♈ ♉ ♊ ♋ ♌ ♍ ♎ ♏ ⛎ ♐ ♑ ♒ ♓ 星座宮夜宵之闇物語之神話書記 ANAVIOSI SYN+ ♓ ♒ ♑ ♐ ⛎ ♏ ♎ ♍ ♌ ♋ ♊ ♉ ♈ 作:lOOSPH
「どうして…
どうして私たちはともにいてはいけないの
私たちはこんなにも愛し合っているのに…」
「それは‥‥
私たちは同姓で生まれの国も違う‥‥
私たちは愛し合ってはならぬ運命なのよ‥‥」
「…そんなの、そんなの関係ないわ!
あなたがたとえなんであろうとも
私にはあなたしか考えられない、考えたくない…」
「私も同じ気持ちだ‥‥
だが、どんなにあがいたところで
私たち二人の力だけでは運命にあらがうことはできない‥‥
それだけの力がないんだ、私はそれがどうしても悔しい‥‥」
「そんなの…
いや…私はもう貴方と…
二度と離れたくない…」
とある二人の少女、二人は同姓ながらも
お互いを思い、愛し合い、思いやっていた
やがて二人は、互いの家から逃げ出し
遠くの方へと逃げ延びていこうとする
「はあ…はあ…」
「はあ‥‥はあ‥‥」
やがてある場所において小休憩をすると
そこには、一人の幼い子供が行き倒れになっていた
「‥‥こんなところに子供が‥‥
どうやらまだ、息はあるようだが‥‥」
「…かわいそうに…
でも…私たちにできることなんて…」
悔しそうに二人は涙を流して
苦しそうにしている少女に向かって涙を流す
すると、そんな三人のもとに足音が響き
二人の少女は不意にその音のする方に向いた
そこにいたのは、一人の青年であった
「………………」
「「‥」」
二人の少女はお互いを守るように抱き合う
もしかして、自分を連れ戻しに来たのかと思い
そしてその予想は当たっていた
「………なるほどね、君たちが家から抜け出し
駆け落ちをしてきたという二人の少女たちか………
なるほどね、君たちが逃げ出したのは
今の君たち二人がやっていることが理由かな?」
彼の問いに対して二人は自分たちの心を見透かされた
そんな恐怖を彼に対して二人に抱いていた、すると
「うん?
その後ろで倒れているその子………
もしかして、もう………」
「‥‥い、いえ‥‥
まだ息はあります‥‥」
「…お願いです、どうか…
どうかあの子を助けていただけませんか!」
すると、二人のうち一人が懇願する
自分たちを見逃してほしい事ではなく
命の灯を失わんとする幼子を、助けてほしいと
「ま、まってくれ‥‥いったい何を…」
「ごめんなさい、でも…
やっぱりこの子のことは放っておけないし
それに、どのみちこれ以上はもう逃げ切ることはできない…
だったらせめて…せめて、あの子の事を助けてあげたいの
私たちにはあの子を助け出すことはできない、だから…」
そう言って地面に伏せるように懇願する少女
もう一人の方は戸惑いを見せるが、後ろで弱っている少女に目をやる
「‥‥私からも‥‥私からもお願いします」
もう一人の方も同じように地面に伏せて懇願する
「………断る」
だが彼の発した言葉は冷たいものだった
二人は言葉を失って絶句の様子を見せていく
しばらく沈黙が続くが、次に彼は言葉を続けていく
「あいにくと僕はそこまで気が回るものじゃない
確かにその子のことは放っておけないけど
だからと言って僕自身その子にしてあげられることはできない
その子を助けることはできないが、助ける手助けならできる」
彼が言葉を続けていくのを、首をかしげながら聞いていく二人の少女
すると地面に伏せてまで、自分に懇願した二人の少女に合わせるように
姿勢を低くして、二人の肩をそれぞれ自分の手で強くたたいた
「………その子と一緒に。僕のもとに来るといい………
二人のことは散策中に見つけたが穢れに襲われて
討伐をしたが、助けきることはできなかった、と報告しておくよ………」
「「え!?」」
二人の少女は彼の言っている言葉をしばらく聞き入ることはできなかったが
彼は自分たちのことを彼なりに何とかしようとしていることは理解できた
「‥‥どうして、私たちのことを‥‥」
「………いっただろう、僕にはその子を助ける余裕がない
でもだからってその子を見捨てたいわけじゃない、それが一つ………
それに、君の愛する人は自分の身をささげてまで園子を助けようとし
君もまた、彼女を差し出すのならと、自分自身もささげた、それも一つ………
そんな君たち二人の気持ちに僕自身もこたえてあげたい………それが理由さ………
その代わり、その子の事、しっかり育ててあげるんだよ?」
「…あ、ああ…」
彼の言葉、彼の表情、二人の少女には
今の彼はどこか、大いなるものに見えた
「「ありがとうございます!!」」
二人は感激して、彼に感謝の念を示し
先ほど以上に頭を下げるのであった
「…‥‥‥…」
それまでのやり取りが、弱った少女が覚えている記憶
のちに彼女により知ったこの二人の少女がそれぞれが
自分の父役と母役となる者達であり、その二人と自分の前にいる者が
のちに自分が兄と慕う少年なのであった
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それからしばらくして、彼のもとに集った者たちが集まっている
「有希夜さん、お元気そうで何よりです
でもあんまり激しく動いてはまた倒れてしまいますよ?」
「ありがとうございます、明沙美さん…
でももう大丈夫です、それに今日はお兄ちゃんにとっても
有希夜達にとってもおめでたい日なんですから、今日くらいは出ないと…」
「大丈夫だよ、だって有希夜には私がいるから…」
病み上がりでもしっかり集まりに参加する有希夜に
亜希子は心配ないと笑顔で彼女の体を支える動作を見せて言う
すると、一同の前から扉が開く音が響き
一同は前の方に注目をしていく、そこに現れたのは
「おはようみんな、よく来てくれたね」
三人の少女を引き連れた、彼の姿であった
「「「「「「おはようございますお兄様」」」」」」
その場にいる全員が一斉に挨拶をしていく
すると彼は横にあった椅子の方に歩いて座り込み
彼とともに現れた、三人の少女の内
凛々しい顔立ちで男らしいという印象の女性が前に立つ
「お忙しい中、ようこそ集まっていただき感謝する
今宵、皆様の中に私と彼女にとってかわいく愛しい娘を
ここにいらっしゃる皆様のもとに新たに加えていただいて本当にありがとう‥‥
先ほど、私たちと兄上殿の話し合いの末に末席に加えていただきたいた
それでは、こちらにいらっしゃい‥‥」
そう言っその彼女の隣に立つのは気品にあふれ
どこかの美しい王女様と言われてもあたりさわりのない少女だ
やや緊張した様子だったが、一呼吸おいて前に立って言葉を紡ぐ
「本日、皆様のもとでともに活動をさせていただくことになります
アンジェリーナ・ロメールダと申します
私の母役、カシス・オペワと父役、ケフィア・ウスティ
そしてお兄様にお世話になってこうしてここに立たせてもらいました
まだ若輩者ですが、この重圧に負けぬように日々精進していきたく思います」
そう言って落ち着いた様子であいさつを進めていく少女、アンジェリーナ
「…これでまた一人、順調にそろいつつあるね…」
「………僕もはっきり言って驚いている
何しろあの子は最初に見たときは本当に弱っていたからね…‥‥
もしかしたら、これもまた星の運命なのかもしれないね…‥‥‥」
彼は自分のもとにやってきた金乃恵と少し話をしていたのだった
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挨拶が済んで、三人の少女たちは
他の少女たちとそれぞれ挨拶を回っていた
彼はしばらくその様子を見つめていたが
やがて三人は、あいさつを一通り済ませて彼のもとに来た
「あらためてありがとうございますお兄様…‥
あの時お兄様に助けていただいたおかげで
今やこのように動くのに問題はな体になりました…‥」
「そうだね、あの時のことが懐かしい…‥‥‥
僕だけじゃなくケフィアやカシス
二人とも会っていなかったら君はきっと
ここに立つことは愚か、こうしてここにいることもなかった
本当に人の縁っていうのは不思議なもの、そうだって思わない?」
「ええ、私とケシィも兄上殿には感謝しています
私たちの仲を認めようとせずに、それどころか無理やり
好きでもない男と縁談を組ませようなどとされ、逃げ出したものの
私たちは無力を思い知った、あの時生き倒れていたアンジェを見て
なおさらそのことに打ちひしがれ、残酷な運命に従うほかないのかと‥‥」
「…ですがそんな私たちに、お兄様は手を差し伸べ…
あろうことか私たちの意志も尊重して
アンジェのことも救っていただいて、本当に本当に感謝しています…
私たちにさらなる名前もお与えになってくれた…
私にはカシス・オペワ…
ケフィにはケフィア・ウスティ…
そして、娘にはアンジェリーナ・ロメールダ…
私たち三人はこれから家族として過ごし
ともにお兄様のために尽くさせていただきます…」
そう言って三人は一斉に頭を下げた
「…これでまた一人揃った、ということですね…」
「…そうですね…
これもまさに天の意志ということかもね…」
「………確かにそうかもね………
アンジェリーナ」
彼にいきなり名前を呼ばれて驚いた様子を見せるアンジェリーナ
「…‥‥な、なんでしょうか…‥?」
「…‥‥‥君さ、好きな子いるでしょ?」
「「「っ!?」」」
彼の直球な質問を受けて、アンジェリーナは赤面して
ケフィアとカシスはとっても驚いた様子でそれぞれ叫ぶ
「んな、ななななななー何を言いいいいーてるんですかお兄様!?
そ、そもそもそのここここ根拠はどどーこにあるのででででーすか!?」
「………いやもう、そんな反応でごまかしたってバレバレだって………
ああそれと相手の方ももうわかってるよ、というよりも
偶然知ってしまったというべきなんだろうね、彼女について…‥‥‥」
彼がそう言った時にケフィアとカシスは驚いたが
だからと言って特に、別に、何も言わなかった
なぜなら、自分たちも女同士で愛し合っているのだし
娘が選んだ相手ならば何も言うことはないと思ったのだから
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その後、彼はある人物に会っていた
その人物はある場所において小休憩をとっていた
「…ペルシャ・ルセスさん、だね…」
彼がそう話しかけると、話しかけられた女性
ペルシャは視線の方を彼の方に向けていった
「貴方は…?」
「…私は、木乃華…
兄さんがぜひともあなたにお会いしたいとのことでね…」
要件を言う木乃華に対してペルシャはどこかうっとおしそうにしている
「…悪いけれど、他をあたってもらえない?
私のような怪物を引き入れたところで
苦労するだけだと思うけれど、まあこんな私の事に
分け隔てなく接してくれるのは、アンジィくらいだけれど…」
「…アンジィ…アンジェリーナさんですね…
でしたら問題ありませんよ…
そのアンジェリーナさんや
アンジェリーナさんの父親役と母親役のお二人も
その兄さんのもとで使えています、それに兄さんは
あなたのその左腕の力にも、貴方自身にも興味をお持ちですよ…
謁見だけでもぜひともご希望いただければと思っておいります…」
木乃華の言葉にペルシャは驚きの様子を見せる
彼女もアンジェリーナから彼のことを聞いており
以前から興味があったのだ、彼という人物のことに
まさかその彼の方から自分に会おうとしてくるとは思わず
少しあっけにとられて少し、発言が遅れてしまうのだった
「…ひょっとして、アンジィが口添えでもした?」
「…いいえ、兄さんがあなたに興味を持ったのは
アンジェリーナさんがあなたと交流する前からですよ
その経緯であなたとアンジェリーナさんの親交を知ったのですよ…」
「…へえ、アンジィから聞いていたけれど
よっぽど変わり者なのね、あなたのお兄さん…」
ペルシャはそう言いながらユックリと重い腰を上げた
「…あっていただけるのでしょうか?」
「…ええ、私もうわさの彼には
少し興味があったのでね、ぜひ一度会ってみたいと思っていたのよ…
よかったら日を改めて彼のもとに案内させてもらうと嬉しいのだけれど…」
ペルシャンの言葉に木乃華は満足そうにうなずき
ペルシャ自身もまた、不適ながらも笑みを浮かべていたのであった
‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥
後日、ペルシャは木乃華の案内を受けて
彼のもとに赴いていっている、やがてある一室に案内される
そこには、何人かの人物たちがそこにそろい
その間をペルシャは歩いていき、奥にいる彼のもとに行く
「…彼が…アンジィの言っていた…」
ペルシャがそう言って彼を見てつぶやき
ペルシャは片膝をついて、手を胸のもとに当てて頭を下げた
「お初にお目にかかります、私はペルシャ・ルセスと申します…
本日はこのような若輩者に謁見を申し立ててくださり
恐悦至極に存じ下げます、つきましては私は貴方様のもとにいる…」
「………はいはい、あいさつは簡潔に済ませてね…‥‥‥
僕自身もこうして君に会うことができて本当にうれしいよ
何しろ、あのアンジェが認めたっていう女傑なんだからね…‥‥‥
こうして君のことをここに呼んだのは
まあ、木乃華から聞いているだろうと思うけれども…‥‥‥
ぜひとも、僕のもとに入ってほしいのが正直な要求だ…‥‥‥
まあでも、いきなり僕のもとに来いなんて言われても
戸惑うだろうと思うし、ちょっと腹を割って話をしようと思ってね…‥‥‥」
そう言うと木乃華を元の位置に戻し
代わりに横の方に控えていた一人の少女を呼ぶ
「あ…」
「お呼びに参上しました
アンジェリーナ・ロメールダです‥‥‥
よろしくお願いしますね、ペルシィ…‥」
横に並んだその少女、アンジェリーナの今の姿に
ペルシャは思わず見惚れてしまう、それほどに美しいのだから
「………この子はある場所で行き倒れになっていたところを
ある二人の少女に拾われて、さらにそこを僕が拾って今に至る
だから、僕は彼女、リーナにはぜひとも彼女を支えられるような
そんな人と一緒に過ごしてほしいって僕は思っているんだ、だからね…‥‥‥
ペルシャ、リーナと一緒になってもらえないかな?」
「ええ!?」
ペルシャは驚きの声を上げる
「君だったら彼女のことを任せられる
リーナからも、君となら構わないと言伝ももらった…‥‥‥
あとは君が答えを出してくれればいい…‥‥‥力になってくれるね?」
彼がそこまで言ってペルシャはアンジェリーナの方を見る
彼女は頬を赤らめながら、静かにうなづくのを見て、ペルシャも腹をくくり
彼の話を受けるのを決めるのだった
かくして、エチオピア四王の結成となったのであった
英雄は王女と結ばれ、一つの国となる…‥‥‥