毎年の冬に行い始めているカルデアでのクリスマス。
恒例のようにサーヴァントによる問題が起こり、その度に現れるサンタサーヴァントとともに解決し続けた俺は五年目のクリスマスイベントを終えて部屋へと戻っていた。
「今回も疲れたな……風呂入るとするか」
そう言いながら部屋の前まで戻ってきてドアを開けようとした時――
『プスッ!』
「あたっ⁉」
いきなり背後から何かに刺された痛みが襲い掛かり、俺は振りかえようとしたが……
「な、なん、だ……」
襲い来る眠気によってだんだん気が遠のいていき、俺の意識はそこでブラックアウトした。
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カルデアにある大広間の部屋にてマシュを初めとした数多くの女性サーヴァントが集まり、大量に敷かれてある布団について話し合っていた。
(※ここから分かりやすくサーヴァント名を入れています)
マシュ「ナイチンゲールさんに言われてこの部屋に来たのはいいですが……」
宮本武蔵(セイバー)「なんでこんなに布団が並んでいるの?」
鈴鹿御前「あ、もしかしてここで女子だけの二次会をするために布団も用意しておいてくれたんじゃない?」
エリザベート(ランサー)「うーん……あのナイチンゲールがそんな気遣いをする?」
フランシス「まあいいじゃん! ここでアタイ等だけでもパーッと盛り上がろうじゃないの!」
荊軻「そうだそうだ~!」
ブーディカ「いやアンタたちは飲みたいだけでしょ!」
酒好きな組はドンと座って会場から持ってきた酒を酌み始め、呆れた者たちもその場に座って呼び出した張本人――ナイチンサンタが来るまで談話し始めた。
アタランテ(バーサーカー)「ジャックやナーサリーとかの子どもたちは早めに休んで、ダ・ヴィンチは他の用事でいない。あと何人かは部屋に戻ったな」
宮本武蔵(セイバー)「他で確認していなかったのは……清姫、頼光、メイヴ、キアラ、キルケー、ペンテシレイア……」
マシュ「ライネスさんとグレイさん、式さんと藤乃さんもいませんね」
イシュタル(アーチャー)「というかグレイと式、藤乃以外はほとんど相手したら苦労しちゃう組よね。主に清姫やキアラ、メイヴとか」
イシュタル(ライダー)「ペンテシレイアはまたアキレウス探しをしているし、面倒な相手がいなくて助かるわー」
スペース・イシュタル(零基2)「ていうか今更だけど同じ顔のサーヴァント多すぎでしょ! ただでさえアルトリア側が多いのに!」
謎のヒロインX「やはり私以外のアルトリア顔のサーヴァントは排除した方がいい! セイバー死すべし!」
メデューサ(ライダー)「縛られた状態で言っても格好がついていませんよ」
カラミティ「せっかくの楽しい日なんだからXも楽しもうよ~」
広間の賑やかさが出てきた所で扉の開く音が聞こえ、一斉に扉の方へと視線を向けた。
ナイチンサンタ「皆さん、集まっていらっしゃいますね?」
マシュ「あ、ナイチンゲールさ……」
視線を向け、ナイチンサンタを見た直後にて隣にある大きな箱に気付き、代表的にマシュが質問した。
マシュ「ナイチンゲールさん、それは?」
ナイチンサンタ「今から説明しますのでお待ちを」
箱を乗せた台車を押し、ステージへと向かったナイチンサンタはマイクを取り出して音声を確認し、マシュたちへと向いてその場で話し始めた。
ナイチンサンタ「お待たせしました。これよりみなさんをここへお呼びした理由について説明します。その前に、こちらをご覧ください」
そう言って背後からゆっくりとスクリーンが降りてきて、設置されているプロジェクターを起動させて映像を映した。そこには、何かしらのグラフや数字が多く書かれていてマシュたちはそれを見ながら何かと話し合っていた。
マシュ「このグラフと数字は一体……」
ナイチンサンタ「ここ最近、みなさんの身体検査を調べてみて一つだけ共通する問題がありました」
パールヴァティー「共通する問題?」
玉藻の前(キャスター)「それは一体何ですの?」
ナイチンサンタの発言にみんなはゴクリと唾を飲んで静かに見続け、ナイチンサンタの口が開くとともに彼女は答えた。
ナイチンサンタ「生理的欲求不満です」
『ブーーーーーー⁉』
予想だにしなかった発言に酒を飲んでいた組も含め、ほとんどが思わず吹いてしまい、残る少数は顔を赤らめて固まってしまった。
ナイチンサンタ「私を含め、みなさんは
マシュ「それ以上言わないでください!」
涙目になってマシュが静止させ、理解した何人もナイチンサンタの発言に視線を下へ向けたまま涙を流していた。
エレシュキガル「確かに……確かに、藤丸は優しいし、私やみんなのこと、大切に思ってるの、分かってるのよ……」
イシュタル(アーチャー)「でも……好きになっちゃったんだからしょうがないでしょ!」
牛若丸「敵になってしまった、私のことを気にせず許してくれましたし……」
望月千代女「真明を告げられなかった頃の拙者を、信じて待ってもらいました……」
静謐「毒の体を持つ私を、気にせず頭を撫でてくれました……」
スルーズ「創られた存在である私たちに、在る意味を教えてくれました……」
涙ながら自身の思っている気持ちを告白していき、そこから徐々にエスカレートしてきた。
メルトリリス「大体、立香が悪いのよ! 私だけでなく他の子にまで恋という感情と思い出をたくさん作らせたんだから!」
ジャンヌ・オルタ「ズケズケと人の心の中にまで入ってくるわ! ほっといてほしいのに構ってくるわ!」
カーマ「愛の神として愛してやってるのに、逆に愛されるなんて……」
アルターエゴにオルタ側など性格が反対のサーヴァントたちの
魔王信長「なるほど、そういうことか。しかし、まさかこれほどいるとはな。その中にお主も……」
沖田総司「何ですかあってはダメですか? 私だってこれでも女の子なんですよ!」
織田信長(アーチャー)「いやいや、別にあってもいいじゃろう。ワシはやったことはないが、アイツを思うってことはそれほど好きである証拠ってことだ」
魔王信長「ワシも欲求がないと言ったら嘘にはなるが、アイツがどのような人間か見極めなければ身を委ねることなど考えはしない」
沖田・オルタ「と言ってはいるが、マスターに会えた日にはとても嬉しそうな表情を浮かべていたぞ? それから楽しそうにマスターと話をして、一回だけマスターを膝枕した時は……」
――キンッ!
魔王信長「よく喋る口よのぉ、沖田の映し身よ。それ以上黙らなければ刀の錆とするぞ」
沖田・オルタ「言う前から斬りかかっているではないか!」
織田信長(バーサーカー)「ぬわっはっはっは! さすがのアヴェンジャーのワシも
マシュ「というよりここでの戦闘は止めてください!」
死合になりかけていた中で、様々な意見を聞いたナイチンサンタは顔色を変えずに続けて言った。
ナイチンサンタ「ご安心を! それぞれの意見があるだろうと思い、その解決策は用意してあります」
ニトクリス(キャスター)「解決……策?」
再び発したナイチンサンタの言葉にみんなの視線はステージへと向き、ナイチンサンタは置かれていた箱を持ち上げるようにして取り外した。
するとそこには――
マシュ「せ、先輩⁉」
『マスター(藤丸殿)(子豚)⁉』
服を脱がされパンツ一丁姿で白目となっている藤丸立香が椅子に座っていて、それを見た数名は顔を真っ赤、両手で隠しつつチラッと覗き、鼻血を出して倒れたり、思考停止したりなど人それぞれに反応した。
ジャンヌ・オルタ「ちょっ、アンタ! ソイツに何したのよ⁉」
ナイチンサンタ「薬で少し意識を飛ばしているだけですので問題ありません」
マシュ「大丈夫じゃないですか!」
ナイチンサンタ「では、最後の準備へと取り掛かります」
そう言って謎の液体の入った瓶を取り出して蓋を開け、そのまま彼の口へと注ぎ入れ込んだ。
イシュタル(ライダー)「ちょっと⁉」
アルトリア(ランサー)「マスター!」
謎の液体を飲まされた藤丸に会場にいるサーヴァントたちは駆け寄ったが、彼が立ち上がったことで勢いが途中で止まった。
マシュ「せ、先輩! 大丈夫で……⁉」
マシュが心配していた直後、立ち上がった彼を見てみんなの顔は一気に赤く染まって、何人かは再び両手で顔を隠し、別の何人かは鼻血を出した。
何故なら――
ナイチンサンタ「おや? まさかここまでの効力があるとは……」
ジャンヌ・オルタ「なななな、なんてものおったててるのよ!」
藤丸のある部分を見てジャンヌ・オルタは怒鳴った。
飲まされた液体によって藤丸は獣のように息をつき、ある部分をパンツがはちきれんばかりにまで伸ばしていたのだった。
ジャンヌ(ルーラー)「あわわ……」
メディア「ちょっとナイチンゲール! 一体何を飲ませたのよ!」
ナイチンサンタ「パラケルススさんの協力の下で作った超強力精力剤です。飲まれた
シェヘラザード「いえ、何回もやってしまうと死んでしまいそうです。私が……」
シバの女王「ツッコむ所、そこですか⁉」
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《顔揃い(一部)・姉妹組》
ステンノ「あらあら、私たちマスターに襲われるそうよ。エウリュア……」
エウリュアレ「
ステンノ「え、エウリュアレ⁉」
メデューサ(ライダー)「……」
ゴルゴーン「言いたいことは分かるぞ。まさか下姉様があんなことを言うなんて……」
メデューサ(ランサー)「私たちや上姉様が来る前まで藤丸との仲が良かったですから」
アルトリア・オルタ(ライダー)「ふっ、いいだろう。マスターの聖剣、受けてやろうじゃないか」
アルトリア・オルタ(ランサー)「いや、マスターのロンゴミアントは私が頂く」
アルトリア・オルタ(セイバー)「下らん。貴様らや他がどうこう言おうが、最後には私だけを選ぶだろう」
アルトリア(ランサー)「ちょっ、アナタたち!」
アルトリア(ルーラー)「はぁ……同じ私でもマスターのことになるとそれぞれ顔が変わりますね。まあ、私もそうですが」
イシュタル(アーチャー)「なんつーモン作っちゃってるのよ、あの婦長と錬金術師は!」
エレシュキガル「藤丸との【ピー】、上手くやれるかな……」
イシュタル(ライダー)「って、やる気マンマンになってるよこの子⁉」
スペース・イシュタル「まったく騒がしいですね。それにしても……大きい」
スペース・イシュタル(零基3)「あんなの見せられたら……別の衝動が、抑えきれません」
スペース・イシュタル(零基2)「って、アンタたちガン見しすぎよ!」
カラミティ「あははー! やっぱりイシュタりんがたくさんだと面白~い」
織田信長(アーチャー)「はーっはっは! 見た目とは裏腹にまさかこれほどの刀身があるとはな」
魔王信長「ふむ、見事なまでの長剣だな」
沖田・オルタ「凄いな、アレ」
沖田総司「いや、私に振られてもどう答えたらいいんですか⁉」
メルトリリス「アイツ、興奮するとああなるのか……」
B・B「おやおや? メルトちゃんも先輩のを見ていやらしい~」
カーマ「アナタも言える義理ですか? 見た瞬間で涎出ていましたよ~」
B・B「えっ⁉」
パッションリップ「あわわ……」
パールヴァティー「(同じ顔の私たちをこうして見ると、すごい光景ですね……)」
スカサハ「ほぅ、アイツ等よりか中々のものだな」
スカディ「いやなに呑気に言ってるのだ⁉」
オルトリンデ「……」
スルーズ「なっ、オルトリンデ⁉ そのようなことを考えてたのですか⁉」
ヒルド「うわー……オルトリンデったらマスターとのそういうの考えてたって、そんな本読んでたの⁉」
ジャンヌ(ルーラー)「た、大変なことになりました……」
ジャンヌ・オルタ「たく、なんで面倒なことを起こしたんだか……」
ジャンヌ(アーチャー)「
ジャンヌ・オルタ「いやなに『お姉ちゃんとして守らないと』だ! かこつけてヤろうという準備してるじゃないか!」
ラクシュミー「ハァ……ダメだこりゃ」
謎のヒロインX「って、同じ顔だらけでうるさーい! 特にセイバー顔の私以外のアルトリア死すべし!」
謎のヒロインXオルタ「それはこちらも同じだと思いますが? もぐもぐ」
牛若丸(ライダー)「おお……さすが藤丸殿だ」
牛若丸(アサシン)「藤丸殿のあそこが見事に天狗の鼻以上になるとは」
宮本武蔵(バーサーカー)「こうして見ると凄い光景だな……」
宮本武蔵(セイバー)「藤丸君のは興味無くはなかったけど……」
葛飾北斎(セイバー)「ここに来てから早くも貞操奪われるって……まあマスターにならいいか」
葛飾北斎(フォーリナー)「いやいやいや! 同じ俺様がそれでいいのかい⁉」
《バラバラ組(一部)》
シャルロット「はわわ、マスターさんのが凄いことに……⁉」
哪吒「驚愕、動悸、上昇」
ケツァル・コアトル「藤丸君のたくましいデ~ス!」
マリー「あらあら~」
マタ・ハリ「藤丸君も男の子だもんね~」
刑部姫「(マー君の凄い……ハッ! マー君と
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マシュ「ダメです……マトモな人が全然いません」
藤丸の姿にあれやこれやと欲望が漏れている光景にマシュは頭を抱えた。
キアラやキルケーといった厄介組がいないことには幸いと思っていても、真面目な側の数人もネジが外れたように仲間入りしてしまい事態はもう止めることの出来ない状態へと変貌してしまった。
その時、藤丸がマシュの方へと一気に近づき、その反応に誰もが追いつけなかったためビックリした。
「フー……フー……」
マシュ「せ、先輩……⁉」
その一言の後、部屋中に快楽によって溺れた女性サーヴァントたちによる喘ぎ声が響き渡り、犯行者であるナイチンサンタも快楽に溺れていった。
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それから一時間ほどが経った頃、マシュたちがいる部屋の近くまで二人の天才が歩いてきた。
ダ・ヴィンチ(キャスター)「いやー片付けが早く終わって助かったよ。流石私が作った
ダ・ヴィンチ(ライダー)「そりゃあ
同一人物でありながらクラスの違う天才二人は楽しく会話をし続け、部屋の入口前を通り過ぎた所でダ・ヴィンチ(ライダー)が立ち止まった。
ダ・ヴィンチ(キャスター)「ん? どうしたんだい?」
ダ・ヴィンチ(ライダー)「いやなんか、匂いを感じてな。しかも濃度の高そうな、イカの匂いが……」
それを聞いたダ・ヴィンチ(キャスター)が目を光らせてニヤりと笑った。
ダ・ヴィンチ(キャスター)「ほほう、それは興味深い。イカの匂いがして濃度が高いってことは……」
ダ・ヴィンチ(ライダー)「誰かがホワイトクリスマスを楽しんでるってわけだよね~」
ダ・ヴィンチ(キャスター)「これは是非とも調べてみないとな~。もしや藤丸君とマシュがしているのであれば」
ダ・ヴィンチ(ライダー)「二人の成長を記録しとかないとね~」
そう言って二人は匂いを辿って見つけた目的の部屋へと着き、そのまま入った後に二人の喘ぎ声が部屋中に響くようになった。
その数分後――
ペンテシレイア「どこだー! アキレウスー!」
アキレウスを探してカルデア中を回っていたアマゾネスの女王・ペンテシレイアが鉄球を持ったまま走ってきて、部屋の前を通り過ぎた所で急ブレーキを掛けて走りを止めた。
ペンテシレイア「ん? 今の匂い……」
感じ取った匂いに気になってクンクンと嗅覚を集中させ、再び感じた匂いを辿りながら通り過ぎていた部屋の前へと着いた。
ペンテシレイア「この匂いは男と女での……まさかアキレウスか!」
某ギリシャ男性への怒りを燃やし、鉄球を構えた彼女は扉を開けて中へと入った。今度は彼女の喘ぎ声が響いて――。
『ああああぁぁぁぁーッ!』
その後、次々に部屋へと入った者がいるとか、いないとか……。
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あれからどれくらい経ったのだろう。何かによって俺は意識を失い、やっとの感じで目を覚まそうと思っていた。
「ううーん……」
いつの間にか布団が掛けられ、少しずつ意識が戻ってきて俺はゆっくりと上半身を起こした。
「ふあーぁ……俺、いつの間に寝てたんだ?」
背筋を伸ばして両目をゴシゴシと搔き、次に見た光景で俺の思考は止まった。
「え……」
目の前に見えた光景に俺は唖然した。
何故なら――半裸、そして全裸で寝ている、マシュを始めとした女性サーヴァントの群れが俺の周りで寝ていたからだった。
「(え、ええええー⁉ これどういうこと⁉ 何でみんな……って俺も脱げてるし⁉ まさか……)」
掛けられてた布団をめくって自分の状態を確認した。
……うん、パンツは履いている。けど、匂いがヤバい。これはつまり……
「(この状況からして、俺、いつの間にかヤっちゃったってわけ⁉)」
記憶は思い出そうにも覚えておらず、一度も一線を越えるようなことをしなかった俺にとってこの状況に青ざめて……って!
「(あそこにいるのは……ペンテシレイアに、デオンに、メカエリチャン⁉ 人間じゃない方と性別不明、怒らせたらヤバい人もやっちゃったの俺⁉)」
さらなる事態を見てさらに青ざめた俺は音を立てないようにして部屋の扉らしき所へと歩き、ゆっくりと開いて外を確認し、静かにその場を去るようにした。
その後、部屋に戻って念入りに念をで体全体をしっかりと洗ったが……ヤバい、ペンテシレイアは確実に殺してきそうだが、メルトも……他何人かも俺を狙ってきそうかも。
とにかく、しばらくは種火集会と修練所は休むとしよう。うん、どこかに隠れないと……。
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翌朝、大広間にいた女性サーヴァントたちは一旦体を清め、朝食を終えた後に藤丸立香の捜索を始めていた。
『そっちいた?』
『ダメ、こっちにいなかった』
『魔力反応はどう?』
『遮断されててダメみたい』
『おーい! こっちで目撃したという情報あったぞ!』
目撃情報も得て、夜を過ごした者たちは移動していき、その光景に事情を知らない者たちはただ唖然と見ていた。
シグルド「随分騒がしいようだな」
ブリュンヒルデ「一体何をして……」
「あ、お姉様!」
状況を確認していた所、遠くからワルキューレ三姉妹が走ってきて、それに気づいたシグルドとブリュンヒルデも振り返るようにして話し掛けた。
ブリュンヒルデ「スルーズ、一体何が起きてるのですか? 随分と走り回る人がたくさんいるのだけど……」
スルーズ「え、えっと……その……」
シグルド「ヒルドも、オルトリンデも妙に大人しいな。動きもぎこちなくなっていたぞ」
ヒルド「それはその……」
オルトリンデ「そ、それよりも……マスターを知りませ……」
『どこだマスター! 私を襲って傷を付けた代償受けてもらうぞ!』
『どこですかマスター! 他の女性たちと寝たの分かってるんですよ! 私とも寝てもらいますからねー!』
どこぞの女王様と蛇姫の声が響き、その直後で三姉妹の顔は真っ赤になった。
シグルド「今の発言は……」
オルトリンデ「……」
ブリュンヒルデ「え? アナタたち、もしかして……」
ヒルド「も、申し訳ありません! ブリュンヒルデお姉様!」
スルーズ「私たちマスターに抱かれました!」
ブリュンヒルデ「え、ええっ⁉」
ヒルド「私たちだけでなく、マシュと、マスターに好意を抱いていた者たちもいまして合計95名ほど一緒に夜を共にしました!」
シグルド「なん……だと……⁉」
突然のカミングアウトにシグルドは驚き、ブリュンヒルデは彼女たちの話と赤らめている様子に感化され、思考が停止して頭から蒸気を発生した。
スルーズ「只今、清姫などの未経験の人たちと、私たちのような経験した人たちがマスターを探し回っていまして……」
ヒルド「未経験者はとても見るのに絶えない笑顔で獲物を狩る狩人のようにマスターを探し……」
オルトリンデ「ペンテシレイアを筆頭とした一部の経験者はマスターを殺そうとしている目で探しています……」
ブリュンヒルデ「何故そのようなことに……」
オルトリンデ「主な原因はナイチンゲール。彼女がホーエンハイム氏と共同で作った超強力な精力剤をマスターに飲ませたからそうなった」
シグルド「あの婦長と錬金術師が?」
ヒルド「私たちやマシュたちのことを思ってのことでしたが……」
スルーズ「その精力剤があまりにも強力過ぎて……」
オルトリンデ「意識が飛ぶほどに激しく……されました」
ブリュンヒルデ「そ、そこまで⁉」
ヒルド「その後、目が覚めた時にはマスターは消えていて」
スルーズ「現在に至るようになりました」
オルトリンデ「だからマスターを守るべく私たちも探し回っているのです」
「「「婚姻届けを書いてもらうためにッ!」」」
シグルド「ぶーッ!」
ブリュンヒルデ「ええーッ⁉」
いろいろと夜の内で変わってしまった三姉妹にシグルドは頭を抱え込み、ブリュンヒルデは戸惑うしかなかった。
その後、二日後にて姿を隠していた藤丸立香が発見され、その先どうなったのかは皆様の想像とさせて頂きいたいと思います。