FGORTA 召喚鯖単騎のみで人理修復   作:リハビリ中

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誤字報告兄貴達、本当にありがとうございます(挨拶)


古戦場から逃げたいです。


幕間

 

 

 

 もうRTAなのか分からないRTA、はーじまるーよ!

 オルレアン突破後のインターバルですね。第二特異点セプテムまでは大方一週間あります。

 

「お疲れ様、二人とも。よく無事に帰還してくれた。

 次の特異点は大方絞れている。安全にレイシフト出来る事が確認出来次第、またオーダーを発令するよ」

 

 ドクターのセリフが終わったら、行動可能になります。ホモ君、疲労してる筈なのに全然足取りふらついてないですね……。

 まずは最早実家より通っているダヴィンチちゃんの工房に向かいます。

 本来ならここで銃の強化を行う予定だったんですが、シグルド兄貴からまさかの原初のルーンと言うサプライズがありました。性能確認したいんですけど、いきなりホモ君で試して事故ったら大変ですからね。

 とりあえず銃をダヴィンチちゃんに預けます。序盤に原初のルーンを獲得したチャートなんてこれが初めてですし……。どれぐらい性能が向上してるかは専門家に聞いた方が確実でしょう。

 持ってきた素材も全部投げます。再臨? 何故かセイバーが最初から最終再臨でしたし、不要です。まぁ、素材や強化も短縮できるし気にしないでいいでしょ。

 

「アルマ君、ところでキミの体に何か異常は? 今の所確認しているだけでも二回、あの礼装の使用を確認している。

 ――何か些細な事や違和感でもいい。変化はないかい」

 

 >ダヴィンチの言葉に貴方は「大丈夫」と頷いた。

 

「そっか……。別に無理しないでもいいんだよ。確かに今回の人理焼却に関しては全人類の未来がかかっていると言ってもいい。

 けれどね、だからと言ってキミ達だけがその責任を背負う訳じゃないんだ。我々も皆、同じさ。今いるのは、この脅威に立ち向かえる存在は私達だけだ。そんな私達が出来なかったら誰にも出来なかった。――もしも、なんて理想を求め続けるのは、終わりのない作業と同じだよ。ただ苦しいだけだ。そんなモノ、自分を追い詰める道具にしかならないだろ?」

 

 ホモ君のメンタルがちょっと揺らぎましたね……。

 

「だから、今の自分を認めてあげなさい。キミ達が前を向いてくれていれば、私達が背中を押す。止まったっていい、下がってもいいさ。人間ってのは単純な事を難しく考えようとする生き物だからね」

 

 ……。

 

「本当に単純な考えが出来るのなら、芸術なんぞで争う事も無いだろうに。――っと失礼、話が逸れてしまった。

 どうしてだろうね、キミと話していると時間を忘れそうになってしまう」

 

 >オレもです、と弱弱しく返事をした。

  どうしてか酷く泣きたくなる。

 

「また顔を見せにきておくれ、カルデアのマスター君。今度来た時はそうだね……特別に食事でも振舞ってあげよう。実はこの前、キミの銃の設計図と共に面白いモノが出て来てね。

 完全保存食のチョコレート――誰が考えたかは知らないが、実に良く出来ている。この私からしたら及第点と言ったところだけど」

 

 >『黄金律“記憶”』が強化された。

 

 

 

 

 部屋から出ていく彼を見送る。

 どうしてか、酷く不安だ。原因も理由も分からない。

 

「……もしかしたら、これと関係しているのかな」

 

 彼から銃の設計を依頼された日――どうしてか、搬入した魔力リソースの中に、彼の銃の設計が入っていた。

 ――取り掛かれば、ファーストオーダーには間に合う日程。そのための素材も、設備もある。

 不審には思った。けれど、それに頼るしか手は無かった。一から考え直したとしても、全く同じ発想に行きつく程、その設計は完成されていたからだ。

 既に基本は完璧に近く、後は素材さえ強化していけばマスターが使用する礼装としては充分に機能する。

 けれど、それがまさかあんな効果をもたらすなんて、思っていなかったが。

 

「――? ちょっと待った」

 

 ふと違和感を覚える。巨大な絵画の隅にあるほんの小さなシミを見つけた程度のモノ。

 銃はいわば変換器だ。彼の魔力を充填し、弾丸に概念の付与と神秘の補強を行う。弾は彼の魔力、或いはこちらの工房で作った弾丸。

 けれどそれを使用し続けて、彼は一向に堪えた様子は無い。計測しているバイタルにも異常は無かった。

 

「……なら、あの礼装を使用している時の弾丸は何だ?」

 

 彼の魔力? いや、それは多分違う。その魔力は銃に移行しており、変換しているだけだ。――何より、彼の魔力を吸い上げたところでサーヴァントに致命傷を負わせるほどの損傷を与えるなど不可能だ。長時間溜め込んだ魔力ならまだ分かる。けれど所要時間は大目に見ても十秒程。

 彼の魔術刻印? それも違う。アレには中身が無い。魔力を通したところで、意味合いを持たないからただの飾りに過ぎない。

 

「なら、アレは一体何を撃ち出している……? 弾丸は……」

 

 余りにも不自然な全身の魔術刻印――もし、それが弾丸となるモノが足りずに、ソレを補うために自然と広がっていったものだとしたら?

 

「!!!」

 

 吐き気がこみ上げる。

 いや、そんな筈はない。そんな事を、魔術が素人も同然の彼に考え付く筈が無い。――第一、そこまで命を懸ける理由が分からない。

 

「……万が一だ。さすがに在り得ないと思うけど。

 キミが無事で本当に良かった」

 

 工房の奥――爆破の時、かろうじて無事だったモノ。

 既に多くの職員亡き今、二人のマスターの存在証明を維持するために一部稼働させているシステム。

 

 

「もし彼が倒れそうな時は、どうかよろしく頼むよ。ムネーモシュネー」

 

 

 

 

 よし、後は帰って寝ましょう。休息も大事な事です。

 セイバーが部屋を綺麗にしてくれてる頃でしょうし。

 

 >ふと、シミュレーションルームで落ち込んでいる人物を見かけた。

  ……彼女、だろうか。

 

 おや、後輩君ですね。どうやらコミュニティイベントのようです。

 立香君の大事な守りです。彼女がいなくては、彼が最後まで生き残る事はほぼ不可能な存在。

 ここは一つ、励ましてあげましょうか。イってこい、ホモ君!

 

 

 

 

 ――守れた、のだろうか。ふとそんな事ばかりを考える。

 英霊達の姿を前にして、いつしかそう考えるようになってしまった。

 

「――」

「あっ、アルマさん。すみません、こんな姿を見せてしまって」

 

 構わない、と彼は口にした。

 カルデアのもう一人のマスター。アルマ・クルス。摩訶不思議なセイバーのサーヴァントをパートナーに持つ。

 所有している礼装は、所有者の膨大な魔力と引き換えに絶大な威力を持ち、特異点Fではセイバーオルタに鎧を破棄させ、オルレアンではアタランテに致命傷を与えジークフリートの救出に大いに貢献した。

 ――強い人だと、思う。戦いに身を置いて、体が傷つくと言う事がどれだけ怖いのかを知った。けれど、彼はそれを恐れる事無く、ただ前を向いて走り続けている。

 

「……私は、先輩のサーヴァントになれているんでしょうか」

 

 弱音がこぼれた。

 どうしてか、彼と自身のマスターに近いモノを感じるからだ。雰囲気も表情も、全く別人のように見えると言うのに。

 

「――」

「英雄の条件、ですか?」

 

 彼はそんな事を聞いてきた。サーヴァントではなく、英雄とは何か。

 余りにも唐突な言葉に思わず驚いてしまって。けれど彼は静かに、自分の返事を待ってくれている。

 小さく息を吐いた。脳裏によぎるのは、出会った数々の英霊達。彼らは背中を押してくれて、迷いを認めてくれて、共に戦う事を良しとしてくれた。

 

「……勇気づけられるコト、でしょうか」

 

 言葉を頭の中で整理しようとした筈なのに、自然と言葉が引き寄せられた。

 

「一緒にいる事で前を進める、共に戦っていける。

 そんな人物の事だと思います」

 

 過ぎったのは、余りにも無力な自分自身。戦うにも守るにも中途半端で。

 

「なら――」

 

“――ならキミは紛れも無い英雄だ”

 

“キミがいてくれる事に、マスターは救われてる”

 

“だから、大丈夫。キミなら、必ず彼を守れる”

 

 透き通った湖面の底に沈む、手の届かない懐かしい残骸を見つめるように。

 その言葉はまだ実感出来ない。けれど、どうしてか酷く安心する。

 

「……ありがとうございます、アルマさん。

 ならこの悩みはきっと、この先で晴れるモノなんですね」

 

 

“大丈夫。キミはきっと強くなる――”

 

 

 きっと、自身のマスターである彼も同じ言葉をかけてくれるだろう。

 ならば前を向かなくては。

 今の自分がいつか、この日の後悔を大切に想えるように。

 だが、まぁそれはそれとして。

 

「ありがとうございました、アルマさん」

「――」

「はい、ところでその……」

「――?」

「――楽しそうにお話しているわね? マスター」

 

 彼らのマスターとサーヴァントの関係に割り込む勇気はまだ無かった。

 

「そ、その今日はありがとうございました! セイバーさんとごゆっくり!!!」

「あら、ありがとう。さぁ、マスター。一緒に戻りましょうか?」

 

 

 >マシュの悩みを解決した。

  トロフィー『シオン』を達成。

 

 

 





「それで、マスター? 彼女と何を話していたの?」
「――……そう。…………いえ、ごめんなさい。なら私の配慮が足りなかったわね」
「え? 何も言わなかった自分が悪いから大丈夫?」
「……」
「ずるい人ね、貴方は」
「本当に、馬鹿な人……。なら今夜は、お詫びに料理でも作ってあげようかしら」
「こう見えて私、結構練習してるのよ? へる……へる……へるずきっちん、だったかしら? そこの方から“教える事がないでち”ってお墨付きを貰ってるんですもの」
「えぇ、大丈夫。味覚を失った貴方のために、見て楽しんでもらえるように頑張るから」
「どうかこの一時が、貴方の休息になりますように」

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