「さて、そろそろ終わらせるか」
スキルのクールタイムも回復して準備万端な斯波はプレイヤー達の前に姿を現す。
「積みし功夫、骨と成り。天地に我在り、世に咎無し。【千撃千殺】」
つい先ほど習得したばかりのスキルを発動する。
「おい!だれか聞いたことあるか?あの詠唱」
「いや、知らねぇ…そもそも詠唱スキル自体が稀だからな…」
聞いたことのない詠唱にプレイヤー達は困惑する。
「殲滅の時間だ」
そして、プレイヤー達にとって、悪夢が始まった。
「おーおーやってんねぇ」
「ざっと見ても70人近くはいるな…」
多くのプレイヤー達と戦闘を繰り広げるマルドクをペインとドレッドは遠くからその光景を見ていた。
「どうする?加勢しに行くか?」
「どっちの方に?」
「無論、反マルドク組だが」
「やめといた方がいいだろう。折角メダルを守り通せているのにここで奪われたら元も子もない」
「そうだな、それに…」
「70人程度ならもうとっくに終わっているはず、そう言いたいんだろう?」
「ああ」
二人はマルドクの戦闘に違和感を感じていた。
「第一回イベントの大量キルの件があるはずだ。それに、調整されたとはいえスキル自体が削除されたわけじゃない。という事は…」
「何かを隠しているな…とりあえず今は様子見って所か?」
「そうだな」
「柔らかすぎんぞ!もっとメイプルぐらい硬くしてこんかい!」
斯波の突進によって再び何名ものプレイヤーが粒子へと変わる。
「もう少しVIT上げてから出直して来い!」
「くそっ!【ダブルスラッシュ】!」
「【パリィ】!」
マルドクの突進から逃れて攻撃を仕掛けるプレイヤーもいたが残念ながらスキルによって受け流される。
「そろそろ頃合いだな…」
20人程まで数を減らしたプレイヤー達を見て斯波は勝負を仕掛けることにする。
「射撃用意!【15㎜機関銃】
列車砲の武装の一つである機銃が火を噴く。軌道上にいたプレイヤーは数え切れないほどの弾丸に身を打たれ、粒子へと変わっていく。
「さて、そろそろ片付くかな」
最後の一人を粒子へと変え、楓達のもとへ斯波が向かおうとしたその時、
『WARNING!WARNING!』
視界に危険を示すマークが斯波の視界に現れた。
「おいおい、さすがに連戦はきついんだが…」
流石の斯波もこの事態には苦笑を浮かべる。しかし、その表情も長くは続かなかい。
遠くから、甲高い音が聞こえる。それは徐々にこちらへと向かってきており、この音に斯波は覚えがあった。
「おいおい、マジであんのかよ…」
そう言って空を見上げた斯波の視界には
黒く、曲線的なシルエット。ブーメランのような形状。そして、すさまじい飛行速度。
ステルス爆撃機が、斯波を襲撃したのだった。
遂に登場。やったね!
マルドクの武器変形先は?
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大鎌
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大鋏
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大剣
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アンカー
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斬馬刀