!?

 

 似非、何言ってるの!?

 

 幾らなんでもまだ早急すぎるよ!

 

 まだこの子を助けることは出来るはずだ!!」

 

似非がどんな手段を取ろうとするのを感じ

七誠は慌ててその手段を否定していく、似非の方も

七誠の言葉を理解しながら、それでも決断を話していく

 

「…‥だが、この子の心の闇が露呈している

 それに並行して、この穢れ自体も成長が早い‥

 

 このままだとこの世界はすぐにでも

 穢れに覆い尽くされてしまうだろう‥

 

 もしもそうなれば、この世界は‥」

 

「大丈夫だよ、似非‥‥

 

 確かにかつての僕たちは

 世界を守るためにやむを得ずに

 犠牲を下したことだってある‥‥

 

 でも僕達には、今の僕達には

 僕たちが信頼に値する人たちが確かにここにいるんだ!」

 

「え‥?」

 

そう言った七誠が視線を向けた先には

 

変異した穢れと激突する、七人の少女達がいた

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

「やああ!!!」

 

球子が武器である旋刃盤を飛ばして攻撃を仕掛けていくが

それを見た穢れは、背中についている角を動かしていくと

 

攻撃の軌道が変わり、それが一同の方に向かっていく

 

「っ!?

 

 あの角を使って

 攻撃の軌道を変えているんだ!」

 

「だったらあの角を破壊できれば…」

 

「待ってよ棗ちゃん!

 

 そのためにはあいつに近づく方法を考えないと…

 

 攻撃を放っても、その前に軌道をそらされたらアウトだし…」

 

「だったら、逆にそれを利用すればいい!」

 

そう言って恵子は地面をコンコンと小突き

正面から穢れの方に攻撃をしかけんとしていく

 

「恵子、何をやっているの!?

 

 そんなことをしたら、また攻撃の軌道を変えられて…」

 

志は畏怖するが、恵子はそれでも臆することなく突っ込んでいく

 

「はああああ!!!」

 

恵子が勢いよく槍を前に突き出しつつ突っ込んでいくが

案の定、穢れの手によって軌道は変わってしまい、避けさせられてしまう

 

「今だ…

 

 おおおおりゃあああ!!!!!!!」

 

すると、恵子は槍に風と雷を纏わせていき

それを穢れの方に向かって勢いよく放っていく

 

すると

 

穢れに攻撃が見事に命中する

 

「届いた‥‥!?」

 

「…‥そういう事か‥

 

 奴の能力はかけなおしがきかないのか!」

 

「かけなおしが効かない?

 

 それってどういう事だ?」

 

「‥‥簡単に説明するとね…

 

 あの穢れの攻撃の軌道を変える能力は

 対象に対してその能力を使っている間は

 ほかの者に祖の能力をかけなおすことはできないの…

 

 一度に複数に能力を掛けらることは出来るけど

 後から追撃してきた対象には能力を発動させられない…

 

 っていう事なの」

 

杏が球子に説明をしていく

 

「うーん、其れで何で恵子の攻撃が入ったんだ?」

 

「要するに恵子さん自身に能力はかけられても

 後から恵子さんが追撃のために攻撃をしかけてくると

 

 相手はそれに対して能力を掛けられないから攻撃が通ったんだよ」

 

そう言って杏が言うと球子の方も理解が及んだのか納得したような表情になる

 

「なるほどな、要するに仮にタマが突っ込んで

 アイツの能力によって攻撃を防がれても、そこに

 

 杏が一発打ち込んでいけば、その攻撃は通るってことだな?」

 

「まあ、そんな感じだよ

 

 ようはそこをついていけば

 あの穢れを倒すことは出来る!」

 

そう言って球子が突っ走っていくと

球子は武器である旋刃盤を手に向かって行く

 

「うおお!!!」

 

球子は武器である旋刃盤を振るって飛び込んでいくと

案の定、敵の能力にかかって軌道を変えられいってしまう

 

「今だ、杏!」

 

球子は攻撃の軌道を変えられながらも

それでもあきらめた様子を見せることなく

 

杏に呼びかけていく

 

「タマっち先輩…

 

 本当に向こう見ずなんだから…

 

 でもこれだったら、一気に決められる!」

 

そう言って武器である連弩を構え

球子に能力を使用して能力のかけなおしが

効かない状態になった穢れに狙いを定めていく

 

「‥‥今だ!」

 

杏がある場所に狙いを定めていき

そこに攻撃を勢いよく放っていく

 

その狙った先にあったのは

 

怪物のように変形した

穢れの核の角のような部分であった

 

角は杏からの攻撃を受けると

それによって先の部分が地面に落ちていく

 

すると、怪物のように変化した穢れの本体は

自分の武器が破壊されたことで、大きく動揺している様子を見せる

 

「ようし!

 

 これでもう、穢れの本体は

 あのやっかいな能力は封じたよ!!」

 

「オッケー!

 

  これでもうあとは思う存分やれるね!」

 

そう言って勇者達は一斉に穢れの本体にとびかかっていった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

「あ…」

 

その様子を依り代にされていた少女は

そんな光景に自分でもわからないほどに見とれていた

 

「どうして、あの子達は…

 

 あんなにも太刀迎えていく事ができるの…?」

 

少女がそんなことを聞いていくと

 

「…あの子達はただ、自分達にしかできない事を

 全力にやっているんだ、だってそれは文字通り‥‥

 

 あの子たち自身にしかできない、一人で無理でも

 自分のことを認め、自分が認めている仲間たちが支えてくれてる‥‥

 

 あくまで僕の推察なんだけれども、それがあるからこそ

 みんなはあんなにも頑張っていく事が出来るんだって思うよ」

 

「え…?」

 

七誠がそんな少女の問いに答えていく

 

「…夢を追いかけ続けていくのは大変なことだ‥‥

 

 はっきり言ってぶつかってしまう事もあるだろう‥‥

 

 でもだからこそ、自分のことを支えてくれる仲間の存在は

 本当の本当に大きくてかけがえのない者なんだよ、君の目指す夢に

 

 そんな大きくてかけがえのない仲間はいないのかな?」

 

七誠がそう言うと少女は不意にあることを思いだした

 

自分の夢のことを理解してもらえず、回りから

浮いてしまっていた自分に変らずに接してくれた、野乃花の存在を

 

彼女もまた同じ夢を持ち、自分がくじけても

それでも自分のことを支え続けてくれていた彼女

 

結局、夢に敗れてボロボロになってしまった自分のことを

なんとか励まそうと、マネージャーでいいからと誘ってくれた彼女

 

彼女、野乃花は自分がどんなに傷つき落ち込んでも

それでも、自分の傍にいて支え続けてくれたかけがえのない存在

 

「…そうだ…そうだったよ……

 

 私にもいたよ、私のことを

 支えてくれていたあの子のことを…」

 

すると、その瞳に光が宿り始めていく

 

「私…どうして落ち込んでたんだろ…

 

 私はいつだってあの子に支えられていたのに

 夢がかなわなかったショックの方にばっかり意識が行って…

 

 そんな大切なことに、気づけなかったなんて…」

 

すると、彼女の心に光がともっていく

 

「わたしを誰よりも理解して

 

 支えてくれて、傍にいてくれた人…

 

 野乃花ちゃん!」

 

少女がそう言って前を向いていくと

彼女の身体から黒いオーラではなく

白く輝きの灯ったオーラが噴き出していく

 

するっとそれが、穢れの身に纏われて行くと

穢れは苦しそうな唸り声をあげ、さらに動きも鈍くなり始めていく

 

「な、何だこれは…!?」

 

「これはきっと、穢れなき思い…

 

 希望と言う光だ!」

 

球子の問い似非が答えると

穢れは段々と動きが鈍くなっていき

 

やがて、元の巨大なオブジェの姿に戻っていくのだった

 

「すごい…

 

 人の思いがここまでの結果を生み出すなんて…」

 

杏がその光景を見て、改めて人の思いの強さを理解していく

 

「うん…

 

 いまだったら、やれる…!!」

 

「ようし!

 

 それじゃあ、行くよ!!」

 

そう言って勇者達は一斉にオブジェに戻った

穢れの核にこう檄を仕掛けるために向かって行く

 

「どおおらあああ!!!!!」

 

球子が武器である旋刃盤を振るっていき

さらにそこに水による波状効果も上乗せしていき

 

攻撃をふるって行く

 

「やあ!」

 

杏が武器である連弩に金属性で生み出した矢を装填し

穢れの核に狙いを定めて放っていった、二人の攻撃がそれぞれ命中

 

大きな衝撃があたりに響いていく

 

「やるじゃない!」

 

そう言って明は武器である太刀くらいの大きさの爪を構え

そこに木属性で生み出した風と雷をそれぞれ右手と左手に纏わせていき

 

そのまま、爪からはなった斬撃に乗せて攻撃を仕掛けていく

 

それによってさらに核に攻撃が仕掛けられていった

 

「棗ちゃん!」

 

帆波は今回攻撃に加わらずに

棗の方に自身の属性である月属性を付与させていく

 

すると、棗の人数が四人に増えていく

 

「「「「「はああああ…!」」」」」

 

それを受けて棗達は一斉に武器である双節棍を振るい

一斉に核に攻撃を仕掛けていき。さらにダメージを与えていく

 

この一撃には棗の属性である土属性が付与されている

それによって武器が強化され、更に重力操作の能力のおかげで

 

更にその一撃は強力なものになっていく

 

「ようし!

 

 それじゃあ、とどめはリーダーの皆さん!!

 

 決めちゃってください!!!」

 

帆波がそう言って、呼びかけていくと

 

「オッケー、それじゃあ行くよ!」

 

「仕上げは私たちで行くわよ!」

 

恵子と志がそれぞれの武器をかまえていく

 

「はああああ…」

 

恵子は武器である槍をゆっくりと振り回していき

その槍に穂の部分に雷を、柄尻の部分に風を纏わせていき

 

そのまま、姿勢を低くしていく

 

「はああああ…」

 

志の方は槍を三節棍に変形させていき

穂先部分と柄尻分の方を勢いよく回していき

 

穂先の部分に雷を、柄尻部分に風を纏わせていくと

 

「「おおりゃああ!!」」

 

二人の放った一撃が、見事に穢れの核に炸裂していくのであった

 

見事に攻撃がさく裂する穢れの核は黒いオーラを勢いよく噴き出していくと

ついには爆発する様に霧散させていき、消滅していく、これによって見事

 

勝利を手にした一行であった

 

「はあ‥はあ…

 

 や、やったみたいだな…」

 

「うん…」

 

こうして見事、穢れを撃破した勇者達

 

そんな彼女たちの活躍に思わず見惚れていく少女

同時に丁度近くにいた七誠に不意に訪ねていった

 

「あの‥私…みんなのところに戻って‥…

 

 いいのでしょうか?」

 

七誠はそう問いかけた彼女にふと笑みを浮かべて言う

 

「…当たり前だよ

 

 だって、君のことを待ってるんだもの‥‥

 

 君のことを待ってくれている人のもとに

 帰ってあげるのは、当然の事なんだもの」

 

七誠のその問いかけに、少女は笑みを浮かべて

 

「はい!」

 

跳びっきりの笑顔で答えるのであった

 

すると、辺りからゴゴゴゴと何やら轟音が響いていく

 

「…‥どうやらs、ここはそろそろ危険のようだな‥

 

 急いでここから逃げ出すぞ!」

 

似非がそう言って一同は急ぎ

穢れの中から脱出するために走り出していくのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

 

くずれていく巨大な骨組みの船を遠くより見詰めているいくつかの影

 

「竜骨が落ちてしまったみたいだね…」

 

「ぐぬぬぬぬ…

 

 折角の依り代が…」

 

その様子を見て悔しそうに表情を強張らせていく少女

 

すると、そこにもう一人の少女が姿を現す

 

「フフ…まあいいでしょう…

 

 こんなこともあろうかと

 しっかり仕込みはしておいたから…」

 

「さすがだね…

 

 でも、穢れの方は

 見事に落とされてしまったみたいだけれども?」

 

そう言って遠目に映っているくずれていく船を見て呟く

 

「なあに、船のパーツが多少崩れた程度じゃ

 沈むことは無い、むしろここからが本番と言うもの」

 

「そっか…

 

 まあ、今のあの子達には

 太刀打ちは出来ないだろうね…」

 

そう言っていると二人の人物の後ろから一人の人物が

 

「いよいよ、それがラストチャンスってことだね…」

 

「月夜美さん…

 

 わざわざここまでご足労いただいてしまうとは…」

 

その人物はまるで月の光のような

白銀の鎧に身に纏った人物であった

 

「…フフフ…

 

 これで終わりじゃないよ英雄と勇者のみんな…

 

 むしろ、ここからが本当の勝負さ…」

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

英雄二人と勇者七人は無事に竜骨座の穢れから脱出することに成功する

 

「ふう‥‥

 

 何とか脱出に成功したね‥‥」

 

七誠はそう言って

その場にいる全員の安否を確認していく

 

そして、彼の手には

 

「‥あ、あの…もうそろそろ‥…」

 

「うん?

 

 ああ、ごめんごめん‥‥」

 

依り代にされていた少女を所謂お姫様抱っこで抱えていた

 

しかし、損な微笑ましい光景も

 

「っ!?

 

 おいみんな、見ろあれ!!」

 

球子のその言葉によってすぐに緊張に包まれて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだこの世界での戦いは、終わらない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          




闘いの後に待ち受けるもの‥‥‥‥‥

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