武昭はサーゼクス、セラフォルーとの話を終えてから数日経った頃……
人間界の街中を歩いていた。
「ふぅ、冥界に比べるとこっちは空が青いな」
《まぁ世界が違うのだからな》
「それにしても
《あぁ、あの時の戦争で奴らも、それなりに数を減らしたみたいだからな》
「まぁ、特に迷惑をかけてる訳でもないから良いんだろうけど……ん?ディス」
《あぁ、何者かが結界を張った様だな……》
何かを感じた武昭とディスは建物の陰に隠れると反応があった場所に転移した。
武昭が転移した場所は街はずれにある工事が途中で止められた建築現場だった。
「どうやら、この中にいる奴みたいだな……街からも距離があるから見つかる事も無いんだろうな……」
《武昭、中にいるのは悪魔達だけで他種族の者はいないみたいだ》
「そうか……まぁ、何か騒ぎを起こされても面倒だから何があるかは入ってからだな
魔法を唱えると武昭の体が透明になったので、そのまま結界に構わず中に入った。
建物の中では数人の悪魔達が大きな胸をはだけた黒髪で着物の女性を取り囲んでいた。
「ハァハァハァ……しつこい奴らね……そんなだと女に嫌われるにゃ……」
「へっ、そんな物お前を捕えて好きにすれば良いだけだ!はぐれ悪魔
(ふーん彼女がサーゼクスの話に出てきた黒歌だったのか……)
《どうやら、あやつ等は賞金稼ぎの様だな……どうするのだ?武昭》
(うーん、どうしようかなぁ……)
武昭とディスが話してると黒歌が賞金稼ぎの攻撃を食らって倒れていた。
「うにゃっ!?う……(まずいにゃ……力が)」
「さぁーてと、コイツを引き渡す前に好きにやらしてもらおうかな?」ビリッ!
「にゃっ!?な、何するにゃ!!」
賞金稼ぎ達は黒歌の両手足を抑えると、その中の1人が着物を引き裂いた。
「こんな姿をしてるからには今までも体を売ってきたんだろ?だから俺達にもそれを味あわせてくれよ!」
「くそっ!離せ!止めろ!(くっ……ごめんね白音……最後に一目だけでも会いたかった……)」ポロッ
黒歌が賞金稼ぎに襲われそうになった時に一筋の涙が流れた。
(はぁ……ディス……《分かっている武昭の好きにしろ》ありがとうな……じゃあ行きますか
「ガハッ!?……「うにゃっ?何が……」」
武昭が黒歌に襲いかかっていた賞金稼ぎに電撃を放つと、そのまま命を落とした。
「何者だ!?」
「ふぅ、やったのは俺だよ……悪いけどお前等皆、始末するよ?」
「どうやって入って来たか分からないが、見たからにはこうしてやるよ!」
「危ない!逃げて!!」
賞金稼ぎ達が武昭に襲いかかったのを見た黒歌は慌てて声をかけた。
「大丈夫ですよ、こんな奴ら位なら瞬殺ですから……
武昭が魔法を唱えると
「んにゃ……凄いにゃ……一体、あんたは何者にゃ?……(逃げようにも倒そうにも、あれだけの力なら無理ね……だったら)」
「ん?俺は見ての通りの人間ですよ……ちょっとばかし特別なね……
「!?私の事を知ってるって事は……あんたもアイツらの仲間か!……なっ!?」
雰囲気が変わった黒歌は両手の爪を伸ばして武昭に攻撃したが、武昭は躱す事をしないで、そのまま攻撃を受けたので体に切り傷が出来た。
「な、なんで……避けるなり、防ぐなりしなかったの?……」
「うーん……なんでかって言うと……貴女が……泣いてたから……ですからね……」
武昭は黒歌に近付くと、そのまま優しく抱き締めた。
「俺は
「違和感て……何が?」
「俺が聞いた話じゃ、貴女には1人の家族がいた……けど主の命を奪った時に
武昭は黒歌を離すと真っ直ぐに見つめた。
「そこまで知ってるんだ……そうよ、私には同じ猫又の妹……白音がいた……けどその時に一緒に逃げ出したの……」
「それですよ……俺が知ってる事は、貴女は自身の力が暴走して主や他の眷属達の命を奪った……だったら、その時はまともな精神状態じゃなかった……
けど、そんな事情なら妹も同じ事になってる筈です……そこが俺が引っかかった所なんです」
「凄いね君……まるでその場に居たみたいに話してるね……そうよ私が主の命を奪ったのは、アイツが私との約束を破ったからなの……」
黒歌はその時の事を話始めた。
武昭が聞いた話の内容は……
・黒歌は両親が亡くなり白音を育てる為に旅の途中で知り合った上級悪魔の眷属になった。
・最初は白音には悪魔の駒は使わない約束だったが黒歌の力を見て無理やり眷属にしようとした。
・それを知った黒歌が白音を守る為に主と、その仲間達を殺した。
そして、今に至る……との事だった。
「なるほど……最初に約束を破棄したのは、その悪魔だって事か……」
「そうよ……そして私は白音と離れてこうしてるの……」
「ん?その妹さんはどうしたんですか?」
「白音なら
「そうなんだ……なぁディス、今の話どう思う?」
《ふむ……多分、そこの猫又の話の方が真実なのだろうな》
「うにゃっ!?い、今の声はなんなんにゃ!?」
「あぁ、今の声は俺の中にいるディスだ」
《ふむ、我は武昭と共にいる破皇龍と呼ばれる者だ》
「にゃっ!?は、破皇龍って……あの三大勢力戦争において、乱入した二天龍を倒したって言う……あの……」
武昭の話を聞いた黒歌は腰が抜けて体が震えていた。
使用魔法
インヴィリア(透過魔法)体を透明に出来てあらゆる物を擦り抜ける事が出来て察知不可能になる。
由来 インヴィジブル+クリアから。
エレダー(電撃魔法) 電気を放つ事が出来る。強弱は自由。
由来 エレキ+サンダーから。
コキューザー (凍結魔法) あらゆるもの物を凍らせる事が出来て範囲は自由。
例:仲間と一緒に敵に囲まれてても敵だけを凍らせる事が可能等。
由来 コキュートス+フリーザーから。