《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜 作:ねここねこねこ
ヒューゴ邸に着いた一行を出迎えたのは執事と思しき白髪の老人であった。
老人は深々と頭を下げるとリオンに向かって挨拶をする。
「お帰りなさいませ、坊ちゃん」
「レンブラント爺か。ヒューゴ様は?」
「旦那様なら一階にいらっしゃいますぞ」
そう言ってヒューゴの執務室まで案内をするレンブラント。
レンブラントは階段を登りながらリオンに話しかける。
「新たなお役目を仰せつかったそうで。近頃とみにご活躍ですな、坊ちゃん」
「坊ちゃんはやめろ。僕はもう子供じゃない」
「ふーん……坊ちゃんねぇ。さすがオベロン社の御曹司様はお育ちがよろしいことですこと」
リオンをからかうように話しかけるルーティに対し、リオンは監視装置のスイッチを押そうとする。
しかしそれはエドワードの手によって阻止される。
「何をする」
「まぁまぁ! 子供じゃないならこの程度のからかいなんて気にする必要ないでしょうに」
「……ちっ、余計なことを」
リオンは舌打ちをすると監視装置のスイッチをしまい、そのままヒューゴの執務室に入ろうとしたところでちょうどヒューゴが出てきたのであった。
レンブラントはヒューゴに一礼をし、ヒューゴは「来たのか。ここで立ち話もなんだ、広間へ行こう」と言って、一階に降りていく。
(結局下に行くんかい!)
エドワードの心の声は誰にも届くことなく、静かに通り過ぎていくのであった。
◇◇◇◇◇◇
「マリアン、例の物を」
ヒューゴがメイドであるマリアンに指示を出し、布に包まれていたディムロスとアトワイトを広間のテーブルに丁寧に載せた。
布が解かれるとディムロスが怒りの声を上げる。
『遅い! 何をぐずぐずしていた!』
「なんだよ、その言い草は」
『ディムロス、少し落ち着いて。みんなは事情を知らないのだから』
『む……』
アトワイトにたしなめられて黙るディムロスの声は聞こえないのか、ヒューゴが話し出す。
「文献によれば、ソーディアンは全部で六本あったという。……なぜか知られていないソーディアンがあるのかは置いておいて、そのうちの半分がここに揃ったのは考えてみればすごいことだな」
ヒューゴはちらりとエドワードの方を見て、すぐに視線を戻す。
「へぇ! ソーディアンって他にまだ三本もあるのか! ……知られてないソーディアンってなんだ?」
「スタン、いいから黙っててくれ。話を先に進めたいから」
広間の横に立っているエドワードにたしなめられて黙るスタン。
ソーディアンとソーディアンマスターはある意味似るのかな? と思いつつ、それを口にしたらディムロスが怒ることは予測できるので黙っていた。
続きをヒューゴが話す。
「さて、諸君に改めて任務を伝えよう」
「王都ダリルシェイドの北にある、ストレイライズ神殿へ向かってほしい。馬車はこちらで用意しておく。
神の眼が無事かどうかを確認し、無かった場合は奪還も視野に入れてくれ」
だがそこでルーティが口を挟む。
「あたしはやるなんて言ってないわ。勝手に話を進めないでくれる?
誰かに飼われるのなんて真っ平だわ。ルーティ様をなめないで欲しいわね」
「……じゃあお前は極刑になるけど、それでいいのか?」
「……え? な、なんでそうなるのよ!」
「陛下のところでの話を聞いてなかったのか? 今回は
……まぁルーティが依頼をするのが嫌なら仕方がない。俺が今から城に──」
「──あー!! あー!! ちょっと待って!」
ルーティはようやく事の重大さに気付いたのか、焦りだす。
それを見たヒューゴが軽く笑いながら、ルーティに提案をする。
「二十万ガルドでどうかね?」
「……え?」
「任務達成の暁に支払う報酬だよ。仕事と考えれば、納得できんかね?」
「……も、もう一声」
「ヒューゴ様、やはりこいつは私が牢にぶち込んで──」
「──じょ、冗談よ! ちょっと言ってみただけじゃない! 二十万ガルドね、決まりだわ!」
さすがにムカついたエドワードがルーティを牢屋に入れる提案をしようとしたが、すぐにルーティに遮られて、報酬は二十万ガルドで決定した。
リオンはその様子を見てため息をつくが、概ね予定通りだと無理やり納得することにした。
「スタン君の士官に関しても、私から陛下にとりなしてあげよう」というヒューゴの言葉に喜ぶスタン。
「まぁ、何もともあれ
そう言って広間から出ていくヒューゴ。
スタンは「じゃあそのなんとか神殿に行くか!」と言って、ディムロスから『ストレイライズ神殿だ。名前くらい覚えんか』と突っ込まれていた。
その話の横で
『エド』
「ん? どうした?」
『今回の任務……エドだけ先にストレイライズ神殿へ行くこととかって出来たりするのか?』
「……何か訳ありか?」
『ああ、今は詳しく話せないのだが……』
「そうか。でもあいつらの監視があるか──」
「──いいぞ」
「え?」
「行ってこいと言ったんだ。確かに先に様子を見に行く者がいたほうが何かあったときに対処しやすい。大人数だと行軍スピードも下がるからな」
リオンが会話を聞いていたのか、監視を含めて自分だけで大丈夫だということだったので、エドワードはストレイライズ神殿へ先に行くことにした。
馬を使って、馬車よりもかなり早く到着することで様子を見に行くという名目だった。
「じゃあ先に行ってくる」
「無理すんなよ!」
「……お前もな」
スタンに無理をするなと言われて、飛行竜に密航したお前にだけは言われたくないと思ったエドワードだが、言葉を飲み込んで出発することにしたのであった。
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