《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜 作:ねここねこねこ
ハーメンツの村に着いたエドワードとリオンは入り口を塞いでいる兵士二人を見つけた。
「お疲れ様です。指名手配犯がいると聞いてきたんですけど、どうなりました?」
「……エドワード様!?」
「おやおや、王国客員剣士様でしたか。まさかこのように早々……むぐっ!」
「お前……見たことないけど新人か?」
エドワードが生意気な口調で話しかけてきた兵士の顔を掴むと、少し力を込めて握り出した。
リオンもだが、王国客員剣士は兵士への評判が悪かった。
だが、この一年でエドワードが注力したお陰でかなり改善されていたのである。
それもエドワードが元王国兵士だったということと、任務も協力して行い、剣の指導もしたりもしていたからだ。
リオンに関してもエドワードが仲介に入ることで兵士に対してそこまで悪態付くこともなくなり、同じように信頼され始めていた。
それでも中には悪い感情をまだ持っている人であったり、その人に影響を受けた新人もいたりもする。
そういう人物を発見したら必ずエドワードは毅然とした態度で対処をしていた。
もちろん人に応じて優しくするなど態度を変えてはいるが、今の兵士に関しては力で黙らせる方が適切だと感じたためそのようにしていた。
「い、いだだだだだ!!!!」
「お前、丁寧に話しかけてくる人に対してそんな口調で話していいって誰から習った?」
「な、なんだ……いでぇーーー!! ご、ごめんなさい!!」
「うむ、それでよいのだ! はっはっは!」
エドワードは謝罪をした兵士を離し、一人笑い出す。
この光景に慣れているリオンは、エドワードを無視してもう一人の兵士に様子を聞く。
「それで、状況を聞かせてくれないか?」
「先ほど宿から出てきた盗掘者達を我が軍の精鋭達が取り囲んでいます」
「そうか……じゃあ中に入るから」
「え!? あ、はい」
エドワードとリオンは盗掘者がいる宿の前まで歩いて行く。
そこには金髪の青年、黒髪の女性、赤髪の女性の三人が兵士十人ほどに囲まれていた。
『ああ! あの剣は!』
『確実にあの二人だな』
「え……やっぱり知り合いなの?」
『ええ…多分
「やはりソーディアンマスターが二人いたか。こちらもエドワードと二人で来て正解だったな」
『はぁ……まいったなぁ。僕昔から
エドワード達が話しながら様子を見ていると、兵士達と揉め出し、兵士全員が剣を抜く。
兵士が襲い掛かるが、三人相手に返り討ちに遭う。
「あらら……兵士全員やられちゃったね」
「ふん、行くぞ」
リオンが先に行き、エドワードがついて行く。
そこでは金髪の青年が隊長に何かを話しかけている。
エドワードとリオンがその場に来ると、三人はリオン達の方を見た。
「リ、リオン様、エドワード様」
「大丈夫か? 全員立てるようなら、一旦下がっていてくれないか?」
「は、はい!」
兵士達は手加減されていたのかは分からないが、立ち上がって歩くくらいなら出来るようであった。
「な、なんだ! 新手か!?」
「君さ……誰に手を出したか分かっているの? セインガルド王国の兵士だよ?」
「え!? ……だって……襲ってくるから」
「うちの兵士が何もしていない一般市民に襲い掛かるような野蛮人だと思っているの?」
「……」
エドワードの言葉に金髪の青年が黙る。
リオンは叩きのめせばいいといった雰囲気だが、話が通じそうなので事情を聞くことにした。
そこで黒髪の女性が割り込んでくる。
「ちょっとスタン! 何やってるのよ!」
「いや、だってさぁ……」
「君は指名手配犯のルーティ・カトレットだね? このスタンという青年を騙くらかしてるの?」
「ちょっと! 失礼ね!」
「無許可の盗掘を国が許してないのを知っているでしょ? 一旦剣を納めて話をしないか?」
「……分かったわよ。た・だ・し! 私達は
そう言ってルーティは剣を仕舞った。
「スタン君と……君はマリー・エージェントだね。君らも武器を仕舞ってくれないか? この通り俺も武器を出していないだろ?」
「わ、分かった──」
『──お前!
『おお、久しぶりだね。ディムロスと……アトワイト。そこにシャルティエもいるよ』
『シャルティエ! あなたもいたのね!』
『……ええ、お久しぶりですね』
武器を仕舞ったスタンとマリーに
二人の会話にアトワイトとシャルティエも加わる。
「え、何!? あんた達知り合いなの!?」
『同じソーディアンよ。こんなところでソーディアンが四本も集まるなんて……』
『何かが起きる前兆なのかもしれんな』
アトワイトとディムロスはソーディアンが集まったことを何かの前触れだと不安がっているが、話に全くついていけないスタンとソーディアンの声すら聞こえないマリーは少し困惑していた。
「ちょ、ディムロス! どういうことだよ! 説明しろよ!」
「んー、とりあえずさ……場所変えない? こんなところで立っていても仕方ないし。できれば王都に来てもらえると助かるんだけど。
ソーディアンマスター同士、争うのは良くないと思うんだよね」
「……」
リオンはまどろっこしいとは思いつつも、話が上手く纏まりそうなので黙っていた。
自身が手を出さずに終えることが出来るなら、力づくでなくても良いのである。
ソーディアン同士の本気の戦いは常日頃からエドワードと行っているため、スタンやルーティと戦うことにそこまで興味を持っていなかったのも要因の一つではあった。
「はぁ。分かったわよ。このままやっても私達じゃ勝てなさそうだし。流石にあんた達レベルの手練れが二人もいたら、勝てないもん」
「ありがとう。じゃあ馬車に乗って。道すがら色々と話も聞きたいし、ソーディアン同士で懐かしんだりもしたいでしょ?
ディムロスとアトワイトもそれでいいかな?」
『ああ、我はそれで構わないぞ』
『私も大丈夫よ』
話が上手く纏まり、争いを避けてスタン達を連行することが出来たエドワード。
ダリルシェイドに向かいながら、自己紹介をする。
「あっと、そういえば名乗っていなかったね。俺の名前はエドワード・シュリンプ。そこにいる無愛想なやつが……」
「誰が無愛想だ! 僕の名前はリオン・マグナスだ」
「そっか! 俺はスタン・エルロン! よろしく! エドワード、リオン!」
「……ちっ」
リオンは馴れ馴れしく話しかけてくるスタンに少し不快感を覚えたが、エドワードで慣れたのか何も言わなかった。
自己紹介している間にソーディアン同士も再会を喜び合っていた。
「そういえばさ、なんで神殿の盗掘なんてしていたの?」
「盗掘って言わないでよね! ……依頼で引き受けたのよ。ハーメンツの村のウォルトって男に」
「ウォルト? ……って確か」
「ああ、今回の件を僕らに通報してきた奴の名前だな」
「な! なんですってぇ!! あの男、絶対に許さないんだから!」
(んー……なんかリオンとルーティって似てるな。もしかして……)
うっすらと二人の関係性を疑いながら、エドワード達はダリルシェイドへと向かうのであった。
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