吉良吉影がきらファンのきららをアフレコしたようです   作:匿名にしました。

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お久しぶりです。
この小説書いてると「ジョジョのクロスオーバー」ではなくて、「ジョジョパロディのクロスオーバー」を書いてる気分になります。
キャラに動かされてる感じだからかなぁ……難しい。

それと今回は短いです。前回の二分の一程度ですがキリが良かったので。


オーダー

「じゃあこの世界に何が起こっているか説明するよ」

 

マッチの言葉にきららは頷く。

きららと一緒に旅に出ることが決まったが、そもそもとしてこの世界に何が起こっているかを知らないため、近くにあった木製の柵に腰をかけて話すことにした。

 

「まず、この世界は神殿で一番偉い人物、女神のソラ様が納めてることは知ってるよね?」

 

「美しい手と顔をした女性だろ?」

 

女神ソラ。

きららの言う通り彫刻のように整った顔に、レオナルド・ダ・ビンチの「モナリザ」のように綺麗な手をしている女性である。

ただきらら自身、その目でどんな人物か見たことがないので、正確に女神ソラがどのような人物かは分からないが。

 

「うん。そのソラ様が描いてきた『聖典』には、元にしている世界があるんだ」

 

「まさか」

 

「ああ、きららがさっき召喚した『クリエメイト』の世界だよ」

 

女神ソラが描いてきた『聖典』には様々な物語が描かれていた。

ひだまり荘というアパートに住む高校生の物語

イーグルジャンプなる会社で働く社会人の物語

崩壊した世界で生き残ろうとする高校生の物語

天然ドジっ娘な子に振り回される高校生の物語

国を越える友情を持つきんいろな高校生の物語

学校でゲームを作ろうと奮闘する高校生の物語

友人達と賑やかな学校生活を送る高校生の物語

一人前の占い師を目指そうとする見習いの物語

他にも物語は描かれているが、それが全て別世界の物だと知ったきららは、口が開きっぱなしだった。

 

「フハハハ……ハハ」

 

「きららさん?」

 

ランプは突然笑い出したきららを心配して、自身より身長が高いきららを見上げる形で声をかける。

『聖典』について何か夢を壊すようなことがあったのだろうか、それとも驚きすぎて思考が追いついてないのだろうか……そう考えたが、どちらでも無かった。

 

「彼女達がいるッ! いいじゃあないか!」

 

『クリエメイト』が実在するという事が嬉しくて、つい笑ってしまったのだ。

マッチは呆然とし、ランプは目を輝かせてきららに熱い視線を送る。

 

「そう、そうですよね! わたしも始めて知ったときは嬉しくて……!」

 

「あ~ランプ、まだ説明が終わってないから落ち着いて」

 

また興奮しそうになったランプを押さえ、説明を続けるマッチ。

頬を膨らまして睨んでくるが、話が進まないため気にしないことにした。

 

「それで、彼女達『クリエメイト』は『クリエ』を生み出す者とも言われているんだ」

 

『クリエ』とは言わば「水」や「酸素」と同じように、この世界の住民にとっては無くては為らないモノである。

酸素があるから呼吸出来るように、水があるから喉を潤すことが出来るように、『クリエ』は人々の生きる源……言わば『魂』であるッ!

 

「そう! そしてきららさんは『コール』はその『クリエメイト』の皆さまから力を借りれる魔法なんですよ!」

 

「な、なにィ~~~~~ッ!!」

 

きららは驚いた。

まさか自分にこんな「平穏」とは遠い力を持っていたことに、昔も「平穏」とは遠い力を持っておりその性質によって同じ能力(■■■■)を持っているモノと戦い……

 

「……………………?」

 

そこまで考えてきららは疑問に思った。

自分は昔から「平穏」に生きることを目標としており、今までもそのように生きていた。

だがさっきまでの出来事とは「平穏」とは掛け離れたモノであり、あのような戦いは無縁であった。

しかしその戦いで「恐怖」を感じることはなかった。

自分は今まで死闘を繰り広げたことはあるだろうか? 答えはノー。

どこかで自分と同じ「能力」を持つモノとはあったことが無いし、この『コール』や『パス』もランプと会った時に始めて何か知ったのだ。

それ以外に不思議な能力なんか持っていないし、魔法も得意とは言えない。

 

「きらら?」

 

「きららさん?」

 

「いや…なんでもない………………」

 

ハッと顔を上げるとランプとマッチが心配そうに自分の顔を見ていた。

どうやら思った以上に長い間考えていたようで、具合が悪くなったのかと思ったようだ。

平和に暮らしていた中、突然多くの魔物に襲われたのだ。いくら『コール』があろうと、結局は不思議な力を持っているただの女の子なのだ。

普通は驚きもするし、恐怖で体が震えたりもするはずだ。

なら『クロモン』に対して汗をかいたり、体が震えなかったのは何故だろうか……

そこまで考えて、きららは考えるのを止めた。

これ以上考えても答えは見つからないだろし、また二人を心配させてしまう。

 

「マッチ、私にも『コール』が使えたりしないの? そしたら『クリエメイト』の皆さまを……ふへへ」

 

「う~ん…『コール』を使うためには別世界にいる『クリエメイト』の『パス』を感じる必要があると思うから、ランプには無理だと思うよ?」

 

何かいやらしいことを考えているのだろうか、涎を垂らしながら変な笑い声を出すランプにマッチは自身の考えを述べる。

それを聞いたランプは地面に膝を着き、四つん這いになって落ち込んだ。

 

「まぁ簡単に出来たらアルシーヴも『オーダー』をしようとは考えないだろうね」

 

「なんだ??」

 

次々と知らない言葉がポンポンと出てくるので、少しばかり頭がごちゃごちゃになってきたが取り戻す聞いてみる。

体調が悪いと判断してたのか、下を向いていたきららが話せるようになってホッとしたマッチは『オーダー』について説明を始めた。

 

「『オーダー』ってのは『クリエメイト』の存在そのものを持ってくる魔法なんだ」

 

「『コール』と似てるかもしれないけど、実際は全然違うモノなんだ」

 

『コール』は『クリエメイト』の力を借りる魔法。

『オーダー』は『クリエメイト』そのものを持ってくる魔法。

似てるように見える魔法だが、この二つには大きな違いが存在する。

『コール』は言わば本物を鏡のように別世界に召喚する魔法であり、召喚された『クリエメイト』は本物でありながら、元の世界にも『クリエメイト』がいること。

『オーダー』は本物をそのまま別世界に持ってくる魔法であり、元の世界にいる『クリエメイト』はマジックのように消えてしまうのだ。

そしてこの二つの大きな違い、それは「生死」である。

『コール』はあくまで本物であるが、大怪我を負えば強制的に元の世界にへ帰り傷も回復する。

しかし『オーダー』は大怪我を負っても元の世界に帰れず、死んでしまった場合でも帰ることが出来ないのだ。

 

「そして『オーダー』は強制的に別世界に呼ぶ魔法であって、その影響で二つの世界を壊してしまうと言われてるんだ」

 

あくまで「かもしれない」だけで、本当にそうなるとは限らない。

しかしまだその魔法が『オーダー』と呼ばれる前に起こった事件では、強制的に呼び出した影響か女神が『聖典』の世界を見ることが出来ず、『クリエ』を作り出すことが出来なくなったことがあると、言い伝えられている。

『エトワリア』の民にとっては命の危機であり、今後そのような事が起きないように「禁呪」として封印されていたのだ。

 

「だからわたしは、わたしたちはソラ様を……『クリエメイト』の皆さまを助けるんです!」

 

きららはそのランプの目を見てどこか成長しているように見えた。

それは本当に成長しているのか、『クリエメイト』が関わるとそうなるのかはランプと知り合ったきららには分からない。

しかしクロモンを止めようとした時とは違う、何か「決意」めいた意思を抱いてるのだ感じた。

 

「フフ! 君には、実に強い意思を感じたよ」

 

そのことに少しだけ笑いをこぼし、突然きららはある場所へ一直線へと歩き始めた。

二人は突然きららが歩き始めたことに戸惑いながらも、駆け足で追いかけてきららを止めた。

 

「きららさん、どうしました!?」

 

「彼女達だッ! 自信がないが……」

 

きららは『クリエメイト』と思わしき人物達の『パス』を掴んでいた。

しかし感じたことがない『パス』なだけで、本当に彼女達かはきららにも分からない。

だが二人にとってはそれはどうでもいいことであった、『クリエメイト』かどうかは会って確かめればいい。手がかりがあるかないか、それだけでもかなり変わるからだ。

それよりも心配なのが彼女達が「危険な目に会ってるか」ということだ。

 

「きらら急ぐよ!」

 

マッチの声に急かされ、三人は『パス』を感じたところまで走るのであった。

 

 

 

 

 

「あれってまさか……クロモンの群れか!?」

 

『パス』を感じたところまで急ぐと、そこには先ほど同じようにクロモンの群れがあった。

視界を埋め尽くすほどの多さに怯みながらもランプはクロモンの群れをよーく視ると奥に人影が見えた。

 

「あー!? あの方々は「沙英」様に「乃莉」様!? 『クリエメイト』です!」

 

その声を聞き、きららは人影を観察する。

上手く確認は出来ないが、少なくともこの辺りで見るような格好はしていない。

 

「あの動き、あの多さ……もしかして、クロモンは『クリエメイト』を狙っているのか───ッ!」

 

マッチの声と共に『クリエメイト』を助けようとクロモンの群れへと突っ込むきらら。

両手に持っている杖を力強く握り、先ほどの感覚を思い出して『コール』で『クリエメイト』を召喚するのであった。

 

←To Be Continued




【聖典】
別世界のことが載ってる本。
現実世界で言うなら漫画や小説のこと。


【クリエ】
これがないと死ぬ。
原作(きらファン)から考察すると、摂取しないと一瞬で死ぬ。と言うことは無さそうではある。


【オーダー】
危ない魔法。
存在自体を持ってくるので此方の世界で死ぬと元の世界でも死んだ扱いになると思われる。
危険なので封印されていた魔法だが……?


【「沙英」「乃莉」】
「ひだまりスケッチ」に登場するキャラクター。
覚えてたら次回詳しい説明をする。

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