処女作もあり稚拙な文章ですが、どうかお付き合いくださいませ。
念のため残酷描写に付随してR-15タグも付与。
ですが全編通して数か所ある程度のものとなります。
プロローグ
そこは、不思議な世界だった。おぼろげな意識の中、少年はその世界を見回す。
どこまで続いているのか真っ黒で何も見えないほど高い天井に、ノートの切れ端で出来たような壁。だがその雰囲気はどれも現実のものとは思えないほど立体感に掛けていた。夢なのだから現実でなくても不思議はないか。彼は目の前に広がる景色に疑問を持たず、そういうものだと認識する。
だが次の瞬間、夢と言えど驚く光景が広がった。
天井の真っ暗な闇から、パステル調の色を持った鉛筆が次々と降り注いできたのだ。幸い自身に直撃こそしなかったが、足元に突き刺さった鉛筆に驚いて腰を抜かしてしまう。
しかし異変は終わらない。消しゴムのような材質となっている地面に突き刺さった鉛筆から、子供のラクガキのようにクレヨンで描いたような棒状の手足が生えていく。次々と動き出すそれらに怯え、彼はゆっくりと後ずさる。
鉛筆は彼を意に介さず、その手足で壁をよじ登って次々と自身の体で《線》を引いていく。見る見るうちに壁一面に描かれたのは人の姿だった。その姿はある者は片腕がなかったり、またある者は背中から羽が生えていたり、ほとんど人の姿をしていなかったりと様々だ。はっきり言って不気味と称するしかない光景に、背筋に薄ら寒いものが走る。
異質な光景にいよいよ訳がわからなくなり、彼はその場を立ち去ろうとして、あることに気づいた。
出口がない。この狂気じみた空間から逃げ出すために必要なものが。必死になって左右を見回すがそれらしきものは一切見当たらない。
『ひっ……』
なんとかひねり出した悲鳴を漏らし、一番近くの壁に向かって走る。材質が紙なら、もしかすると簡単に破れるかもしれない。
だが壁との距離が三メートルほどになった瞬間、周囲にいた鉛筆たちがその先端をこちらに向け、彼が目指す壁へと殺到した。どのぐらい堅いのかは判らないが、このままでは間違いなく串刺しだ。少年は慌てて足を止める。
幸い、消しゴムの足場のお陰で急停止はしやすく、倒れこむように少年は停止した。だがこれでは逃げようが無い。半泣きになりながらも、彼は必死に逃げるための出口を探す。そんな時である。
ふっと、まるで太陽が雲に隠れたかのように周囲が暗く染まる。そして《それ》の気配に気づいて彼は再び真っ暗な天井を見上げ、絶句した。
これがまた鉛筆であったならまだよかったかもしれない。そんな事を考えてしまう程、頭上に下りてきたものは圧倒的な威圧感を放っていた。
コンパスで出来た手足で壁に掴まり、ゆっくりと降りてくる見たことも無い怪物。手足の先にある、鋼の爪のごとく鈍い光を発する針を紙の壁へと突き立て、更に下へ下へと移動してくる。その本体はアルミ製の筆箱で、ぱっくりと開いた蓋からはいくつもの文房具がうごめいて見える。まるで文房具の怪物だ。
彼は見たままの事を思い、息を呑んだ。
『ビィィィィィ……ン』
定規を弾いたような鳴き声が部屋中に響き渡る。それに示し合わせたかのように開いた蓋から伸びる文房具が金属音を立てて静止した。その文房具全てが自分に向けられていたからだろうか、彼は気づきたくない事に気づいてしまった。
――あれは、全部凶器だ。
シャープペンシルの先端、ハサミ、カッター、エトセトラ、エトセトラ……。脳裏で何かが警鐘をガンガンと鳴り響かせる。だがその露にされた殺意を前に、彼の足はすくんで動けなかった。
そして、どこからが聞こえた鐘の音と同時に、その全てが彼の足を、腕を、そして頭蓋骨を突破り――彼の意識は、そこで途絶えた。
プロローグだけではまどか☆マギカの世界観か少々分かりづらく申し訳ありません。
次の話は近々に公開いたしますので今しばらくお待ちください!
また余談ですが現在投稿方法を一手順ずつ確認しながらとなっております故、
投稿方法を誤ってしまった場合修正や追記などを行う事があります。
深刻な物であった場合はあらすじ部分にて修正内容を記載させて頂きますのでご了承ください。