FGORTA 召喚鯖単騎のみで人理修復   作:リハビリ中

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誤字報告兄貴達、ありがとうございます(挨拶)

自分の語彙力と文章量のなさに危機感を覚えてきたゾ。
とりあえず走りきる事を目標にします(震え声)

ちなみに本RTAのホモ君は何の能力も魔術も持たないただの一般人です。


死守

 

 

 

 来たと思っていたら決戦になっていたRTAはーじまーるよー。

 と言う訳でして、今平原で立香君やネロ率いるローマ軍、ブーディカとブリタニア兵士、スパルタクスが真っ向勝負しています。

 ホモ君はがら空きになった陣の霊脈を破壊してすぐに撤収。その時点でブーディカは弱体化するため、何とか逃げ切れるだろうと言う算段らしいです。山の中は入り組んだ地形になっていますし、弱体化した戦車では追いにくいだろうと言う事みたいで。

 多分、アレでしょう。ホモ君が戦ったら禁忌礼装使うとか思われてるから、遠ざけられたんでしょう。

 そんなこんなで、護衛兼土地勘に詳しいローマ兵一人、セイバーさん、レオニダスで陣を目指しています。

 

 >ふとローマ兵が貴方に話しかけてきた。

 

「ところで、あのマシュさんって人と話せる事があればお礼を言って貰ってもいいですか?」

 

 あー、確かに兵士達は復旧作業で全然自分のしたい事も出来ない様子でしたもんね。

 

「私は、あの人に助けられまして。まだその時のお礼を言えずにいたのです」

 

 はえー。

 マシュちゃんも成長が著しいですね……。

 まぁ、ちゃっちゃっと終わらせて戻りましょう。それなら言いたい事もたくさん言えます。

 

「マスター、あそこね」

 

 >セイバーが指さすと陣幕のようなものがあった。

  人影は無く、罠も無い。

 

「どうする、もう壊しちゃう?」

「いえ、陣の場所を全て把握してからの方がよいかと。壊せばその瞬間、相手は狙いをこちらに切り替えて、全力で来るでしょう」

 

 あー、確かに。どうせ弱体化させるなら、一気にさせてネロ達に仕留めてもらった方がいいですもんね。

 じゃあ、まず場所を把握しちゃいましょう。

 急ぐよ、ホモ君!

 

 

 

 

 ――そこは激戦に他ならない。

 入り乱れるローマ兵とブリタニア兵。そしてサーヴァント。

 

「おぉ、圧政者よ! 我が愛を受け取りたまえ!」

「いらん! クソ、中々ふざけたヤツだ!」

 

 振るわれた一閃、まるで巨大な大木を振り回したのではないかと思う程の風圧。一撃でも与えれば、致命傷となりかねない。

 スパルタクスの性質、受けた攻撃を魔力として変換し体の治癒や攻撃への転用を可能とする。

 これの能力故に彼は、今尚前線で戦い続ける事が出来ていた。

 そしてラクシュミーとて、その事は既に把握済みだ。あの再生のせいで、何人ものローマ兵とサーヴァントが撃破された。

 だが、今回の目的は撃破ではなく時間稼ぎ。必要以上にダメージを与え、スパルタクスの暴走を促してしまっては、ただでさえ大きい被害がさらに甚大なモノとなってしまう。

 

「セイバー殿、援護します!」

「助かる! だが、無茶だけはするな! お前達はこの国の未来そのものだ!」

「はい!」

 

 燃え盛る戦車、振るわれる都度飛来する高密度の魔力。

 それとの対決を可能とするのはクーフーリン以外にあるまい。彼が事前に仕込んでおいたルーン――空間遮断と水のルーンにより、ローマ兵達は炎の影響を受ける事無く戦えていた。

 

「ちぃっ!」

「――邪魔だ!!!」

「行かせるか、戯けが!!」

 

 空間遮断のルーンを戦車で突破しようと彼を無視すれば、槍が投擲される。

 ブーディカとてサーヴァントではある。だが、彼女が英雄であるのならば彼はまさしく大英雄。

 ――何より、逃がした相手をそのままにしておくなど彼の矜持が許さない。

 

 

 そして、その戦いは突如として急速な転機を迎えた。

 

 

「何……!?」

 

 ブーディカの戦車が止まる。無論、致命傷を負ったわけではない。

 彼女への魔力の供給が、急速に弱まっているのだ。

 故に彼女は動きを止めた。止めてしまった。

 

「獲った、刺し穿つ(ゲイ)

 

 突如、顕現した化け物。巨大な肉の柱にいくつもの巨大な目玉を埋め込んだような存在が彼らのすぐ側に現れる。

 その異質さ故に、投擲の狙いをソレに変えざるを得なかった。

 

「何!?」

「――焼却式、フラウロス」

「宝具、展開します! 人理の礎(ロード・カルデアス)!!!」

 

 平原その物を薙ぎ払っていく巨大な光線。

 だが、マシュの宝具によって犠牲となったモノはいない――尤も、それが牽制目的程度でしか使用されてないが故の結果であったが――。

 僅か一瞬。しかし、かの復讐者が戦車を駆りてこの戦場から離脱するまでには十分な時間である。

 

 

 

 

 さて、これで大方陣も破壊し終わりましたね。

 早く戻りましょうか。……ん?

 

 >雨が降って来た。空一面が雲に覆われている。

 

 ……マジか。

 特異点で空が曇ったり、異常気象になるのは大抵良くない事の前触れです。ホモ君は何度も経験してますしおすし。

 嫌な予感しかしません。例えば……そうですね、強大な魔力反応を持った相手が出現した時とかです。

 

 >通信機がなった。マシュからだ。

 

『アルマさん! 早く逃げ――■―■■■―』

 

 >ノイズが後半から酷くなって聞き取れない。

 

 もうフラグ立ちすぎやんけコレ。

 

「はははははは!!! こそこそ嗅ぎまわるとは、けしからんな!!!

 反逆を成すのであれば、それは困難な道として選択されなくてはならない!! それが出来ぬと言うのであれば、キミは紛れも無く圧政者である!!!」

 

 げ!? スパルタクス!?

 いや、早過ぎでしょ!? ……まさか、飛んだ?

 マズイマズイマズイ!!! 何か体が光り出してます。あれ、暴走の予兆です!

 

「我がマスター、我が女王! 私に宝具の暴走による自爆を命ずるとは、実に!! 嗚呼実に!! 実に!!! 汝も素晴らしき圧政者であった!!!! ハハハハハ!!!!」

 

 宝具の自爆によるホモ君の始末或いは逃走阻止。

 地形的に巻き込まれたら死にますね、コレ……!

 

「マスター!!」

 

 >爆発のような音と共に背後から烈風が吹き荒れる。

  地面が崩落していく感覚、僅かな浮遊感。

  このままだと貴方は落ちて、岩雪崩に巻き込まれて死ぬだろう。

 

 あっ、再走かな……。

 

 >そんな貴方の手を取って、前へ放り投げた者がいた。

  見れば、護衛として動いてくれたローマ兵だ。

  彼の体は、無数の岩石が沈んでいく地盤へ落ちていこうとしていた。

 

「アルマ殿、御無事ですか。それは良かった」

 

 え、あのローマ兵さん……。

 

「自分は、貴方の護衛ですから。私は大丈夫です、皆が待ってます。

 どうか皇帝陛下を、このローマをお願いします」

 

 >彼は笑って落ちていき、蠢く地盤へと埋もれていった。

 

 ――。

 

「マスター……」

「……すまぬ」

 

 ……大丈夫です、走りましょう。

 ホモ君は慣れてます。

 

 >貴方は立ちあがると走り出す。

  既に地形が大きく変わっていて、来た道とは全く別物だ。

  しかも雨のせいで足元がぬかるんでおり、滑らせれば一巻の終わりだろう。

 

「――カルデアのマスターァァァァァ!!!」

 

 >ブーディカが姿を現す。

  彼女の戦車の炎は、雨の中にあっても絢爛と燃え盛っていた。

 

 マジかよ……。

 いや、この状況で戦うとか最悪でしかありませんよ。戦車出されたら終わりですやん。

 弱体化しているのは間違いないでしょうけど、いくら何でも場所が悪すぎます。

 

「――マスター、お逃げ下さい。殿はこのレオニダスにお任せを」

 

 >レオニダスが貴方を庇うように前に出る。

  貴方が向かうのは狭くなった一本道だ。

 

 ……仕方ありません。ここで戦っても、ホモ君が死ぬだけです。

 レオニダスに任せましょう。

 

「感謝を。そしてマスター、どうか一つだけ言葉を告げる事をお許し願いたい」

 

 なんでしょう。

 

「――貴方は確かに罪を犯したでしょう。選ぶべきではない選択肢を選んでしまったのかもしれない。

 ですが、その咎を貴方が永遠に背負い続ける必要は無いのです。人は完全では無いのですから」

 

 ……。

 

「貴重な時間を申し訳ありません。さぁ、走るのですマスター。

 私は、我々は、貴方のその姿に魅せられて集ったのですから」

 

 走りましょう。

 何としてでも、ここから生き延びます。

 あぁ、それとレオニダス王。

 

「はい」

 

『信じてる』

 

「――私には過ぎた名誉です。だが、お任せを」

 

 

 

 短い時間だった。共に戦えたのは僅かな間だけ。それも、決して十分とは言えなかったが。

 言葉数は少なく、けれど視線は確かで反応もある。しかし、初めて彼と共に戦った時の事を思い出すと、まるで別人のようだ。

 

“……どうか私の言葉が届いてくれるといいのですが”

 

 盾を構え直し、槍を構える。

 打ち付ける雨、眼前にいるは戦車の女王。

 ――ならば己が肉体の役目は一つ。あの戦車を何としてでも止め続ける事。

 

「……分からない」

「何がでしょう」

「貴方の事は知っているとも、レオニダス王。炎門の戦士、守護の英雄」

「……」

「何故だ、何故守ろうとする。貴殿には関係があるまい。復讐によって、あの戦いを成した貴方なら、その思いがどれだけ魂を突き動かすのか分かる筈だ」

 

 成程、確かに。

 あの戦いで、この肉体は半ば息絶えた。

 無論、王を殺されて彼らが普通でいられる筈が無かった。彼らもまた復讐を成したのだから。死したこの体を、敵に渡してなるものかと。

 

「簡単な事です」

「……」

「確かに、その無念は分かる。愛する者を辱められ、祖国を奪われ、最期は民をも殺された。ならば黙っている事など出来る筈が無い。

 私とて、貴女と同じ事をしていたかもしれぬ」

「ならば何故立ち塞がる!?」

「――その感情を、貴女は我がマスターに向けた。

 であるならば、私は立ち塞がるしかありますまい」

 

 あぁ、そうだ。

 彼には関係が無い。遠く遠くの遥か未来、英霊達が守り抜いた宝そのもの。

 相対するのであれば、復讐者としてではなく英霊として対峙するべきだったのだ。

 

「そうか……そうか……!」

「最早、対話は無用。さぁ、来たれブリタニアの女王!

 我が真名はレオニダス! 我ら炎門の守護者也! 我が盾には、三百の魂があると知れ!」

 

 

 

 

 どれほどの時間が過ぎたか、はとうの昔に忘れていた。

 ――その衝撃は、かのペルシャ軍の重みとは比にならない。

 それもそうだ。彼女を動かすのは慢心や余裕ではなく、己が霊基を暴走させる程の強い復讐心。

 反撃は不要。押し返す必要も無い。ただ、耐え続けろ。背後には護るべき未来(マスター)が在るのだから。

 

“抑えきれんか……!! ――いや!!”

 

 そんな弱音が生まれてしまう程に、女王の猛攻は苛烈だった。

 けれど、そんな肉体を、精神を叱咤する。

 僅かな時しか共に在れなかったこの霊基に、彼は何と声をかけたか。

 

 

『信じてる』

 

 

「滾ってきたぞぉ!!!」

 

 押し込まれていた肉体が、精神と共にさらに奮起する。

 状況は再び拮抗へ。その足が後ろへ下がる事は無い。

 

「! 何故! 何故! 何故!」

「集え、我が同胞我が盾よ!!! かの戦いを奇跡ではなく必然と証明するのだ!!! ――炎門の守護者(テルモピュライ・エノモタイア)ァァァ!!!」

 

 膨れ上がる霊基。

 本来の用途と異なる宝具の使用――三百人の兵達を召喚するでのはなく、彼らの力を己が肉体個人に宿すモノ。

 無論、そんな無茶をして霊基が無事でいる筈が無い。この宝具は彼の消滅と引き換えに、敵対する者へ大きな手傷を与えるモノ。

 その盾は、全てをねじ伏せた戦車の疾走を弾き返した。

 そしてその槍は――

 

「我が渾身の一射なれば――!!」

 

 隙を見せた戦車そのものへと直撃し、大きな損傷を与えた。

 ――最早魔力の供給手段も無くした彼女は、戦車が使用不可能となった。

 乗っていた者は大地へ転がり、よろけながら立ち上がる。その女王が零した声は憎悪でもなく怨嗟も無く。

 

「……見事だよ、レオニダス王。貴方の矜持、確かに見届けた」

「……おや、随分と落ち着いたように見えますな」

「貴方の姿を見て、ちょっと動揺してるのかな。こうしてやっと本来の私を取り戻せた。けど、多分長くは続かない。またすぐに増幅した憎しみに支配される。

正直複雑だよ、この復讐は捨てられない。捨てたらアタシがアタシじゃなくなる」

「……捨てなくても良いのです。喜び、怒り、悲しみ、笑う――それら全てを備えてこその人間ですから」

「そっか」

「ブーディカ殿、カルデアとの縁は……」

「大丈夫、彼を通じたらこっちから行けそうだ。勿論、行くよ。今回の事のお詫びをしないといけないからね」

「勝利の女王たる貴方が力を貸してくれる、か……ならば憂いはありませんな。あぁ、いや……一つ、だけ……」

「……」

「どうか、ご武運を……マスター……」

 

 

「あぁ、そっか。――貴方はローマのサーヴァントとして呼ばれたんじゃなくて……彼を守るために、縁を辿って自ら来たんだね。

 その在り方に敬服を。貴方は、死して尚も生きる者達の背中を押す英雄だ」

 

 






「やはり、彼は止まらないか。その思いを動かしているのは何だ、英雄か矜持か、それとも残影かね」

「色々とキミにもレイシフトを遅らせたり、通信妨害だったりと細工をして貰ったのにすまない。色々と無駄にしてしまった」

「……いや、次の特異点は構わない。既に事情は伝えてある。――さすがあの英雄達を集めただけあって飲み込みが早かった。いや、確か共に神代海洋を駆け抜けたのだったかな。
 あちらに私が干渉する理由は無いよ。何よりそれは無粋と言う物だろう」

「あぁ、やりすぎては感づかれる。キミも私も同じ思いだ。名前すら失いつつある彼、もういい加減魂は欠け、精神は摩耗しているだろう。
 ただむなしいだけだ、ただ苦しいだけだ。だが死によって止める事は出来ない。だから彼に理解してもらうしかない」

「第四特異点では何もしないさ。寧ろここまで出向いてもらわなくては困る。彼とまた言葉を交わさなくてはならないからね。
 呪いだけでは足りない。故に彼を止めるのにキミの力を借りる事になる。その時が来たらよろしく頼むよ――ムネーモシュネー」

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