吉良吉影がきらファンのきららをアフレコしたようです 作:匿名にしました。
半年前から計画してたのをやっと投稿出来ました。
……そんな前から考えてたのに、投稿の一時間前に完成しました。何やってんだろ。
さてさて、前置きはこんなものでいいかな。それでは、本編どうぞ。
(急いで作ったので、誤字脱字あったらごめんなさい)
この物語は封印された女神ソラを救うため、エトワリアの中心『神殿』へと向かう二人と一匹の数奇な運命を追う冒険譚である!
『エトワリア』そう呼ばれる豊かな自然に満ちた幻想的な世界があった。
そのエトワリアの中心にある神殿で、女神ソラなる人物が聖なる力でその世界を治めていた。
そんな世界の辺境の地にてある二人───いや、一人と一匹が歩いていた。
「はぁ、はぁ……」
一人は腰くらいまで長い赤髪の少女であり、セーラー服風のヒラヒラとした白をメインとした服装で、手には大事そうに本を抱えていた。
年はまだ12、13ほどだろうか。
息を切らしながらも、ある場所へ向かって歩いていた。
「ランプ、大丈夫かい?」
一匹ははんぺんのように真っ白な体に、灰色の線が二本入っている尻尾、頭のてっぺんには灰色の六芒星が描かれている一頭身の生き物である。
その白い体を汚さないようにしているのか、地面から離れてフヨフヨと浮いている。
「大、丈夫ッ! それより、早く『召喚士』を見つけないと……へぶっ!」
「ランプ!?」
少女……『ランプ』は足元にあった石に気づかずに、爪先を引っ掻けて派手に転んだ。
その生き物……『マッチ』はランプを心配し、誰かに助けを呼ぼうと周りを見渡したが、誰もいなかった。
なお周りに人が居なかったので、転んだときにランプの下着を誰も見なかったのは幸運と言っていいだろう。
「さすがにこんなところに人が居るわけないしな……」
マッチはどうしようか途方に暮れたとき、何処からか「ガサガサ」と言う音が聞こえた。
「……マッチ、今何かした?」
「いや、今のは僕じゃなくて……ランプでないの?」
その音がなんなのか、なんとなくイヤーな予感がするが、一応確認を取ってみた。
そして当然の如く、互いに違うと答えた。
そんなやり取りをしている合間にも、その音は大きくなってきている。
その音はまるで何かがこっちに「向かっている」ような音であり、それが近づいているのだ。それを示すことはつまり───
「まさか、魔物か!?」
そう、敵の存在である。
いくら女神が世界を治めていると言っても、全員が全員喧嘩もせずに過ごしているわけではない。
知能がない『魔物』などに、興味本意で襲われたりなどがこの世界ではあり得るのだ。
戦う力も無い状態で魔物と遭遇したら、人間が蟻を踏み潰すかのごとく、簡単にやられてしまうだろう。
「マッチどうにかして!」
「どうにかっていわれても!?」
そんな会話をしている間に、その音の正体は現れた。
しかし、その正体は一人と一匹が想像するモノではなく───
「……人?」
「フフフ、私の名は『吉良吉影』」
ランプより三、四歳は年上であろう少女であった。
短い茶髪を揺らし、星形の髪留めを左右に付けている自らを『吉良吉影』と名乗る人物であった。
手には吉良吉影自身の身長より少し長い、木で作られた杖を持っておりその先端は円を描くように曲がっていた。その円の中には星型の飾りが入っていた。
何か杖のような物を持っているが、それ以上に可笑しいのがこの少女、声がなんだか男性のよう───否、男性であることだ。
「助かった……連れが倒れてしまって困ってたんだ。助けてくれないか?」
マッチは音の正体が人だったことに安心して息を吐き、ランプを起こすのを手伝ってもらうことにした。
二人は吉良吉影と名乗る人物の声には、特に疑問を持つことは無かった。
「なるほど……」
吉良吉影と名乗る人物は、転んだランプを手を引っ張りゆっくりと立ち上がらせた。
そのまま転んだ拍子に土で汚れた服をはらった。
「ありがとうございます」
「ところで……「ハンカチ」を持っているかね?」
「え? は、はい。持ってますけど」
急な話題変更にちょっぴり驚きながらも、質問に答えた。
何故そんな質問をしたのだろうか……疑問が浮かぶが、ポケットからハンカチを取り出した。
そのハンカチは汚れが一切なく、『ランプ』と緑色の糸で刺繍されている以外は、まるで白鳥のように綺麗な白一色であった。
吉良吉影はそのハンカチを数秒見つめると、自身のポケットから黒一色のハンカチを取り出した。
「わたしのを使いたまえ、血が出てるだろう?」
「ん? あ、ランプ! 膝が擦りむけてるよ!」
「え!?」
ランプはマッチに指摘された部分を見ると、うっすらとだが皮膚が向けて赤い液体が出ていた。
言われるまで気付かない程度の怪我ではあるが、吉良吉影は気付いたようだ。
「本当だ……」
「拭いてやるよ」
吉良吉影は傷口にハンカチを付けて液体を拭き取り、バンソーコーをその傷口の上から貼った。
「あ、ありがとうございます! でも……」
傷を治療してくれたことに感謝するが、それと同時に吉良吉影のハンカチが汚れてしまったことに対する罪悪感が強く、顔を下に向ける。
「君は悪くない、それよりも君が無事でホッとしたよ」
「ところで……君の名前を教えてくれないか?」
吉良吉影はこれ以上ランプが気にしないように、まだ聞いていたかった名前を聞いて、話題を変えることにした。
「ランプです。それでこっちが……」
「ランプの保護者のマッチだよ、よろしくきらら」
「ちょ……」
「保護者じゃないでしょ!?」
吉良吉影、そこからニックネームをつけたのかマッチはきららと呼ぶことにしたようだ。
無理矢理に漢字に変えると『
吉良吉影、もとい『きらら』は訂正しようとしたが、ランプとマッチが「保護者かどうか」という事を言い争いしており、とても入れるような空気ではない。
そんな言い争いはある「音」によってそれは遮られる。
(グ~~~~~)
その音は何処からか聞こえた。
不思議に思い、音のした方向を見るとランプ、正確にはランプのお腹があった。
音を鳴らしたであろうランプは顔を赤く染めながら、頬をかいた。
「フフフ、ほらどれが食べたい?」
きららは小さなバケットからパンを取り出し、ランプにはサクサクしているカツサンド、マッチには柔らかいパンで挟んであるサンドイッチを手渡した。
「い、いえ大丈夫です! それにこれはきららさんのじゃ……」
(グ~~~~~)
口ではどうと言おうが、体は正直である。
ランプはきららにこれ以上迷惑をかけたくないと思いながらも、お腹が空いているので、
「……いただきます」
空腹を満たすため、マッチと一緒に食べることにした。
「何から何まで、すまないねきらら……しかし、よく僕達に気付いたね。ここって結構道から外れてるよね?」
そう、マッチの言う通り今きらら達が居るのは、道からかなり外れているのだ。
現にこの道は歩けはするものの、殆ど整備されてなく、きらら以外の人にすれ違うどころか見てすらいないのだ。
「何か……胸騒ぎがしたからな」
きららは何処か遠くを見るように、空を見上げた。
それはまるで、何かを思い出すかのようにマッチは思った。尚、実際はきららがカッコつけただけである。
「ところで、どうしてここに?」
最初に述べた通り、ここはこの世界でも辺境の地である。しかもあまり整備されていない道を通るなんて、魔物にとって格好の餌である。
「私は餌です、食べてください」と言っているのと同じことである。
「……実は、私達は『召喚士』を探しにきたんです」
「ふむ……聞いたことがある」
きららはうろ覚えながも『召喚士』の言い伝えを思い出した。
昔、世界が悪の手によって支配されようとしたとき、ある一人の少女が立ち上がった。
その人物は異世界から『クリエイト』と呼ばれる者達を召喚し、悪を滅ぼしたと。
その人物の功績を称え人々は『召喚士』と呼ぶことにしたのだと。
「えっ!? きららさん聞いたことがあるんですか!?」
「何か知ってるのかい!?」
二人の想像以上の食い付きにきららはちょっぴり引きながらも、言い伝えと同時にあることを思い出した。
それは『召喚士』の住んでいたと言われる村が、自分の村だと言われてるを思いだした。あくまで「言われてる」なので、本当かは不明ではあるが。
そのことをランプとマッチに話すと、ランプはその場で跳ねながら回りはじめた。
「やっぱり! つまりはここに召喚士が居るってことだよね、やったねマッチ!」
「待った待った、落ち着きなよランプ。まだ居るとは決まったわけじゃないし、そもそもそう「言われてる」だけで、本当に住んでいたかは分からないんだよ?」
目的である『召喚士』の手がかりを見つけたことに、ランプと同じように嬉しいであろうマッチは冷静に「あくまで可能性の話」だと言うことを改めてランプに伝えた。
ランプの(自称)保護者と言うのもあり、ランプを落ち着かせることが出来た。
「きららはこの辺りで『召喚士』を見たことがあるかい?」
「すまないが知らないなあ」
ランプが罰の悪い顔をしているのを置いとき、マッチは『召喚士』の目撃情報を聞いたが、何も知らないそうだ。「さすがに言い伝えだけで探すのは厳しかっただろうか」そう考えていると、きららはずっと疑問に思っていたことを二人に聞いた。
「何故彼女を探している?」
その問いにランプとマッチは顔を見合わせ、難しい顔をした。
それは「問題が解けなくて頭を悩ましている学生」のような顔ではなく「宇宙人を見た」と言うようなにわかには信じられないことを話していいか悩んでいる表情であった。
そこまで無理に聞きたいはないと思い、今の質問を無かったことにしようとしたとき、ランプが口を開き始めた。
「……呼び出してほしい方々が居るんです」
「誰?」
「『クリエメイト』です」
「彼女達をこの世界に招く魔法―――――『コール』を『召喚士』を使うことができるんです」
「漫画にされた彼女のことか」
どこかの漫画家がしそうな事ではあるが、この世界にはいないので大丈夫である。
その言葉にマッチは苦笑いしながら否定した。
「う~ん、それはちょっと違うね」
きららの言う漫画と言うのは本来は『聖典』と呼ばれる書物である。
エトワリアの住民達は女神ソラが記した『聖典』を呼んでいる。
『聖典』にはこの世界とは、別の世界に住んでいる登場人物『クリエメイト』の言動が記述されているのである。
人々は『聖典』を読むことによって、元気の源である『クリエ』を得ているのだ。
『コール』はその『クリエメイト』を召喚する魔法の事を表す。
その魔法が使えることから『召喚士』と呼ばれているのだ。
「美しい手と顔をした彼女達か」
きららの言う通り『聖典』に記されている彼女達は、誰もが「美少女」と呼ばれていても可笑しくない容姿をしている。同性であるきららがそう感じることは何も可笑しくない。
もっともきららやランプも彼女達『クリエメイト』に匹敵するほどの容姿をしているが。
「まぁ、合ってはいるけど……」
「そう、そうなんですよきららさん!」
グイッと顔を近づけてランプの顔は赤かった。
熱があるから?きららの顔が美しいから?キスをしようとしてるから?いや、違う。
「『クリエメイト』の皆様はとても美しくて、尊い存在で尊敬に値する人物何ですよ! 勿論容姿のこともありますが、皆様からはどんなことでも「諦めない」という強い「意思」を感じるんですよ!」
興奮しているからである。
息もなんだか荒く、鼻息も荒かったのできららは数歩ほど距離をとった。
「な…? なんだ…いったい?」
「あーえっと、ランプは『聖典』のことになると止まらなくなる病気なんだよ」
そんなきららの疑問にマッチが答えた。
しかしランプのそれは普通とは異なっていた。まるでテンションが上がって最高にハイになっている吸血鬼のように、最高潮となっていた。
「病気じゃなくて大好きなだけだって!」
「まあまあ仲良くしなくっちゃあなあ~~~~」
ランプが自分のテンションが上がったことを「病気」と言われた事に怒り、否定をした。
容姿と同じように、その辺りはまだまだ子供のようだ。
また言い争いを始めようとするランプを、両手を出して落ち着けとジェスチャーするきらら。
「で、でも凄いんですよ! しかも『コール』で『クリエメイト』に力を貸してもらえる召喚士が居るなんて聞いたら、テンションが上がるに決まってるでしょう!?」
もはやテンションが高くなるを通り越して、めんどくさいオタクのようである。
だが自分の憧れの存在に会えるとなれば、そうなるのも仕方ないだろう。
「ここまで来たのは、彼女達を?」
「ち、違います! 確かに「少しくらいお話したいなー」なーんて思ったりしてますけど……」
「召喚士を見つけられないと、大変な事になってしまうんだよ」
欲望隠しきれてないのランプの言葉が頭に入らなくなる程の、スタンドも月までブッ飛ぶこの衝撃…きららはマッチが言ったことの重さが理解できなかった。
言い伝え程度の存在である召喚士を見つけられなければ、世界が終わる。まるで本当のことのように話すマッチを見て、たちの悪い冗談なんかじゃあないか。
そんな冗談に引っ掛かるのは、質問を質問で返す奴だけだと思った。
「……何?」
だがマッチはまるでそれが本当のように話した。
まるで「サンタは本当に居る」と言っている子供のように、一点の曇りの無い目をしていた。
さすがに可笑しいと感じたきららはマッチにどういうことか聞こうとした。
(ドクン)
この胸が飛び出るような、感覚が無ければ。
「こ……これはッ!?」
こんな感覚は初めてだ。
まるで心臓が一瞬だけ強く振動したような、変な感覚がした。
こんなことは今まで生きてきて一度も無かった。
気がつけば服の下に汗が出始めており、服が肌にくっついており気持ち悪いと思い、今すぐに帰って体を拭き、服を変えたいと考えたが、マッチの言ってたことを思いだし、思い留まる。
もし、もしも「本当」にその「大変な事」が起こると言うのなら既に「起ってるのではないか」何か嫌な胸騒ぎがすると。
「……きららさん?」
急に明後日の方向を向きはじめたきららを心配し、肩に触れるランプ。
その時にきららの顔を覗き込んで分かった。
いつの間にか汗をびっしゃりとかいており、目を見開いていたことに。
ランプの言葉にハッとなったきららは今感じたことを話すことにした。
彼女達ならこのことを何か知っているかもしれない、知らないってことはないだろう。
「何か嫌な予感がする…」
「「嫌な……予感?」」
きららの言葉に首を傾ける二人。
今のきららの様子は「嫌な予感」程度で済まされるものではない。
何か分かったのだろうか、期待と不安を胸に次のきららの言葉を待った。
「……すまない」
「え?」
きららから出てきた言葉はたった四文字、しかも謝罪でだった。
何故その言葉が出てくるのか、二人は理解不能であった。
「君達に会ったのは偶然ではない」
「私は君達がここに居るのを知っていた」
二人は先ほどのきららと同じように目を見開いた。
自分達が居るのを知っていた。それはあまりにも現実味がないと。
この世界では「スマホ」だなんて科学はない。当然の如く「ガラケー」なんてものもない。
その代わりに「魔法」がこの世界には普及している。
しかし「スマホ」のように人の位置情報を知る「魔法」なんてものはあるにはあるが、空想上の物である。
したがって自分が今どこにいるのか、それを知る統べはこの世界にはない。ある「魔法」を除いては。
「まさか……『パス』!?」
「有り得ない……って言いたいけど、実際に助けてもらってるからね。その線は否定出来ない」
「あ~すまないが……いったいなんだ?」
その空想上の「魔法」である『パス』なら有り得ると、考えついた二人。
『パス』が使えると考えられているきららは頭にハテナが浮かんでいた。
「人と人の間にある繋がりをそう呼ぶんだ。一説では「運命」を感じることの出来るとも言われるね」
マッチが説明してくれたおかげで、理解できたきらら。
今の説明が気に入ったのか「運命……」と何回か小さく呟く。
「まさか召喚士を探しに来たら『パス』を感じることの出来る人に会うなんて、思いもしなかったよ」
「『パス』……とても素敵な能力ですね」
「それできらら、何か分かったのかい?」
『パス』の存在に驚きながらも、きららを「自分とは違う」と避けずに、むしろ受け入れる二人。
きららは少し笑顔になり、マッチの質問に答えた。
「何か強い「意思」を感じる」
「まさか、始まってしまってしまったのかい!?」
「マッチ、それってもしかして―――」
「きっとそうだろうね。きらら、その方向って分かるかい?」
勝手に二人で納得しているのを余所にきららはまだ嫌な予感がしていた。
先ほどとは「何か」が違う予感を。
そんなことを胸に抱きながら『パス』の感じる方向を指を指し、三人で急いで向かった。
三人が『パス』を感じた方向に迷うことなく進んで行った。『パス』を感じられるということもあるが、きららがこの辺りに住んで居るのも関係しているだろう。そんな三人の先には不思議な生き物がいた。
三人はその生き物から姿を隠すように、草むらに隠れた。
その生き物はマッチと同じぐらいの大きさであったが、マッチとは正反対の色をしていた。
その体の中心には紺色の星が描かれており、その体が半分隠れる程大きな青色の帽子を被っていた。
その数約100体ッ!
「なんだ…犬か」
「『クロモン』です、きららさん」
「『クリエ』に対して反応が強い魔物だね、本来なら神殿に居るはずなんだけど……あんなに沢山、どうしたんだろう? それに様子が可笑しいし」
その生物を犬と間違えたきららにランプはキチンとした名前を教える。
しかしきららが見たことないのはマッチの説明の通り、無理はない。
本来ならこの世界の中心である神殿に住んでいる魔物なのだ。
「偶然」にも道に迷って神殿以外の場所で発見されることもたまにはある。
だがこんなにも「大勢」でこんな辺境な地に居るのは本来なら「有り得ない」のである。
さすがに犬と間違えるのはカバーできないが。
「あの先に何かあるのか?」
「ま、まさか…わたしの町!? まずい、まずいぞッ!」
正確には町ではなく村である。
しかしそんなことを考える暇も無く、クロモンを止めなければならないのだ。
しかも本来のクロモンより、様子が可笑しいようで村についたら何をするか分からない。
もしかしたら村人を襲うかもしれない。
先ほどきららが感じた「何か」違う予感とはこのことだったのだ。
「だとしたら止めないと!」
「でもどうやって!?」
「それは……」
「今はまだ作戦を立てないと、今向かって行っても無駄なだけだよ」
「でも、そしたらきららさんがッ!」
「それは分かってるさッ! でも僕達にはクロモンを倒すなんてとても……」
「む~マッチの分からずや!」
「そんなこと言うなよ、僕だってどうにかしたいんだから!」
「…………」
二人はまた口喧嘩を始めてしまった。
それを止めることなく、何かを考えているのか下を見たまま何かを考えているきらら。
誰も止めることが無いので、このままずっと口喧嘩が続くと思った矢先、きららがゆっくりと口を開く。
「だまって………いてくれ」
「……きららさん?」
「どうすれば今考えている…どうすれば…どうすればいい? クソッ!」
その今にでも消えそうな声を出しているきららを見て二人は頭を冷やした。
一番不安でどうにかしたいのはここに住んでいるきららの方だ。
このまま見て見ぬ振りをしたらきららの村はどうなるのか……二人は既に分かっていた。
分かっていが、行動に移せなかった。怖かったのだ、自分達ではどうしようもない。何も出来ないただの足手まといだと。いざという時逃げ出すことぐらいのことしか出来ないと……だが、とうの昔に覚悟を決めていた。それは旅を、召喚士を探し始めた時に。
しかし心の底では諦めていた。だが、きららを見てもう一度覚悟を決めた。
世界を救うためならなんでもすると、例え
「きららさん」
ランプの優しく、安心するような声にきららは顔をあげる。
そこにいたのはさっきまで口喧嘩をしていた二人ではなく、
「私達の目的は『女神様』を―――――この世界を守ることです」
「きららさんの住んでいるところも守りたいところのひとつです」
「だから……止めてきます」
「きららさん、ここまで本当にありがとうございます……マッチ、行くよ」
自分がどうにもなっていいと言う「覚悟」とは違う「犠牲の心」を持った者の顔であった。
ランプの言葉にマッチは黙って後を着いていく。
きららはランプとマッチを止めようと何か言葉を出そうとするが、何も出てこず二人の背中を見るだけしか出来なかった。
ランプとマッチはクロモンの達の前に立っていた。
クロモンは立ち止まり、二人を見る。
「……ランプ、一応聞くけど作戦はあるの?」
「そういうマッチはあるの?」
「……作戦があるなら、クロモンの前に堂々と立ったりしないさ」
「そうだね」
普通なら魔物の目の前に立つと言うのは怖いはずだ。
しかし二人はまるで世間話をするかのように、クロモンから目を離さずにいた。
話が終わると二人はクスリと笑い、軽く深呼吸をした。
「クロモン達、止まりなさい!」
「クロモン、止まれ!」
二人の言葉が届いたのか、届いてないのか……クロモンは二人を見て首を傾げる。
今にでも膝が笑いそうな恐怖が出てきそうだが、
「くー?(疑問)」
「止まった……?」
「いや、これは……」
クロモンが止まったことに安堵し、息を吐くランプ。
そんなランプを余所に、マッチはまだ警戒を続けている。
ランプはあくまで「見る」ことをしていたが、マッチは「観て」いた。
「見る」はあくまで視覚に頼るだけである。ランプはクロモンが「止まった」という見動きだけを見ていた。
「観る」は注意深く対象を見ることに使われる。マッチはランプとは違い、クロモンが「止まった」だけでなく、何故「止まった」のか。次に何をするか。それを見ていた。
「くー!(怒り)」
そして油断していたランプに向かってクロモンが体当たりしてきた。
「ランプ!」
マッチの言葉にハッとするも、既に遅い。
本来ならかわせたであろうクロモンの攻撃。
油断したから……否、たとえ油断しなかったとしてもかわさなかっただろう。
この先にはきららの村があるのだ、例え自分がかわしたところで村の方へと向かわれてしまう。
ならばここで食い止めるしか出来ることはないのだ。
「きゃあっ!!」
一頭身しかない大きさではあるが、忘れてはいけないのはクロモンが魔物であることだ。
例え小さくても人間のそれとは違う、大きさだけでは判断してはならない。
ランプは体当たりで背中から地面に倒れる、痛みはするがこの辺り一帯は草が生い茂っていたことが幸いしたのか、特に怪我はしなかった。
「いたた……」
クロモンを止めようと立ち上がろうとしたときだ、視界が黒一色に染まった。
それは別に夜になったわけではないし、今は太陽がギラギラと輝いている時間だ。
クロモンである、大量のクロモンがランプと飛び掛かってきたのだ。
例えクロモンが一頭身の小さな体と言っても数が多い。
ランプは大量のクロモンにもみくちゃにされて動けなくなった。
「ランプ!?」
マッチはなんとかしてランプを助けようとするが、クロモンの数が多くマッチが非力なため焼け石に水である。
そんな二人の元にある人物が走ってきた。
「ウリィヤアアッ!」
そう、吉良吉影……もとい、きららである。
自分の村を体を張って助けようとする二人を助けようと、手に持っている杖を振り回し大量のクロモンに突撃してきたのだ。
「きらら、君は危険だから下がってて……うわっ!」
マッチもクロモンに襲われて苦労しており、本来なら助けは嬉しいがきららを巻き込みたくない気持ちを優先し、なんとかしてきららを逃がそうとする。
そんなマッチの「巻き込みたくない」気持ちも、ランプの「世界を救いたい」願いも、きららの「二人を助けたい」行動もクロモンの前では無意味。
マッチときららもまた、ランプと同じようにクロモンにもみくちゃにされるのであった。
「うぐぐ…」
三人はクロモンをなんとかして退かそうとするが、一匹退けたところでもう一匹、一匹……と切りがない状況であった。
そんな中、きららの杖の握る力が強くなる。クロモンに対する怒り?違う、自分自身に対する怒りだ。
自分は村が襲われそうなのに、何故こんなにも無力なのか。
そんな行き場の無い怒りがで、無意識に力が入る。
「こ…このわたしが……この吉良吉影が切り抜けれなかった
「うわああああああああああああああああああああああ」
クロモンにもみくちゃにされながらも、無我夢中で杖を振りつづける。
そして急にきららの杖の星型の飾りが光り始める。
「なっ!?」
その光りが眩しく、その場に居る全員が目を閉じる。
その光りの中心にいるきららは感じる。その光りはなんだか暖かく、全身を包み込むように安心できる物だと。
そして光りが収まりはじめ、目を開けると先ほどまでにはその場に居なかった人物達がいた。
きららはその人物達が誰か分からなかった。どこかで見覚えがあるが、なんだか思い出せない。
「ま、まさか……」
きららが思いだそうとしていると、ランプが大声を出す。
今の光りでクロモンが怯んでる内に、顔だけは出したようだ。
その人物についてランプは知っている!いや!その容姿と性格を知っている!
忘れずはずがない!その人物達……彼女達が
「『クリエメイト』!?」
クリエメイトだからである。
←To Be Continued
【吉良吉影】
ジョジョの奇妙な冒険より
第四部(ダイヤモンドは砕けない)のラスボス
手に異様な執着を持つ殺人鬼
原作では四十八人の手のきれいな「女性」を殺してきた。
最期は主人公達に追い詰められ、救急車に引かれて死亡。
文章だけだとショボく感じるが、15年間殺人の後を残さないでいた。
その上主人公を一時的にとは言え、殺した数少ないラスボス。
あ、そうそうこの作品は
続きを書く予告はないです。
この作品書くの疲れるんですよ……
①吉良吉影の台詞を「全て」メモ
②きらファンのストーリーをそのままメモ
③そして本編
ジョジョのアプリ使いながらやりました。
もう、疲れた……
あ、そうだ。一応続きも考えていますよ。希望があれば書こうかなーって感じですけど。
さすがに希望が来ることは無いと思いますがね!
皆さんそれでは!
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