死にたくないので素早さに極振りします   作:叢雲草薙

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戦闘描写難しい…。体感的には某大乱闘の魔王が遠距離キャラ相手する感じ。
基本的に作者は他のうまい人の作品見て参考にするんですけどたまに二次創作同士でコラボして「すげぇ」って思う作品もあってびっくりしてます。
4/20 アイテムの仕様を変更


もうやだこの運営

数秒後、山岳地帯は爆弾の衝撃によって大量のクレーターが出来ていた。

100を超える爆弾によって大地が抉られ、吹き飛ばされた結果である。

 

しかし、斯波は立っていた。

爆弾が当たる前に列車砲を出現させてその下に潜り込んだことで何とかHPを全損させること無くやり過ごせたのだ。

通り過ぎていく爆撃機を見て斯波は今のうちにと移動系スキルを全力で使用して逃げる。そして、再び岩陰に彼は潜んだ。

 

「ばっかじゃねぇのかおい!」

最初に出たのは運営に対しての愚痴である。

「何だあのアホみたいな量の爆弾!倒させる気ねぇだろ!」

再び数分間運営に対する愚痴をひとしきり言った斯波は

「こうなったらやってやるよ。倒して吠え面拝んでやらぁ!」

爆撃機を倒す決意をした。

 

「なぁ、ペイン。あれはいったい何だ?」

「聞かなくてもわかっているだろう?ステルス爆撃機だ」

「いや、そういう意味じゃなくてどんな意図で作られたかってことだよ」

ドレッドですら勝てるビジョンの見えない強大なボスに驚きを隠せないでいた。

「さぁ?とりあえず倒させる気のないボスというのは確実だと思う」

「だよな、勝てる気がしねぇ。ペインならどうだ?」

「君なら分かっているだろう?」

「あぁ、そうだったな。で、これからどうする?マルドクの奴離れたが追い打ちするか?」

2回ほどキルされた因縁からそれを晴らすかドレッドは聞くが

「無論、NOだ。やるなら全力で相手したい。今は様子見だな」

「オーケー、とりあえず近づいてくるプレイヤーを狩る感じでいいか?」

「だな。それで行こう」

 

いつの間にかトッププレイヤーからサポートをもらっていた斯波だが当の本人は、

「まだいけるか?」

トレインをしていた。

先ほどの戦闘で爆撃機を倒しきれなかった原因に対して斯波は

「足りなかったものが一つあった…それは火力(パワー)!つまりあの爆撃機を強大な火力(パゥワァー)で一気に削ればいいんだ!」

と考え【千撃千殺】によって一気に削る二撃必殺作戦を思いついたのだ。

「さて、そろそろ集まり切ったころだな。仕掛けるか」

十分な数のモンスターが集まったことを確認した斯波は詠唱を始める。

 

「武芸百般、武を極め、完成した我在る世界の今こそ調和と秩序、故に全てを在るがままに。天地に我在り、世に咎無し。世界に身を委ねよ【千撃千殺】」

 

長文詠唱によって強化されたスキルの発動を確認すると斯波はトレインしていたモンスターを轢き始めた。

強化されたことによって一体当たり5%の上昇に強化され、斯波の体当たりの火力はどんどん増して行く。そして、すべてのモンスターを倒した斯波の火力は先ほどとは比べ物にならないほどであった。

「チッ、リジェネついてやがる。まぁいい、リベンジマッチだ!デカブツ!」

長文詠唱によって事前に召喚して置いた列車砲に乗って斯波は爆撃機と向かい合う。

先ほど5割まで減らしたHPは回復したのか8割まで戻っていた。

「音速をもってわが敵を穿て! 【10cm電磁加速砲】発射(ファイア)!」

先ほどとは比べ物にならない威力の鉄球が爆撃機に迫る。しかし、AIも学んだようで発射された鉄球は爆撃機が回避したことによって空をむなしく切る。しかし、

「本命はこっちだよ!【全力疾走(スプリントバースト)】!」

最大の切り札を切った斯波は爆撃機に向かって走る。

列車砲の屋根を走り、一歩間違えれば転落してしまう巨大な主砲の上を走り、飛び立つ。鉄球をよけた爆撃機にその一撃をよける術は無い。そして、

 

「くたばりやがれ!」

 

斯波の大盾が直撃する。【全力疾走(スプリントバースト)】による加速と【千撃千殺】によるダメージ強化によって爆撃機の体力は5割まで一気に減る。当然、それは斯波も予想していたことだ。そのため、

「一つだけとは限らねぇよ!」

インベントリから取り出した二つ目のフリーガーファウストを空中で構えて爆撃機に向かって発射する。次の行動を計算しているAIには予想できなかった一撃が爆撃機に襲い掛かる。しかし、爆発によるHPバーの減少はあとすこしというところで止まる。

万事休す。あと一歩届かなかった。

落下していく斯波にとどめを刺すため爆撃機は高度を下げて武装を展開する。

そうして、斯波のHPバーがすべて削られ、粒子へとはかなく散る。はずだった、

 

王手(チェックメイト)

落下していく斯波の顔には絶望も、恐怖もなく、ただ勝利を確信した笑みだけが浮かんでいた。

 

永遠とも感じられるほんの僅かな時間。斯波めがけて降下していく爆撃機を列車砲が襲った。装甲が剥がれ、【全力疾走(スプリントバースト)】を発動した斯波に等しい速度を出すその体を爆撃機へと衝突させ、粉砕する。

 

「隙を生じぬ二段構えってな。【縮地】」

落下の衝撃を【縮地】の移動によって相殺した斯波は墜落する爆撃機に対して話しかける。

「列車砲が空飛ぶとは思っていなかっただろ」

自分でも驚いてる、と斯波は付け足す。

やったことは単純であり【列車砲(ジャガーノート)】の効果によって装甲を外した列車砲を自身が飛んだ後に近くにあった巨大な岩を走らせ、爆撃機めがけて落下しただけである。わずかなHPしか残っていない爆撃機がその攻撃に耐えられるはずもなく、爆撃機は計画通り、破壊されたのであった。

 

「さて、ドロップは何かな?」

爆撃機が落下した地点へポーションを飲みながら斯波は向かう。

墜落した爆撃機は斯波が来たタイミングで白い光があふれ、消滅した。

そこに残ったのは、1つの段ボールであった。

「え、なにこれ」

[armorzone]の文字とニヒルな笑みを浮かべた口の絵が描かれた段ボールに若干の既視感を感じつつも斯波は段ボールを開ける。中に入っていたのは5枚のメダルと一つのマガジンであった。

「え、コインはともかくなにこれ」

マガジンを手にとって情報を確認すると

 

【時刊イァゴスティーニ B-2編 第一巻】

【時刊イァゴスティーニ B-2編】が順番に届く。

廃棄、譲渡不可。

 

「情報すくねぇ…」

表紙に

『あのB-2があなたの手に!飛ぶ!光る!攻撃する!自分だけのB-2を作ろう!』

と書かれたマガジンを見て斯波は呟く。

「とりあえず合流するか」

そう決めた斯波は楓達にフレンド機能の通信を使用してお互いの状況を把握し、楓達のもとへ向かうことになった。

彼が去ったフィールドにはクレーターだけが残っていた。

 

 

 

 




てなわけで対運営の悪意編は終了でございます。

マルドクの武器変形先は?

  • 大鎌
  • 大鋏
  • 大剣
  • アンカー
  • 斬馬刀

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