死にたくないので素早さに極振りします   作:叢雲草薙

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PSが無いnpcとマルドクが戦うとこうなる


PSは一番の武器

「【毒竜(ヒドラ)】!」

「【ウィンドカッター】」

偽物から毒竜と風の刃が斯波に襲い掛かる。しかし、

「【パリィ】!【縮地】!」

風の刃を受け流し、毒竜を避ける。

 

「音速をもってわが敵を穿て 【10cm電磁加速砲】発射(ファイア)!」

列車砲から放たれた鉄球が偽サリーに直撃し赤いエフェクトを派手に散らしながら消した。

「やっぱPSは重要だよな」

目視してから回避することが不可能な一撃は容赦なく偽サリーの低いHPを吹き飛ばした。

 

「【毒竜(ヒドラ)】!」

再び毒竜が斯波に襲い掛かる。しかし、

「【パリィ】。やっぱPSはかなり低く設定されてるな。【毒竜(ヒドラ)】にディレイがかかってない」

三匹の毒竜を大盾で受け流したマルドクはメイプルへの攻撃を始める。

「【15㎜機関銃 徹甲弾】発射(ファイア)!」

アップデートによって仕様が変更された兵器を使用する。

「秒間15発の防御貫通、耐えれるもんなら耐えてみな」

防御貫通によって威力が減ってるとはいえ確実にダメージが通る。

避けようにも【咆哮】によってスタンした偽メイプルはよける術がない。

機関銃の連射が終わる頃には穴だらけになった偽メイプルが赤いエフェクトを出しながら消滅していった。

 

「歯ごたえがないねぇ…」

『(*。>ω<)vブィッ~☆』

あっけなく終わった戦闘にマルドクは虚しさを感じた。

「もっとAIのレベル上げたほうがいいんじゃないか?」

自分だったらどうするか、改善案を呟きながら二人が消えた場所に落ちていたメダルを拾う。

「さて、二人はどうしてるかな」

二人の様子を気にしつつマルドクは魔法陣に乗る。

光が薄れていき、目の前に現れたのは螺旋階段だった。

見上げてみると光が差していた。

どこかに繋がっているようである。

 

「ミニマップには…表示されてないな」

【突破ナウ】と二人に送って斯波はどうやって時間をつぶそうか考える。

「そうだ、新しくAA入力するか」

ゲイルをさらに改造して顔文字だけではなくAAもスクリーンに映せるようにアップグレードする事をマルドクは決め、早速螺旋階段に腰を下ろして作業を始めた。

 

そうして3時間ほどが経過すると…

「よし、改造完了。どうだ?」

『   ノープロブレム

    ∧,,∧

   d(・ω・`) /| 

 /くT ̄ ̄二=二] 三二─

  ̄ ̄ ̄\二\      』

「問題なさそうだな…」

若干やりすぎたことを反省しつつしばらくゲイルと対話することを決めたマルドクだったが突然眩い輝きに包まれる。

そこから現れたのは

「疲れたー!!」

メイプルだった。

「いよっす、メイプル」

「マルドク!?本物、だよね?」

「確認しとくか?」

「うん。えっと…あなたは学校で居眠りしてるサリーに悪戯して屋上で折檻されたマルドクですか?」

「う、うん。そうだけど…」

メイプルの質問によって苦い記憶を掘り返されたマルドクは苦い表情をする。

「それなら…あなたは遅刻しかけて早弁した結果昼休みでサリーに泣きついていたメイプルですか?」

「ちょっ!?なんで覚えてるの!?」

「いや、忘れるわけないだろ?」

予想外の質問に羞恥心を煽られたメイプルは顔を赤くして抗議する。

「うぅ…からかうつもりが予想外の反撃受けちゃったよ…」

「まぁゲイルのレーダーで識別できるから聞いた意味はないけどな」

『(*。-ω-)) ぅんぅん』

「えええぇぇぇ!?」

驚愕したメイプルの声が螺旋階段に響いた

 

メイプルが螺旋階段に現れて一時間、再びまばゆい光に包まれ、サリーが現れた。

「はぁ…勝てた……」

「………本物……だよね?」

サリーもメイプルの声でメイプルに気付き身構える。

「………本物か確認させて」

「いいよ?」

先ほどマルドクと行った確認をサリーともする。

「あなたは小学六年生の時に予防接種を受けて大泣きしている所を私に目撃されたメイプルですか?」

「…へぇ……」

「な、ななななな、何でそれ覚えてるの!?忘れてよっ!」

恥ずかしい過去を同級生の目の前でばらされた事に羞恥心を煽られる。

「で、あなたが家のロッカーの扉にエッチな本隠してるマルドクですか?」

「えぇ!?」

「オイ、なぜその話題をここで出した」

メイプルがからかわれた光景を見て笑っていたマルドクに予想外の口撃が飛んでくる。

「ふふふ…本物だね!まあ分かってたけど」

「いや」

「私達がまだ確認してない」

二人が真剣な目つきでサリーを見る。

 

「……あなたは中学生の時お化け屋敷に入り途中で腰を抜かして係員に連れられて泣きながら非常口から出てきたサリーで間違いないですか?」

「そ、そんなこと覚えてなくていい!」

「ホラー映画誘ったのにその夜一人じゃ寝れないからってこっちの家まで来て一緒に寝てもらおうとしたサリーですか?」

「なんでそれを!?」

「ゲームにはまり過ぎて自分で考えた奥義をノートに書いていたあのサリーですか?」

「待って、ごめん!悪かったって!」

「人の家に来た初日にウィスキーボンボン食べて酔っぱらったサリーですか?」

「ストップ!ストーップ!」

サリーの必死な叫びに二人は

「ちょっとした仕返しをしてみた」

「自業自得」

と答えた。

 

「で、二人は何と戦ったの?私は偽メイプルだけど」

サリーもメダルを一枚獲得していたようでメイプルに受け渡してくる。

これでメダルは十一枚だ。

「私は偽サリーと。勝ったのは一時間前くらいかな?」

「俺はその両方だな」

「「え?」」

「最初からレーダーの反応赤だったからすぐに分かった。NPCがそんな賢くなかったから助かった」

これでもし某大乱闘ゲームのレベル9並みだったら死んでいただろう、と付け足す。

「でもマルドク私より前にいたよね?」

「正直一番最後でもおかしくないわよアンタ…」

偽物とはいえあっさりと倒されたことにショックを受けた二人の質問にマルドクは

「偽サリーは電磁加速で一発だったし偽メイプルはスタンさせて防御貫通で瞬殺だった」

と答える。

「…なんかすごいね……」

「アンタに勝つためにはもっと高いステータスかPSが必要そうね…」

若干ショックを受けた二人を見てマルドクは話題を変えることを試みる。

「とりあえず階段上るか」

「そうだね。まだメダルも欲しいし」

三人は螺旋階段を光に向かって上って行った。

 

上った先は渓谷の向こう側だった。

長期戦で疲れている二人と余裕な一人だが、悠長に休んでいられる程、期間は残っていない。

四日目も既に昼過ぎだ。

メダルは早い者勝ちなのである。

 

「また森を探索しないとだね」

目の前に広がる森を見てメイプルが言う。この森がどれだけ深いかは分からない。ダンジョンがあるかも分からない。

「とりあえず、目標達成まで気合入れていくぞ!」

「おー!」

 

三人は新たなダンジョンを求めて森の中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




某大乱闘ゲーのレベル9は最新作だと前作のうまい人のプレイを学習してるらしいのでそりゃあ強くて当然だわ…(尚、煽ってくる模様)

マルドクの武器変形先は?

  • 大鎌
  • 大鋏
  • 大剣
  • アンカー
  • 斬馬刀

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