《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜   作:ねここねこねこ

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第二十話

「お待ちくださいませ」

「どうした、ヒューゴ」

 

 ドライデンの尋問を途中で遮ったヒューゴに対し、セインガルド王が反応する。

 

「あの者達は、まがりなりにもソーディアンを扱える身。貴重な素質の持ち主です。闇雲に処断するのは早計かと」

 

(……ヒューゴ。お前は何を考えている?)

 

 リオンは先ほどの態度と違うヒューゴに対し、警戒心を抱く。

 それはエドワードも同じであり、時雨(しぐれ)はただ黙っているだけだった。

 だが、ドライデンはヒューゴの意見に「しかしこのままでは示しがつかぬ!」と反論する。

 

 

 そして、そこに一人の兵士が飛び込んでくるのであった。

 

 

「も、申し上げます!」

「何事だ! 陛下の御前であるぞ!」

「ストレイライズ神殿が、何者かに襲われたとのことです!」

「ストレイライズ神殿だと!?」

「どうなさったのです、陛下。随分な驚かれようですが」

 

 ストレイライズ神殿が襲われたという報告にセインガルド王が椅子から立ち上がり驚く。

 その驚きようにヒューゴが反応を示す。

 しかし、セインガルド王は「むう……」と返事をするだけだった。

 

「ストレイライズ神殿のことがそれほど気になるのですか?」

「それは……実はあの神殿には極めて重大な遺物が隠されているのだ。それにもしものことがあったら……」

「その遺物とは……もしや()()()のことですかな?」

 

 ()()()という言葉が出てきた時に、セインガルド王は反応した。

 そしてディムロス、アトワイト、シャルティエも驚いていたのであった。

 

「ディムロス達、何を驚いているんだ?」

「さあ?」

 

 スタンとルーティはディムロス達がなぜ驚いていたのか分かっていなかった。

 その言葉を無視して、セインガルド王がヒューゴに話しかける。

 

「ヒューゴ……知っておったのか?」

「私は元々考古学に携わっていた身。それ故、推察したまでですが……当たっていたみたいですな」

「神の眼というのは、それほど大層なものなのですか?」

「はるか昔、世界をとてつもない災厄に巻き込んだ元凶だと伝えられている。

『神の眼を二度と表に出すことなかれ』と、王家の戒めにも残っているほどなのだ」

「ならばすぐに調査隊を派遣しましょう。指揮は私めが」

 

 そう言って行動を開始しようとするドライデン。

 それを「国の重鎮(ドライデン将軍閣下)が軽はずみに動いては民が動揺する」と言って止める。

 

「ではどうしろと言うのだ」

「せめて他の七将軍……おっと、今は全員任務の最中でしたな」

「ええい、この場に適任者はおらぬのか!」

「あの…だったらそ──」

「──陛下。その任務、私にお任せいただけませんでしょうか?」

 

 急に話し出したスタンの言葉を遮り、エドワードが跪いて進言する。

 

(マジであのアホ(スタン)は、この空気の中で話すとか何を考えてるんだ! おかげで俺が行かなきゃいけなくなっちゃったじゃんか!)

 

「うむ、エドワードか。そなたなら客員剣士としての実績も十分だ。では兵士を率いて調査に赴くがよい」

「はっ!」

「陛下、それであればこの者達にも行かせると言うのはどうでしょうか?」

 

 エドワードが上手くまとめようとしたところで、ヒューゴが横槍を挟む。

 内心舌打ちをするが、顔には出さずに真顔でヒューゴを見るエドワード。

 ドライデンはヒューゴの提案に対し、感情を露わにして反対する。

 

「な! この者達は罪人だぞ!」

「それで先ほどの話に戻るのです。まがりなりにもソーディアンを扱える素質を持っているのであれば、早計な処断はせずにこの結果次第で減刑をするのも悪くないかと。

神の眼はソーディアンが作られた時にあった遺物と聞きます。その能力が何かの役に立つやもしれませぬ」

「しかしエドワードだけで監視が出来るというのか!」

「万一に備え、あの三人には囚人監視用の措置も施しましょう。そして、リオンも一緒に同行させれば確実かと……」

「よかろう。非常事態につき、今回はヒューゴの案を採用する。

リオン・マグナス、エドワード・シュリンプよ!」

「「はっ!」」

「その者達を引き連れ神殿に向かえ! 万一神の眼に何かあったときは全力でこれを確保するのだ!」

「「かしこまりました」」

 

 そして謁見の間から出てきた一行は、その先で待ち構えていたヒューゴと会う。

 ルーティが出てきて、ヒューゴに話しかける。

 

「随分と王様に信頼されているようね。あんた何者?」

「オベロン社総帥、ヒューゴ・ジルクリストだ。よろしく頼むよ。元気なお嬢さん」

「オ、オベロン社総帥!?」

 

 ルーティが思わぬ大物がいたことで驚いていると白衣を着た青年が歩いて来る。

 

「やあやあお待たせしました!」

「いつも元気だな、レイノルズ」

「囚人監視装置のご用命でしたね。二つタイプがありますけど。

一つは可愛くてえげつない。もう一つは硬くてえげつない」

 

 「どっちも一緒じゃないのよ」と突っ込むルーティを無視し、レイノルズはどちらを付けるか聞く。

 マリーは即答で可愛いのが良いという。

 レイノルズはその要望に従い、三人にティアラタイプの監視装置をつける。

 

「準備OKっと! あとはこのスイッチを押してみてよ」

 

 そう言ってリオンにスイッチを渡すレイノルズ。

 リオンがスイッチを押すと、スタンが震えながら叫び出して倒れる。

 

「これでいつでも、好きな時に、好きな場所で電撃をお見舞い出来るって寸法さ」

「冗談じゃないわ! 物騒なものを付けないでくれる!」

 

 そう言ってティアラを外そうとした瞬間、スタンと同じくルーティも震えながら叫び、倒れる。

 

「無理に外そうとすればこの通り! 発信器付きで居場所もすぐ判明! どうです? 便利でしょ?」

「ふむ。使えそうだな」

「それじゃ、僕は実験に戻るよ! 報告を楽しみにしてるから!」

 

 「何が報告よ! 冗談じゃないわ!」と言いながら、痺れからようやく解放されて立ち上がるスタンとルーティ。

 ヒューゴはその様子を見てから話し出す。

 

「さて、二人のソーディアンは私の屋敷に届けられる手筈だ。取りに来なさい。私は一足先に戻っていよう」

「街で一番大きな屋敷だから、すぐわかる。ついて来い」

 

 一行は、リオンが先導してヒューゴ邸に向かうのであった。

 




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