頭ふっわふわな短編集   作:サラダ豆乳パン

23 / 37
これからもこれからも


年をまたいでゆったりお墓参りエンド

 熱を思い出す。

 

 自身の腐食を成す。心を宥めすかし、撓めた潜在意識を塗りつぶす。聞き分けのない子を抱きしめてあやすように。心を支点に舞堂刀兵衛は変質した。朗らかに鬼として種族を決した。片方はもういい、と悟って放り投げたのだ。優しき温もりは、もうすでに思い出せた。そして、脳に住み着いた飢餓感に全身が揺らぐ。

 

 そう。舞堂刀兵衛は鬼で、仙人であって、神速の剣豪。そう定めた。

 

 もう変えられず、概念となろうがこのままだ。

 

 

「俺は、舞堂刀兵衛だ」

 

 

 握っていた小刀を静かに下ろし鞘に納める。火傷痕からはもう出血はしない。定まったのだから、流す必要がないのだ。

 

 さぁ、さぁ、さぁ。定まったからにはもう動かねばならぬ。火傷痕はなくなっても、在り方は無くなってはいけない。

 

 決別を。

 

 もう舞堂刀兵衛は人間ではないのだから。鬼として在ると顕示する義務が必要なのだから。

 

 飢餓感が襲う。精神的なそれは心を麻痺させる。腹が空いたということではなく、心が空いたといったところだ。だから、どうしようもない。忍耐も精神も鍛え上げたが、これにはどうともならない。これ程のものだから、舞堂刀兵衛は鬼になるのだ。

 

 これからは影を踏まないで歩かねばならないだろう。許しはいらない。

 

 酒を呷る。甘いそれは喉を潤した。

 

 

 トントン、と家の戸を叩く音が鳴った気がする。忌日にした日にちょうどやってきた。

 

 

 だから。

 

 

「今、行きます」

 

 

 舞堂刀兵衛という男は鬼で在るべきだ。

 

 さぁ、決別を。

 

 

 

 

 かさり、と枯葉を踏む音がする。一歩一歩踏み占めている。女は身を震わせながら歩いていた。涙を零して嗚咽も交えて。だが、一度も足を止めたりはしなった。憎いものがいたのだ、女には。愛する男のために、その憎しみを晴らさねばならなかった。たとえ、女の独りよがりであってたとしても晴らすべきだと女は思ったのだ。一言も口を利かなかったけれども長いこと二人でいたのだから。飯を作り、風呂を沸かし、衣服を洗うことはもうやる気がしない。男が生きていた時は欠かさずしていたことはできなくなった。全て男のためにしたかったことだったから。一度として名前を呼んでくれたりもしなかった男との日々は、女にとって幸せなことこの上なかった。朝から晩まで火事場に籠りっきりの男の姿が愛おしいのだ。家庭をまったく顧みない男だったけれど好きだ。夫婦となる前もなった後も、全く変わらず自分のこと以外何もしない男に恋し続けている。

 

 だから、愛する男のために狂うのは当然のことなのだ。

 

 女は先ほどナニカを殴り潰した手を見る。男のために水仕事をしすぎても荒れないようケアしていた美しい手は、汚らしい赤で汚れていた。片方だけではない両手ともそのような感じだ。アレの気配を感じるたびに強くなる憎しみは原始的な攻撃に変化した。爪を持って切り裂いていたのが億劫になり、殴り潰す方が心が少しだけ穏やかになった。少しだけ穏やかに憎めるのだ。弄り殺してしまいたい、が、縊り殺してしまいたいに、少しだけ変わる。少しだけ可愛いとアレに思ったこともあった。ほんの少しだけ。男が興味ないと知ると最低限世話するだけにしたが、少しだけ可愛かったのは事実だ。男に似ていてくれたから。今はそれさえ憎いけれど。

 

 

「どこ…」

 

 

 女は泣きながら探す。濃くなった気配は確かにこの山にいるはずなのに。

 

 

「あたしたちのぼうや…」

 

 

 女は泣きながら探す。大切な男との愛の子を。

 

 

「ぼうやぁ、どこだい」

 

 

 女は探している。愛する男を無駄死にさせた愚かな子を。

 

 

「ぼうや。おかあさんはここにいるよ」

 

 

 女は憎しみに震えて泣いた。子が憎くて泣いた。何の罪悪感もなく泣きながら。

 

 

「そこのあんた」

 

 

 二人組の少女が女に話しかけた。女は泣きながら襲い掛かる。まともに応える気などありはしない。

 

 なぜなら、()は気狂いだ。

 

 

 

 

 あれほど気負ったくせに、母上の気配が近くなると呼吸がうまくできなくなった。獅子王と蒼龍を抱きしめ震えながら蹲る。伸びた角さえカタカタと怯えをみせる。母上とお揃いの二本角。お揃いになれて嬉しかった。母上はやっと自分のことを愛してくれるだろう。それで、やっと綺麗にお別れできる。と、思いきや、母上のこの気配は優しいものではない。俺のことを一切見なかった母上が何故こうも憎いと辺りに殺気を放っているのか疑問が尽きない。

 ちゃんと手洗いうがいはしている。好き嫌いせずご飯はちゃんと食べている。一人で用もできた。買い物だってもう自分だけでできる。父と母に面倒をかけないようしっかりしたはずだ。全部、母上の言ったことは守っている。自我が芽生えてから今日まで。手を煩わせないよう、必死にやってきたのだ。

 

 だというのに何故。

 

 体の震えが止まらない。父代わりと母代わりを抱いても震えは止まりはしない。恐怖の所為だ、ということは分かっている。それを何とかしようともいしている。だが、なんとかしようと思っても、恐怖は定めた今でも纏わりついて離れやしない。

 俺の中で親というものは、尊敬と恐怖の対象だった。華扇たちからすれば尊敬するところなど全くないというが、俺にとっては尊敬するところがあった。一途さ、これだ。父上の刀に対する一途さ。母上の父上に対する一途さ。その一途さが、なんともキラキラしたものに見えてしょうがなかった。それを汚したくはない。暴力を振るわれるから恐怖を抱いているのではない。汚すことへの恐怖だ。尊敬と恐怖にはもう一種類ある。父上の背中。その父上を見る母上の背中。これは、父上と母上の一番見た姿。それは、紛れもなく美しい姿態であった。言葉にできないほど美しい夫婦の姿に尊敬の念が止まない。恐怖は、それを意図せずとも邪魔した時の母上の顔。無表情で見てくる。何も情など乗っていない顔だというのに無限の怒りをたたえて俺を見下ろす、その顔。それが怖くてたまらないから、なるべく接するのは控えたのだ。

 

 どちらもまともに相手してもらったことはない。ちゃんと名前を呼んでもらったこともないだろう。だけれど、俺は、舞堂刀兵衛は父上と母上が好きであった。絶対的に好きであった。それは今でも伝わることはないのだろうけども。

 

 そうだからこそ、母上に会うのが怖い。何をしても暖簾に腕押しのお二人だったが、母上は父上が絡むとひどいのだ。ただでさえ相手してくれないのが余計相手してくれないし暴力をふるう。顔だけは狙わず痣が残り、熱をもって腫れ上がることはいつも。しつけの類だろうとやりすぎである。骨が折れるなど体に響きすぎることはなかったが、心と体に恐怖は染みついた。その恐怖はまだ残っている。

 

 それでも、会わなければならない。舞堂刀兵衛は人間ではなく鬼になったけれども、在り方は無くなっていないのだから。ちゃんと会ってお別れをして、舞堂刀兵衛は生きていくと覚悟を決めねばならないのだ。

 

 獅子王と蒼龍を抱く両手のうち右手を一生懸命動かして額に手を当てる。無様に震えていて力が入らないが、それでもなんとかする。かつてあった温もりを思い出し、更に震えてしまう。が、今の自分を見つめなおす。弱くは在れない。だって、父上と母上の子だから。そう思うとふっと体に力が入った。なんとも軽くすっと入った。

 

 獅子王と蒼龍を支えに立ち上がる。気配はいつの間にか三つに増えていた。ならば急がねばならん。そのために自分に活を入れる。

 

 

「父上、母上。貴方方のためでなく」

 

 

 少し口が震えるもしっかり一音一音声に出す。

 

 

「俺は、俺で在るために」

 

 

 丹田に力を籠め、母上のいる方向に向けて宣言する。

 

 

「獅子王と蒼龍を、いただきます」

 

 

 駆ける。俺のために。俺の愛するもののために。

 

 

 

 

「あうん!!」

 

 

 霊夢の声に合わせて()の軌道をそらす。あまりチカラを開放するのがよくないあうんは霊夢の補助をするのがいい。()の攻撃を攪乱されるに

は十分な働き。霊夢は()を撃退することに専念する。

 霊夢は伊吹萃香や星熊勇儀といった鬼と相対したことがある。だけれど、この()とは違ってお遊びのスペルカードルールに則ってのものだ。スペルカードならば加減はされている。事故れば危ういが、霊夢の実力ではそういうものは回避してきた。だが、この()とのものは違う。アレは霊夢たちを尊重して競い合っているのではない。羽虫のように叩き潰す気だ。なんの感慨もなく、邪魔だからと叩き潰す気なのだ。そのことには霊夢がなにか口出しすることはない。彼女も仕方なく異変を解決している。血の気の多いやつに説法など無駄だとよく学習している。

 

 その血の気の多さがうつりそうなのは知らなかった。

 

 ()の妖気の所為か、今の戦いでの昂ぶりの所為かは知る気はない。少し血に酔いそうなのを攻撃としての霊力を編みながら堪える。あうんの息が上がっている。どうみても動きすぎだけでのものではない。彼女は狛犬、妖獣だ。今の姿になる前は寺社仏閣の石像に宿る神霊であったが、それになってしまった。神霊であれば跳ねのけられた。浄化も容易かったろう。けれど、妖獣となってしまった今ではより負のものを集めて来やすい。人である霊夢さえ血に酔いしれたくなるのをあうんはないとはなれないのだ。あうんもそれを分かっている。が、精神力だけで抑え込んでいる。それに軽く手を貸すだけの霊力しかあげられないのは、この()の所為だ。どういう攻撃でのものかは判別できない。そんな余裕がないのだ。

 

 二本しかないはずの腕以外の攻撃がある。血煙のような腕だ。それがぶち当たった木が折れずに枯れた。葉はすでに枯れていたが、まだ若い幹が見る見るうちに細くなっていく。霊夢でもあうんでも当たればどうなるか、分からないはずがない。運よく当たらずに知れてよかった。

 

 

「ぼうやぁ、どこだい?」

 

 

 ()はそう呟く。愛しい子を探し回る母の顔ではない。憎しみに狂ったバケモノの顔だ。

 

 霊夢はなんとか間隙をついて攻撃するが血煙の腕が無駄にする。あうんも少しづつ内なる力を開放させていって何とか対処しているが、分が悪い。元が神獣であるからか、かすめる程度では血に酔い知れそうになる程度。その都度、霊夢がここに来る事前に追ってきたあうんに張った符が役割を全うしているが、いつまでも持つものではない。補助するよう霊夢が霊力をあうんに纏わりつかせるけれども、完璧にできるわけではなかった。()の攻撃が直接と間接的に来るからである。血に酔いしれるのは時間の問題だった。

 

 決定打に掛けていた。

 

 と、()の動きが不意に止まる。血煙の腕ごと自分を抱きしめた。これでは攻撃するにしても何が来るか分からない。

 

 

「霊夢さん、あとどれくらいいけます?」

 

「詰めればあと二刻。このままいくとその半分もないわね」

 

 

 息を荒くさせながら二人は口を開く。あうんは良く持った方だ。霊夢も、十分な働きをしている。ここで、()に殴り潰されるのは当然の帰結と二人は悟っていた。臭い経つのだ。二人も愛する人がいるのだから、少しだけ血に酔いたくなってしまうのだ。

 

 

「…こんなとこで女の度胸発揮したくなかったんだけどね~」

 

「女の度胸って好きな人の前でこそ発揮されるんですけどね」

 

 

 軽口は血の匂いによくあった。

 

 

「おじさん」

「刀兵衛様」

 

 

 二人はお互いの想い人の名を呼ぶ。同じ相手に顔を合わせて笑った。

 

 

「あんたと三人でもよかったかも」

 

「三人で、いたかったですね」

 

 

 女の想いは。

 

 

「ぼうやぁ、死んでくおくれぇ!!!」

 

 

 叶わない。

 

 

 

 

「撃符【空刃破】《げきふくうじんは》!!」

 

 

 仙人の力を纏った獅子王を振りぬき、光の刃を飛ばす刀兵衛の得意の斬撃技。羽織を脱いで刀兵衛は立ちふさがる。血煙の腕を三本半犠牲にして()は泣き嗤った。心底不愉快そうに。

 

 

「ぼうやぁ!!」

 

 

 ()の喉が裂けるのではないかという怒声とともに、霊夢とあうんは濃厚な血の匂いに酔いしれてしまう。精神を侵かされ体を弄ばれる。狂え狂え、と確かにあったはずの理性をなくされそうになる。

 

 愛していたいのなら狂え。それは正しいことだ。愛し続けていたいなら狂え。紛れもなく正しいことである。愛を伝えたいのならば狂い続けるべきだ。明らかに正しきことであった。

 

 愛を、正しきことを為さねばならない、という思考回路。あるべき原始的な愛に身を焼かれそうになる。

 

 

「霊夢、あうん。しっかりしろ」

 

 

 少女たちが自分たちの両眼を抉ろうとした手を振り落とし仙人としての能力を使い、邪気を払い気を失わせる。相手がいるのに暢気に調整が必要なチカラを使ってはいられない。

 

 

「母上」

 

「死んでぇ…。早く死んでおくれぇ!!」

 

 

 ()の猛攻。刀兵衛は剣術による防御に特化した手堅い戦法を得意としている。そして、その防御を攻撃に転じ、カウンター技を使用して相手を無力化してきた。対処はできる。血煙の腕を獅子王と蒼龍で斬り落とす。その間に他の腕たちが刀兵衛を狙う。馬鹿力なのは勿論、速さも刀兵衛と同等。射命丸文といった【速さに自信を持つ者達】を圧倒するスピードで疾走できる体力と速さを持つ刀兵衛と同じ速さで互いに壊している。

 

 

「あんたの所為で、あの人はぁ!!」

 

 

 母親の怒鳴り声は脳を揺らす。心がざわざわとして、心臓がどんどん冷えてくる。ああ、いやだいやだ、と今すぐ頭を抱え蹲りたくなる。

 

 

「父上は」

 

「あんたの所為で!! ”死んじまったよ”!!」

 

 

 思わず動きを止めてしまった。死んだことが信じられない。至高の刀を作ることに一生を捧げる気の憧れてやまなかった、あの父が死んでしまっただなんて。信じたくなかった。心臓がいやに冷たく脈打ったのがわかる。自分の死が近いことさえどうでもよかった。父の死が心臓すら凍らせるほど、ひどく失望していた。

 

 ()が刀兵衛の顔を殴りつけた。何度も何度も。不格好に立っていたのが衝撃で倒れ、刀兵衛に跨り殴りつける。決して殴らなかった刀兵衛の顔を。

 

 

「あんたが持ってった所為で、完成しなかったんだ!!」

 

 

 獅子王と蒼龍のことだろう。父と母の名を勝手に借りてつけた大切な相棒たち。今日、ちゃんと自分のものにすると告げるため家を出たのに。告げる相手はすでにこの世にいなかった。死ぬわけがないと思っていた。母が先に逝っても、刀兵衛が先に逝っても、至高の一品が出来上がるまでは死ぬことはないと思っていたのだ。

 

 なのに、死んだ。

 

 おかしかった。

 

 

「笑うなぁ!! 笑うんじゃない!!」

 

 

 これがおかしくなくて何がおかしいというのだろう。火が弱すぎたわけではないだろう。道具がなかったわけでもないだろう。どれもこれも素人目から見ても良いと思うものでいっぱいだった。出来上がったものも父以外は満足できるものを多く作っていた。父のとっては三流の刀を、刀兵衛にとっては一番焦がれたもの奪ったけれども。これは刀兵衛に必要なものであって、父が必要とするわけがない。至高の刀を作れたのに、作らなかった父がアホらしかった。

 

 

「できたのに…」

 

 

 口の中が血でいっぱいになりながらも笑いをこらえきれない。父は本当にアホだった。ここに最高の素材があったというのに。

 

 

「母上。貴女が素材になればよかったのに」

 

 

 母を初めて憎いと思った。笑みに憎しみが宿る。冷たい、見下すものであった。

 

 

「だまれぇ!!」

 

 

 母の殴打で角が折れていた。角からも血は流れるようだ。母の血を引いた証の角、それからの血が目に染みる。

 

 

「貴女は、“父上より俺をとってくれたんだ”!!」

 

 

 その喜びで頭が破裂しそうだった。血の涙を流して喜びを露わにして見せた。母が愛してくれたことが喜ばしくて、父を見殺しにしたことすら許してしまいそうであった。

 

 

「だまれぇぇえええ!!!」

 

 

 殴ろうとする母に抱き着くことは無理からぬ話であろう。母はその温もりから逃れられぬもの同じだ。

 

 

 

 

 女はあまりのことに気を失いそうだった。愛した男の事、愛した男の子。どちらも大事な男である。どちらも矛盾なく大事である。刀兵衛の温もりを忘れてはいなかった。おしめを代え乳をやる。最低限の事だけをやった。それでも愛らしい泣き声は耳に今も残っている。

 

 

「あぁぁぁ…」

 

 

 刀兵衛から離れようとした。だが、力はそのように働かない。

 

 

「母上」

 

 

 泣き声は低くなって愛した男にほんの少し、ほんの少しだけ似ていて。

 

 たまらなく愛おしかった。だから、女が母になるには十分すぎた

 

 

「あの人とあんた。どっちも大事だよ」

 

 

 母はいつかのようにニコニコと笑っていた。優しい母の顔をして笑う。それに刀兵衛は固まった。

 

 

「大好きだよ、あたしたちの子」

 

 

 よくも、よくもそんなことを言う。その大好きといった息子に母が何をしでかしたのか。まったく母は分かろうともせず刀兵衛をあやす。

 

 

「あの人との子なんだから、大好きに決まってるけどね」

 

 

 母親は息子をあやしながら、だからね、と続けて。

 

 

「“あたしんことは大嫌いでいなさいね”」

 

 

 そんなことを、母が言う。あやす手はかつてあった火傷痕に触れて離れる。その手を当然刀兵衛はつかんだ。

 

 

「まぁ、来世ってのは信じてないし、いらないからどうでもいいんだけど。あの人を愛していいのはこのあたしだけだしね~。…それに」

 

 

 優しく振るって刀兵衛の手を振り払い、血みどろの両手で、暖かき母の手で息子の顔を引っ張る。殺意どころか、敵意なんてなくて。どころか、ひどく懐かしい温かさが。

 

 

「あんたが、このあたし以外を『母上』って呼ぶのムカつくから」

 

 

 笑わせようとしてるのか、口が歪む刀兵衛を上へ上げようとしていた。そうする冷たくなっていく温もりのせいで口が震える。

 

 

「はーやーく、にっこり笑ってバイバイちゃんよ!」

 

 

 少しも悲しくもなさそうなのが余計に刀兵衛を苦しくさせる。何年たっても変わらないその馬鹿明るい様に何か言ってやりたくてたまらない。なんの柵もなくなって軽い調子の母は本当に気楽そうだった。

 

「母上」

 

「なぁに~?」

 

 

 鎖をじゃらじゃら揺らしながら身体も揺らしながら必死に刀兵衛を笑わせようとしていて。

 

 

「大好きでいます、ずっと」

 

 

 刀兵衛は不自由そうに口を動かす。左右不揃いに生えた角は、父と母との子の確かな証である。たとえ今折れていたとしても、必ず元通りにしてみせる。

 

 

「父上も、母上も。大好きな俺の両親ですから。嫌いになれるわけないでしょう」

 

 

 きょとんとする女。すぐにいつもの表情に戻ると思いきや、なんともこちらが幸せになってしまいそうな顔に。刀兵衛笑った。だって、なんとも母親らしい慈愛に満ちた顔をするものだから、笑ってしまった。

 

 

「あぁ、“刀兵衛”… 嫌いになってくれないのね。もぅ、親不孝者なんだから」

 

 

 母は自分の顔を覆った。母として息子には到底見せていい表情ではない。あらゆる嘆きに満ちた顔など見せられない。ここで見せていいのは女の顔ではない、母の顔だからだ。

 

 

「刀兵衛…。子不孝のお母さんでごめんね」

 

 

 顔を覆ったまま母は泣いていた。先ほどの気狂い女のとしてのものではなかった。

 

 

「お母さん、我侭聞きたいな。ここでしか聞けないの、許してちょうだい」

 

 

 けれど、決して母親がしていい表情ではなかったから顔を隠して強請る。許される行為であった。母である女が願い、子である刀兵衛が望んでいたのだから。

 

 

「…聞いてくれるのですね」

 

「うん。お母さんだもん。子供は、我侭言うものだって今の今まで知らなかったから」

 

 

 互いに漏れる言葉は不自由すぎて震える。まともに親子でいない。

 

 

「ずっと好きでいるの。好きでい続けるの。…辛いよ? すごく、すごく辛いことだよ。いいの…?」

 

 

 刀兵衛の我儘をなんとかそれにしようと必死だった。だって、そうでなければもう母としてできることなど何もなかったのだ。

 

 

「いい。やる」

 

 

 簡素な言葉。刀兵衛は母の手を取り顔を見せてもらった。母は母の顔をしていた。母としては失格だというのに、ここにきて一番の母の顔をして、誇らしそうに泣いていたのだ。

 

 

「うん、頑張って。刀兵衛は強い子だからできるもんね」

 

 

 誇らしげに笑う。というには不恰好すぎたが、母親らしいもので。

 

 強く優しく、母親は自分の愛息子を抱きしめた。初めてのようであって懐かしくてたまらなくて、すごくすごく幸せに感じるもので。

 

 

「だーいすき」

 

 

 頭を撫で背を摩られ、刀兵衛は本当に抱きしめ返した。初めてのような懐かしいような、とてもとても幸せに感じるものにもったいないと思うのに目を閉じてしまう。

 

 母も同じく目を閉じる。やっと、抱きしめられた。抱っこができたのだ。噛みしめるように何度か力を込めた。壊れやすいから、大事なものだから。失くしてしまいそうだったものを、好きでい続けるために。

 

 霊夢の母、先代巫女と八雲紫といった強い力が母をかき消しって行く。

 

 最期に母は思う。

 

 

 ≪あたしはこの子が大好きなんだ。あ~あ、もう一度。もう一度だけでいいから。だっこしてあげたかったなぁ…。》

 

 

 ()の想いは叶うわけがなかった。いまさら知った母の愛など、持ってはいけないのだから。

 

 だとしても

 

 誰にも譲れない刀兵衛の母としての愛は、確かにあったのだ。 

 

 

 

 寝物語を聞いていた気がする。ひどい母と可哀そうな子供の当たり障りにならない対話を。まるで会話になってない、どうしようもない交信を。

 

 霊夢とあうんが目を開けたとき、刀兵衛の姿はとてつもなく遠くに感じた。

 

 

「おじ、さん」

「刀兵衛様…?」

 

 

 二人の声に気づいた刀兵衛は力なく笑った。まるでそうすることを強いられているかのように。

 

 

「おじさん、立って」

 

 

 霊夢は力の入らない足を無視して震える手を使い、這って刀兵衛に近づく。

 

 

「刀兵衛様、折れてはダメです」

 

 

 同じような状態のあうんは霊夢を支えつつ刀兵衛の顔を見続けた。

 

 それに応えるには刀兵衛は限界だった。望んでいた母の愛を受け取った、焦がれた父はもういない。ならば、もう生きていても仕方がないと思っていたのだ。彼らの忘れ形見となった、獅子王と蒼龍。それを持っていることさえ苦しくなるほど、全てが限界であった。

 

 

「おじさんは、強い人でしょ」

 

 

 霊夢が知っている姿は、凛としていた。高い高いをしてもらった手の温かさは、しっかり覚えている。先代巫女と世話してくれた刀兵衛は、霊夢の中で尊い存在であるのだ。

 

 

「刀兵衛様は、守れる人のはずです」

 

 

 あうんが知っている姿は、逞しかった。あうんに家族を教えてくれた温かい眼差しは、ずっと覚えている。霊夢たちと共に生きている刀兵衛は、あうんの中で敬うべき存在であるのだ。

 

その彼女らが知る存在とは、今は別人のように感じられた。そのことに血に酔い痴れた思考が声を出さずにいられなくさせる。

 

 

「おじさん。忘れないで、あなたは強い。いつもなら、すぐ一人で立てるでしょう?」

 

「刀兵衛様。思い出してください、貴方は折れません。普段なら、誰をも守れますよね?」 

 

 

 できないのならば。

 

 

「なら、弱くてもいいよ」

 

「折れてもいいですよ」

 

 

 二人は刀兵衛まであと少しの距離にいた。心すらそうであったのだろう。確かに女として黒い部分が露出し始めていた。それを血の酔い痴れたからと言い訳にする気はないのは、刀兵衛は薄い意識で感じ取る。

 

 

「わたしたちが一緒にいてあげるから」

 

 

 霊夢は甘い言葉で誘惑している。男を落とすのことが巧みにできていた。

 

 

「わたしたちが誰からも守ってあげますから」

 

 

 あうんは優しい言葉で懇願した。男が這い上がれなくすることを上手にできる。

 

 

「わたしたちがいる」

 

 

 二人の少女は刀兵衛を捕まえた。力の入らない体を無理やり動かす。不自由に刀兵衛を愛し始めている。刀兵衛がじれったく思って手を出させるように、わざとらしいほど不自由に。

 

 

「わたしたちが愛していることをずっと忘れさせないから」

 

 

 刀兵衛の手を握り離れない。その温かさは忘れたくないもののはず。

 

 

「わたしたちが愛していることを必ず覚えさせますよ」

 

 

 刀兵衛の目を二人から一秒たりとも離させない。その美しさは覚えていたいもののはず。

 

 

「忘れないで。愛するということは、幸せなことよ」

 

 

 本当は辛いことだ。刀兵衛はよく分かっている。もういなくなってしまった父と母の代わりに愛せというのなら、できない。代われるほどの安いものではない。変わりができないから愛することはやめるべきなのだ。それほど誰かを愛することなど不可能だと刀兵衛は思っている。

 

 

「覚えていてください。愛するとは、幸せなことです」

 

 

 幸せだというのならば、何故こんなにも胸が痛むというのか。愛らしい少女たちを微かに思う心が叫び声をあげている。代わりになれないのに、代わりになろうとしないでほしい。愛する相手を作るのも失うのも、もう嫌だった。岩を水が穿つほどの長い間待ち続けた結果がこれだ。そうしてまで両親を愛していたのだ。

 

 

「愛など、辛いだけでしかない」

 

 

 少女たちを振り払う勇気も、少女たちから目をそらす覚悟も、なかった。

 

 

「誰かを愛するなんて、もう、できる訳がない」

 

 

 握られた両手の圧が強くなる。けれど、刀兵衛の口は止まらなかった。血に酔い痴れていたのは刀兵衛もだったのだろう。

 

 

「愛など、ごめんだ」

 

 

 静かに涙を流しながら崩れた。心が擦り切れてなくなりそうだった。それは心の防衛機能。理性が刀兵衛を守ろうとしていた。

 

 

「愛して」

 

 

 その理性を攻撃するのは霊夢とあうん。理性を壊して、刀兵衛を壊して彼女たちは本気で刀兵衛を愛そうとしていた。

 

 

「愛そうよ、絶対に忘れないから」

 

「愛しますよ、ちゃんと覚えられるまで」

 

 

 愛する男を確かに愛そうとして、刀兵衛を壊す。

 

 刀兵衛の心が揺れた。

 

 愛することは、即ち辛いことである。持てる愛をもって返されることはあまりない。一人が持っていい愛は限られる。両手で持てる分だけだ。その両手をめいいっぱい使ってもってもいい。ほんの少しだけ持ってもいい。なんなら持たなくてもいいものだ。けれど、持ってしまったのなら責任をもって愛し続けなければならない。持つ者と持ったものが傷つけ合うこともある。致命傷になり、壊れてしまうこともある。だが、持ち続けなくてはならない。愛は返されることはない。愛は返していいものではないのだから。本当なら、自分だけ、自己愛を、その一つだけで生きていく方がずっと楽だ。誰も奪いやしないし、壊そうとも思わないのだから。それでも、何かを愛したくなる。制限があるのは、奪われないよう、壊されないよう、自分で守れるだけの範囲があるから。その範囲は決して超えられない。声的来るのならば、誰を彼をも憎み嫉み、壊し合う。辛いことだ。愛があればいい、なんて言葉は寝言にだって言えない。愛があるから、誰を彼をも嫌いになってしまう日があるのだから。そう誰だってなりたくない。嫌うのも好くのも同等の力を使う。だったなら、好いていたいだろう。嫌いたくはない。誰だって八方美人でいたい。

 

 だから、刀兵衛は自然に誰かを愛せない。不自然に遠くにやってしまう。愛情表現が不器用なのではなく、そうしなければ誰かを責任もって愛せない。

 

 刀兵衛の中で無責任さとは何か。

 

 了承のない交流。これであった。

 

 刀兵衛にとって、愛するということは誰かから了承のいるものだ。親の教育によるものである。邪魔をしてはいけない。何かするなら顔をうかがう。やらかしてしまってはいけない。そういう子供の意識が抜けきっていないのだ。だから、突き放す物言いでどこまで許されるか確かめてしまう。おっかなびっくり誰かと触れ合わなければ先に進めない。先に進むにも、持てる愛が限られているのを知っているから。そして、持ってしまったのなら愛し続けなければならないことを分かっている。

 

 端的に言えば、愛が怖い。

 

 親の愛に恵まれないなかった。最後に触れ合えたような気がしたが、結局は肩透かし。母は、母の中の息子を愛しただけだ。それに思うことは一つ。

 

 “愛さなければよかった”

 

 辛い、苦しい、痛くて泣きそうだ。すぐ触れ合える距離にいたのに素通りされた寂しさ。それを消すには自分は心が固すぎた。何重にも結った紐のように決して解れることはない、はずだった。

 

 それを、少女たちが優しく解く。手痛い目にあうだろう。身体的にも精神的にも厳しいものを見せつけられだろう。

 

 心が揺れる。

 

 

 『絶対に忘れないから ちゃんと覚えられるまで』

 

 “愛そう”と言ってくれる。

 

 愛し合おうとしてくれている。

 

 腫れあがった頬に涙が染みるのが、やけに朧げに感じた。

 

 

「お前たち」

 

 

 二人が握った手、その手が力が抜けだして両手を握り返してしまう。反射的な行動だった。離してしまいたくなかったのだ。

 

 

「愛させてくれるのか…」

 

 

 疑問のような独白。すぐに答えたくなったが二人は黙って見送った。血の酔いは正常に狂わせてくれる。

 

 

「霊夢、あうん。お前たちを、愛していいか」

 

 

 愛するというのは、幸せなことである。

 近くにいる誰かと交信することの喜びは、ずっと経験していくもの。たとえ途切れても、無くなっても、誰かがいたことの事実は変わらない。誰かと共に生きていく仲で苦しいことはあるだろう。それを乗り越えようと足掻くたび悩むことがあるだろう。そこで、ふと誰かとの交信記録という墓を見下ろしてみよう。また会いたい、という墓石に刻まれた言葉は自分の本当にしたいことである。また会いたいは、また愛したい。また明日も逢いたいのだ。

 

 愛することは、幸せなことである。

 楽しい日々の中を生き続けることは難しい。ずっとは難しい。悲しいこともある。日などもう昇らないでほしいことは多いだろう。それでも、明日も自分で立たねばならない。荒波のような厳しい日々に負けそうになるけれども、小さな温かさが傍に立ってくれる。誰かを愛したのなら、愛された分だけ動こうなどと思わなくていい。愛されたことを誇ればいい。ちっちゃなことでも構わない。それが、誰にも譲れない強き心になる。それは、確かな生きる意味だ。

 

 その心でまた誰かを愛してみよう。辛いことはある。それでも、確かにいる温かさはずっと忘れないで覚えていられるはずなのだ。

 

 

「いつまでも愛してるわ、おじさん」

 

 

 霊夢はにっこり笑う。確かにある忘れられるはずもない温かさ。

 

 

「刀兵衛様。愛しますね、ずっと」

 

 

 あうんも満面の笑み。確かにある覚えているべき温かさ。

 

 

 

 ここに墓を建てよう。

 

 かつての三人の親子のために。獅子王と蒼龍を備える。きっと、もう手入れはされぬだろう。そうあるべきだ。覚えているもの、忘れないものはちゃんと胸に残っている。だから、これらは三人のために送るものだ。

 

 墓石もない、刀だけの墓標は目立つ。これからの三人の目によく焼け付いた。

 

 愛するものがいる。愛したい誰かがいる。忘れたくない、覚えていたい人たちがこれからもいるだろう。例えば、霊夢と刀兵衛とあうんの子とか。その子の子とか。ずっとずっと忘れないで覚え続けたい、愛し続けていく日々を送るのだ。

 

 秋の寂しい木枯らしの中にある、確かな三人の家族の話。一人の持つ愛を、三人の手で分けっこした仲のいい家族の物語。

 

 霊夢とあうん()の想いは叶う。それは舞堂刀兵衛も望む、幸せになるべき家族。

 

 墓参りをしに行こう。

 

 愛するというのは幸せなことでした、とまた忘れないでずっと覚えているために。




主人公の設定

◆名前:舞堂 刀兵衛(ぶどう とうべえ)

◆一人称:俺

◆種族:仙人

◆二つ名:神速の剣豪

◆職業:侍

◆概要
 茨木華扇と同じ仙人であり、彼女の幼馴染、そして先代巫女と八雲紫の古い知り合いでもある。先代が当時の巫女に就いていた時から彼女の助力をしたり、博麗神社の近くの山に居を構えているため、彼女達(霊夢、紫、藍、先代巫女)とも面識がある。また、酒にも強いため異変解決後の宴会では全く酔いつぶれない完璧超人でもある。

◆容姿
 髪型は黒のポニーテール(『ソウルキャリバー6』の「御剣平四郎」のような感じ)。服装は黒色の着物・灰色の袴と羽織を着用している(本気を出す時は羽織を脱いでいる)。左腰に2本の剣を差している。

◆武器:刀×2(一刀流)
◇獅子王(ししおう)
 左腰に装備している刀の1本。柄も鞘も黒色・刀身は銀色と普通の刀と同じ見た目だが、耐久性は極めて高い。
◇蒼龍(そうりゅう)
 左腰に装備している刀の1本。柄は白色・鞘は黒に近い灰色・刀身は空色に近い銀色。獅子王と同様に高い耐久性を持っている。

◆性格:冷静 兼 クール(『FF7』のクラウドのような感じ)
 興味の対象外である会話には積極的に参加しないばかりか突き放す物言いをするが、責任感が強い。

◆能力
◇瞑想を使う程度の能力
 瞑想で新しい技(剣術、格闘技、弾幕等)をイメージで思い浮かべる能力。自宅での修行でしか使う機会は少ない。
◇仙人としての能力
 様々な能力を使える仙人の力。空の飛行や念力、予知能力、テレパシーを行うことも可能である。
◇戦闘能力
 忍耐・精神・頭の回転力を備えており、数々の実戦を経験しているため戦闘力も極めて高い。弾幕戦(遠距離戦)・接近戦においても高い実力を持ち、「幻想郷最強」の強さを持つ「鬼」にあっさりと勝利し、「博麗の巫女」と互角に渡り合うほどである。
◇身体能力
 基礎体力はかなり高く、家事(食事を作ったり、雪かき等)を軽々とこなしたり、射命丸文をはじめ、「速さに自信を持つ者達」を圧倒するほどのスピードで疾走したりと、かなり優れている。

◆戦法
 剣術による防御に特化した手堅い戦法を得意としており、包囲された状態、対集団戦で真価を発揮する。長年の修行でこの戦法を熟練しているため弾幕の集中砲火も対抗できる。接近戦では防御を攻撃に転じ、カウンター技を使用して相手を無力化する。この戦法で「異変を起こす側」の数々の強敵に勝利して「異変解決」に貢献している。

◆住んでいる所:博麗神社近くの山

◆生活
 ほとんど自宅で鍛練&修行(剣術、弾幕、格闘技等)をして過ごしている。たまに幻想郷の状況確認のために外出する事もあり、博麗神社に立ち寄り賽銭を入れたり、人里に必要な物(食料、日用品等)の買出しをしている。
◇仕事
 たまに来る森近霖之助からの依頼で、彼の店『香霖堂』に運ぶ「外の世界からの流出品」の輸送の護衛をして高額の報酬を得ている。
◇異変時
 霊夢と共に異変解決に乗り出し、彼女のサポートをしている。

◆スペルカード
◇撃符(げきふ)「空刃破(くうじんは)」
 仙人の力を纏った獅子王を振り抜き光の刃を飛ばす舞堂の得意の斬撃技。無数に斬擊を放つ事も可能。
◇脚符(きゃくふ)「闘迅脚(とうじんきゃく)」
 闘気を右足に纏わせて上段回し蹴りを放つ蹴り技。相手が背後から飛び掛るタイミングに合せて、振り向きざまにカウンターで放つことも可能(『仮面ライダーカブト』のカブトの「ライダーキック」のような感じ)。
◇翔符(しょうふ)「仙神吼破陣(せんじんこうはじん)」
 相手の足元に巨大な円型の陣を出現させ縛り付けるように動きを封じ、獅子のような闘気を纏い突撃して相手に壮大な一撃を与え無力化させる舞堂の得意技にして最大の切り札。



◆東方キャラの設定
○博麗霊夢
 幻想郷の数々の異変を解決してきた博麗の巫女。幼い頃から舞堂にはよく世話になっているため親しい関係になっている。博麗神社に来た時に賽銭してくれたり、異変解決に協力してくれる恩返しとして、舞堂が神社を訪れた時は お茶と茶菓子を出したり、異変解決後は宴会に招待している。
○高麗野あうん
 1人で獅子と狛犬の2つの性質を持つ狛犬。人間の信仰を集めそうな場所を見つけては居候して、勝手に守護をするため博麗神社も守護していた。『東方天空璋』の異変解決後は、舞堂と隠居生活をしている先代巫女の提案によって博麗神社の家族として迎えられる。自分に家と家族を与えてくれた舞堂達を敬愛している。
○魂魄妖夢
 白玉楼に住む西行寺幽々子専属の剣術指南役 兼 庭師。『春雪異変(東方妖々夢)』では異変解決にやって来た舞堂と霊夢達を迎撃するために立ち塞がるが、舞堂との一騎討ちに敗北。解決後は舞堂の剣術に興味を持ち、自ら弟子を志願。その後は白玉楼の仕事をしながら、たまに訪れる舞堂に剣術の指導をしてもらっている。
○東風谷早苗
 守矢神社の風祝。『東方風神録』では外の世界で信仰を得られなくなり、神社ごと幻想郷に移り住む。八坂神奈子の提案で博麗神社を脅して幻想郷の信仰心を全て守矢に集めようとしたが、激怒した霊夢を相手に完敗。異変解決後は博麗神社の取り潰しを断念し、普通に人間の里で信仰を集めていたが、守矢の信者達(ストーカー)に誘拐されそうになるところを察知して現れた舞堂によって救出される(舞堂が退治した信者達は八坂神奈子と洩矢諏訪子の二人に引き渡し、引導を渡されている)。その後は舞堂の「相手を思う事も大事だろうが、まず自分を大事にしろ」という言葉の内にある優しさに惹かれ、それ以来は舞堂がよく立ち寄る博麗神社に来ては通い妻のように彼にアプローチをしている。
○古明地こいし
 古明地さとりの妹。姉と同じく相手の心を読む能力を持っていたが、その能力のせいで周りから嫌われることを知り、読心を司る第三の目を閉じて能力を封印し、同時に自身の心も閉ざしてしまう。そして第三の眼を閉じたことによって心を読む能力に代わり、「無意識を操る程度の能力」を手に入れた。『東方地霊殿』では、偶然散歩を終えて地霊殿へ戻って来た時に舞堂が星熊勇儀に圧勝したところを目撃し、興味を持ち勝負を挑むが完敗。古明地さとり から事情を聞いていた舞堂から「生き物の心には光と闇の2つ存在している。しかし、全てを諦めて生きるのは まだ早い。お前には、帰る場所も、待っている家族もいる」という言葉を聞かされてからは希望を持ちはじめ、現在は舞堂が立ち寄る博麗神社に来ては舞堂を兄のように甘えている。
○稗田阿求
 人間の里にある名家「稗田家」の当主であり、九代目「御阿礼の子」。幻想郷の妖怪についてまとめた書物「幻想郷縁起」を編纂するため、千年以上前から転生を繰り返している。舞堂の男らしさに魅了され、彼が数々の異変解決に貢献している事を森近霖之助から聞き、彼の武勇伝を書物に記したいと頼んでいる。
○茨木華扇
 妖怪の山で暮らしている仙人にして、舞堂の幼馴染。仙人といっても本人曰く、まだ修行中の身らしい。舞堂とは異なり人里などに顔を出しており、隠者ながらその存在は意外と知られている。ただし説教臭いという点以外、あまり記憶されていない。舞堂がよく博麗神社を訪れる事を知り、自分も頻繁に訪れるようになる。

■呼び方(主人公視点)
□博麗霊夢→霊夢
□高麗野あうん→あうん
□魂魄妖夢→魂魄
□東風谷早苗→東風谷
□古明地こいし→古明地妹
□稗田阿求→稗田
□茨木華扇→華扇

■呼び方(相手視点)
□博麗霊夢→おじさん
□高麗野あうん→刀兵衛様
□魂魄妖夢→舞堂先生
□東風谷早苗→舞堂さん
□古明地こいし→刀兵衛お兄ちゃん
□稗田阿求→舞堂さん
□茨木華扇→刀兵衛

どれぐらいのヒロイン数がいい

  • 一人
  • 二人ぐらい
  • ハーレム
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。