ハイスクールD×D 破皇龍の転生   作:北方守護

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第2話 始まりのその後……再会

武昭が、この世界に来てから数年経ったある日の事……

 

冥界にある一つの屋敷の前に来ていた。

 

「確か、ここが()()()の言ってた家だったな……」

 

「おい、待て。この屋敷に何の用だ?」

黒いローブを纏った武昭が屋敷に入ろうとした時に2人居た内の1人の門番が止めた。

 

「ん?いやーサーゼクスに久し振りに会いたくなったから来たんだけど居るか?」

 

「貴様!魔王様にその様な口を聞くとは何者だ!!」

 

「まぁ、サーゼクスの知り合いなんだけどね……そうだ()()を渡してくれ」

武昭は懐から割れたコインを出すともう片方の門番に渡した。

 

「それを渡せば俺が誰か分かる筈だ」

 

「待っていろ、今確認を取ってくる」

門番は屋敷の中に入っていった。

 


武昭が門番と話してる時と前後してサーゼクスは自室で書類仕事をして居た。

 

「よし、この案件はこれで終わりと……次は……」

 

「魔王様、よろしいでしょうか?」

 

「ん?あぁ構わないよ仕事も一息ついた所だからね」

 

「失礼します、実は今魔王様にお会いしたいと言う者が来ているのですが」

 

「私に会いたい者だって?グレイフィア」

サーゼクスはそばに居た銀髪のお下げにメイド服を着た女性【グレイフィア】に確認した。

 

「いえ、本日はその様な者が来るとは聞いていません」

 

「という事なんだが……その者は何と?」

 

「はっ、()()を見せれば自分が何者か分かるだろうと……」

門番が出した物を見たサーゼクスとグレイフィアが戸惑った。

 

「なっ!それは……グレイフィア!急いで()を呼ぶんだ!!」

 

「はっ!畏まりました!あなた!案内してください!!」

グレイフィアは指示を受けて門番と共に武昭の所に向かった。

 

その後……

 

「悪いなサーゼクス、急に来たのにこんなもてなしてくれて」

武昭は用意された部屋でもてなされていた。

 

「ハッハッハッ、これ位当然だよ、武昭君が居なかったら今の僕達は無いのだから」

 

「武昭様、お久し振りです」

 

「あぁ、グレイフィアさん、そんな俺なんかに様付しなくて良いですよ」

 

「いえ、今の私があるのは武昭様のお陰ですので」

グレイフィアは武昭に頭を下げた。

 

「それで武昭君、君は()()()どこに行ったんだい?」

 

「あの後か?俺は皆の治療に目処が立って大丈夫だと思ったからな この世界を見て回りたかったんだよ」

 

「それで僕達が武昭君を探しても見つからなかったんだね……()()と書き置きをして」

そう言うとサーゼクスは半分に割れた六芒星が書かれたコインをテーブルに置いた。

 

「書き置きに記してあったけど、これには武昭君の魔力が込められているんだね」

 

「あぁ、再会した時に俺が俺だって分かる様にな……ん?この紅茶は……」

 

「あ、私が淹れたんですが……お口に合いませんでしたか?」

 

「いえ、これ程の美味しい紅茶は初めてでしたから ありがとうございますグレイフィアさん」

 

「いえ……私は当たり前の事をしただけですから……(武昭様に喜んで頂いた……)」

 

「(ふむ……どうやら彼女は未だに彼に好意を寄せているみたいだね……)それで武昭君はここに来る前はどこにいたんだい?」

 

「うーん……悪魔のお前らに言って良いのか分からないけど……ちょっと待ってくれディス」

 

《あぁ、分かっている クワイティンス(音声遮断魔法)

武昭がディスに言うと3人の周りに小さめの半円形の障壁が発生した。

 

「コイツは簡単な障壁でな、この中での会話が外部に漏れる事は絶対にないんだ」

 

「ほう……パッと見はそれ程の物とは見えないけどね……さすが武昭君だね」

 

「それで武昭様、貴方がこの様な事をするとは、それ程の話なのですか?」

 

「いや、それ程でも無いとは思うんだけど一応な……それで俺がどこにいたかだけど……」

武昭の話を聞いたサーゼクスとグレイフィアは頭を抑えて苦笑いしていた。

 

「ハハハ、確かにその話題は私達以外には聞かれたらマズイ事だね……」

 

「で、ですが、武昭様自身は大丈夫だったのですか?」

 

「んー?大丈夫だから俺がここにいるんだよ」

 

《それに()()()()の中にも我らを受け入れてくれる者が居てな……まぁ我の相手では無かったがな》

 

「そのお陰で、()()()()から暇があれば喧嘩を売られる様になったんだろ!」

 

「どうやら、【この世界でドラゴンに関わる者には色々寄って来る】と言われているが武昭君もそうみたいだね」

 

「まぁ、そのお陰で色々な人達に会えたって言うのもありますけどね……ん?」

話に一息ついたと同時に使用人がドアをノックした音がしたので武昭は障壁を解除した。

 

「魔王様、ただいまよろしいでしょうか?」

 

「あぁ、構わないよ、どうしたんだい?」

 

「はっ、ただいまお客様が来られました」

 

「ん?サーゼクス、今日は誰か来る予定だったのか?」

 

「いや、僕は今日はずっとここで仕事の予定だよ」

 

「はい、サーゼクス様の言う通りです」

 

「うーん会えば分かるか 悪いが中に入れてくれ」

 

「あ、あの、それなんすが……「あーっ!やっぱり来てたんだー!!」もう入れてます」

使用人が言いづらそうにしてると黒髪ツインテールの女性が部屋に入ると同時に武昭に抱きついて来た。

 

(むが!?何か柔らかい物がが……ちょ、ちょっと!息が……)

 

「セラフォルー様!何をしてるんですか!?武昭様から離れてください!!」

 

「嫌だもーん、久し振りにアキ君に会えたんだからさー!!」

セラフォルーが武昭に抱きついたのをグレイフィアが後ろから離そうとしていたが武昭の頭が2人の胸に挟まれていた。

 

(あぁー……今度は後ろから違う柔らかい物が……)

 

「ハハハ、武昭君も大変だね」

 

《おい、お前ら……そのままでは我が主が息が出来ないぞ》

ディスの声を聞いた2人が慌てて離れると武昭は軽く息が止まっていたので急いで蘇生処置を行った。




使用魔法

クワイティンス(音声遮断魔法)障壁内にいる者達の声が外部に聞こえなくなる。
但し武昭とディスには外部の音や声を聞く事が出来る。

由来はクワイト+ディフェンスから。

武昭は皆と別れる時に自身の魔力で作り出したコインを半分にして三大勢力に、それぞれ渡している。

ちなみに持っているのは、その時にいた者達で1番上の者だけ。

悪魔→サーゼクスで図柄は六芒星。
堕天使→アザゼルで図柄は黒い翼。
天使→ミカエルで図柄は白い羽。

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