「糞っ!数が多い!」
目の前のプレイヤーに突き返し蹴りを決めた斯波は叫ぶ。
「どんだけ俺に恨みあるんだよお前ら!探索しろよ!」
倒しても倒しても一向にプレイヤーの数は減らない。むしろ増えていく一方である。
「【サマーソルトキック】!【旋風脚】!【ネリチャギ】!」
斯波のスキルによって一気にプレイヤーが三人倒れる。
「まだまだぁ!【掃腿】!【浴びせ蹴り】!【踏み蹴り】!」
さらに足払いをして一人を転倒させ、そのまま踵を近くにいた他のプレイヤーに当てる。ついでに転倒したプレイヤーの顔面を踏み抜く。
『スキル【千撃千殺】を取得しました』
「一旦形成を立て直すか…なるべく使いたくはなかったが」
新しく入手したスキルがこの状況を打開できる可能性があるため斯波は切り札を一つ切ることにした。
「鋼鉄の体を持つ破壊の化身よ 地に生きるすべてを蹂躙せよ!【
ここで一つ、詠唱スキルについての解説をしよう。
詠唱スキルというのは非常に強力な効果を持ってる反面、詠唱してから発動しなければ効果が激減するという非常に扱いに難しいスキルであることは一度説明しただろう。
しかし、実際はもっと複雑だ。
まず詠唱にも種類があって短文詠唱、通常詠唱、長文詠唱の三つに分かれている。
短文詠唱は詠唱無しほどではないが効果はある程度弱くなり、通常であれば効果はそのまま、長文になれば強化される。
この中で短文詠唱と通常詠唱はスキルによって定められている文を読み上げれば済むのだが長文詠唱は
つまり、長文詠唱は他のプレイヤーに自分の作った厨二病全開のセリフを読み上げるに等しいのだ。
その分、効果ははるかに魅力的なのだが、今回の斯波は流石に通常詠唱で済ませた。
「ふぅ…何とか逃げることが出来たか…」
列車砲がプレイヤー達を跳ね飛ばしたことによってできた道を斯波は走り抜け、近くの大きな岩に身を潜めた。
「うっわ【崩剣】までいるじゃん…。俺なんかやったっけ?」
本人は気づいてないが第一回イベントでやらかしている。
あの時のロケット弾によってキルされたペインにシンはやられており、さらにリスポーンした先に八つ当たり気味にプレイヤーを狩るドレッドに遭遇したせいで上位入賞を逃すという非常に悲しい出来事があった。そのため、その元凶であるマルドクを目の敵にしているのだ。
「えーっと、とりあえず新しく手に入れたスキルを確認しよう…」
【千撃千殺】
5分間の間、敵を倒すたびに与えるダメージが1%ずつ上昇する。最大1000%。クールタイムは15分。詠唱スキル。
取得条件
格闘系スキルのみで100人以上敵を倒す。
「こいつなら、いけるかもしれない!」
書きながらサーターアンダギー食べると全然筆が進まない(当たり前)
マルドクの武器変形先は?
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大鎌
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大鋏
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大剣
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アンカー
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斬馬刀