♈ ♉ ♊ ♋ ♌ ♍ ♎ ♏ ⛎ ♐ ♑ ♒ ♓     星座宮夜宵之闇物語之神話書記 ANAVIOSI SYN+       ♓ ♒ ♑ ♐ ⛎ ♏ ♎ ♍ ♌ ♋ ♊ ♉ ♈   作:lOOSPH

9 / 42
影ある優等生・・・・・・・・・


最後の巫女

 

 

 

 

 

 

とある日、彼はある場所に陽菜子とともに訪れていた

 

「…ここが聖地、炎の楽園…」

 

「…‥‥‥この星座の都においては、世界に忘れ去られ

 生きているのか死んでいるのかもわからないほどに

 人々からの認識が薄れてしまうという、ゆえにこの世界では

 

 死んだとしてもあくまで人々から忘れ去られるだけで

 あとくされもなくその記憶から瞬く間に抹消されてしまう…‥‥‥

 

 そしてこの世界で死んだ者の命はその存在とともに

 聖地であるこの炎の楽園を通って、再びその命が還元され

 

 再び世界に生きる新たな命として、生まれ変わるのだといわれている…‥‥」

 

そう言ってゴォゴォと音を立てて炎を上げている場所に目をやる

 

「…‥‥‥でも僕にはその話は、世界に見捨てられた者たちに

 せめてその生の果てのみは救いのあるものだとここで過ごす者たちを

 無理やりに納得させるための言うならば御釈迦話のようにしか思えない…‥‥‥

 

 まあ、ほとんどがそう思っているんだろうけれども…‥‥

 

 僕にはどうしてもその話がとってつけたようなものとしか感じられなくってね…‥‥」

 

「兄さん…?」

 

そう言って聖地の中へと入りこんでいく

それを見て、慌てて彼を追いかけていく陽菜子

 

「ちょちょちょちょっと…

 

 いくら何でも聖地の中に

 土足で入り込むなんてまずいんじゃ…」

 

「入るくらいなら問題はない…‥‥

 

 現に今でも戦いの中で死に別れた者の遺体を

 この地に葬る、聖葬のために訪れることもある…‥‥

 

 それに、どうやら先客がいるようだ…‥‥‥」

 

彼がそう言うと陽菜子は彼の視線の先にいる人影を見る

 

そこには、一人の少女が聖地に建てられた慰霊碑に

手を合わせて静かに黙祷しているのが見え、陽菜子は驚く

 

「…あの人は…!?」

 

すると、その人物は二人に気が付いて

その方向に顔を向けた、その顔を見て陽菜子は驚いた

 

「…絵美理…さん…!?」

 

「…あなたたちは…」

 

加東 絵美理…‥‥‥

 

自分たちとともに討伐組織に所属する

同僚の少女であり、彼を組織に引き抜いた人物

 

七誠の想い人でもある

 

「…‥‥‥この墓標、ひょっとして君の知り合いの…‥‥‥?」

 

「…ここには、私がこの世界に

 落ちた時に育ててくれた大切な家族が眠っています…

 

 ここにいるみんなはある日、私が少し目を離したすきに

 一人残らず殺されてしまったんです、穢れでも獣でもない者に…」

 

「…え…?」

 

その後、絵美理の話を聞いて絶句する陽菜子

その彼女の話にただ静かに耳を傾けている彼

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

やがて彼のもとに再び少女たちが集められる

そこにはこれまで彼が集めてきた者たちも含め

 

多くの少女たちが集められていた

 

「…‥‥‥よく集まってくれたね…‥‥‥

 

 こうして僕のような人のために

 集まってくれて、僕としても喜ばしいよ…‥‥‥

 

 そして、みんなのもとにまた新しい子が入ったんだ…‥‥‥

 

 それじゃあ、入っておいで…‥‥‥」

 

そう言って入ってくる一人の少女

少女は向かい合って集まっている少女たちの間を通り

 

彼のもとにまで歩き、膝をついて、頭を下げる

 

「…‥‥‥それじゃあ、自己紹介をして?」

 

「…はい、加東 絵美理と申します…

 

 私の希望でお兄様のもとに加えていただきました…

 

 よろしくお願いいたします…」

 

そう言って周りに聞こえるように自分の名前を言う絵美理

 

一同へのお目通りも済んだところで

絵美理は彼と陽菜子とともに別室で話をしていた

 

「…‥‥‥ありがとう、絵美理ちゃん…‥‥‥

 

 それにしてもまさか君のような優等生が

 まさか僕のもとに来てくれるとは思わなかったよ…‥‥‥」

 

「…以前よりあなたの、えーっと…お兄様たちの活躍は

 耳に入っていたんだもの、その時から興味があってね…

 

 それに…私とお兄様は境遇も似ていますし

 どこか親近感のようなものも感じられる部分もあったしね…」

 

「…ありがとう、絵美理…

 

 あなたほどの実力者がこうしてここに

 入ってきてくれるのは、私たちとしても心強いわ…」

 

そんな雑談をこぼしていく三人

 

「…‥‥‥さあて、それはともかく

 絵美理ちゃんが加わったことは喜ばしいけれど…‥‥‥

 

 はっきり言って問題の方は残ってるんだよね…‥‥‥」

 

「…七誠の事ですね…」

 

気疲れするように彼がため息をつくと

絵美理はやや苦笑いをしながらそう答えた

 

それを聞いて、彼はまたも深いため息をついて

頭を抱えるように頭をがっくりとうなだらせた

 

「…そう言えば、七誠君

 絵美理ちゃんのことが本当に好きだもんね…

 

 絵美理ちゃんがここに入ったってことが

 知ったら、ものすっごく怒るでしょうねえ…」

 

「…‥‥‥まったく…‥‥‥

 

 普段は若干まともな方なのに

 なんでか絵美理のことになると人が変わるからね…‥‥‥」

 

「あははは…

 

 ま、まあ私が後で

 七誠に話をしておきますよ…

 

 それに、七誠だってそんなことで

 目くじら立てるほど子供じゃないですよ」

 

絵美理はやや申し訳なさをいり交ぜた口調でそう締めたのだった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

そして後日

 

「どういうことなの!?」

 

七誠がものすっごい形相で彼に詰め寄っている

 

彼はその反応を見て若干、呆れと諦めを浮かべた表情で見ていた

 

「…‥‥‥聞いた通りだよ、絵美理ちゃんは

 僕たちの組に入ったんだよ、本人の希望でね

 

 むしろ、絵美理ちゃんから聞いていたでしょ?」

 

「聞いたよ、聞きましたよ!

 

 でもね、だからって納得できるわけないじゃない!!

 

 姉さんも確か君の組に入ったんだよね、姉さんは君の事

 慕っていたから別に文句はないよ、でもね、だからって

 絵美理ちゃんにまで手を出すってどういうことなの!?」

 

「…‥‥‥その言い方はいろいろと誤解を招くからやめて…‥‥‥

 

 二人はあくまでうちの組に所属しているってだけだよ…‥‥‥」

 

「そうよ、ななちゃん

 

 ただでさえ彼らの活躍を

 よく思わない人も多いんだからね…」

 

そう言って現れたのは、優生であった

 

彼女は七誠の頭に思いっきり手を押し付けて

彼からグイっと引き離していったのであった

 

「ぐえ‥‥」

 

「ほんとにごめんね…

 

 ちょっとななちゃん気が立ってるみたいで…」

 

「ま、まあね…‥‥‥」

 

優生はそう言って、彼に頭を下げた

 

「ところで、優香を知らない?

 

 最近家に帰るのが遅くって

 ちょっと心配しているんだけれど…」

 

「…‥‥‥ごめん、僕もよく知らないんだ…‥‥‥

 

 さすがの僕も全部が全部、把握しきってるわけじゃないから…‥‥‥」

 

彼は少し返答に遅れながらもそのように答えた

 

「…そっか…じゃあもしも見かけたら

 たまには撃ちに顔を見せるように言っておいてね…」

 

「わかった…‥‥‥」

 

「これだけは言っておくよ!

 

 絶対に絵美理ちゃんに手を出

 もしもそんなことしたら末代まで呪ってやるからなあああ!!!!」

 

七誠は優生に引っ張られながら、彼にくぎを刺していくのだった

 

「…‥‥‥はあ…‥‥‥」

 

「お疲れ様です、兄さん…」

 

嵐が去って一息ついた彼のもとに

陽菜子が現れてゆっくりと彼に付き添ってやる

 

「…‥‥‥いっつも思うんだけれどさ

 七誠はそもそも僕に何か言う前に

 

 絵美理との仲を深めておいた方がいいと思うのに

 どうして僕の方に向かっていってしまうんだろうね…‥‥‥」

 

「ああ見えて、そういう色事には奥手…

 

 つまり、ヘタレなんだよ」

 

気が付かないうちにヘタレ認定されてしまう七誠であった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

そんなひと悶着があり

頭を抱えている者がここにも

 

「…ほんとに七誠は…

 

 あれほどお兄様に迷惑をかけないように言ったのに…」

 

「‥‥七誠さんは絵美理さんのことが心配なんですよ

 

 何せ、いきなり私たちのもとに加わって

 そのうえでうまくやっていけるのかが、ね‥」

 

先ほど兄のもとに加わった加東 絵美理は

自分よりも前に加入した彩と雑談している

 

「…まったく、余計なお世話だって…

 

 別に私がどこに行こうとも私の勝手じゃないの」

 

「ま、まあそれはそうですね‥

 

 それにしても絵美理さんはどうして

 兄上殿のもとに来たのですか?

 

 あなたほどの人ならばどこでも

 活躍できると思いますけれど?」

 

彩はふと、そのようなことを絵美理に聞いていく

 

「…そうね、以前から気になっていたのよ…

 

 彼…、お兄様という人のことをずっとね…

 

 そして気が付いたのよ

 彼と私には同じ共通点があると

 

 だからこそ私は、私の悲願を果たすには

 お兄様のところに行くべきなのだと感じた

 それで私はお兄様のところに行くことを決めたのよ…

 

 彩はどうなの?

 

 彩も相当、お兄様のことを慕っているようだけれど?」

 

「‥‥私は、かつては神に仕える身でした

 親に捨てられ、教会での教えを胸に生きていた

 

 しかし、教会が怪物に襲われたとき

 私を拾い、私を育ててくれた人たちは我先にと逃げ出した

 

 その時私は信じていた何かが音を立てて崩れていく感覚を味わった‥

 

 私とともに教会ですごした子供たちは次々に殺されて行き

 怪物は残った私に襲い掛かろうとしたときに、あの御人は来てくださった

 

 あの時のあの御人の勇ましく姿を見て

 あの人こそが私が真に信ずるべき御人なのだと感じたんです

 

 ですから私は兄上殿についていきますよ‥

 

 たとえ兄上殿がどのような道を進み続けようとも

 私は私の持つすべてを兄上殿のためにお使いすると決めたのですから‥」

 

「…そっか…」

 

彩の決意に感心を込めた笑みを浮かべる絵美理

 

「…あら、珍しい組み合わせね‥

 

 こんなところで二人でお茶をしているなんてね‥」

 

そんな二人のもとに一人の少女が通りがかる

 

「これは亜依殿、まさかこのようなところで‥」

 

「フフフ、訓練の帰りには

 よくここで涼みに来ているのよ

 

 言うならここは私の行きつけなのよ‥

 

 ところで、そちらの相席している

 あなたが噂の期待の新人さんかな?」

 

そう言って絵美理の方を見て、彩にそう尋ねる

 

「初めまして、加東 絵美理です…

 

 この度お兄様のもとにお仕えする事になりました」

 

「これはご丁寧にどうも

 

 加久間 亜依って言います

 こちらの円藤 彩よりちょっと後に

 お兄様のところに入ったんだ、よろしく」

 

そう言って彩の隣の席に座る亜依

 

「…まあそんなに堅苦しくしなくていいからね

 

 ここでは私たちは対等なんだから

 そんなにかしこまらなくってもいいよ

 

 袖振り合うも他生の縁っていうじゃない?」

 

「…まあそうなんだけれども…

 

 じゃあこっちの方がしっくりくるから

 遠慮なくこの調子でしゃべらせてもらうわ」

 

「‥‥フフフフ、絵美理さんは本当に

 周りに合わせていくのがうまいですね

 

 さすがは、優等生と呼ばれているだけのことはあります」

 

三人はそう言って溶け込んでいくように話していく

 

「…それにしても、あなたがまさか

 お兄様のもとに入っちゃうなんてね‥

 

 私はてっきり、あなたと仲の良かった

 彼のいる春組にい続けると思っていたのに‥」

 

「…はあ…

 

 七誠との仲がそこまで噂されてるなんてね…

 

 いつも言わせてもらっているけれども

 私と七誠はそんなのじゃないから、もう…」

 

「‥‥でも七誠さん

 あなたがここに入っているって知って

 

 毎回のように兄上殿に構っているようですよ‥

 

 兄上殿が愚痴を妹君殿達にこぼしていたとのことですから‥」

 

彩のほほえみ交じりの言葉に絵美理はげんなりとした表情を浮かべていく

 

「あーもう、七誠の奴…

 

 話はつけておいたってのに

 なんでこうも言うこと聞かないのかしら」

 

「…まあ、七誠殿は思い込むと一直線な部分がありますからね‥

 

 七誠さんも結構多くの女性に好かれているようですけれども

 どれもきっぱり断って、自分には心に決めた相手がいるって‥

 

 中には彼の本命は誰なのかって賭けを行っているといううわさも‥」

 

「‥‥康比呂さんですね‥

 

 まったく誰かの恋路を使って

 金儲けをするなど言語道断ですね‥

 

 一度うちに連れて行って性根を叩き直して差し上げなくては‥」

 

彩は怒りよりも呆れを表情に出して、頭を抱えて言う

 

「まあ、あいつに比べれば

 七誠なんてまだいい方よね…

 

 少なくともお兄様に危害は加えていないしね…」

 

「…康比呂さんも危害は加えていないと思うけれど‥」

 

「…倫理の問題だっての…

 

 まあ、なんにしても私はこの道を選んだことは後悔はしてないわ…

 

 たとえこの先に何が起ころうともね…」

 

絵美理の言葉に、彩も亜依も静かに頷くのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

一方そのころ、噂の的になっている本人は

 

「はあああ~‥‥」

 

盛大なため息をついていた

 

「どうした七誠の奴‥‥

 

 随分と悩んでいるようだが?」

 

「うん、絵美理ちゃんがね

 彼のもとに入ったのがどうにも納得がいかないみたいなの…

 

 ずっと春組に入らないかって勧誘していたのにね…」

 

そんな彼を見て、ひそひそと話をしている二人

 

「まあ、あいつは一途だからな‥‥

 

 いろんな女性にアプローチされても

 絵美理がいるってかたくなだったもんな‥‥」

 

「まあ、絵美理ちゃんが彼のもとに行ったのは

 そういう感情からじゃないからね、だって彼には

 

 響子さんっていう本命がいるんだから…

 

 そういうことだからななちゃん、元気を出してよ」

 

優生はそう言いながら七誠に話しかけていく

 

「…わかってるよそのくらい‥‥

 

 だって僕は絵美理ちゃんのことも

 彼のこともよく見てきたんだもん、だから‥‥

 

 だからどこか心のどこかで絵美理ちゃんは

 彼のもとに行ったことも不思議とそうなるだろうって思ってた‥‥

 

 だからこそ余計に…余計に悔しいんだ‥‥」

 

「…ななちゃん…」

 

優生は七誠の沈んだような言葉に優生はそっと寄り添っていく

 

「…ななちゃんと彼は本当によく似てるね…

 

 一途なところとか自分よりも相手のことを

 考えることとか…ほんとにそっくり…でも一つだけ違うところがある…

 

 ななちゃんは自然と人を引き寄せるけれど…彼は人を寄せつけない

 寄せ付けようともしない…そこだけがななちゃんと彼の違うところ…」

 

「…多分、彼、は昔取ってもつらいことがあったんだと思う‥‥

 

 だからそう簡単に人に心は開かない、開くことができないんだよ‥‥

 

 そこを治せばきっと周りも彼のことを認めてくれると思うんだけれどな‥‥」

 

「‥‥まあでも、あいつのことをわかってくれている奴も少なからずいる‥‥

 

 絵美理もその一人さ、それにあいつのおかげで多くの奴らも救われてきたんだしな‥‥」

 

春三がそう言って話を占めていく、だが彼の表情は少し曇っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の過去にいるある少女とのことがあり、そしてその少女もまた

彼がかかわることによって更なる運命の渦中に巻き込まれて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          




春三の含み・・・・・・・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。