FGORTA 召喚鯖単騎のみで人理修復 作:リハビリ中
RTAとFGO小説、相性が悪い……悪くない?
とりあえず三章は浮かぶんですが、四章は真面目に案が無いので一話で終わるかもです(マジ)
遅れたお詫びに失踪します。
>目が覚める。
見知らぬ天井――そこで貴方はようやく昨日の事を思い出した。
ホモ君が目覚めましたね。
前回は丁度、合流してローマ市内まで無事に逃げられた所まででした。到着するや否やホモ君が魔力切れのため意識を失った所までです。
レオニダス王が脱落しましたね……。彼の力なくして、あの窮地をホモ君が生き残る事はまず無理でした。セイバーがいるから何とかなったかもしれませんが、彼女の力がいつ判定に引っかかるか分からないため、頼らずに済んだのも幸い。
でも犠牲は割り切れないですね……。ホモ君もメンタルにちょっと変動が出てます。
「起きたのね、マスター。……」
「……」
>貴方とセイバーの間に気まずい空気が流れる。
理由は言うまでも無いだろう。
「……ネロ皇帝から話があるそうよ。状況の整理とこれからの事を相談したいと」
「……」
「……ごめんなさい、私がもっと本調子ならあの状況を変えれたのでしょうけど」
>貴方は「大丈夫、ありがとう」と答えて彼女の後に付いていく。
室内に入ると、ネロ、立香、マシュ、クーフーリン、ラクシュミーがいた。
「来たかアルマ。昨日は其方とレオニダス王の活躍無くしては掴めぬ勝利であった」
>勝利? アレは敗走だ、と貴方は自責の念に駆られる。
自分の判断が甘かったのか、魔力が足りなかったのか、マスターとして未熟だったのか。
「――いや、勝利だ。紛れも無い勝利なのだ。余が認める、だからこそ誰にも異は唱えさせぬ」
>貴方の中にあった考えを掻き消すように、ネロは反論すら許さない勢いのまま答える。
「あやつに何一つ奪われる事無く、切り抜けた戦いなど一度も無い。故にアレは勝利なのだ。
其方らと彼の王が引き寄せたモノ。戦であれば誉れと謡われ、国であれば名誉を授けるに他ならぬ。
無理に笑わなくとも良い、胸を張らずとも良い。だが、その時の己を卑下する事は許さぬからな。
……すまぬ、話が逸れた」
>そういって彼女は机の上に広げてあるローマ市内の地図を指さした。
「あれから追撃が無い事を考えると、あやつの魔力供給に異常が生じた可能性が高いだろう。
平原など一時もあれば瞬く間に詰めてくる。あの戦車はそれだけの脅威だったのだから」
「……聖杯を所有しているであろうサーヴァントですし、魔力に関する面は考えにくいかと。
恐らく戦車自体に何か異常が生じたのでは……」
「なるほど、ならば破壊されたと見るべきだろう。あそこで彼らを逃す理由など一つも無い。寧ろ復讐の機会を邪魔されたのだ。手心を加える理由は無いと思うが」
「――であるのなら、やはりこの地を以て決着とするしかあるまいな」
>そういってネロはもう一度ローマ市内を記した地図を指で示した。
ファッ!?
「――大胆な賭けに出たな、皇帝閣下は」
「で、ですがネロ皇帝! このローマは貴方にとって……」
「あぁ、そうさな。余にとってこの都市は唯一無二の黄金であり、この命と並ぶ程に価値を持つ輝きである」
「ならばどうして……」
「――あやつはローマの一面しか知らぬ。侵略者と言う顔、武器を持ち矛を交え血を流す一面しか。
だがそれはローマの一つのカタチに過ぎん。ただ攻めて滅ぼすだけが国では無い。
伝えてやらねばならぬ、示してやらねばならぬ、其方達を討ったこのローマにも、彼の国のように穏やかな時があるのだと。
でなければ、余は神祖に向ける顔が無い」
>それは彼女の中に生じた責任。ブリタニアと言う国を利用し、滅ぼし、貪りつくした事に関しての贖罪。
頭を下げるのではなく、命を絶つのではなく。その犠牲に報いるために、先の平穏を作っていくコト。
彼の女王が矛先を向けるべきローマは、もうどこにも無い。
「ラクシュミー、其方に兵の全指揮権を委ねる。ブーディカも全力で兵を召喚してくるであろう」
「……承知した、最善を尽くそう」
「カルデアの者達よ、既に市民達へはこの件を伝えている。滅ぼされてはいるが、まだかろうじてカタチを留めている街が残っている。そこへの護衛を頼む」
ならば誰が向かう。道中に来るは間違いなく獣。しかし何らかの奇襲が無いとは言い切れない。
不測の事態にも対応でき、尚且つ護衛が終わった直後すぐにローマ市へ引き返せる速さを持ったモノ。
「――適任がオレしかいねぇな、そいつは。マスター、やばいと思ったらすぐに令呪を使え。即座に駆け付けてやる」
立香は小さく頷いた。
「ローマは終わらぬ。王とは、各々の形があるのだろうが、余にとっての王とは受け継がれ託していく者。例え三度落陽を迎えようとも、再び絢爛に舞い戻ろう。再び散ろうとも、再び息吹き、花を咲かせる蕾のように。
それこそがローマ。そして今のローマを統べる者は、皇帝ネロ・クラウディウスたる余以外にはおらぬ」
……こんなシーンありましたっけ。
まぁ、特異点その物の前提が違いますからね……。
「もう何度口にしたかは分からん。けれど、恐らくこれが最後であろう。
どうか力を貸して欲しい、カルデアのマスター達よ。恐らく此度が最後の戦いとなる。
――行くぞ」
おっ、もう行動開始のようです。
ホモ君は準備してからすぐに行動に移りましょう。
次が特異点最終節ですね!
奇妙な事にローマ市を護る兵はいなかった。
破壊された戦車は使用不可能。けれど待っている時間は無い。
故に踏み込む。故に戦う。兵士を召喚し、街中へと向かわせる。それはさながら陸地へ押し寄せる嵐のように。
何が叫んでいる。何かが引き留めている。もうこれ以上続ける必要は無いと。
けれど、だと言うのなら彼らのあの無念はどこへ行けばいいと言うのか。もうどこにも彼らの声は届かない。彼らの思いは残らない。
だから私がやるしかない。私が、その代行者になるしかない。
「来たか」
「……!」
いた。かの皇帝とカルデアのマスター達。
剣を握り直す。盾を持つ。もう戦車こそ無いが、それでも戦う。
「――私はお前達を討つ! 我が故郷を踏み躙り、我が娘を屈辱したお前達を許しはしない!
永続に狂気が渦巻く帝国なぞ、ここで終わらせてやる!!」
「――来い、ブリタニア女王ブーディカよ! 余はローマ皇帝、薔薇の皇帝ネロ・クラウディウスである!!」
『罅割れたペンダント』
第二特異点の平原に落ちていたペンダント。戦火に晒されたのか、煤けており罅割れている。戦いへ赴く者が抱えた平穏の証なのだろうか。触ると仄かに温かく、微かに冷たい。
額に当てると、穏やかに過ごす四人の家族の風景が見えてくる。
どうか穏やかにあれ、健やかにあれ。貴方達の未来に幸せが満ちますように。