荒野のリボン付き   作:野獣後輩

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艦これの梅雨イベントが終わったので再開です。
何とか20個目の甲勲章が取れました。
あと燃料と弾薬とボーキが3桁にまで減りました。ナ級Ⅱは絶対に許されない。


第三〇話 CONTACT

「まったく、困るよ君たち。今回は何事も無かったからいいけど、もしも君たちの誰かが撃墜されていたら私だって責任を取らなきゃいけなかったんだよ?」

 

 太ってチョビ髭を生やしたカナリア自警団の責任者、アルバート部長のお説教は長々と続いた。今回のイカヅチ団との戦いはそもそもカナリア自警団の仕事ではなく、訓練飛行中にハルカゼ飛行隊の救援要請を聞いたアコが飛び出して行ってしまったのが原因だったのだが、それにしたってイヅルマ周辺での治安維持は自警団の仕事なのだから別に問題ないではないかとアコは思う。

 

「まあまあ部長、皆無事に帰ってきたのですからいいじゃないですか?」

「まあ、エルくんがそういうなら今回はお咎め無しということにしよう。ところでエルくん、今日の夜一緒に食事でも…」

「残念ですけど今日は別の予定が入ってますので。また今度誘ってくださいね」

 

 エルへのセクハラ―――本人はセクハラと自覚してないだろうが―――で気が済んだらしい。

「次からは気をつけてよ。君たちの実力は認めるけど、カナリア自警団の目的はあくまでも自警団の広報なんだから。君たちに何かあったら市民の皆だって心配になるんだからね」

 

 そう言って部長は仕事と称して外に出て行く。仕事と言ってもコネで今の地位に就いたのだから、それほど重要な仕事でもないだろう。とはいえようやくお説教から解放されたことに変わりはなく、「あー、やっと終わった」とリッタが大きく背伸びした。

 

「自分らだって人助けしたんだからもっと褒めてくれたっていいじゃないですか!」

「でも私たちが空賊に圧倒されてたのは事実だから…あのコトブキ飛行隊が助けに来てくれたから良かったけど、もしかしたら部長が言っていた通り誰かが撃墜されていたかもしれません…」

 

 呑気なリッタと異なり、どこか思いつめた表情のアコ。宣伝目的で創設されたカナリア自警団とはいえ、今まで何度か空賊などとも戦い、それなりに腕はあるとアコは自負していた。だが昨日のイカヅチ団との戦闘は、アコに改めて自分がまだまだ未熟であることを痛感させた。

 

 ハルカゼ飛行隊の救援要請を受け、何とか現場に急行し彼女たちを逃がすことは出来たものの、今度はカナリア自警団が空賊に狙われることとなった。何機か空賊を撃墜したものの、雷雲という未知の環境の中での戦いでアコたちは自然の力に翻弄され、飛ぶことで精いっぱいだった。そんな彼女たちをコトブキ飛行隊が助けてくれたのだが―――。

 

「それにしても、無茶をするパイロットがいたものね。まさか雷雲の中を突っ切ってくるなんて」

 

 イヅルマの自警団でも一、二の操縦技術を持つシノが、腕を組んで考え込む。

 昨日救援に来た戦闘機のうち、片方はアコも知っているコトブキ飛行隊だった。奇妙な縁で、隊員の何人かとは知り合いである。だが彼女らと一緒にいた青い迷彩塗装の隼は、アコの知らない機体だった。

 

 その時受付から内線で、カナリア自警団に面会希望者が来ていると連絡が入る。誰だろうと思いつつ応接室に行くと、そこにはアコたちの見知った顔があった。

 

「コトブキ飛行隊の皆さん! 昨日はありがとうございました!」

 

 応接室の椅子に座っていた面々を見て、アコは頭を下げた。そんな彼女を、「いや、気にしないでもらいたい」とレオナが制する。

 

「それより、今日は頼みがあってきたんだ」

「頼み、ですか?」

 

 そこでアコは、ソファーの一番端っこに座っている男の存在に気が付いた。女用心棒集団であるコトブキ飛行隊の一員―――というわけではないだろう。男が着ている見慣れない飛行服の袖には、不気味な死神のワッペンが縫い付けられている。

 

「その方は?」

「彼はユーハングから来た人よ。そして昨日、無謀にも雷雲に突っ込んでいってレオナに雷を落とされたパイロット」

 

 リーパーという渾名のその男をザラが茶化して言ったが、そこでアコはようやく昨日の青い隼のパイロットが目の前の男であることを知る。あのような機動が出来るパイロットなのだからもっと年上のベテランかと思っていたのだが、男はアコとさほど変わらない年頃のように見える。

 何よりユーハング人というのが驚きだった。イジツを発展させたユーハング人はほとんど70年前に「穴」の向こうに帰ってしまったと聞いている。わずかな人が自分の意志でイジツに残ったという話もあるが、本物は見たことがない。

 

「あなたが昨日の…危ないところを助けてもらい、ありがとうございました」

「どういたしまして。ところで折り入ってあなた方にお願いがあるんですが…」

「なんでしょう! 私たちにできることなら何なりと」

 

 アコはさほど大きくはない胸を張る。助けてもらった相手に恩返しをしたいという気持ちもあるし、何より自分は自警団の一員であるという自負があった。困っている人を助けるのが自警団の仕事だ。

 

「俺があなたたちの言うユーハングから来たということはさっきザラさんに説明してもらいましたが、なるべく早く元いた世界に帰らなきゃいけないんです。なのでその協力をしてほしい」

「協力?」

「空の穴がユーハングに通じているかもしれないということはご存知だと思いますが、その穴が開いていたら、俺に教えていただきたい。可能な限り早急に」

 

 穴、という言葉に、アコたちは顔を見合わせた。昔々ユーハングがやってきて、そして帰っていった時に通っていった「穴」。その穴を巡って一年半前、イジツを巻き込んだ大きな争いまで起きた。幸いイヅルマはその戦いに巻き込まれこそなかったものの、戦いの影響は今も続いている。

 ただ、アコたちはその穴を実際に目撃したことはない。イケスカ動乱の際に撮影された「穴」の写真なら見たことはあるものの、穴がどういうものか理解できているという自信はなかった。

 

「つまり、イヅルマ周辺で『穴』が現れたらあなたに連絡すればいいのね?」

 

 シノが要約する。先ほどユーハング人という言葉を聞いた時に一瞬顔色が変わったように見えたが、気のせいだろうとアコは思った。

 

「穴とはまた厄介ですねえ。イケスカ動乱のせいで皆『穴』がお金になるものだと思って、最近は目の色を変えて探していると聞きますよ?」

 

 自由博愛連合を結成し、イジツのために行動していたと思われていたイサオではあったが、その最終目的が「穴」の独占にあったということは既に多くの人々に知られている。そしてユーハングがイジツにもたらしたものを考えれば、「穴」は宝の山だと考える人間が出てくるのも当然だった。

 そういう人々がこぞって「穴」を探して回っている、という話は自警団にも伝わっている。中には「穴」が開くと予想される空域を独占しようと近づく機体は無条件で撃ち落とし、情報を持っていそうな人を襲撃する空賊みたいな連中もいると聞く。

 

 だがこのリーパーという男はそう言った輩ではないだろうとアコは思った。そんな男であれば、あのコトブキ飛行隊がわざわざ紹介したりしない。それに昨日危険な行為を冒してまで自分たちを助けてくれた男が、そんなことをするとも思えなかった。

 

「わかりました。もしイヅルマ周辺をパトロールしている哨戒機からそのような連絡があったら、すぐにお伝えします」

「ありがとうございます!」

 

 リーパーと呼ばれる男の顔が明るくなる。口数が多くないから暗い人なのかと思っていたが、そうでもないらしい。

 連絡先としてオウニ商会とラハマ自警団を彼が伝えた直後、テーブルに置いてあった水のグラスがカタカタと揺れ始めた。やがてディーゼルエンジンが空気を震わせる重々しい音と振動と共に、応接室の窓の外を何かが横切っていった。

 

「なに、あれ?」

 

 退屈そうにしていたチカが、窓際に駆け寄って今通り過ぎていった物体を指さす。応接室の外には自警団の訓練場が広がっていて、そこを何かが走っていた。

 

「ブルドーザー…じゃないよね?」

 

 履帯で走るそれはユーハングが持ってきたという農機具に似ているが、運転席はどこにも見当たらない。ブルドーザーは貴重品で一つの村に一台あるかないかということで、キリエも今まで二、三度しか見かけていないものの、今訓練場を走っているモノがブルドーザーのようにはとても思えなかった。

 

「あれはセンシャっていうらしいですよ?」

「センシャ?」

 

 リッタの言葉にエンマが首を傾げる。足回りだけ見ればブルドーザーのようにも思えるが、その車体の上に載っているのは砲塔だった。

 

「戦車とは火砲を搭載し装甲を施した車両。人員輸送ではなく攻撃用途に用いられ、主に無限軌道を備えた悪路走破性の高い兵器」

 

 いつもの通り、ケイトが淡々と解説する。キリエからすれば走る鉄の塊にしか見えないが、あれは兵器らしい。

 

「なにあれ、初めて見た」

「ユーハングが昔拠点防衛用に使っていたものらしいです。つい最近イヅルマの郊外で何十台も見つかって、自警団で修復して使おうとしているらしいですよ」

「え? あんなんでどうやって戦うの? 動きは鈍いし対空砲だって積んでないから空賊と戦えないじゃん。まだトラックに機関砲積んだ方がマシじゃない?」

「そーそー。硬くったって空飛べないんじゃ意味ないよ」

 

 戦闘機に乗って襲って来る空賊に対しては、あまりにも役に立たないだろう。爆弾を落とされたら一発で破壊されてしまうに違いない。チカもキリエと同意見のようだが、ケイトとリーパーはどうやら違うようだ。

 

「そうでもない。自警団が戦う相手は空賊だけとは限らない。また戦車は戦闘機に出来ない仕事が出来る」

「どんなことが出来るの?」

「敵地の占領、及び敵歩兵の制圧」

「占領って…それではイヅルマがどこかを攻撃しようとしているみたいでは?」

 

 エンマが言ったが、その言葉にカナリア自警団の面々が(爆睡中のヘレンを除いて)顔を見合わせる。

 

「そういえば、最近自警団の人数も増えてきましたよねぇ。陸戦隊もかなり増員されていると聞きますし」

「あの戦車を使って建物を制圧する訓練をしているのを最近見たわ」

「自警団なのに爆撃機まで導入を始めましたからね…いったいどうなっているんでしょう?」

 

 どうやらここの情勢は相当きな臭いらしい、とリーパーは窓の外の戦車を眺めながら思った。訓練場のど真ん中で停車した戦車が砲塔を回転させ、その主砲が火を噴く。窓ガラスが震え、その大きな砲声に何人かが一瞬身体を震わせた。

 リーパーは戦車はあまり詳しくないほうだが、それでも訓練場を走っている戦車がかつてのユーハング―――日本軍が持ち込んだらしいものであることはわかる。リベット止めの装甲と小さな砲塔。軽戦車だろうか。

 

 確かに荒野がどこまでも続き、街同士も離れているこのイジツでは、キリエの言う通り戦車の使い道など考えられないだろう。せいぜいが拠点の警備くらいだ。

 だがケイトの言う通り、イヅルマがどこかの街を攻撃したり、占領しようとするのであれば戦車は大変有効な兵器に代わる。航空輸送が発達し、戦闘もほとんど空戦で行われるのがイジツだが、航空機では都市を制圧することは出来ない。街を丸ごと更地にするのであれば爆撃を繰り返せばいいが、最終的には歩兵を送り込まなければ敵地の占領は行えないからだ。

 そして地上戦が発生した場合には、戦車は敵歩兵に対する最強の兵器となりうる。その装甲で銃弾を弾き返して味方の盾となって進軍をサポートし、主砲で敵歩兵をバリケードごと吹き飛ばすことだってできる。航空機では行えない精密な攻撃だって可能だ。

 

「自警団の上層部はあくまでも治安維持のためって言っているけど、どこまでが本当か怪しいものね」

 

 シノが溜息を吐く。彼女自身、自警団を信用しきれていないという態度だった。

 

「最近ではイヅルマ以外の都市も地上戦用の兵器を集めていると聞いている」

「ということは、どこかを攻撃するつもりなのか?」

 

 レオナの問いに、「わからない」とケイトは首を横に振る。

 

「考えられない話じゃないわね。イサオが悪い奴だったと皆知ったとはいえ、イジツの問題は根本的に解決していないもの」

 

 自由博愛連合を率いてイジツを支配しようとしていたイサオは、コトブキ飛行隊によって倒された。だがイサオが自博連結成の方便として用いていた地下資源の枯渇による都市消滅の危機は、依然として去っていない。

 収入源である地下資源が無くなってしまえば、その都市は廃墟となるしかない。掘削技術の飛躍的な発展や、新たな資源地帯の発見も難しいのでは、問題の解決方法は一つしかない。

 

「どこか他の街を占領して、自分たちの植民地にするしかない…ってことか」

 

 これまでは自博連の脅威があったから、反自博連の街同士で結束することが出来た。だが資源枯渇という危機にこれ以上目を瞑っていることも出来ない。

 選択肢は三つある。一つ目は少なくなっていく資源に合わせて自分たちの生活レベルを落とす。もう一つは何もしないまま運を天に任せ、資源が無くなったら皆で街を出て行く。最後の一つは、まだ資源がある他の街を攻撃して、資源を奪うかそこに移り住む。

 

「ユーリア議員が懸念していた通りになりそうですわね。人間、一度贅沢をしてしまえばもう元の生活には戻れませんもの。ただ、そのために誰かを襲って何かを奪うというのは空賊にも劣るダニの所業ですわ」

 

 生活レベルを落とすことも、荒野を彷徨う難民になることも誰も望まないだろう。となると最後は戦争しかない。ユーリアはたとえ気に食わない奴でも共倒れは御免で、だから助け合って生き延びる術を探さなければならないのだと言っていたが、現実は少ないパイを奪い合う醜い争いが始まりそうだ。

 

 

 本当にイサオを倒したのは正しいことだったのか、と改めてレオナは自問自答した。イサオは確かに自分の欲望に基づいてイジツを支配しようとしていた。だが彼が結成した自由博愛連合が、人々の役に立っていたことも否定できない。

 コトブキ飛行隊はイジツの自由のために戦った。そのこと自体に後悔はないし、正しいことをしたのだとレオナは自信を持って言える。だがその自由が人々を互いに傷つけ、争わせてしまうのではないか―――。

 

「…どこも変わらないもんですね」

 

 リーパーが呟く。

 ユリシーズ落着による世界秩序の崩壊と、復興のための資源を巡って勃発したその後の戦争。地球でも資源を巡って争いが起きることは珍しくない。石油の算出地帯である中東は常にどこかでドンパチが起きているし、地下資源が発見されれば途端に国家間の対立が発生する。

 

 結局世界が変わっても、人間は同じだということだろうか。リーパーは窓の外を走る戦車を見て思う。

 それともユーハングが飛行機や武器をこのイジツに持ち込まなければ、もっと変わった世界になっていたのかもしれない。もしかしたら地球とは異なる歴史を辿る、平和な世界になっていたかもしれない。

 

 

「…とにかく、穴っぽいものを見つけたらあなたに連絡すればいいのよね?」

 

 重い雰囲気を振り払うかのように、エルが明るい声で言う。リーパーが頷くと、「では私たちはこれで」とレオナが立ち上がった。そろそろ羽衣丸に戻る時間だ。

 

「あなた、ちょっといいかしら?」

 

 コトブキ飛行隊に続き、応接室を出て行こうとするリーパーを、シノが背後から呼び止める。振り返ったリーパーを、シノが「こっちに来てくれる?」と廊下に連れ出した。

 

「あなた、ユーハング人なのよね?」

「はい。といっても70年前の人たちのことは知りませんが…」

「トキオという男性について知っている? 10年前、穴を通ってユーハングに行った人間よ」

 

 シノの質問に、リーパーは首を横に振った。リーパー自身「穴」とイジツの存在について知ったのがつい最近で、自分がイジツにやって来た時に初めて知ったくらいだ。10年前と言えばまだ子供で、「穴」があることもイジツという世界があることも知らなかった。

 それに10年前と言えば、ユリシーズの悲劇で激変する世界情勢のニュースが新聞記事を埋め尽くしていた時代。当時はさほど新聞やテレビのニュース番組に関心を持っている年頃ではなかったが、それでも異世界から誰かがやって来たなんて話は聞いたことが無い。

 

「そういう話は何も…すいません」

「いえ、急にこんな話をされても困るわよね。謝るのは私の方よ」

「お知り合い…ですか?」

 

 リーパーがそう尋ねると、シノは背後を振り返った。そしてアコが近くにいないことを確かめると、リーパーに顔を寄せて囁く。

 

「そのトキオって人は、アコの父親なの。事故で死んだってことになってるけど、当時の証言を集めると、急に出来た穴を通ってユーハングに行ったみたい」

「…なんだか他人事とは思えませんね」

 

 自分も今頃、地球では死亡扱いになっているのだろうか。それとも脱走扱い? リーパーは思った。

 

「だからもしあなたが穴を通ってユーハングに戻れたとしたら、そのトキオって人を探して欲しいのよ。迷惑に思われるかもしれないけど…」

「いえ、元の世界に帰るお手伝いをしてもらうんだからそれくらいはやりますよ。可能な限り情報を集めたいと思います」

「それと、この話はアコには秘密にして頂戴。彼女の母親からそう頼まれたから」

 

 当然だろうな、とリーパーは思う。帰ってくるかもわからない、生きているかどうかすら怪しい父親のことを考えて毎日を過ごすより、死んだという扱いにした方が残された者たちも気を病まずに済む。それが正しいことかどうかは別として、だが。

 

 

 

 

 コトブキ飛行隊とリーパーが帰り、さあ仕事の続きだとカナリア自警団の面々が執務室に戻ると、なにやら自警団の職員たちが慌てた様子で走り回っていた。書類の束を抱えていたり、壁際のイヅルマ周辺の地図を見て何かを協議していたり。何台か置かれた電話には、全て自警団員が張り付いている。

 飛行機のエンジン音がしたので外を見てみると、哨戒に出ていた九五式練習機(赤とんぼ)が戻ってくるところだった。しかし帰還してきたのは赤とんぼだけでなく、訓練飛行に出ていた自警団の紫電も続々と飛行場に向かって着陸態勢を取っている。

 

「おかしいですね、訓練終了までまだ時間があるはずですけど…」

 

 ミントが壁際の動静一覧ボードを見た。イヅルマ自警団の各飛行隊の予定が記入されているが、この時間に戻ってくる機体があるとは書いていない。

 

「皆眠いから帰ってきたんじゃな~い?」

「ヘレンさんじゃないんですから、それはないですよ」

「故障か事故でしょうかね?」

 

 リッタが言い終わる前に、「ああ、いたいた!」とその太った身体を揺らして部長のアルバートがアコたちのもとへ駆け寄ってくる。汗だくで、なにやら慌てた様子だ。

 

「どうしたんですか、部長」

「大変だよ君たち、イケスカから使節団が来るんだよ!」

「イケスカから…?」

 

 自警団の慌てっぷりもその使節団の来訪が絡んでいるらしい。アコたちは互いに顔を見合わせ、面倒なことが起きそうだなとなんとなく感じた。




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