命題、あの者の力の源(仮)   作:L・F

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UA数も着々と増えていって、しかもお気に入りまでしてくださる方が居て本当に嬉しいです。
そんな楽しみにされている皆さんの為にも、今後も頑張っていきたいと思います。

今回も説明回ですが、ようやく今回のお話の大まかな流れが判明します。
ここからが本題ですが果たしてそれを表現しきれるか、不安ですがやっていきます。





第3節 命題

 

 

『藤丸立香……藤丸立香……』

「うぅ……ぅん?」

 

自分の名を呼ぶ声を聞いて立香が目を開けると、そこはいつものマイルームだった。だが立香はここが現実のマイルームではなく夢の中のマイルームであると無意識のうちに認識していた。

 

「確かヴァプラが言ってたっけ、夢の中に戻ればここでの事を思い出すって」

 

ベッドから身を起こし、目をこすりながら立香は1人呟く。最初の夢の時にここが立香自身の夢の中であること、ここはそんな立香の記憶を元に作られたかつてのカルデアであること。この2つを教えてもらい、その夢での出来事を思い出した。だから立香は今回、この場所に対して違和感や驚きもなく受け入れることが出来たのだ。そうして今の状況を整理していると立香の目の前にいつものモニターが現れる。前回の何も映っていないのと違い、今度はヴァプラの姿がモニターに映されている。

 

『無事にまた会うことが出来たな、藤丸立香』

「うん、おはようヴァプラ」

『ここは夢の中で、現実の貴女は今も眠っているのだがな』

「もう、そういう細かいことはいいの!それよりおはようって言われたらヴァプラもおはようって返すべきなんだよ?」

『しかし、その挨拶は正確なものでは…』

「いいから!ほら、おはよう!はい復唱!」

『お…おは、よう……』

 

立香の有無を言わせぬ勢いに押され、ヴァプラは言われるがままに挨拶を返す。それを聞いた立香は大げさ気味に腕を組んでウンウンと頷く。

 

「うんうん、挨拶は大切なんだから今後は挨拶をちゃんとしないとね」

『そういう、ものか……いや、貴女がそういうのであれば我もきちんと応じるが』

「素直でよろしい」

 

今の話題を出す立香に対して何か言うのは良くないと感じ取ったヴァプラは、本題に入るべく咳払いをする。

 

『ゴホン…さて、また貴女には中央管理室へと来てもらいたいのだが』

「そう言えば、なんで今回もモニター越しなの?もう顔合わせもしたし対話をすることも決まったんだからこうして呼ばないで直接来てもいいと思うけど?」

『夢とは脳が記憶の整理を行う働きの際に見るものだ。つまりこの場所には貴女の記憶が各地に点在しているようなものなのだ。部外者に過ぎない我が好き勝手に動けば貴女の記憶を自由に見られてしまう。それは貴女からしたらいいものではないだろう』

「あー、確かに大事な思い出とか隠してる事とかを全部知られちゃうのは流石に嫌だけど、私がいるこの場所に真っすぐ来るくらいならそこまで見られたりしないんじゃないかな?」

『貴女の言う大切な記憶であれば確かに夢の奥深くまで行かなければ見ることは出来ないだろう。対してここから貴女の元に行くまでに見る事の出来る記憶は貴女が寝る前に過ごしていたことくらいだろうが、我が貴女の記憶を勝手に見ることには違いはないぞ?』

「ああ、それくらいなら全然いいよ?カルデア内での1日って訓練とか趣味とかそういうのばっかりだから、むしろ見てて面白くないんじゃないかな?」

『……いや、我からすれば貴女の事を知れるのならば、そうした日常的なものでも構わないのだが』

 

自身の些細な記憶についての話に対するヴァプラの返しに、立香は首をかしげる。そこで思い出したが、ヴァプラが立香との対話を望んでいることは聞いたがその目的までは聞いていなかった。

 

「ん?まぁとにかく、私は別に構わないからヴァプラがこのマイルームに来てくれてもいいよ?話の続きは直接会ってからにしようよ」

『貴女が構わないと言うのならば……では少し待っていてくれ、そちらへ向かおう』

「うん、どうぞどうぞー」

 

ヴァプラがこちらへ向かうことを告げると通信モニターが消える。立香は伸びをして体をねじったりしながらヴァプラの到着を待つ。

 

「確かこの前の最後にヴァプラが言ってたっけ。私に会うことを聖杯に願ったって……どういうことなんだろ?今のカルデアが彷徨海にあるからそこにいる私を見つけられなかったから?そもそも時間神殿から逃げた魔神柱って全部倒したはずだし」

 

時間神殿での決着の後、そこから逃げ出した魔神柱はあの査察の前に全て倒したはず。しかしヴァプラはその魔神柱と言う。一体、どういうことなのだろうか?一度考え始めると次々と疑問が湧いてくる。あれこれと考えているうちにマイルームの入口がノックされる。

 

「藤丸立香、ヴァプラだ。入ってもいいだろうか?」

「あ、来てくれたんだね。どうぞー」

 

立香が返答するとマイルームの扉が開き、そこからヴァプラが現れる。

 

「いらっしゃいー、椅子は…ないみたいだからこのベッドの隣に座ってくれていいよ」

「我は立ったままでも構わないのだが、従うべきなのだろうな」

「そうそう、素直なのが一番だよ」

 

そうしてヴァプラが立香の隣に腰かけたのを確認して、立香は先ほどまでの時間で湧き上がった疑問を彼女に訊ねてみた。

 

「そう言えばこの前は聞けてなかったけど、ヴァプラって魔神柱なんだよね?でもダヴィンチちゃんから聞いた限りだと、時間神殿から逃げた魔神柱はもう全部倒したはずなんだけど」

「そうか、まだその話はしていなかったな。ではまずその疑問に答えるとしよう」

 

ヴァプラは姿勢を正して立香の方に体を向ける。その顔は、とても真剣なものだった。

 

「我は、ここではない別の世界……並行世界の存在なのだ」

「並行世界から?じゃあ貴女は魔神柱ヴァプラだけど、この世界の…ではないってこと?」

「その通りだ。我は聖杯を用いることで異なる世界を越えて、貴女の元へとやってきたのだ」

「……でも、どうして別な世界の私の元へ?ヴァプラの世界の私じゃダメだったの?」

 

初対面で自己紹介もしていない時点で立香の名を呼んでいたことから、ヴァプラの世界は「藤丸立香が存在しない世界」ではないことは分かる。ならばヴァプラの世界の藤丸立香は人理修復を成しえることが出来なかったのだろうか?その疑問は、次のヴァプラの返答によって明らかとなった。

 

()()()()()()()()()()()()()()……彼女は、ゲーティアを倒した後に時間神殿からの脱出が叶わず、崩壊に巻き込まれて…な」

 

立香は思わず息を呑んだ。そしてヴァプラが今言った時間神殿からの脱出の時のことが思い出していた。あの時も、あと少しのところで自分が走っていた足場が崩れて……間一髪のところで助けがあって、何とか生還することが出来た。しかしヴァプラの世界の立香はそういった助けがなくて脱出することができなかったのだろうか。

 

「我は、あの宝具によって自我が芽生えた際にこう思ったのだ。なぜ我らはここまで追い詰められているのか、なぜ負けようとしているのか、と。我は貴女とゲーティアとの決着を観測すべく、英霊たちとの戦いを放棄した」

「私たちの決着を見届けてから、時間神殿から逃げ出したってこと?」

「そうだ。我は時間神殿から逃げた後はあの決着を元になぜ我々は負けたのか?それを考え続けた。そうして浮き上がる結果にはいつも藤丸立香の存在があったのだ」

「私、が?」

「あの場に集った英霊たちは貴女の縁を辿ってきた。貴女のサーヴァントであるマシュ・キリエライトはゲーティアの宝具から貴女を一度防ぎ切ってみせた。そして…ソロモンは貴女の為に自らの存在を犠牲にした宝具を放ち、突破口を切り開いた」

「……っ」

 

ソロモンの名が出た瞬間、立香の顔が歪む。忘れることなんて出来るはずがない、ゲーティアとの決着の時に自分を励まし助けてくれた……()の事を思い出したからだ。

 

「これら全ての要因が、貴女に起因しているのだ。故に我は貴女に会いたいと願ったのだ。藤丸立香は既に死に、貴女が居たカルデアも外部からの介入によって解体された。貴女を知ろうとした時にはもう貴女を知る術は残っていなかったのだ」

「過去に遡るのじゃダメだったの?確か貴女たち魔神柱って、私達で言うレイシフトが出来るはずなんでしょ?だったらヴァプラの世界の私がまだ生きているところまで戻った方が良かったんじゃないの?」

「それも考えた。だがそれでは意味をなさないという結論となった。我が求めるのは時間神殿での決着を経た貴女との対話であり、過去に遡っては時間神殿までたどり着いていない時まで戻らざるを得なくなるのだ」

「だから、時間神殿から脱出できた私がいるこの世界に渡ってきたの?」

「それが確実な手段であると判断したのだ。無論、我が世界の藤丸立香と貴女は完全な同一存在ではないことは承知の上だ。それでも、我は知りたかったのだ……『藤丸立香という存在を知る』という自らの自我を得て最初に得たこの命題を、我という存在が消える前に何としても求めたいと思ったのだ」

「ヴァプラ……」

 

自我を得たことで得た命題を知りたいという純粋な想い、その答えを死ぬ前に何としても見つけたいという渇望。立香はそんな自らの思いを吐露するヴァプラの姿が、人間そのものに見えていた。

 

「それで、これからどうするつもりなの?ヴァプラが今求めているその答えは、どうやって見つけようとしているの?」

「我からの提案としては、ここが貴女の夢の中であり、貴女の記憶を見ることを利用したいと思っている」

 

ヴァプラは一呼吸おいてから、次の言葉を立香に告げる。

 

 

()()()()

 

 

追体験、その言葉に対して立香は首をかしげる。

 

「追体験、っていうと……?」

「貴女が、藤丸立香が歩んできた人理修復の旅を、我にも辿らせてほしいのだ。つまりこの夢の中で貴女はもう一度、人理修復の旅に出る。それに我もついていく。そうして藤丸立香という人物がその旅の中で何を思い、何を得て、何を為したのか……それを知ることで、我が命題の答えを得られると思うのだ」

「なるほど、百聞は一見に如かずって奴を実際にやってみちゃうんだね?」

「その通りだ。きっとその旅の中では貴女にとって辛いことも多くあるだろう、思い出したくないこともあるかもしれない。だから貴女の口から聞かせて欲しい、我と一緒に貴女の人理修復の旅を歩ませてもらえないだろうか」

 

ヴァプラは立ち上がって、立香の正面に向き直りその手を取って頼み込む。そんなことをしなくても立香の答えは既に決まっていた。

 

「勿論、それをヴァプラが望んでいる事なら、私は喜んで応じるよ」

 

立香は笑顔でそれに応じた。

 

「……改めて、藤丸立香。貴女に感謝の言葉を述べよう」

「そこはそんな堅苦しい感じじゃなくて、素直にありがとうって言うべきだよ。それと藤丸立香って一々フルネームで呼ばなくても、立香でいいよ」

 

それを聞き、立香の笑顔を見たヴァプラも釣られたのか顔に笑みが浮かぶ。

 

「ふふ、そうだな……我が願いを聞き入れてくれて本当にありがとう、立香」

「うん!」

 

ヴァプラからのお礼に対して立香が強く頷き、ベッドから立ち上がる。

 

「それでどうするの?早速レイシフト……みたいな感じで追体験を始めていくの?」

「だがその前にもう1つだけ伝えておくことがある。追体験の中でかつて敵として対峙した者たちとの戦闘も起こりうるだろう。ここは貴女の夢の中であるため、貴女が念じる事で貴女が契約している英霊たちの力を借りる事も可能だろう」

「つまり、ただ歩くだけじゃなくて本当に戦うこともあるってことだね?」

「そうだ、そしてここからが本題だが……我も、貴女のサーヴァントとして振舞おうと思うのだ」

「えっ?ヴァプラも戦うってこと?しかも、私のサーヴァントとして?」

 

思わぬヴァプラからの申し出に、立香は聞き返してしまう。

 

「ああ、今の我は聖杯のサポートがある。少なくともサーヴァントとの戦闘でも何とか渡り合えるはずだ」

「でも、大丈夫なの?」

「心配はいらない。ここは夢の中なのだ、ここでの傷が原因で消滅することはない」

「そういう心配がないなら、特に反対しないけど……でも、どうして?」

「より近い位置で貴女の旅を追体験することも含むが、一番はマシュ・キリエライトの存在だ。彼女は貴女の契約サーヴァントとして常に共に居た。ならば我も同じように貴女のサーヴァントとして振舞うことで、見えてくるものもあるのではないかと思ったのだ」

「なるほど……じゃあサーヴァントとして契約もするの?」

 

サーヴァントとなるというヴァプラに、立香は自身の右手に浮かんでいる令呪を見ながら聞く。しかしヴァプラは首を振る。

 

「いや、そこまでする必要はないだろう。魔力に関しては聖杯があるのだ。それに貴女のサーヴァントとして振舞うのはこの夢の中だけのことだ」

「……そう?ヴァプラがそう言うならいいけど」

「それで構わない。では改めて、追体験を始めようと思う」

「うん、分かった。じゃあまずどうすればいいかな?」

「この部屋を出て、貴女が人理修復の旅を思い出しながら廊下を進むだけでいい。そうすることで貴女の記憶を元に、かつての特異点が姿を現すだろう」

「了解、それじゃあヴァプラ……これからよろしくね!」

 

ヴァプラに手を差し出す。それが握手の誘いであると感じ取ったヴァプラは笑みを浮かべて差し出された立香の手を握る。

 

 

「ああ、よろしく頼むぞ、マスター」

 

 





というわけで、今回のお話の流れは第1部による人理修復の旅をもう一度行うというものでした。
FGOの方でも各特異点のボスともう一度戦えるクエストがありましたが、こちらはストーリー部分にも触れていく予定となっています。

さて、ここからはお話とは一切関係のない自己満足の内容となっていますので、見る場合は頭を空っぽにして見ていただいた方がいいかもしれません。




「真似事ではあるが、今後は貴女のサーヴァントとして振舞うとしよう。戦力としてはあまり期待できないだろうが、共に行くのは夢の中のしばしの間だけだ。そこまで気に掛けることはない」



魔神柱ヴァプラ
ランサー

ステータス
Lv. 1/40
 ◇◇◇◇
HP  2,072   ATK  1,260   COST 12
強化 0/1,000  強化 0/1,000
宝具 ◇    スキル
絆Lv. 0/10   ◇◇◇◇◇
        ◇◇◇◇◇
        Next 4,000

保有スキル
戦闘中、任意で使用可能なスキルです
SKILL 1     治癒式・瞬きC Lv.1
チャージタイム7    味方単体の弱体状態を解除&HPを回復[Lv.1]

SKILL 2     強化式・予測B
         解放条件:
         霊基再臨を 1段階突破する
SKILL 3     覚醒の時来たれりEX
         解放条件:
         霊基再臨を 3段階突破する

クラススキル
戦闘中、自動で効果が発動するスキルです
SKILL 1    対魔力B
        自身の弱体耐性をアップ
SKILL 2    情報室E-
        自身のQuickカードの性能を少しアップ&被ダメージを少しカット
SKILL 3    命題を求めるモノA
        自身の『命題、あの者の力の源(仮)』における攻撃の威力を100%アップ【イベント期間限定】

宝具
しょうきゃくしき・ヴァプラ
焼却式・ヴァプラ
ランク B-
種別 対界宝具
宝具Lv. 1/5
NPゲージ ◆◇◇ Max 100%
敵全体に強力な攻撃[Lv.1]&高確率でチャージを減らす<オーバーチャージで確率アップ>+味方全体にランダムで回避状態を付与[Lv.1](1ターン)

コマンドカード
Quick Quick Arts Arts Buster

キャラクター詳細
並行世界から渡ってきたソロモン七十二柱の一柱、情報室を司る魔神柱。序列六十位。
本来のヴァプラは時間神殿にて消滅したが、このヴァプラは自我の芽生えに伴って新たな命題を得たことで時間神殿からの逃亡という行動をとった。
正式なサーヴァントではないが時間神殿での決戦によるマスターの認識によって、一時的にランサーのサーヴァントとして定義されている。

パラメーター
筋力C 耐久B
敏捷C 魔力A
幸運EX 宝具A

プロフィール1
絆Lv.1で解放
プロフィール2
絆Lv.2で解放
プロフィール3
絆Lv.3で解放
プロフィール4
絆Lv.4で解放
プロフィール5
絆Lv.5で解放
プロフィール6
???
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