家族。家族とは結局何なのか。
もう一人の自分は最近その事ばかりを考えている。しかも、巴マミと共に暮らす自分の姿をちらほらと思い浮かべては恥ずかしくて脳裏から追い出している。実に腹立たしい。
私の家族は母親である遠藤椿ただ一人だというのに、それの何があいつの不満なのか。女性人格のつばさは目の前に出現する使い魔を箒で消し飛ばしながら苛立ちも顕わに戦っていた。
ここは魔女の結界内。
恒例となったマミとのパトロールの末、発見した魔女と戦っている最中だった。多少考え事をしながらでも身体が動く程度には自分も慣れてきたという事だろうか。
「つばさ君! 戦闘中にぼーっとしない!」
しかしベテランのマミには見抜かれてしまっていたようだ。もう呼び方は直してもらえそうにないので女性人格のつばさも諦めがついている。
「そりゃ……失礼!」
四方八方からやってくる使い魔から距離を取るため、右手に握った箒の推力を利用し跳躍。寸前まで立っていた場所に使い魔が飛びついて来た。
「マミセンパイ!」
「ええ!」
つばさの合図に合わせ、マミの砲撃が放たれる。正確無比な射撃が地面ごと使い魔をまとめて消し飛ばす。その隙に、取り巻きを失った魔女――何の魔女かは分からないが、調理器具で作られたようなそれ――に向け、箒を構え突撃。
「――――《ステッラ・カデンデ》!」
魔女に衝突する寸前、箒を振り抜いて消滅の力を叩きこむ。流星のごとき一撃が、魔女の身体を吹き飛ばした。勢いのまま突き抜けたつばさは滑るように着地し、箒を一振り。
それを合図に、魔女の身体が開いた穴から消滅していった。その空間に、一つの種――グリーフ・シードだけが残る。
「お疲れ様。大分魔女との戦いにも慣れてきたわね」
マミはグリーフ・シードを拾い、つばさに手渡す。
つばさは無言でマミの顔を見つつ、ためらいがちに答えた。
「あの……技名叫ぶのやっぱ調子狂うっす」
「そう…………」
心底残念そうな顔を浮かべ、マミはがっくりと肩を落とした。
魔法少女つばさ☆マギカ ExtraStory02『家族(中編)』
魔女を失った事で結界がその効力を失い消えていく。つばさとマミは変身を解き、本来の姿となった工場跡に降り立った。
「あ……美樹、さん…………」
戦闘の緊張をほぐすように背伸びするつばさの横で、マミがかすれた声を漏らした。視線を向ければ、そこに立っていたのは美樹さやかと、その友人の鹿目まどかだった。恐らくはつばさ達と同様に街をパトロールしていたのだろう。
「う……!」
怯むようにさやかが一歩下がる。マミはその様子を見ながらためらいつつも一歩を踏み出した。
「美樹さん、あの――――」
「か、帰ろうまどか! もう大丈夫みたいだし!」
途端、さやかは踵を返してその場を急いで立ち去ってしまう。マミは何度か口を開閉させ、まるで足と地面がくっついてしまったかのようにその場に立ち尽くしていた。
「あの、えっと……マミさんごめんなさい、失礼します!」
突然の事態にまどかが困ったように辺りを見回し、マミに一礼して立ち去る。その後ろ姿を眺めながらつばさは溜息を漏らした。さやかの反応は正しいものだ。何せ目の前にいる巴マミに殺されかけたのだから。
つばさも同じようにマミと距離を取りたい所なのだが、男性人格はむしろ以前より積極的にマミの近くに居ようとしている。だからこそ、彼女は彼女なりの方法でマミと距離を取っていた。
「アタシも入れ換わるッス……お疲れ様」
素っ気ない態度で意識を沈めて行く。女性人格のつばさもマミとは必要以上の会話はしない状態が続いていた。
沈んだ意識の変わりに表に出てきた男性人格はぼんやりしている頭を軽く振り、状況の把握に勤しむ。どうやら魔女は倒したようだ。グリーフシードが手元にあるし、周囲に魔法の残滓を感じる。問題はマミだ。何かに耐えるように唇を噛みしめて俯いている。そんな表情を浮かべる理由は一つしか思い当たらない。さやかに関する事であろう。だがそのさやかはここにはいない。いや、もしかすると入れ換わりの寸前までは居たのかもしれない。
「マミさん……大丈夫ですか?」
恐る恐るつばさは声を掛けた。
マミはぐったりとした様子でつばさの顔を見て、慌てて目じりの涙を拭う。
「うん……何でもないから、大丈夫だから……」
嘘だ。その言葉を飲み込んで、つばさは静かに頷いた。
あれからまた数日、さやかとマミの関係、未だ晴れず――――。
■
雨降って地固まる、とは誰が言ったのやら。つばさは先日から続くさやかとの交流の途絶について悩んでいた。具体的な解決策は見当たらないし、さやかもなんとか一人で魔女退治を続けているようで、このままでは不仲のままの日常が当たり前になってしまいそうだった。
以前のように自暴自棄な行動こそないが、何やらマミも思う所があるらしく頻繁に沈んだ表情を見せている。何かを思い出すような、なつかしむような、つばさの知る人物ではない誰か。そこまでは読み取れる。だがその先はやはり言葉で聞かなければ知ることはできないだろう。
『鹿目先輩、あれからウチからの電話って大丈夫ですか?』
『うん、大丈夫だよ』
つばさはすっかり定番となったまどかとの念話で先日の宿泊以降、鹿目家の様子を聞いていた。無理に泊まったのはいいが、あれ以来自分の母親から被害を受けていないかが常に気になってしまう。そういった経緯もあってまどかとの交流はかなり頻繁に行われていた。
『それより昨日はごめんね……さやかちゃん、やっぱりまだ怖いらしいんだ』
『いえ……僕は別に』
やはりさやかはあの場に居たのか。つばさは確信して頷いた。そう簡単に埋まる溝ではないが、さりとて放っておける溝でもない。
流石に二日ほど経ってからはさやかも学校に登校するようになったが、つばさやマミとの念話に応じる事もなく、まどかから近況を聞かなければ今どうしてるかも分かったものではない状況だ。
現状、さやかとマミのかけ橋はつばさよりもまどかなのは間違いない。
『何かあったら連絡するから……』
『はい、よろしくお願いします』
まどかの方は多少の距離感はあれどマミとも会話できている。有事に備えて連絡先も交換済みだ。だがやはり、現代科学の産物である携帯電話では結界内から電波を届かせる事は出来ない。そもそもつばさ自身は携帯電話すらも持っていない。
結局は協力関係を再び築ける事が最善なのだ。
念話を打ちきりつつ、つばさは小さく嘆息を漏らす。
つばさ自身はこれまで通りマミと変わらずに接しているものの、さやかの気持ち自体は理解できる。だがそこまでだ。解決策はまるで見えてこない。
「手詰まりだなぁ…………」
『別に君たちの不利益はないんじゃないのかい?
ある意味手分けして魔女退治をしている方が効率自体はいいはずだろう?』
窓の縁に立っていたキュゥべぇが尻尾を振りながら尋ねてきた。つばさは不快感も顕わにそちらを睨む。
『その分一人で戦う美樹先輩が危ないじゃないか。そんなのマミさんが目指している魔法少女じゃないよ……』
『全く、ああ言えばこう言う』
キュゥべぇはそう言い残し、興味を失ったように窓から飛び出してどこかへ行ってしまった。どうせ別個体がどこからか見ているのだろう。つばさは何度目かも分からないため息を漏らし、授業に集中することに決め込んだ。
■
本日はマミとのパトロールも無く、どんよりとした空を見上げてつばさは一人で下校していた。一人で帰る道のりがこんなに寂しいものと感じるのもなかなか珍しい体験だ。この数日間で自分が変わっていくのを感じ、少し戸惑う。はたしてこれが正しい変化なのか、その確証はどこにもない。
「っと……こっちじゃないや」
ふと、本来の帰路を間違えている事に気づいてつばさは今来た道を引き返す。頻繁にマミと見滝原をパトロールしているせいで、どうしても人気の少ない場所を確認しに行ってしまう癖が付きつつあった。
魔女の良く出やすい場所の一つとして人通りのない場所が上げられる。魔女は人の負の感情に引き寄せられやすく、交通事故の起こりやすい所や、廃墟などを住処とする事が多い。それと同じくして、人通りの無い道では不安という感情に引き寄せられ、そこを住処とする魔女が現れる場合がある。
交通事故の多い場所や廃墟と違い、これは至るところに存在するためまさに虱潰しに警戒しなければならない場所である。だが毎日全部歩き回っては翌日の日が昇ってしまう。
だからこそマミは時に休み、さらに区分けして見回りを行っている。今日はその休みの日なのだから、その言葉に従って休むべきだろう。自宅に居るよりもマミの部屋に居る方が気楽なのだが、あいにくそこまでの都合は付かなかった。
「……ま、通る道ぐらいはいいかな」
帰路上の人通りの少ない道にはいくらか足を運んで帰ろう。そう考えながら歩くつばさの耳に、甲高い声が叩きつけられた。
「うぇぇぇぇぇん………!」
子供の泣き声。
つばさはゆっくりと声の方を振り向いた。
まだ小学生にもなっていなさそうな小さな女の子だ。どうして泣いているのだろうか。心配ではあるが見ず知らずの子供に声を掛けられる程、つばさは社交的でもなかった。
だが心配だ。短い逡巡の末に、《彼女》が出てきた。
――――迷ってないでさっさと動けバカ!
それと同時、何時もの感覚。こういう行動的な面はつばさ自身彼女に劣っていると自覚している部分だ。沈みゆく意識の中、選択から逃げられた事に安堵している自分を感じ、酷く嫌悪した。
「ねぇ、どうかした?」
人格の切り替わりが終わり、すぐさま女性人格のつばさは動いた。泣いている少女の前に座り込み、優しく声を掛ける。
「うぅ…………ふーせん…………」
少女は嗚咽を漏らしながら片手で近場の木を指差した。そこには木の枝に引っかかった赤い風船。歩いている途中か何かに手を離してしまったのだろう。
「なるほど。お姉ちゃんが取ってあげるよ」
「本当!?」
鼻声で目を輝かせる少女に苦笑し、つばさは立ち上がる。目の前の木は3メートル程度、細い木でもないし登っても問題はないだろう。
「それじゃあ……よいしょっと!」
この程度、魔法で強化されている身体なら大した事はない。少し助走を付け、三角飛びの要領で木の幹を蹴り、気持ちしっかりとした枝に掴まって逆上がりのごとく飛び上がる。
「余裕余裕……っと」
引っかかっていた風船を手に取り、つばさはすぐさま飛び降りた。着地もお手の物で痺れるような痛みも走らない。
「はい、もう離しちゃ駄目だよ」
「ありがとうお姉――――」
風船を受け取りながら少女はお礼を口にしようとし、固まる。
「お兄ちゃん?」
「お姉ちゃんでいいの!」
慣れているとはいえ気分のいいものではない。つばさは少し声を荒げて答えた。とはいえ流石にマミや同年代の相手はともかく、倍以上年下の少女に明らかな不満をぶつけるような真似はしない。
「あんまり、強調しないでもいいんじゃないかな…………」
そこに、聞き慣れた声がつばさの耳を叩いた。振りむいた先には顔見知りの二人の少女。
「あ、さやかセンパイにまどかセンパイ」
マミのような後ろめたさも無ければ、男性人格のような遠慮もない。至って普通の態度。満面の笑みで立ち去る子供に軽く手を振り、つばさはふわりとさやか達に向き直る。
「……オネエちゃん、ね」
「なんだか字面が違いそうなニュアンスを感じるんスけど……」
つばさは笑顔を浮かべつつも苛立ちを顕わに首を傾げる。当のさやかは軽く肩を竦め、そっぽを向いた。対してつばさも後ろに回している手の中指を立てて舌を出した。
「はぁ…………そこはまぁいいけど……こんな所で何やってんの?」
「あっちのアタシがパトロールしてただけです」
さかやの問いに今度はつばさが肩を竦めた。あちらのつばさにとっては既に日課となってしまっているのだろう。人助けという事については同意してもいいが、その内に秘めた感情を考慮すれば呆れるばかりだ。
「パトロール…………マミさんと?」
まどかの若干震えを帯びた声。つばさは首を左右に振る。隣で身を縮こまらせていたさやかは心底安心したように胸を撫で下ろした。その姿を見ながらつばさは苦笑を浮かべる。
「お互い、あの人にも苦労するッスね……」
「うん…………まぁ」
あの人――巴マミの事を思い返して二人は渋い顔を浮かべる。お互い命を危険に晒された身の上からか、互いに頷きあう。反面その場に居たものの危険はなかったまどかは居心地悪そうな顔をしていた。
話題を変えようと、つばさがぱっと顔を上げて両手を合わせる。
「そうだ、さやかセンパイ! あっちの人格が消えたらアタシも晴れて自由の身ですし、一緒に魔女退治しません?」
その場の思いつきではあるが、つばさには名案に思えた。
初対面の時から気の合う相手だ。お互いまだまだ未熟者同士だしカバーし合える相手がいる方が良いに決まっている。巴マミには悪い気もするが、あちらはベテランだ。足を引っ張る自分達が居るより一人の方がやりやすいに違いない。
男性人格と違い、自分の主観と強い思い込みで考えるつばさ。考えれば考える程、自分の考えは正しく感じ、期待通りであろうさやかの色良い返事を待つ。
「悪いけど、そんなアンタとは組まない」
だが、さやかの返事はつばさの予想したものとは正反対だった。
「な、なんで? センパイだって協力する相手がいた方が楽でしょう!?
命掛ってるんだよ!? 意地とかプライド!?」
身振り手振り、つばさは熱弁を振るう。
そんな彼女に対してさやかは興味を無くしたように踵を返し、一度振りかえって答えた。
「アタシの知ってるつばさは、二重人格の……男の子だよ」
少しためらいがちに、さやかは男の子という言葉を強調した。いくら気が合おうとも、同じ感情を共有しようとも、つばさは男。
目の前の少女から突きつけられた言葉が、彼女の逆鱗に触れた。
「ふっ……ざけんなッ…………!」
突然の怒声にまどかがびくりと飛び上がる。つばさはまどかを押しのけて、背を向けていたさやかへと手を伸ばした。その手が彼女の肩を掴む。お互いに魔力で強化されている肉体。そうであるはずのさやかの肩の骨が軋むような音を立てた。その激痛が、つばさの怒りの度合いを語っている。
「痛ッ……!」
「もう決まってるんだよ! アイツが消えるのを…………アタシが願った! アイツは消えるのを理解してる! 諦めてる!
契約した時の願いが必ず叶うって、センパイだって分かってるでしょう!? なんで誰も分かってくれないの!? アタシの願いを……無為にしたがるの!?
なんで誰も……誰も私の事考えてくれないのよ!」
悲痛なつばさの叫び。
誰も認めてくれない。誰も受け入れてくれない。自分が望む未来を、皆が拒む。魔法少女の輪の中にも、自分の居場所は結局無い。誰もが諦めずに、もう一人の自分を助けようとする。
「皆もう一人のアタシを助けたがるけど…………どうやって助けるのよ! アタシを消してハッピーエンド!?
冗談じゃない…………アタシ、消えたくなんかない!」
「そ、そんな事……私たちは二人とも――――」
怯えた表情を浮かべつつも答えるまどか。その言葉を遮ってつばさは叫ぶ。
「だからどっちかが消えないといけないの! どっちも救うとかなんとか…………理想で人は救えないのよ!」
世の中は綺麗ごとだけでは出来ていない。異物扱いを受けてきた女性人格もまた、現実を見据える力は持ち合わせていた。だからこそ、母の言葉だけが拠り所なのだ。
「じゃあ、あっちのつばさはどうなるのよ!」
つばさの手を振り払い、さやかが怒鳴った。
「あんた…………他人の事情で死ねって言われて死ねるの!? 死ねる訳無いわよね!? それなのに……自分の都合ばっかり押しつけてんじゃないわよ!」
今度はさやかがつばさの肩を掴んだ。魔法少女同士の一色触発の状況。本気で遣り合えばただ事では済まないのは明白だ。
「二人ともやめて! 魔法少女同士で喧嘩なんておかしいよ!」
本気で叫びすぎてか、裏返ったまどかの悲鳴で二人は我に返る。さやかはどう思っていたが分からないが、つばさは気持ちだけなら完全に臨戦態勢だった。とうとう堪え切れなくなって泣きだしたまどかを見て二人は一歩ずつ下がって距離をあける。
「まどか、ごめん……もう大丈夫だから」
ばつが悪そうな顔でさやかは泣きじゃくるまどかを宥める。つばさも居心地悪く視線を逸らした。
自分は間違っていないはずなのに、どうして誰も認めてくれないのだろうか。母のために、完全な女性となろうとする事の何がいけないのか。幼馴染の腕を直すために願ったさやかと、本質的には何が違うというのか。
「…………ふんっ」
むすっとした顔を浮かべ、つばさは意識を闇に落とす事に決めた。あちらとしても喧嘩相手がいない方が気が楽だろう。そうに違いない。
「……それじゃ」
意識が入れ換わって行く。視界が揺らめく。今は支えてくれる相手も居ないため、そっと近くの木に寄りかかり、女性人格のつばさは完全に意識を落とした。
■
「またあっちの僕が……すいませんでした」
本来の人格に戻ったつばさは状況を知るなり、すぐさま頭を下げた。
なんとも二人の人格の温度差には辟易してしまう。すっかり毒気を抜かれたさやかはひらひらと手を振った。
「もういいってば」
さやかとしても男性人格と衝突する理由はないのだから、今はこれ以上語らう事は何も無い。こちらのつばさに対して思う所が何も無いと言えば嘘になるが、今それを確かめる気にはなれなかった。
「それじゃ、アタシは見回りあるから……行こ、まどか」
「あ、うん……」
昨日のようにそそくさとさやかは立ち去ろうとする。その後を追うように歩き始めたまどかだったが、何とも言えない表情でちらりとつばさの方を見た。それは念話でも、言葉でもない、つばさだからこそ受け取れるまどかからのメッセージ。
「あの…………」
おずおずとつばさは二人の後を着いていく。
まどかのメッセージは簡潔なものだ。さやかとマミの間を取り持つために力を貸して欲しい。ただそれだけの内容。自分にそこまでの力があるとは到底思えない。だけれども、そうであっても、少しでもマミの笑顔――いや、彼女を取り巻く人たちの笑顔が多くなって欲しいから。この行動で少しでもそれに近づけるなら、何だってする。つばさは意を決し、なけなしの勇気を振り絞った。
「ぼ、僕も付いて行っていいですか? …………今日は、マミさんも居ないですから」
「…………勝手にしなさいよ」
素っ気ない返事。だが一応の承諾と受け取り、つばさは二人の後ろに着いて行った。聞き伝いではあるが、さやかはマミと違い体力任せの見回りを行っているようだった。
その内容はとにかく歩く事。怪しい所を虱潰しに、時間の許す限り探索し続ける。それだけの体力勝負だと言うのに、頻繁に付き合うまどかも相当な無理をしている事だろう。強化されているつばさの身体でさえ疲れを感じさせるのだから、まどかの疲労はその比ではないはずだ。
「美樹先輩……毎日こんなに歩いてるんですか?」
「当たり前じゃない。少しでも休んでる間に誰かが襲われるかもしれない…………戦えるのはアタシ達魔法少女だけなんだから、休んでなんてられないよ」
それは彼女なりの義務感と正義感から来る物なのだろう。その思想を間違っていると断じれる程つばさは確固たる意志で魔法少女をやっている訳ではない。マミがそうしているから、それに倣っているに過ぎない。
ではマミの思想は間違っているのかと考えるとそれもまた違う。マミもまた人々を救う正義の味方であろうとしているのだ。違うのは、二人が救おうとしている範囲。
さかやの方法は今、自分に救えるだけを救う刹那的なもの。対してマミは決して無理はせず、長い目で多くの人を救うための方法。前者の方法なら犠牲者をゼロにすることができるかもしれないが長く続けられる保証はない。後者の方法なら犠牲者は多少あれど、将来的に救う人数は多くなるかもしれない。どちらも、可能性の話。それゆえにどちらかが正しい訳ではない。
「でも……こんなの、美樹先輩が持たない、です…………」
精いっぱいの反論。つばさは怯えながらも、強い意志の宿った目でさやかを見た。前を歩く彼女は振り向くことなく答える。
「持つわよ。アタシ達は、人間じゃないんだから疲れない。まどかにだって、本当に危ないと思ったら無理はさせない」
どこか突き放す、つっけんどんな回答。つばさは胸元で小さく拳を作り、俯きがちな顔を上げた。
「人間っ……です! 身体はゾンビかもしれない。魂は別の所にあるかもしれない……だけど、心まで人じゃなくなった訳じゃないです!」
自他共に、珍しい光景だと思う。こんなに強気な答えは生まれて初めてだった。さやかも意外な様子で、目を丸めてつばさを見ていた。
「身体は持つかもしれない。でも僕には美樹先輩の心が壊れていってるようで…………見てられないです」
「そ、そうだよさやかちゃん……ソウルジェムだって魔法を使わなくても身体の維持で少しずつ穢れを溜めちゃうんでしょう? 毎日身体に鞭打ってこんなに歩いてたら浄化も追いつかないよ…………」
今が勝負どころか、まどかもつばさに同調するようにさやかを見た。さやかは苦虫を噛んだような顔を浮かべ、目を背ける。
「でもっ……それでもアタシは、誰かが危険に晒されるかもしれないのに休めないよ!」
さやかの抱える悩みの一つ。日常の裏で、魔女が暗躍していると知ってしまったから、もしもを恐れて休めない。その気持ちはつばさにも――いや、普段から気の弱いつばさだからこそ痛いほどに理解できた。だからこそ――――。
「だったら!」
だからこそ、自分たちは手を取り合うべきなのだ。マミの目指している、魔法少女の在り方なら、きっとそれができる。
「だったらマミさんとも協力しましょう!? 美樹先輩がマミさんを避ける理由は分かります。だから今すぐ仲直りして欲しいとは言いません…………。
ただ、あの人も苦しんでる、悩んでる! その上で……助け合える所は助け合いましょうよ…………」
不意に冷静になって、最後の方はもごもごとした呟きとなってしまった。マミと相談して、再び手を取り合う切欠として以前から考えていた協力体制。それを実現するだけでも、さやかとマミのためになる。そう信じて、つばさは言葉を紡いだ。
「…………考えとく」
再び素っ気ない返事。だが先ほどと違い、はっきりとした拒絶の意思はなかった。
つばさはまどかと視線を合わせると小さく頷き、再び歩き始めたさやかの背を追った。これ以上の追及は逆効果だろう。だが少しずつ前進している実感があった。今は、それでいい。自分が消えてしまうまでに、せめてマミとさやかの仲を元に戻せれば、あの人は孤独にならずに済む。
■
闇。そう表現するしか無い暗がりに、つばさ達はいた。正確には見滝原の末端に位置する開発途中の工事現場だ。段階的に都市部を広げている見滝原ではあるが、流石に都心から離れるほどこういう泥臭い場所は増えてくる。この辺りは特に風力発電の恩恵を受けられるまでになっていないようで、電灯も無く時期に沈む夕日が無ければ完全なる闇だ。
そんな場所だからこそ、魔女は潜んでいる。
幸い人の気配はなく、犠牲者が出る前か、もしくは出てしばらくしたか、どちらかのタイミングでつばさたちは魔女の結界を発見する事に成功していた。
「よし……行こう」
意を決してさやかが一歩踏み出した。後に続く二人――つばさとまどかもおどおどとそれに付いていく。
「つばさ、後ろ向いててよ」
変身するさやかが睨みを効かせてソウルジェムを手に取った。つばさは特に不平も無く後ろを向く。それに、自分も変身せねばならない。
「…………?」
だが、肝心の女性人格との入れ換わりが起こらなかった。元々男性人格の彼が魔法少女との契約を交わした訳でもないため、変身のイメージが分からない。それゆえにつばさは男性人格の状態で戦う事はできても、その状態で変身する事はできなかった。
「う、嘘。なんで…………?」
予想しない事態につばさは狼狽する。今までは嫌だと言っても女性人格が勝手に出張ってきたというのに、今日に限ってはうんともすんとも、入れ換わりが起こらなかった。
「ん? どうかした?」
魔法少女の姿となったさやかが怪しむようにつばさの肩を叩いた。彼は半泣きな顔を見せ、素直に状況を伝える。
「へ、変身できないんです」
「ええっ!?」
さやかも目を丸めて素っ頓狂な声を上げた。
それはそうだ。さやかとてつばさと大差ないルーキーであり、二人で協力すればなんとかなるという見積もりの上で結界に踏み込もうとしているのだから、その相方のつばさが戦力外であると言われれば動揺するのも無理はない。
「あっちの僕が出てこなくて……僕じゃ変身できないから」
「き、気合いでなんとかしてよー!?」
「そんな無茶な……」
それが自分に出来ているなら家庭の問題だってもう少し好転していていいはずだろう。口にこそしなかったがつばさはそう思いながらも努力はしてみる。魔法少女の姿は覚えている。しかし変身はできない。足りないのは何だろうか。
『無理だよさやか、魔法少女の姿は本人のイメージが重要なんだから、いくら姿形を記憶していても、心の中に浮かぶ自分の姿じゃないよ。あくまで記憶している姿ってだけさ』
そこに、いつから付いてきていたのかキュゥべぇが現れた。さやかは急に鋭い目をキュゥべぇに向け、すかさず剣を突き付ける。
「アンタ……私たちに何の用よ」
『やれやれ……僕も随分嫌われたものだ。
とは言えつばさに変に死なれるとマミが何をしでかすか分からないからね。僕に出来る事はするだけさ』
キュゥべぇはさやかに興味がないように静かにつばさの足元まで歩き、ぴょいとその頭に乗った。
『あちらのつばさが出てこない理由は分からないけど、ここはさやかが一人で何とかするか、一度体制を整えるために撤退するしかないよ』
「くっ…………!」
さやかは歯噛みしてキュゥべぇを見据えた。その真下に居るつばさには彼女の苦悩が取るように分かった。いや、見なくても今は分かる。目の前に魔女が居るというのにすごすご帰れるのであれば、毎日夕暮れまでずっと見回りを続けるなんて出来るわけがない。そんなさやかが、一人で戦う事を決意するのに時間は要らなかった。
「二人とも、ここで待ってて」
それが彼女の選択。決してつばさ達を邪険に思っている訳ではない事は見て取れた。ただ、無力な二人を守り切り、魔女を倒せるだけの技量が無いから置いていく、至って合理的な考え。
だが、そんな戦い方をさせてはいけない。そんな予感がして、つばさは前に出た。
「一人付いていく事ならできますよね…………? もしかしたら途中で入れ代われるかもしれないですし、僕も連れてって下さい……」
もし入れ代わりが置きなかったら。一抹の不安が過るが、そのリスクすら受け入れて付いていかなければ、さやかはきっとその孤独な戦い方を選んでしまう。つばさは震える足を抑え、目の前に立っている彼女の顔を見た。
「……まどか、それでいい?」
「うん……つばさ君なら、きっと大丈夫だよ」
つばさの震えを察しているのか、まどかも困ったように笑い、その背中を軽く押した。
「絶対離れちゃ駄目だからね。分かった?」
「もちろんです!」
ただでさえ剣による近接戦闘を主体とするさやかだ。普段振るっている剣には刀身部分を射出する能力が備わっているとは言えマミ程のリーチを有している訳ではない。離れすぎれば自身の命にかかわる。つばさは上ずった声で返事をし、結界に踏み込むさやかの後ろを追った。
■
魔女の特性はそのまま結界の構造に反映される。だからこそ魔女が居るであろう最奥部へとたどり着くまでの地形から得られる情報も、戦いを有利に進める上で重要だ。つばさは見逃しの無いように辺りの様子を窺っていた。
「使い魔は散発的ですね……魔女の元に集まってるんでしょうか」
「さあね……こっちは新人みたいなもんだし、纏めて相手はしたくないけどっ!」
頭上から降ってきた使い魔を一撃で切り伏せる。マミのような遠距離攻撃力こそないが、生来からなのか反応速度の速いさやかは咄嗟に剣を振るい、使い魔を倒しながら着実に前へと進んでいた。
「上から来る事が多い……特性は何だろう」
「雨とか落石とか?」
さやかと会話を交わしながら進んでいく。さやかのお陰で今のところ安全に進んでいるが、反応速度の速さ故に使い魔の姿を確認できない。
「さやかさん一度使い魔を倒さないでみては…………」
「そんな器用な事できたら苦労しないって……」
「ですよね」
じろりと睨みを利かされてつばさは竦みあがる。こうなると構造から読み取れるだけ読み取るしかない。今のところ通路は一本道で、遠近感の無い並木道が左右に見えた。だがその木々には葉っぱは殆ど残っていない。
「落ち葉……かな?」
何度目かの使い魔を屠りながらさやかが呟いた。
口元に手を当て、つばさは周りに目を凝らす。実のところ、魔女――元魔法少女の願いを絶望へと変え、結界に反映している魔女だからこそつばさの特技である読心術が通用する。結界の風景が、使い魔が、元々の願いを教えてくれる。執拗に上から落ちてくる使い魔。遠くに見える秋か冬を想わせる葉の残らない木々。それらが伝えようとしているものは何なのか。
「薄幸の少女、とか」
「意外とロマンティストですね」
さやかの呟きを聞き逃さず、つばさは苦笑交じりに答えた。男勝りで快活な少女という印象を抱いていたが、少々訂正が必要かもしれない。
「うっさいわよ」
気恥ずかしさで頬を染め、彼女はつばさを睨みつけた。だがその姿に威圧感はなく、珍しく落ち着いた態度でつばさは肩を竦めてみせた。
実のところさやかの示した可能性については考えていた。だが、自らの死期を悟った人間がその程度の――木の葉が散らないだけの――願いなどするだろうか。もっと強い想いがエントロピーを凌駕し、より奇跡らしい奇跡を起こしたのではないだろうか。そうであれば、恐らく薄幸の少女のような、死に直面した者ではないだろう。
「もっと単純な……ありふれた願いなんだと思います」
つばさは少しさやかに近づいて呟いた。その間にも次第に答えの輪郭は浮かび上がって行く。この感じはそう、キュゥべぇから魔女の秘密を教えられる寸前の感覚だ。きっと、この答えはあまり知りたくはない――もとい気づきたくはない部類の答えだ。
「普通の人なら、きっと誰でも願う事」
この結界に住まう魔女が薄幸の少女のなれの果てでないのなら、この落ち葉は何なのか、虚ろな景色に映る枯れ木は何なのか。それは――――。
「――――薄幸の少女のために、最後の一枚が落ちないように。そんな、家族や知人の願い」
それは奇しくも、さやかが幼馴染の怪我を治すために奇跡を願った事と同じ、見返りを求める事の叶わない他者への奇跡。
だが落ち葉が落ちなければ薄幸の少女が助かる訳ではなく、彼女の死が願った者の絶望へと繋がる非情の方程式。
「――――来るっ!」
咄嗟にさやかがつばさを抱えて飛び退った。その直後、真っ暗な空から何か巨大な物が寸前まで立っていた場所に落下する。それは丁度、先ほどから落下してきていた使い魔を体中に纏ったみの虫のような魔女。その巨体をうねるように落ち葉の使い魔がざわめく姿はまさに毛虫がはいずり回っているかのようでグロテスクだ。
「っ…………!」
グロテスクなどと思った自分を恥じる。彼女たちも元は魔法少女なのだ。魔女になって美しいとか、グロテスクだとか、そんな基準を当てはめるべきではない。
「つばさ、離れないでよ!」
その間にもさやかは剣を両手に構え、魔女の動きを窺う。流石にいきなり特攻するなんて真似はしないようだ。しかしその反面、つばさの存在がやはり重荷になっているフシは否めなかった。
「弱点とか分かったら教えてよ。アンタそういうの得意そうだし!」
「は、はい」
目の前に立つ彼女は大きくマントを翻し、手の届く範囲に同じ剣を幾つも突き立てて行く。マミのマスケット銃連射の見よう見まねだ。
「はぁっ!」
気勢と共にさやかが仕掛けた。手に取った剣を次々と投げつける。彼女なりの遠距離戦闘方法だ。投擲の瞬間にトリガーを引き、刀身にさらに勢いを付ける。一撃必殺の威力はあるが、範囲や連射力はマミに遠く及ばない。刀身は魔女へと真っ直ぐに突き進むが、使い魔の身を呈した壁に阻まれる。
『――――――――!』
その攻撃を受け、魔女も動き始めた。とは言っても魔女自身に動く気配はなく、彼女の周囲をうごめく使い魔が手裏剣のようにこちらへと殺到してきた。避けられそうにもない高速の刃。つばさは恐怖に目を瞑る。
「つばさ!」
さやかも回避は不可能と思ったか、つばさをかばうように飛びついた。放たれた使い魔が一気に二人を通り抜ける。
「うっ…………ぐぅぅぅぅ!」
さやかが絶叫を漏らす。つばさをかばう代わり、彼女はその攻撃をもろに受けてしまったのだ。目の前でさやかの身体が切り刻まれていく。
「美樹先輩!」
「だ、大丈夫よ……」
その言葉通りか、さやかの身体中の傷が煙を上げながら治り始めた。
「アタシ、恭介のケガを直して欲しいって願ったから……ケガの治りがすごい早いらしいんだ…………だから、大丈――――うぐっ…………!」
さらなる追撃。傷が治るのと、傷が増えるのが同等の速度で行われる。その痛々しい光景を目の当たりにしながらつばさは自分の無力さを呪った。力があるはずなのに、それでも何もできない。
「なんで、なんでこんな時に戦えないんだ僕は…………!」
さやかを一人で戦わせないためだったのに。それよりも悪い状況へ追い込んでしまった。リスクを背負うと決めたのに、そのリスクを今被っているのはさやかではないか。
「仕方ないって……アンタは、別に自分で願った訳じゃないんだから……。
言わない方がいいだろうけどさ、守るだけの家族も何も無いんじゃ、命がけて戦えないって」
宥めるようにさやかが話す。その顔には痛みを忘れたかのような穏やかな顔。こんな状態でも、誰かを想う。それが彼女の強さであり危うさ。でも、そんな彼女だからこそ、皆はその危うさを支えようと頑張る。彼女も支えてくれる皆のために戦える。それが、彼女の戦える理由。
そうであるなら、自分もその《皆》の側でありたい。そんな気持ちが自然と湧いてきた。
「…………一分」
「え?」
「一分耐えて下さい。何とかします」
それだけあればいい。そう思った。いつもうじうじとしている自分にとっては異例の速さ。だがその間で、決めれる事がある。それだけは確かだ。
「…………分かった」
その意図を読み取ったのか、さやかは頷いて防御と傷の治癒に徹した。
彼女は言った。守るべき物が無いから戦えないと。だが守るべき物は、つばさにもある。だがそれをどう分類するのか分からない。家族と言ってはいけないと、自分を戒めていたから。
(守るだけの、家族)
それに値するのは親ではない。だが、そんな関係になりたい人が、今は居る。僕はきっと消えてしまうから、悲しませたくないから、そんな関係になってしまってはいけない人が居る。守られる立場だから、守るなんて考えた事無かった。よしんばなれるとしても、そんな立場になる前に、消えてしまうと思っていた。それでも――――。
(マミさん)
消える間だけでもいい。今だけ、魔法少女同士がお互いに支え合う輪に、仲間に、家族に、こんな僕も入れて欲しい。僕にも、貴女を、皆を守らせて欲しい。
――――もちろん、良いに決まってるわ。
心の中、つばさの想像の中でマミは答えた。今は、それだけで十分だった。自分の知る巴マミという人物は、そう言ってくれると《信じている》から。
「…………行きます!」
つばさは何時の間にか伏せていた目を見開き、叫んだ。
内に湧き上がるのは記憶の中よりも明確な、魂に刻まれた自身の戦装束。黒と白を基調とした、魔女の風貌。風と虚無を司る魔法の杖。翡翠の輝きを放ちながら、つばさは見慣れた魔法少女の姿へと変身した。
「――――《プリマヴェーラ・ヴェント》!」
輝きが収まると同時、つばさは箒を振り抜き、マミ考案の技名を叫んだ。巻き起こる竜巻が目の前で木の葉の使い魔を絡め取り、かき集める。
「――――《ニエンテ》!」
続けて放たれる箒の一閃がかき集められた使い魔を一撃で消滅させる。竜巻が起こった時点でそうしていたのか、目の前の風が消えるとともに魔女からの攻撃も止んでいた。
攻撃が止むと同時、つばさはさやかを庇うように前へと出る。
「つ、つばさ……一人じゃ危険よ」
「分かってます」
だからこそ、ここまで着いてきたのだから。
「暫く治癒に専念してください」
恰好を付けるように、つばさは箒を構えた。
もちろん虚勢でしかない。魔女に近づくのなんて怖いし、一人で戦うなんてまっぴら御免だ。だが少しの間、さやかの傷が治るまでの間だけは、ここを守り切ると決めたから。守ってもらった分、きっちりこちらも守って返す。まだ明確な形は見えない、魔法少女の輪。その中での、つばさなりの助け合いの形。
「ここは……僕が抑えます!」
5.5章は前後編と言いましたが長すぎる事になりそうなので中編を作らせて頂きました。
本編ではマミさんを慕っている割に技名を叫ぶことが無かったので今回と次回とで少し。
女性人格の方は乗り気ではないですが男性人格の方は律義に叫びます。
本編では丁度男性人格のつばさ君は叫ぶ場も無かったですね。
ちなみに技名ですがイタリア語で
・ステッラ・カデンテ → 流れ星
・プリマヴェーラ・ヴェント → 春風
・ニエンテ → 無
となっております。
次回は戦闘メインですので技名が出てくるマミさん以外の戦闘では珍しい話となります。
少々騒がしい回になるかもしれませんが是非とも宜しくお願い致します!