「3日目だー!!」
「いえーい!」
広場で楓と一緒にはしゃぐ。達成感が病み付きになり、二人ともこのゲームにどっぷりとハマっているようだ。
「今日の目標は?」
「どうしようか…」
今日のやることを考える二人だったが楓は周りを見渡してあることを思った。
「私達、まだ初期装備のままだ!」
装飾の一切施されていない盾に弱々しい短刀である。周りの人を見ると上級プレイヤーらしき人もチラホラいて、そういう人は装飾のついた格好良い装備を身にまとっている。
「確かに装備を新調した方がいいかもね…」
「そうだね。でもどこで手に入れよう…あっ」
辺りを見渡していた楓が、少し離れた所に格好良い大盾を装備している男性を見つける。そしてすぐに楓はとてとてとその男性に近づくと声をかける。
「ん?あれ?メイプル。どこ行った?」
「あのーそういう格好良い盾は何処で手に入れれば良いんですか?」
「メイプルー!!」
いきなり野良プレイヤーに話しかける楓に斯波は驚く。
「ん?え?お、俺?」
どうやら男性は急に話しかけられて驚いているようだった。
「はい!その大盾格好良いですよね!」
「あ、ああ。それはどうも…これは、オーダーメイドだよ。生産職の人にお金を払って作って貰うんだよ」
「むむむ…成る程…」
「そうだな…紹介してあげようか?同じ大盾装備のよしみでね」
「っ!ぜひお願いします!」
「それじゃあついてきて」
自分そっちのけで会話を進める楓に対して斯波は
(コミュ強って恐ろしい)
と感じた。
詐欺である可能性もあったのだが楓も斯波も大盾のことしか考えていなかったためそんなことは頭になかった。この男性が本当に親切な男性だったことは二人にとってかなり幸運だったことだろう。
しばらく歩いた所で一軒の店に入る。
中には女の人が一人カウンター越しに作業をしていた。
「あら、いらっしゃいクロム。どうしたの?まだ盾のメンテには早いはずだけど?」
「ああ、ちょっと大盾装備の新入りを見つけてな…衝動的に連れてきた」
そう言ったクロムの後ろから、楓と斯波が姿を見せる。
「あら、可愛い子達ね……クロム、衝動的にこの子を連れて来たの?通報した方がいいかしら?」
そう言って、店主の女性が青いパネルを空中に浮かべる。
「ち、ちょっと待てよ!それは、何ていうか言葉の綾だって!」
「そうです!この人は見た感じ少女と少年を強引に連れてきたペドフィリアのヤバいおじさんだけど中身は普通にいい人なんです!」
斯波がクロムのことを援護しつつ追い打ちをかける。
「ふふっ…分かってるわよ。冗談冗談」
「はー…心臓に悪いから止めてくれ。ってかお前男だったのかよ!」
「そうだぞ、こんな見た目だが中身は歴とした男だ、残念だったな」
驚くクロムを置いて店主の女性は二人に話しかける
「あなた達もこんな怪しい人にそんなに簡単についていっちゃ駄目よ?」
「「わかりました!」」
「俺は怪しくねーよっ!?」
仲いいなこの二人、と楓と斯波は思った。
そうして、二人は自分の要望を店主の女性-イズに伝えたのだが…
「メイプルちゃんはVIT特化装備で問題ないけど…マルドク君は…」
「聞いたことねぇよ、AGI特化型の盾とか」
「殴り神官とかならまだいけるのだけれど…それに、二人とも予算、ないでしょ」
「ギクッ」
楓も斯波もゲームを始めてから何も買ってないとはいえ所持金は初期値の3000G。二人合わせても1万Gにも満たない。
「二人あわせて6000G。うん、確実に足りないな」
「残念ながらそれじゃ全然足りないわ。最低でも100万Gは必要ね」
オーダーメイドの装備品は今の二人の全財産をもってしても文字通り桁が違った金額だった。
「うぐぐ……しばらくおしゃれはお預けかぁ…」
「まぁ、別の方法を探せばいいさ」
「そうね、ダンジョンに潜るとかどうかしら?ダンジョンにはお宝がいっぱいあるしお金も溜まるわよ。強力な大盾があるかは分からないけど」
「そうするか…」
そうして、二人はクロムとイズにフレンド登録して貰い、店を出た。
「とりあえず今後の目標は決定かな。お金を貯めるのとダンジョンへ向かう二つで」
「そうだね、うう…カッコイイ装備が欲しいよぉ!」
241名前:名無しの大盾使い
大盾のコンビに遭遇したというかフレンド登録したw
242名前:名無しの槍使い
は?
243名前:名無しの弓使い
どうやって?
244名前:名無しの大盾使い
ログインしてきた時にちっこい方がめっちゃキョロキョロしてて一瞬目が合ったと思ったら走ってきて話しかけられたw
245名前:名無しの大剣使い
ちっこい少女コミュ力たけーなおい
246名前:名無しの魔法使い
>244
んでその後は?
247名前:名無しの大盾使い
格好良い大盾って言われて
俺が生産職の人紹介するからついてこいっていったら後ろついてきた
やっぱりもう片方におんぶしてもらってた。ちなみにもう片方はすり足でついてきてた
248名前:名無しの槍使い
>247
お前のAGIいくつよ
249名前:名無しの大盾使い
まあ待て今まとめる
いくぞ
ちっこい方の名前はメイプル
パーティーはもう片方の大盾使いと組んでる
大盾を選んだ理由は攻撃を受けて痛いのは嫌だから防御力を上げたかったとのこと
超素直で活発系少女
総評
めっちゃ良い子
もう片方の名前はマルドク
大盾を選んだ理由は友人をノーデスで驚かせるためだそう。メイプルの面倒を見る役もやっているそうだ
総評
メイプルの保護者的な感じ
あー見守ってあげてー
後お前らとは二人に関する情報を交換していきたいと思ってるから俺の情報晒すわ
取り敢えず俺はクロムって名前でやってる
んでAGIは20な
お前らとはフレンド登録しときてーから明日これる奴は22時頃に広場の噴水前に来てくれると嬉しい。
あ、あともう一つ
マ ル ド ク は 男 だ
250名前:名無しの槍使い
なん…だと…
情報サンクスっていうかお前クロムかよ!
バリッバリのトッププレイヤーじゃねーか!
251名前:名無しの魔法使い
まさかの有名人過ぎてビビったわw
252名前:名無しの弓使い
よっしゃその時間行けるわw
つーか活発少女と男の娘か…。百合ではなかったな…
253名前:名無しの大剣使い
とりあえずこれからも二人を暖かく見守っていく方向でいいかなー?
254名前:名無しの槍使い
いいともー!
255名前:名無しの弓使い
いいともー!
256名前:名無しの魔法使い
いいともー!
257名前:名無しの大盾使い
いいともー!
こうして二人は百合に見えるノーマルカプコンビとして掲示板で話題になるのであった
マルドクは声も仕草も、女にしか見えない。
だが男だ。
メイプルより背は高いが、身体付きはとても細い。
だが男だ。
長い金髪が似合っている。
だが男だ。
手には大盾を持っている。タンクかと思われる。
だが男だ。
本日も2話投稿。最近P1見て爆笑してました。
みんな!オラにマーマイトを分けてくれ!(大嘘)
あっ、ポットヌードルはお呼びでないです
ボス戦の相手は?
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原作通り毒竜
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暴走特急だし列車系で
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バイクとかの爆走系
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騎士みたいな人型
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純粋に化け物