荒野のリボン付き   作:野獣後輩

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第一三話 よみがえる記憶

 翌朝。起床するなりコトブキ飛行隊はマダムに呼び出され、彼女と共にジョニーズサルーンへと向かった。副センことサネアツ、そしてアレンも一緒だった。

 

「マダム、これから何をするんですか?」

「あなたたちにも見てもらいたいものがあるの」

「えー? じゃあ朝ごはんは?」

「食べながら見ててもらえばいいわ。もうジョニーに用意してもらっているから」

 

 そんなサルーンの様子はいつもと違っていた。先にいたリーパーが、椅子を並べ替えたりジュークボックスを退かしたりして何かを用意している。壁には真っ白なシーツが貼られ、反対側の壁際に置かれたテーブルには、見慣れない機械が置かれていた。その機械から伸びるケーブルは、いつもはジュークボックスの電源として使われているコンセントに繋がっている。

 

「すいませんジョニーさん、急にここをお借りしちゃって」

「いやいや構わないで。マダムのお願いごととあれば何なりとだからね」

 

 リーパーは壁のシーツと相対するように、人数分の椅子を並べていく。準備が出来たのか、「じゃあ座ってください」と言った。朝食がまだのメンバーのために、リリコが人数分のパンケーキを運んでくる。

 

「マダム、これは…?」

「今日は歴史の勉強をしてもらうわ」

「私歴史の勉強嫌いなんだけどなあ」

「ユーハングの歴史、って言ったら興味を持ってもらえる?」

 

 それを聞いたチカが、面白そうと言って椅子に座る。他のコトブキ飛行隊の面々も顔を見合わせながら、とりあえず椅子に座った。当然のごとく、アレンとケイトが最前列に座る。

 オウニ商会の保護を受けるにあたり、ルゥルゥは色々とリーパーに条件を出していた。地球(ユーハング)に関する現状を知りたいと彼女が望んだため、こうして朝からオウニ商会の面々を集めて歴史の講義の真似事をすることとなったのだ。

 

「それじゃ、電気を消しますね」

 

 部屋が真っ暗になったが、それも一瞬のことだった。すぐに壁のシーツが、青い光に照らし出される。シーツには何かが映し出されていた。

 

「これは映画かい?」

「え、副セン映画見たことあるの?」

「前に一度だけ。あまり面白くはなかったけど…」

 

 イジツでは映画という文化はあるらしいが、地球ほど一般的な娯楽ではないらしい。見られる場所は限られているし、内容も単調だと聞いている。

 

「ええ、そんなものです。見て頂くのは映画ではありませんが」

 

 プロジェクターとスピーカーを持ってきていて良かった、とリーパーは思った。映画鑑賞が趣味であるリーパーが、オーストラリアへの移動に際して私物として持ってきたものだった。

 電源は、サルーンのコンセントがそのまま使えた。恐らくユーハングが使用した規格を今でもそのまま使っているのか、コンセントの電圧や電流が日本の物と全く同じだったのだ。

 

 リーパーはプロジェクターに繋いだタブレット端末を操作する。アローズ社の社員全員に支給される端末で、軍用スペックを満たした代物だ。リーパーはとあるアイコンをタップし、言った。

 

「ハイ、クヴァシル。歴史の授業を頼む」

「あいつ誰に向かって話してるの?」

 

 よくわからない機械に向かって話すリーパーに、チカが首を傾げる。しかし次の瞬間、スピーカーから電子合成された男の声が聞こえた。

 

『おはようございます。古代、中世、近世、近代、現代、どの歴史に致しましょうか?』

「現代の歴史、第二次世界大戦終結後から2020年までの世界情勢について簡単に頼む」

 

 リーパーが持っている端末と会話しているらしい、とキリエはようやく気付いた。無線機か何かで、どこかの人と話しているのだろうか? 同じことを思ったらしいザラが、手を挙げて尋ねる。

 

「それって、今他の場所にいる人と話してるの?」

「違います。この端末の中に人工知能(AI)―――簡単に言うとこっちの質問に答えてくれる機械が入ってるんです」

 

 もっとも、今はオフラインなので簡単な受け答えや通訳くらいといったアシスタント機能しか使えないが。アローズ社のネットワークに繋がっていれば、哲学的なものを除けばあらゆる質問に答えてくれる。このAIソフト「クヴァシル」は、アローズ社の社員全員に支給された端末に標準でインストールされている。

 アローズ社に入社する若者の中には、満足に教育を受けられなかった者もいる。そう言った連中のために、基礎的な世界情勢や社会についての知識が学べるアプリケーションが端末にはインストールされていて、今回リーパーが参照しているのもその一部だった。

 

「これは驚きだな。機械が質問に答えてくれるなんて」

「驚愕、摩訶不思議」

 

 これはアレン達も興味深いだろうな、とキリエは思った。というか、キリエ自身面白そうだと感じている。まだ見たことのない、ユーハングの機械。きっとユーハングには、あんな便利なものがたくさんあるのだろう。

 

『承知いたしました。それでは1945年から2020年にかけての世界情勢についてご説明致します』

 

 画面が切り替わり、いくつもの写真とムービーが再生される。最初は興味津々と言った感じで画面を眺めていたキリエ達だったが、その顔はだんだんと険しい表情に変わっていった。

 東西冷戦。世界を何度も滅ぼしかねない核兵器の存在。自由主義陣営と共産主義陣営の争い。幾度となく繰り返される戦争。そのたびに生まれる何十万人と言う死者。そして宇宙にまで波及する、両陣営の競争。

 

 地球(ユーハング)の社会や政治体制がイジツと全く異なることはなんとなく理解できた。だが一度の戦争で何万人も死者が出るなんてことは、キリエ達の理解の範疇を超えていた。

 

 

 9年前、リノウチでイジツ史上最大規模の空戦が起きた。その戦いで新米操縦士だったレオナはイサオに助けられたが、大勢の操縦士が命を落とした。墜落した飛行機は民間人にも被害を及ぼし、この戦いで親を失った大勢の孤児が出たと言われている。

 だがそれでも、死者は一万人も出ていない。そんな数の死者が出たら、イジツでは街がいくつか消えてしまうだろう。だが地球では、それが珍しくも無いのだ。

 

 

 キリエはユーハングは素晴らしい世界なんじゃないかと思っていた。だが機械が淡々と告げるユーハングの世界は、イジツよりも過酷で、残酷なもののように思えた。

 優れた技術を持っているということは、それが兵器にも応用されると言うことだ。技術が進めば進むほど、兵器もより高性能に、そして大勢の人間を殺せるように発達していく。

 

 淡々とした説明が続く。やがて冷戦は共産主義陣営の脱落という結果に終わり、自由と民主主義の潮流が世界を形作っていくと誰もが信じた。だが―――。

 

 

『1994年、長い楕円軌道を描く一群の小惑星が発見されました。それは木星軌道上の小惑星「1986VG1ユリシーズ」に、未知の小惑星が衝突してできた破片でした』

 

 太陽系図がシーツに投影される。木星軌道上のユリシーズが無数の破片となり、地球へ向かっていく。

 

『この「ユリシーズ小惑星群」は地球との衝突軌道にあり、地球に一万個の隕石が降り注ぐと判明します』

 

 地球へと降り注ぐ隕石のイメージ。隕石が流れ星と同じものだということはキリエも知っている。

 だが流れ星が地上まで落ちてきたなんて話は聞いたことが無い。しかしリーパーのいた世界では、それが起きてしまったようだ。

 

『全ての軌道変更は不可能なため、小惑星と隕石を迎撃・破壊する最後の手段として超巨大地対空レールガン施設の建造が開始されます』

「レールガン?」

「物体を電磁誘導によって加速し、撃ち出す装置。イジツではまだ理論段階」

 

 ケイトがいつもの通り答える。

 

『そして1999年7月、小惑星群が飛来します』

 

 映像が表示される。飛行中の戦闘機から撮影された映像。青空をいくつもの流れ星が光の尾を引いて落下していく。昼間だというのにその軌跡ははっきりと見えていた。

 映像が切り替わる。そこに表示されていた街は、イケスカよりも遥かに発展していた。いくつもの高層ビルが立ち並び、地面をどこまでも家々が埋め尽くしている。

 これはどこの街なんだろう。そうキリエが口を開く前に、その大都会に落下していく流れ星が画面に映る。落下の瞬間画面が真っ白に染まり、そしてノイズと共にブラックアウトする。

 

『レールガンにより被害はごく僅かに抑えられました。世界秩序の崩壊程度でしたがね』

 

 地球のモデルが投影される。青い海と、緑に包まれた大地。イジツとは全く異なる星に、いくつもの流れ星が落下していく。

 

『これが有史以来、人類が初めて経験する未曽有の大惨事。「ユリシーズの厄災」です』。

 

 地球の各地が真っ赤に染まっていく。その脇にカウントされていく数字は、死者数だろうか? 地球(ユーハング)の文字が読めなくてよかったとキリエは思った。いったいどれだけの人間が死んだのか、考えたくもないし数えたくもない。

 

『既存インフラの喪失により世界経済は混乱し、特に被害の大きいユーラシア大陸ではアジア諸国、南欧州諸国が破綻を免れるために地域ごとに共同体として再編。軍事予算を削減し、復興予算にその多くをつぎ込みました』

『領土縮小によるエネルギー資源の枯渇はどの共同体でも大きな問題となり、天然資源を求めての紛争が激化していきます』

 

 空を飛ぶ戦闘機の群れ。爆発と共にその機体がバラバラになり、地上に降り注いでいく。

 炎を背景に立ち並ぶビル。大きな荷物を抱え、地平線のかなたまで連なり道路を歩く人々。

 やがて難民たちはユーラシア大陸の一か所に集まっていく。しかしそれは、先進国が難民たちを一か所に閉じ込めたというようにも見えた。

 

 世界は復興していく。ただし難民や貧しい国家に目を向けず、あくまでも先進国目線での復興が。

 世界各地で巻き起こる反大国のテロや武力行使。発展する多国籍テロリズムネットワーク。国連は彼らをテロ組織と認定したが、難民たちは国連を支持しなかった。自分たちを見捨てた国連を憎み、テログループに加わり、賛同する者たちが続出した。

 

 そして難民たちは決起した。東ヨーロッパから極東にかけての広大な地域を、ユリシーズ難民による国家「ユージア連邦」として独立すると。「失われた世代」と呼ばれる難民出身者たちが大国のいいなりとなり弱体化した国連に変わり、新たな秩序となり強力な統治機構で世界の窮状を救うのだと。

 

 世界を巻き込む戦争が始まる。毎日大勢の人々が死んでいき、陸と空、そしてイジツには存在しない海で血で血を洗う戦いが今も繰り広げられている。国連とユージア、どちらが地球に秩序をもたらすかを掛けて戦い、そんな戦いの空をリーパーは飛んでいた。

 

「これが、今の地球(ユーハング)です。ユーハングはあなた方が思うほどいいところではありません。むしろ、こちらよりも酷いかもしれない」

 

 

 その映像には誰もが言葉を失った。まさかイジツに様々なものをもたらしてくれたユーハングの世界が、今こんな酷いことになっているなんて。理想郷とは程遠い、それどころかこの世の地獄のような光景さえもが繰り広げられていそうだ。

 

「俺が懸念しているのは、イジツの存在が地球に知られることで、戦争がさらに長引くのではないかということです。イジツには恐らく、地球の技術でならば採掘可能な資源がまだ大量に眠っているでしょう。もしもユージアがイジツを見つけて先にやって来た場合、彼らはこちらで大量の兵器を作り、戦争継続のための資源を確保し、地球に送るに違いない。そうなったら戦争はいつまでも終わりません。もっと多くの血が流れることになる」

 

 ユージア連邦の目的は、現体制の打破。すなわち国連を中心とした各国協調の世界秩序ではなく、難民であり虐げられてきた民たる自分たちユージア連邦が、世界を全て支配するということだ。ユージア連邦が敗北しない限り、彼らは戦いを止めようとは思わないだろう。そして第二の地球も同然のイジツをユージアが見つけてしまった場合は、戦いがさらに長引くことは容易に考えられる。

 

「これは、ここの人々には見せてはいけないものね」

 

 ルゥルゥが険しい表情で呟く。

 

「ユーハングで戦争が起きていて、しかもそれにイジツが巻き込まれるかもしれないとなったら、自由博愛連合が復活する可能性は大ね。イサオの奴、空賊に対抗するために各都市をまとめ上げて強力な常備軍を編成するって言っていたから」

 

 かつて自由博愛連合を率いていた男、イサオ。彼の目的は「穴」とそこからもたらされる物を独占することで、自由博愛連合はあくまでもそれをやりやすくするための手段に過ぎなかった。だがその理念に共感し、連合に加わった都市や人々が大勢いたのも事実だ。

 

「穴の向こうに強大な軍事力を持った勢力がいて、それがイジツにやってくるかもしれないと言うことを知ったら、皆恐怖を抱くでしょうね。あの戦闘機(フランカー)を見た後ならば、イジツの兵器では到底太刀打ちできないと皆実感するはず」

 

 しかもユージア軍は何百万人という兵士を抱えている。それがもしイジツにやってきたら、内戦前のイケスカ飛行隊だって敵わないだろう。

 

「もしも侵略されるかもしれないと皆が思ったら、イジツを守るために各都市を強力な統治機構でまとめ上げて対抗しなきゃいけないってなるでしょう。そうなったら、私たちがやったことは全て無駄になるわ」

 

 自由博愛連合はその名に反し、全体主義的な側面を持った思想を持った集まりだった。各都市や個人の権利を制限し、義務を定め厳格なルールを課して上から下まで各都市を統制する。その反面空賊に対抗できるほどの自警団を有していない都市のために強大な常備軍を組織し、協力して治安維持に当たることを計画していた。もっとも組織された常備軍はイサオが他の都市を空爆するために使われたのだが。

 

「しかし、皮肉なことね。穴の向こうのユーハングでは、イサオが目指していた自由博愛連合のような政治で世界が回っているなんて」

「地球ではどんな政治体制がいいのかを決めるために、何百年も多くの血を流し続けてきました。今は一応そのイサオさんという方が掲げていた理念が今のところ一番上手くいっているというだけで、本当はもっと他にいいやり方があるのかもしれませんが」

 

 無制限の自由を認めていては人々が互いに傷つけあう自由すら容認してしまう。だからルールを課して自由を制限し、権利を定めた。共同体の構成員は各々に課せられた義務を果たさなければならないが、その代わりいざという時には共同体で守ってもらえる。なるほど、イサオが掲げていた自由博愛連合の思想に似ている。

 国連も似たようなものだ。だが今まで国連が理念通りに活動出来ていたかということについては、正直なところ疑問もある。だが他に上手いやり方が無いと言うことも事実だし、国連が世界平和のために活動しているは間違いない。

 

「一つ聞いても良いでしょうか?」

 

 今まで黙って話を聞いていたエンマが手を挙げる。

 

「あなたが所属しているのは今ユーハングの主流勢力である国連という組織でしたわね? そしてそれに反旗を翻しているのが、難民たちが作った国家とやらのユージア。この認識に誤りはございませんか?」

「はい、その通りです」

「話を聞いていると、そのユージアという方に私は同情してしまいますわ。今まで誰も助けてくれなかった、だから自分たちが世界を変えて新しい仕組みを作るんだというのが目的だったら、それはそれで正しいんじゃありませんの? あなたはそのユージアという国家を悪だと思ってらっしゃるようですが、あなたの所属する国連とやらが悪ではないとどうして言い切れますか? その国連とやらも、イジツを見つけて侵略しないという保証はないのでしょう?」

 

 エンマの指摘はもっともだった。これまで国連が大国のいいなりとなって活動してきたことについては、誰も否定できない。そのためにユリシーズ難民に支援を行き渡らせることが出来ず、彼らを失望させ、大勢の人々の死を招いてしまったことも事実だ。

 そして国連がイジツを見つけた際に、こちらを侵略しないということも言い切れない。国連も所詮は国家の集まりだ。イジツに手を出そうという大国が現れた時、それを止めることが出来るのか。むしろユリシーズ難民をイジツに放り込んで、代わりに資源を搾取するなんてこともあるのではないか。

 

 

 だがリーパーはユージアよりも国連の方がマシだと思ったからこそアローズ社に残留し、国連軍の一員として戦っている。グッドフェローやエッジ、オメガもそうだ。

 不完全で完璧ではないが、それでも国連は世界を良くしようとして今日も戦っている。だがユージアがやろうとしているのは、世界を自分たちが支配しようという侵略に過ぎない。

 

「ユージアは難民のためと言いながら、戦争でさらに多くの難民を生み出しています。そして家族や家を追われた彼らを、ユージアは顧みることはない。それに何より、俺は彼らを許すことが出来ない」

 

 昨年行われた東欧への上陸を目的としたバンカーショット作戦。劣勢に追い込まれたユージア軍は、軌道上に漂うユリシーズの破片を落下させるという凶行に及んだ。

 

 ヴェルナー社が開発した軌道清掃プラットフォーム「OLDS」。軌道上のユリシーズの破片にレーザーを照射し、隕石表面を気化させて進路を変更。外宇宙へ排除するか大気圏に落下させて燃やすためのこのプラットフォームを、ユージア軍は兵器に転用した。意図的に大気圏で燃え尽きないコースでユリシーズの破片を落下させることで、地上を攻撃したのだ。

 

 そのせいで大勢の兵士が命を落とした。また隕石は作戦地域外の街や海に落下し、隕石の直撃を受けたり発生した津波で民間人にも多大な被害が出た。戦いに敗れそうになったから、無関係の民間人をも巻き込んで無差別攻撃を行う連中。そんなものは悪以外の何物でもない。

 

「確かに国連も正義とは言えないでしょう。でも、もし国連がイジツを侵略しようとするのであれば、俺が何としてもそれを止めます。たとえそれが反乱になるのだとしても」

「…なるほど、あなたの覚悟はよくわかりましたわ。今はあなたの言葉を信じましょう」

 

 だがいずれにせよ、「穴」の向こうの争いがイジツに持ち込まれるかもしれないとなれば、イジツの人々が恐れを抱くのも当然だ。それに対抗するために、せっかく倒した自由博愛連合を復活させようという話も出てくるかもしれない。

 コトブキ飛行隊とオウニ商会、そしてルゥルゥや他の飛行機乗りたちも、自由が一番だと思ったからこそ自由博愛連合と戦う道を選んだ。だが自由博愛連合が復活すれば、多くの犠牲を払って得た勝利も無駄になる。

 自由博愛連合は地球の脅威に対抗するという名目の下、さらに強権的な各都市の統治を進めていくだろう。自由を捨て、満足な権利も得られないまま、為政者だけに都合のいい政治が行われる。そんな未来は誰も望んではいなかった。

 

「とりあえずこの件については、ユーリアに話をしておくわ。他の議員に話したところで無用なパニックを起こすだけよ」

「なんだかんだでユーリア議員のことを信頼してるんですね、ルゥルゥ」

「勘違いしないで頂戴。彼女が一番話の通じる人間だというだけのことよ」

 

 恐らくユーリアも、自由博愛連合が復活するような事態は望んでいないだろう。かといってこのまま地球の関する情報を隠蔽し続けていくわけにもいかない。もしも今後永遠に地球(ユーハング)との交流が再開しないというのであればその問題もないが、アレンの計算では一年後に大規模な「穴」が開く。その時になって慌てて対策を立てるよりも、今のうちから備えておく必要があった。

 




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