《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜   作:ねここねこねこ

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第二十二話

「用事を思い出した。少しここで待っていろ」

 

 リオンがそう言って屋敷へと戻る。

 先ほど全員がいたダイニングの広間に行くと、そこにはマリアンがいた。

 

「マリアン!」

「リオン様。どうなさいました?」

 

 他人行儀な話し方をするマリアンに対し、リオンは寂しそうな顔をする。

 

「そんな呼び方やめてくれ。ここには誰もいないんだ」

「そうね。ごめんなさい、エミリオ。でもあなた、出かけたのではなかったの?」

「マリアンに……またしばらく会えなくなると思ってね。挨拶するのを忘れていた」

 

 リオンの言葉にマリアンはポカンとした表情を浮かべる。

 

「それだけのために?」

「寂しくなるんでね……」

「仕方のない子ね。そんなではヒューゴ様に叱られるわよ」

 

 微笑みながら冗談を言うマリアン。

 しかし今のリオンにとっては、ヒューゴは名前すら出してほしくない人物となっていた。

 

「あんな奴のことなんか口にしないでくれ…」

「エミリオ……そんなことを言うものじゃありませんよ」

「ごめん、マリアン……僕が悪かったよ……」

「分かってくれればいいわ」

 

 マリアンに(たしな)められ、素直に謝罪するリオン。

 そこで少し気まずい雰囲気となってしまったのだが、そろそろ行かなくてはいけない時間が迫っていた。

 

「それじゃあ行ってくるよ」

「エミリオ……気を付けてお行きなさい」

「大丈夫だ……心配ないよ。あいつも……エドワードもいるしね」

 

 リオンはそう言って屋敷を出た。

 マリアンは寂しそうにしているリオンを見て少し困った顔をしていたが、そのまま仕事に戻るのだった。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 馬に跨り、北に向かって走り出すエドワード。

 

「なあ時雨(しぐれ)

『どうした?』

「そろそろなんで先に行くように言ったのか教えてもらえないか?」

『……ああ、そうだな。正直どうなるかは俺もまだ分からないんだが、もしかしたら()()()()()()()()()()と思ってな』

「……間に合う?」

『ああ。リオン達と同じペースで行くと、ほぼ確実に間に合わない。神の眼は奪われているんだ』

「なぜそんなことを言い切れるんだ?」

『俺には分かるんだ……この先何が起こるかが()()だけどな……』

 

 そう言ってそのまま黙ってしまう時雨(しぐれ)

 エドワードはもっと深く聞こうとしたが、ストレイライズ神殿へ向かう途中の森に着いたので馬を走らせることに集中することにした。

 森の中を馬で走らせる行為自体が危険だし、駆け抜けるにはかなりの集中力がいるからだ。

 

 そうして出てきたモンスターを馬上から一閃にしつつ、森の奥へと進んでいく。

 森を抜けた先に出てきたのはかなり大きな神殿だった。

 

「着いたか!」

『ああ、なるべく急いでくれ!』

「分かった!」

 

 神殿の入口に馬を付けるとそのまま中に入っていく。

 エドワードは人気が全く無いことに違和感を覚えた。

 

「全然人がいないな……」

『ああ、多分奥の間に閉じ込められているんだろう』

「助けたほうがいいか?」

『いや、それはリオン達に任せて俺らは大聖堂へ行くぞ』

「……分かった」

 

 エドワードは大聖堂へ向かう。

 扉を開けるとそこには荘厳な部屋があり、奥には光に反射しているステンドグラスと女神像があった。

 時雨(しぐれ)はエドワードに女神像の前に向かうように指示をして、女神像の前で呪文を唱え始めた。

 

『天にまします我らが神よ。森羅万象を司る我らが心理。

暗き静寂の中よりいでし、暁の大海の守護者……。

我は命ずる。女神アタモニの名において、我らに道を示し給え』

 

 時雨(しぐれ)が呪文を唱え終えると、女神像が輝き始める。

 光が収まると目の前の隠し扉が開き、地下に続く階段が出てきた。

 

『よし。先に進むぞ』

「ああ。この先に神の眼があるんだな?」

『そうだ。だが油断するな。多分戦闘になるかもしれん』

 

 地下に進んでいくと、ボロボロになった通路があり、なにか争ったような形跡があったためエドワードが急ぐことにした。

 奥まで走っていくと、何か言い争う声が聞こえた。

 

「フィリア……私と来るのを拒むというのか?」

「……はい。私は──」

「──そうか。お前には失望した。この場で石と化すがいい!」

 

 男の声が響き渡り、何かが光るのが見えた。

 エドワードはまずいと感じ、奥の広間へと入っていく。

 そこには数人の神官と思われる男と一人の女性、そして巨大なレンズがあった。

 

『間に合ったか! アレが神の眼だ!』

「よし! 男達が敵か!?」

『そうだ! ……まずい!男が神の眼に触れてモンスターを出しやがった! まずはそいつらを倒すぞ!』

 

 エドワードは現れたモンスターを魔神剣で吹き飛ばすと、フィリアと呼ばれていた女性の前に立った。

 

「き……貴様! 何者だ!?」

「どうやってここまで入ってきた!?」

 

(五人いるが……ヤバそうなのは二人だけだな。俺が時間を稼げばリオン達が来てくれるはずだが…)

 

「……俺の名はセインガルド王国客員剣士エドワード・シュリンプだ」

「王国客員剣士だと!?」

「なぜこんなところにいるんだ!」

 

 エドワードは時雨(しぐれ)を仕舞い、抜刀術の構えを取る。

 武器を仕舞ったのを見た何人かは、争うつもりがないのかとホッとしたが、エドワードが消えた次の瞬間には気絶していた。

 避けたのは二人の男。灰色の髪の毛を逆立てたもみあげの長い男とメガネを掛けた男だった。

 

「大司祭様、バティスタ! もうやめてください!」

 

 フィリアは二人の名前を呼ぶが、一瞬見ただけですぐにエドワードに視線を戻した。

 エドワードは相手が少しでも油断すればすぐにでも攻撃を仕掛けるつもりだったが、隙が無かったため心の中で舌打ちをした。

 

(やばいな……このレベルに二対一はきついかもしれん……)

 

「グレバム様。ここは私にお任せを」

「分かった。それでは私はこの者たちを起こして神の眼を運ぶことにしよう」

 

 そう言って気絶した人にライフボトルらしきものを使おうとする。

 エドワードは「そうはさせるか!」と言ってグレバムと呼ばれた男に攻撃を仕掛けるが、メガネを掛けた男が目の前に現れ攻撃を防ぐ。

 両腕には大型の爪を装着しており、時雨(しぐれ)の攻撃を問題なく防ぐのであった。

 

「ここは通さないぞ……」

「ちっ……。時間がないってのに」

 

 エドワードは若干の焦りを出しながらも、リオン達が早く来てくれることを祈るのであった。

 




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