なんとしてでもアイクとエリンシアを.....   作:面心立方格子

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結局ベグニオンって神使がいてその下に元老院があるって感じで.....帝政なのか立憲君主制なのか分からん(まぁ神使に権限があるから多分ないだろうけど....)


ベグニオンの贖罪

リュシオンが目が覚めると、そこは知らない貴族邸宅で、檻の中にいた。

 

リュシオン「誰だ!?おまえたち.....!ネサラはどこへ......」

 

オリヴァー「おぉ.....おぉ.....これ、皆のもの。見るが良いぞ。あれぞまさしく、幻のセリノス王族。朝日を受け、輝く黄金の髪の美しさはどうだ?柔らかな光沢を放つ白銀の羽は...まごうことなき王族の証。すばらしい...まったくもってすばらしい芸術品といえようぞ。これが私のものになったと思えば.....キルヴァス王に支払った大金も惜しくないというもの。」

 

リュシオン「!?ネサラが.....私を.......おまえに売った.....!?」

 

(あの言葉は全て嘘だったのか......!!!!ネサラ......!!!)

 

オリヴァー「ほほほほほ怒った顔はまた格別。なに、おとなしくしておれば、豪華な生活をさせてや...」

オリヴァーが言葉をいい切る前に、リュシオンがオリヴァーに攻撃をしかける。

 

オリヴァー「ぶっ!!!なっ! こ、このっ.....鼻が.....!私の美しい鼻がぁっ!!!

 

ベグニオン兵「オリヴァー様っ!こ、こいつめっ!!」

 

兵士がリュシオンを抑えようと攻撃をしかける.....しかしオリヴァーが間に入ってそれを止める。

 

オリヴァー「やめよ!傷つけてはならん!!その者は、怯えておるだけじゃ。時間をかければ、わしがどんなに優しく、慈悲深い主人であるかわかるはずじゃ。」

 

リュシオン「ふざけるな......!!」

 

オリヴァー「おおお.....怖い怖い。ここはひとまず退散じゃ。よいか、おまえたち。くれぐれもこの者に手を上げてはならんぞ。食事や閑居に気を使いこの美貌を、少しでも損なうことのないようにせよ。サギは繊細な生き物だからな。さすれば、しかるべき時に.....そうじゃな、いつにするかな。常日頃から、わしを見下しておった元老院の他のやつらめに、見せ付けてやるのだ.....とっておきの舞台でなければな。今では幻と言われるセリノスの王族を従えたわしの姿.....ガドゥス公の悔しがる顔が見ものじゃ。ほほほほ ほほほほほほほ」

 

ベグニオン兵「しかしオリヴァー様.....よろしいのですか?先日この国にいるグレイル傭兵団がガトゥス公の邸宅を襲った結果、奴隷となっていたラグズの一部が逃げ出したとの報が.....」

 

リュシオン「!!!!」

 

オリヴァー「ふむ.....あれは、ガトゥス公が足をすくわれただけの事。一介の傭兵団に敗れるはずなどあるまい。折角手に入ったセリノスの王族.....警備を厳重にするのじゃ。」

 

ベグニオン兵「はっ!」

 

 

 

リュシオン「くそっ.....ネサラめ、よくも私をこんなめに......!!」

 

(しかしどういう事だ.....何故ニンゲンがラグズの奴隷を解放する.....?)

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大神殿マナイル

 

アイクたちはトパックを連れて神使に面会する。ムワリムは諸事情により待機してもらっている。何気にミカヤも同席してるけど、大丈夫かな.....?

 

アイク「連れてきたぞ。」

 

サナキ「よくやってくれた、アイクよ。報酬は十分とらせようぞ。」

 

「いつもの取り巻きはどうしたんだ?神使親衛隊の2人しか見えないが.......」

 

サナキ「ちと思うところがあってな。人払いをしておる。それで.....その者が例の盗賊団の首謀者か。なんと、まだ子供ではないか。その方なんぞ申し開きすることはあるか?」

 

((((神使も子供では......)))))

 

エイリス「いや、神使様も子供じゃないですか。何言ってるんですか?」

 

サナキ「おぬしにも言われとうないわ!おぬしも子供ではないか!.......んんっ!!!で、申し開きはなんじゃ?」

 

トパック「おいらたちは盗賊団なんかじゃない!汚い貴族どもに捕まっているラグズを解放しているだけだ!!」

 

サナキ「それは面妖な話よの。ベグニオン暦624年.....先代神使にして我が祖母なるミサハがラグズ奴隷解放を取り決めた。法令上、このベグニオンには現在、ただの1人たりと奴隷がおるはずはない。」

 

トパック「嘘だっ!!多くの貴族の家では、労働用だ鑑賞用だってラグズが飼われている!元老院は、それを黙認してるんだ!!」

 

法令上って言ってるんだよなぁ.......

 

アイク「こら! 落ち着いて話せって言っただろ?」

 

(え、お前が言うのそれ.....)

 

トパック「だ、だってよぉ.....!!」

 

サナキ「.....アイク、そのほう何ゆえこのように無礼なる者をわたしに対面させようと思ったのじゃ?何をたくらんでおる?」

 

アイク「.....たくらんでいるのは、あんたのほうだろ?」

 

サナキ「ほう、それはどういう意味かの。」

 

アイク「前回は奴隷商人の存在を確かめさせ、今回は奴隷解放の一団と接触させた。.......おかしいとは思ってたんだ。使いきれないほどの臣下をもつ神使殿が、なぜ、俺たちに仕事を依頼するのかってな。」

 

サナキ「わかったのか?」

 

アイク「内部腐敗を摘発することが目的…だろ?元老院の大勢が、この奴隷問題に関わっているってことを、公にしたくないんだ。」

 

サナキ「野育ちの粗暴なサルかと思ったが、存外、頭の回転は悪くないらしい。だがひとつだけ誤ちがある。わたしは別に公にされようと構わんと思っておる。腐敗を罰し、法令を守るこの姿勢を見せることが大事なんじゃ。」

 

アイク「.....俺1人の考えじゃないさ。頼りになる仲間がいるからな。」

 

トパック「え、ええっと.....?どういうことになってんだ!?おいらにも説明しろよ!」

 

アイク「神使は全部わかってるってことだ。その上で、この問題をなんとかしてくれるつもりらしい。」

 

トパック「ほ、本当か!?」

 

サナキ「成功するかどうかは、そなたたちの働き次第じゃ。」

 

そう言ってサナキはこっちを見てくる。いや何があるってんだよ.....

 

アイク「じゃあ、次の仕事内容を聞かせてもらおうか。」

 

サナキ「タナス公オリヴァーに不審な動きありとの密告があった。セリノスの森近くにある、タナス公の別邸へ向かい.....動かぬ証拠を押さえて参れ。」

 

アイク「吉報を持って戻る。待っていてくれ!」

 

サナキ「それと、今回の仕事はエイリスは別件を任せる故、そちらには参加せぬ。おぬし達は退室せよ。エイリス、その緑髪の女、銀髪の女の3人は残るのじゃ。」

 

神使に促されるようにアイクたちは退室し、こっちだけが残される。

 

エイリス「なぁ.....俺なんで別件なの?この仕事凄く大事なんだけど。」

 

この章には、仲間になるキャラもいるし.....そして何よりも手に入れないといけない、フルガードがある。龍の盾もあるし、サンダーストームもある.....この章は色々とあるんだよ。

 

サナキ「帝国で片付けなければいけない腐敗が多すぎるのじゃ。.....それにあの者達も強い。おぬしと分かれようとも仕事は果たす。」

 

違う、そうじゃない。

 

エイリス「それで、仕事って何?」

 

サナキ「これからクリミアに協力するのは決まっておる。じゃが.....ベグニオン兵の中にも、賛成派と反対派がおっての。そして反対派の一部が、クーデターを企てておるとの事。おぬしには、ゼルギウスと共にその過激派勢力の掃討にあたってほしい。」

 

ネフェニー「.....そんなに数が多いんか。」

 

サナキ「うむ。」

 

エイリス「別に掃討自体は良いんだけどさ.....結果として国の戦力が下がることになる。今の状態でそんな事していていいのか?」

 

サナキ「構わぬ。おぬしとゼルギウスが手を組んだとなれば、大勢の者は降参する。」

 

エイリス「.....というか、ゼルギウスって宰相の直属の部下なのに大丈夫なの?」

 

サナキ「セフェランからは許しを貰っている。そこは気にせんでよい。」

 

エイリス「.....分かった。とりあえずそっちに向かう。」

 

サナキ「うむ。それでそこの銀髪の者じゃが.....」

 

サナキがミカヤをじっと見る。.....この2人をかち合わせるのはさすがに早かったかな.....

 

ミカヤ「神使様、どうかなさいましたか.....?」

 

ごまかした.....って捉えていいのかこれは。

 

サナキ「.....いや、すまぬ。どうにも他人には思えなくてな。勘違いであった。」

 

暁だと確か姉がいたことすら知らなかったんじゃかったような.....まぁ、先天的な感覚もあるんだろうな。

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アイクside

拠点

 

ムワリム「.......」

 

ムワリムはトパック達の帰りを待っていた。貴族との因縁もあるので、何かされたらと気が気ではなかった.....

 

トパック「ムワリム!」

 

ムワリム「坊ちゃん!ど、どうでしたか?何か.....嫌なめにあわされませんでしたか!?」

 

トパック「全っ然、平気だったぜ!【神使】って、もっと感じの悪い女かと思ってたけどさ。ただのガキだった。おいらよりチビでやんの。」

 

ムワリム「ぼ、坊ちゃんっ!そんな大きな声で.....なんてことを!!」

 

トパック「な、なんだよ?」

 

アイク「ムワリム、大丈夫だ。この部屋にいるのは俺の仲間だけだ。神使の手下はいない。」

 

ムワリム「.......よかった.....」

 

トパック「ムワリム?」

 

アイク「神使の悪口を言うのは、ここでは『不敬罪』とかなんとかで...下手をすると処刑されるそうだ。」

 

トパック「!!」

 

ムワリム「坊ちゃん.....ここにいる間は、言葉の使い方に.....くれぐれも気をつけてください。お願いですから.....」

 

トパック「.....うん。分かった.....」

 

アイク「ベオクのトパックより.....ラグズのあんたのほうが、ここの作法なんかに詳しそうだな?」

 

ムワリム「.......」

 

トパック「そ、それは.....!!おいらが物知らずなだけで.....」

 

ムワリム「.....いいんですよ、坊ちゃん。アイク殿....私がベグニオン貴族の慣習に通じているのは....私自身が、奴隷だったからです。」

 

アイク「.....!!」

 

トパック「.....」

 

ムワリム「私の家族は代々.....とある元老院議員の家の奴隷でした。小さい頃は、自分が奴隷であることに疑問を抱くこともなく育ちました。どんなきつい労働も.....生まれた時から、それが当たり前のことだと思っていましたから。.....主人に気に入ってもらえるよう、行儀作法を、必死で身につけました。奴隷である我々が.....少しでも長く生き残るためには....主人の機嫌を損ねないことが最も重要でしたから。もし、少しでもしくじれば.......よくて鞭打ち.....悪ければ.......」

 

トパック「ムワリム!もうやめろ!」

 

ムワリム「すみません.......アイク殿.......奴隷だった私といると.....あなたたちまで、蔑まれ軽んじられる。私がここに来たのは.....坊ちゃんのことを......どうしてもあなたに.....あなたにお願いしたいと.....」

 

トパック「なんで!?なんでだよっ!ラグズ奴隷に生まれたら.....自由に生きることも許されない.....そんなの、おかしいって!だから.....それをおいらたちで変えようって約束したじゃないか!!ラグズも、ベオクみたいに家を建てて、畑を作って.....家族みんなが自由で平和に暮らせる.....そんな世の中にしようって.....」

 

ムワリム「.....それは、私たちラグズ奴隷であった者たちの.....夢です。ベオクのあなたまで.....それに付き合う必要はない。」

 

トパック「!!.....っ!」

 

ムワリムの言葉に耐えられず、トパックは外へと飛び出した。

 

ムワリム「坊ちゃん!........」

 

アイク「そんなに気にすることなのか?」

 

ムワリム「え?」

 

アイク「ベグニオンに来て、ずっと.....おかしいと思っていた。貴族の家に生まれたから貴族。奴隷の両親からうまれたから奴隷.....人の価値が生まれた瞬間に決められているとでもいう気か?そんな.....訳の分からん決め事がまかり通るこの国が.....理解できん。」

 

ムワリム「.....クリミア王女に仕える方のお言葉とは思えませんね。王女は、王の血筋に生まれたから王女なんですよ?それすらも否定される気ですか?」

 

アイク「.......そう、なんだよな。エリンシアは.....王女なんだ。団の雇い主に対して、最低限、敬意を払っていたつもりだが.....『姫』と呼びながら、それがどういう意味を持つかなんて.....ここに来るまで、意識したことがなかった。それにうちの団にはちょっと特殊な奴がいるからな。」

 

ムワリム「あの、少年のことですか?」

 

アイク「あぁ。エイリスはまずこの大陸の生まれじゃない。だがあいつは血筋に関係なく王宮騎士と肩を並べる地位にまでいっている。」

 

ムワリム「.....私の目から見れば.....あなた達はとても.....恵まれている。ベオクとして生まれ、緩やかな身分制度の国で育った.....それが.....とても妬ましい.....」

 

アイク「.......俺には.....どんなに努力しても、あんたの痛みを理解できないんだろうな。けどな、貴族階級とかいう制度を知ったからといって.......エリンシアに対する態度を変えられなかったように.....あんたが奴隷だったと聞かされても、やっぱり態度を変えられそうにない。あんたは、あんただ。そう考えるのは、俺の自由だろ?」

 

ムワリム「.........」

 

アイク「ムワリム、あんたが過去を引きずるのは仕方ないのかもしれん。だが、どんな事情があるのか知らんが.....あんたをあんなに慕ってるトパックを無理に遠ざけようとするなよ。トパックがあんたと共にいることを選ぶのも.....やっぱり、あいつの自由なんだ。」

 

ムワリム「坊ちゃんを.....捜してきます。」

 

アイク「.....神殿の奴らに会うのが辛いなら、俺が行って、連れてこようか?」

 

ムワリム「.....いえ、大丈夫。私は鼻がききますから。ベオクを避けながら

坊ちゃんの匂いを追うことは容易い。」

 

アイク「そうか。」

 

ムワリム「アイク殿.......私を、本当に.........いえ、これからも、よろしくお願いします。」

 

アイク「こちらこそ。 できるだけ長く、団にいてくれ。」

 

 

 

 

エイリス「終わったぁ.....疲れた。」

 

アイク「何かあったか?」

 

アイクが水を出してくれた。お前いつの間にそんな気遣い身につけたんだよ.....

 

エイリス「ん?別件の仕事入れられた。だから次の仕事、俺一緒に行けないわ。」

 

アイク「また何か事件か?」

 

エイリス「まぁ、そんなとこ.....なんかクーデター企んでるやついるから叩いてこいって。それで皆に伝えておきたいんだが.....」

 

近くにあった紙と羽を取って、重要事項を書いていく.....口頭だと絶対忘れられるし。

 

エイリス「行軍指揮に関しては心配してないけど、これは気をつけて。」

 

セネリオ「相変わらず行ってもないのによく分かりますね.....」

 

セネリオが呆れながら紙を見る。そりゃこっちはプレイしてわかってるからな.....

 

セネリオ「了解しました。この事に留意して指揮を補助します。」

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タナス公屋敷前

 

アイクたちはタナス公の疑惑を調査するため、屋敷まで訪れていた。

 

アイク「ここだな?」

 

セネリオ「はい。かなり厳重に警備されています。内部に入り込むまでは、正攻法でいくのがよいでしょう。」

 

 

ベグニオン兵「止まれ!なんだ、おまえたちは!?この館は、元老院議員タナス公爵様のものなるぞ!」

 

アイク「俺はグレイル傭兵団のアイク。ベグニオン神使の命でタナス公爵にかかっている嫌疑について取調べに来た!」

 

ベグニオン兵「! 神使様の!?し、しばらく待っておれ!!」

 

ベグニオン兵が屋敷内へと消えたのを見計らい、アイクがミストとティアマトに目線を送る。

 

ミスト「.....じゃあ、お兄ちゃん。わたしたちは、こっそり外側から調べてみるね。」

 

アイク「頼む。」

 

ティアマト「まかせて。いざという時は女の方が何かと言い抜けできるから。」

 

ミスト「それにエイリスさんから、ポータル預かってるから、大丈夫!」

 

アイク「あいつも案外過保護だな。」

 

ティアマト「さ、ミスト、行きましょう。」

 

ミスト「うん。」

 

そしてタナス公が出てくる前にミストとティアマトは屋敷の側面に潜入し、調査を開始した。それを見送ったアイクとセネリオは再び正面を向き何事も無かったように振る舞う。

 

オリヴァー「神使様の御使いというのはそのほうか?」

 

アイク「.....ここに神使の書状がある。」

 

オリヴァー「.....む.....た、確かに。本物のようじゃな。して、私にかかっている嫌疑とは、いったいなんじゃ!?」

 

アイク「.........」

 

セネリオ「.....神使の代理人に対し、門前で立ち話させるおつもりですか?」

 

アイクが無言で圧力をかけ、セネリオが弁論巧みにしかける。

 

オリヴァー「!!い、いえ、そんな。めっそうもない.....!な、中へどうぞ.....」

 

 

その後、オリヴァーの屋敷に入った後、アイクが嫌疑について説明する。

 

オリヴァー「ほ、ほう.....なるほど。私に、そのような嫌疑が......ほほぅ」

 

アイク「身に覚えがないと言い張るのか?」

 

オリヴァー「屋敷中、隅々までお見せしたとおりじゃ!どこにも、ラグズの姿など見あたらなかったであろう!?」

 

アイク「.....それは、確かに。」

 

オリヴァー「とんだ疑いをかけられたものじゃ!このオリヴァーが、ラグズの奴隷解放令に違反しているなどと.....!!神使様に、きちんとお伝えしてくれ、タナス公オリヴァーは清廉潔白だと!この清く美しい瞳に不正のかげりなど見えぬであろう? のお!? のおっ!?」

 

アイク「.....っとやめろ、そんなに顔を近づけるな!」

 

セネリオ「案内してもらった部屋にはいました。これで本当に全部ですか!?」

 

オリヴァー「まだ疑われるか!!」

 

セネリオ「ええ。.....神使誘拐事件の際、ガトゥス公も今のあなたのように供述し、公開していない部屋があったと神使親衛隊から報告は受けています。」

 

(ガトゥス公め.....余計なことを.....)

 

 

???「こ、こら、待たぬかっ!!」

 

アイク「!」

 

声のするほうを向くと、ベグニオン兵から逃げてきたミストとティアマトがいた。

 

ミスト「お、お兄ちゃんっ!!」

 

アイク「ミスト、どうした?」

 

ミスト「こ、この館の1番上の方の部屋.....鳥翼族の人がいたよ!窓から飛び出そうとしてたけど、なんか無理やり、部屋に連れ戻されちゃった。」

 

オリヴァー「な! ななっ!なにを申すのじゃ、この小娘めっ!!」

 

セネリオ「.......鳥翼族ですか。他に特徴は?」

 

ミスト「えっと、髪が長いの!こう、きらきら~って金髪でね。肌なんか、すけるように白くって.....!あ! あと、羽も真っ白だったよ!」

 

アイク「間違いないか、ティアマト?」

 

ティアマト「ええ。私も見たわ。」

 

セネリオ「では、この屋敷にいるのはサギの民ということですね。文献によると白羽を持つのはサギの王族だけですから。」

 

アイク「貴族は似たような言い訳でもするのか.......どうやら、俺たちが見てない部屋があるようだな?どうする?おとなしく案内するか.....」

 

そう言ってアイクたちは武器を抜く動作を見せる。相手は傭兵団、貴族のような器用な脅しは出来ないことをオリヴァーは肌で悟った。

 

オリヴァー「.....衛兵っ!こやつらを始末せよ!1人も生かして帰すでないぞ!!」

 

アイク「やっぱり、そうくるか。みんな、入って来い!!」

 

 

セネリオ「ではエイリスから貰ったメモの内容を伝えておきます。まず1点目はこの屋敷にある財宝は違法取引の可能性もあるので全て押収する.......特にフルガードは必ず取っておくこと。2点目はこの屋敷にダラハウという兵士がいるので、子供の誰かで説得しに行く。.....これは僕が行きましょう。最後に3点目。.....この屋敷の上の部屋にいる鷺の王族は、別に今回は保護する必要はなく、逃げるようなら逃がしていいと.....。」

 

トパック「.....え?あいつ、そんな事まで全部知ってるのか!?どうなってんだ!!」

 

セネリオ「.....エイリスはそういう人です。気にしては負けです。」

 

トパック(え、皆頷いてる.....ムワリム.....)

 

ムワリム(坊ちゃん....私も困惑しています.....)

 

 

セネリオ達が作戦指示をしているうちに、オリヴァーの私兵達は迎撃の準備を整えた。

 

ダラハウ「.....戦いの合図.......」

 

キマーシ「オリヴァー様の館を荒らす不心得者どもが!我が槍の錆となれ!!」

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その後、戦いは順調に進み、セネリオは敵兵の中に、一際目立つ見た目の兵を見つける。

 

ダラハウ「あれあれ~ だめなのよ~。子供が戦ったりしちゃいけないのよ~。」

 

セネリオ「.....なんですか、あなたは、いったい?」

 

ダラハウ「ダラハウはあなたじゃないのよ~。きれいな庭、うろうろしてたら捕まっちゃったのよ~。罰としてここで1年間タダ働きなのよ~。」

 

セネリオ「.......それで?だから見逃してくれとでも言いたいんですか?」

 

ダラハウ「待つのよ、待つのよ~、ダラハウ子供とは戦えないのよ~」

 

(エイリス.......相変わらず変な人を味方に入れようとしてますね.....)

 

セネリオ「.......だったら、こちら側に寝返るというのはどうですか?グレイル傭兵団に入団するなら、働きに応じた報酬も出します。」

 

ダラハウ「それは、名案ね~。ぜひそうさせてもらうのよ~。」

 

セネリオ「契約成立ですね。アイク団長には、僕から話を通しておきます。では、しっかり働いてください。」

 

ダラハウ「わかったのよ~。ダラハウがんばるのよ~。」

 

ダラハウ が仲間になった

 

 

 

一方、アイクは敵将への道の敵をあらかた片付け、キマーシの前に立つ。

 

キマーシ「ここは我が主タナス公オリヴァー様の領地であるぞ。オリヴァー様の御機嫌を損ねた愚か者は生きて館から出られぬと知れ!」

 

アイク「そんな脅しが効くと思うか?無用な争いは避けたい。部下に命じて降伏させろ!神使に背いてまで、タナス公に従うつもりか?」

 

キマーシ「神使サナキ様に逆らうなど.......畏れ多いことは露ほども思わぬ。.......ただ無能な使者が賊に襲われ、王宮へ2度と戻らぬだけのこと.......」

 

アイク「.....それが、おまえの答えか。」

 

ボーレ「どけアイク!槍じゃ相性悪いだろ!!」

 

それまでの雰囲気をぶち壊し、ボーレが割って入り、斧を構える。

 

アイク「おいボーレ。」

 

ボーレ「こいつに時間取られるわけにもいかねぇだろ。アイク、こいつは俺が倒しておくからお前は先に上の部屋を調べてこい!」

 

そして数合撃ち合った後、ボーレはキマーシを撃破する。それを見計らい、アイクはすぐに上の部屋に向かう。

 

キマーシ「な、なんとしたことか.....これが.....悪事と知りつつ加担した.......報い.....か......」

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屋敷 上階

 

下で誰かが戦っているのを感じ、リュシオンはその隙を狙って逃走しようとする。

リュシオン「!!」

 

オリヴァー「おぉ、私の美しい小鳥よ!怖くないぞ。いっしょに逃げような。」

 

しかし1歩遅く、オリヴァーが部屋の中に入ってきた。

 

「近寄るな!汚らわしい!!.........っ!」

 

オリヴァーを振り払おうとすると、とうとうオリヴァーも強硬姿勢に出て、リュシオンにライトを当てる。不意をついた魔法攻撃にリュシオンも傷を負う。

 

オリヴァー「おとなしくついてこい!そなたは、私のものじゃ......渡さんぞ。誰にも渡すものか.....」

 

オリヴァーも焦っていた。ガトゥス公を破った兵士ならばおそらく自らの私兵でも勝てはしない.....折角大金をはたいて買ったセノリスの王族を手放したくはなかった。

 

リュシオン「.....死んでも、おまえの言いなりになどなるものか!」

 

???「おいっ!どこに行った、タナス公爵!?.......ここか!?」

 

リュシオンが抵抗しているうちに、誰かの声と足音が聞こえてくる。

 

オリヴァー「.......ちっ.....!く、くそう......」

 

オリヴァーは仕方なくリュシオンを諦め、身を隠す為に逃げに転じる。この状態ならそう遠くには逃げられない.....あとで捕まえる。そう算段を立てた。

 

アイク「タナス公爵.....っ!」

 

アイクが部屋に入った時には一足遅く、タナス公の姿は無かった。

 

リュシオン「.......」

 

アイク「!!.......あんたが、セリノスの.....無事だったか?俺たちは、あんたを助けに来たんだ。そのケガは、あの男にやられたのか?すぐに手当てを.....」

 

リュシオン「.....来るなっ!!」

 

アイクが手を差し出すと、リュシオンはその手を弾く。

 

アイク「!!」

 

リュシオン「.......私に近寄るな.....ニンゲンめ......!」

 

リュシオンの言葉がアイクの頭の中で錯綜する.....しかし、アイクはエイリスから言われていたことを忘れてはいなかった。

 

アイク「.....分かった。逃げたければ逃げろ。ただこれだけは渡しておく。」

 

アイクはリュシオンに向かって小さい瓶を渡す。リュシオンは羽で落としたが、瓶は割れなかった。

 

アイク「これはうちの団の軍師.....エイリスが作った回復の薬?らしい。それで傷は治せるばずだ。」

 

リュシオン「.......!!」

 

そしてアイクはそれだけ言い残し、その場を後にした。

 

リュシオン「.....エイリス.....何度と聞く名だ。」

 

ゴルドア会議で名を聞いて以来、頻繁にその名を耳にしていた。先日起きたラグズ奴隷の解放もその名のニンゲンとその仲間がやった。

 

リュシオン「...........」

 

しばらくその瓶を眺め、リュシオンはその小さな瓶を拾い、屋敷から逃げ出した。

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大神殿マナイル

 

タナス公の兵を退けた後、アイクはすぐさま大神殿へと戻ってきた。その頭の中は先程の憎しみを向けるリュシオンの姿で支配されていた。

 

アイク「グレイル傭兵団、戻った!」

 

シグルーン「おつかれさまでした。首尾はどうでした?何か有力な証拠などは掴めまして?」

 

アイク「神使は、どこだ?」

 

シグルーン「アイク殿.....?」

 

シグルーンもその違和感をすぐに感じる。

 

アイク「神使に直接、聞きたいことがある。どこにいるんだ?」

 

シグルーン「サナキ様は、庭園にてエリンシア姫とご歓談中ですわ。お目通りがかなうかどうか、すぐに確かめて参ります。アイク殿はここでお待ちに.....」

 

アイク「庭か.....!」

 

アイクはシグルーンの言葉を聞いた途端、一目散に庭園へと向かった。

 

シグルーン「あ、アイク殿!?勝手なことをされては困ります.....!」

 

その後、アイクはシグルーンの提言を振り払い神使の元に行く。

 

アイク「神使.....!」

 

サナキ「!? なんじゃ、そなた!案内も乞わず現れるなど、なんと不調法な振る舞いを.....」

 

エリンシア「どうなさったのですか、アイク様.....?」

 

アイク「.....全部、聞かせろ。」

 

サナキ「なにを申しておるのじゃ?」

 

シグルーン「アイク殿!神使様に対する無礼は許しませんよ!!」

 

アイク「20年前.....セリノスで何が起きたのかが.....知りたい。」

 

サナキ「な.....!!」

 

シグルーン「!」

 

エリンシア「20年前の.....出来事.....?」

 

アイクの言葉にサナキとシグルーンは息を飲み、エリンシアはポカンとした。

 

 

そして大神殿に移動し、アイクは自分が見たことを全てそのまま話した。話していくうちにサナキの目の色はドンドン変わっていった。

 

サナキ「サギの民が.....セリノスの王族が.....生きていたというのか.....?まさか.....そんなことが.....」

 

シグルーン「サナキ様.....」

 

アイク「.......」

 

サナキ「.....どう話せばよいか。あれは、とても.....難しい問題なのじゃ.....」

 

ナーシル「.....ことのほか、話が進まないご様子だ。まず、私のほうから世間一般に知られる事実をお話ししたいと思いますが.....エイリスがいない状況ですので、かまいませんか?」

 

場の釈然としない空気を察し、ナーシルがタイミングを見計らって入る。

 

サナキ「そなたは.....?」

 

アイク「俺の仲間だ。ナーシル、何か知っているなら話してくれ。それを聞いてから、神使に説明してもらおう。.....それで問題ないな?」

 

サナキ「.....うむ.....」

 

ナーシル「きっかけは、ベグニオン先代神使の暗殺事件.....時は20年前.....折しも奴隷解放宣言がなされたちょうど1年後の話だ。その代の神使ミサハ殿は、歴代神使の中でもっとも国民に崇拝されていた。その神使が暗殺されたんだ。絶望にうちひしがれる国民たち.....ベグニオン中が暗く沈んでいた。そこに、1つの噂が流れた。『セリノスのサギどもの仕業』だと.....その噂はまたたくまにベグニオン王都中に広まったそうだ。ある夜.....事件が起きた。民衆が暴徒と化し、にっくき仇の住処であるセリノスの森に赴き.....火を放った。暴動は三昼夜続き.......セリノスのサギの民はその全てが.......失われた。」

 

エリンシア「.....ただの噂だったのでしょう?なぜ、そんなことに.....」

 

サナキ「.......」

 

ナーシル「神使殿?お話しにならないと。あなたは、このベグニオンの皇帝でもある。国民のやったことに責任を負う存在でしょう?」

 

話そうとしないサナキに業を煮やしたのか、ナーシルは追い討ちをかける。

 

サナキ「.....えん罪だったのじゃ。」

 

アイク「.....先代神使を暗殺したのは、セリノスの者じゃなかったんだな?」

 

サナキ「.....そうじゃ。」

 

ナーシル「サギの民は、戦う術を持たない。森と調和し、女神への祈りを捧げる生活を守り抜いてきた種族.......彼らは力を、他のラグズのように戦闘用に発達させなかったんだ。ある程度の知識のある者であれば、それぐらいのことは知っている。少なくとも、ベグニオンに住む者は、その事実を知っていたはず.....しかし、神使を失い、悲嘆にくれる民衆には真実なんてどうでもよかったんだよ。自分達の行き場のない怒りと絶望を発散させられれば、それでよかった。そうですよね、神使殿。」

 

エリンシア「! ナーシル様っ!!そんな言い方.....っ」

 

サナキ「よいのじゃ、エリンシア姫。.....その者は嘘はついておらん。」

 

ナーシル「.....アイク、フェニキスの鳥翼族はベグニオン船相手にだけ海賊行為をおこなうんだ。キルヴァスのカラスたちは、積荷が目当てだから、無差別だけど.....フェニキスのタカの民は、同胞セリノスへのえん罪と虐殺に抗議を続けているんだよ.....。」

 

アイク「.......オリヴァーの館にいたサギの民は.....助けようとした俺の手を払った。強い憎しみの目で、おれを見据えていた。そいつが、窓から飛び立つ時に言ったんだ。『セリノスの大虐殺を忘れるな』と。『20年前、おまえたちがしたことを私は決して許さない.....!』.....とな。」

 

サナキ「.......言い訳にしか聞こえぬだろうが、我が国民もみな、あの一件については悔いておるのじゃ。主たるサギの民を失くし.....色を失った森を見るたび.....自分達の大罪に怯えておる。」

 

ナーシル「神使殿.....あなたは立派ですよ。元老院の多くは、セリノスのことなど記憶の彼方に追いやり、そんなことはありもしなかったのだと.....そういう態度なのでしょう?だけどあなたは違う.....国民のやったことに対して責任をとろうとしておられる。きちんと償おうと思うからこそ、ラグズの奴隷解放について独自に調べ.......よそ者であるアイクの傭兵団を使ってまで摘発しようとしたんじゃないですか?.....まぁエイリスに関しては、1人で勝手に戦いを挑んだ形になりましたが.....」

 

アイク「何故そこでエイリスが出てくる?」

 

ナーシル「本人の口から聞いていないのかい?先日アイクたちの仲間が攫われたその原因.....エイリスは、元老院の目の前で今言ったことをほぼそのまま摘発したんだ。」

 

アイク「.....その恨みで俺たちに襲いかかってきたってことか。」

 

ナーシル「そう。そしてこれも偶然か、エイリスはフェニキスの鳥翼族.....しかも鷹王の配下にその場を助けてもらっている。.....これが何を意味するか。」

 

そう言ってナーシルは神使に目線を向ける。神使も少し揺らいでいた目を再び覚悟あるものに戻す。

 

サナキ「.......エリンシア姫。」

 

エリンシア「はい。」

 

サナキ「あと1度だけ、そなた達の手を借りたい。許してもらえるだろうか?」

 

エリンシア「それは.......アイク様たちがよろしければ、私に異存はありませんが。」

 

アイク「.....内容次第だ。エイリスも確実に同行することも条件だ。」

 

サナキ「そなたが会ったというサギの民を.....捜しだしてほしい。会って、言葉をかわしてみたい.....」

 

アイク「そういうことなら、まかせろ。どのみち、オリヴァーの奴は捕まえそこねたんだ。そっちとあわせて面倒みる。」

 

サナキ「.....頼んだぞ。」




読んでる人に予め言っておきたいことが.....
あのですね、蒼炎プレイしてる人は分かると思うんですけど、この次の章の黎明が馬鹿みたいに長いんですよ.....分けていいかな?いや、分けさせて(涙目)。まぁ次回は、黎明に入らないんですけどね

フルガードって特効の威力が下げられてる蒼炎だと使わない人も多いらしいんですけど.....結構ぶっ壊れだと思いますけどね、個人的には

オリジナルマップ作る?

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