《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜   作:ねここねこねこ

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第二十三話

 エドワードとバティスタの攻防の後ろで、一人、また一人と意識を取り戻していく。

 意識を取り戻した者へ大司祭グレバムが指示を出し、神の眼を運んでいこうとしていた。

 

(これはちょっとまずいな……)

 

「オラオラオラオラぁぁ!! 俺の攻撃を防げるのかぁ!?」

 

 バティスタが時間稼ぎも兼ねてエドワードに連続攻撃を仕掛けてくる。

 しかし、右手の爪でエドワードを攻撃した瞬間にエドワードはそこから消えてしまっていた。

 

「な……!? ど、どこ行きやがった!?」

 

 バティスタは動揺して周りを見渡したが、エドワードの姿が見えず、気が付いたときには背中に衝撃を受けて飛ばされていた。

 エドワードの周りが淡く光っており、先ほどとは雰囲気も違っていたのだ。

 

「お前に手加減している場合じゃなくなったんでな。これで終わりにしてやる」

 

 エドワードは倒れているバティスタを右肩から斜めに時雨(しぐれ)で切ったあと、バティスタの右の太ももに思い切り刺した。

 苦悶の表情のあとにバティスタは気絶する。

 エドワードが時雨(しぐれ)を引き抜くと身体や太ももから血が溢れ出てくるが、あとで道具を使えば一命は取り留めると思い無視したのであった。

 

 時雨(しぐれ)を右手に持ったまま振り返ると、グレバム達が神の眼を丁寧に運び出そうとしているところであった。

 

「大司祭様! おやめください!」

「ええい! フィリア! うるさいぞ!」

「きゃあ!」

 

 グレバムが、止めようとしたフィリアを殴りとばす。

 その勢いでフィリアは気絶してしまう。

 

「おいおい。神殿で女性に手を上げちゃ駄目だって習わなかったのか?」

「ちっ。バティスタを()ったのか……」

「……まだ生きてるよ。これから尋問しないといけないんでな」

「……お前らはこれを運び出せ。ここは私に任せろ」

「は、はっ!」

 

 グレバムが立ち塞がったため、エドワードが突撃した。

 時雨(しぐれ)による突きが届く瞬間に何かに弾かれた音が鳴り、エドワードは吹き飛ばされる。

 

「ようやく見つけたぞぉぉぉ!!! ソーディアンマスタァァァ!!!」

『こんなときになぜお前がここにいるんだ! バルバトス!!』

時雨(しぐれ)かぁぁ? そんなの決まっているじゃないかぁぁ! お前達と戦いたいからだよぉぉ!!」

 

 エドワードとグレバムの間に出てきたのは、バルバトス・ゲーティアであった。

 以前よりも力を増している様子に、エドワードは心の中で舌打ちをした。

 

(ちっ! こんなところでこいつが来るとは。しかも前回よりも明らかに強くなってやがる……)

 

 グレバムはよく分からないが、突如現れた男が自分を攻撃するつもりがないと知るとそそくさと逃げていった。

 エドワードと時雨(しぐれ)はその様子を見ていたが、目の前にいるバルバトスを倒さないと先には追いかけられないと思い、戦闘態勢に入った。

 

『今度の貴様はいつの時代のやつなんだ?』

「さてなぁ? 知りたかったら俺を倒してみるんだなぁ!」

 

 そう言いつつもバルバトスが斧を持って突っ込んでくる。

 エドワードは斧を受け流しつつ、左に流れて反撃するもバルバトスの右腕にかすかに傷を付けただけだった。

 

「なんだあいつ……全く傷付かない!」

「ははははぁ! その程度の攻撃が俺に効くわけがないだろうがぁ!」

 

 バルバトスはエドワードの攻撃が自分にほとんど傷を付けることが出来ないと理解した途端に、防御無視で突っ込んでくる。

 左腕に持った斧を大きく振り下ろし、それを左に避けるエドワード。

 しかしそれを読んでいたかのように斧を途中で止め、右足でエドワードを蹴り飛ばす。

 エドワードは吹き飛んだあと、そのまま壁に激突する。

 

「ぐっ……あいつ……フェイントなんて前に使えたか……?」

『いや、そんな器用なやつではなかったはずだ。どうする? このままやられるか?』

「そんなわけないでしょ。……ったく、いつもアイツのときに新技のお披露目をしているな」

 

 よろよろと立ち上がるエドワード。

 バルバトスはその姿を笑いながら見つめている。

 

「………」

 

 エドワードが晶術を唱えようと詠唱を開始する。

 

「今更悪あがきしたところで無駄だぁ!」

 

 バルバトスは晶術の詠唱を止めさせようと再度突っ込み、斧を振るう。

 しかし、そこにエドワードの姿はなかった。

 

「ぐう……またしてもあのときの術か!」

「……似てるけど、違うんだよ」

 

 エドワードはバルバトスの後ろに現れ、背中を攻撃する。

 わずかに傷が付く。バルバトスが攻撃されたことに気が付き、後ろを振り返るがそこにエドワードはいなかった。

 そこからはエドワードが現れて僅かに傷を付け、消えるを繰り返していく。

 

 本当にかすかな傷だが、無数に付けられてはバルバトスの怒りも頂点に達する寸前だった。

 

「チマチマ、やってんじゃねぇぇぇ!!!」

 

バルバトスが周囲全体を攻撃しようとしたところで、背後にエドワードが現れる。

 

「この時を待っていたよ」

「な…なんだとぉぉぉ!?」

 

 エドワードはバルバトスの背中に対し、上半身のバネのみを使い、猛烈な威力の突きを放つ。

 零距離から放たれた突きは威力を一切殺すことなく、バルバトスの身体を突き抜け、時雨(しぐれ)を刺したままその巨体を吹き飛ばすのであった。

 

「奥義……絶空(ぜっくう)・零式」

 

 エドワードがバルバトスや他の強敵と出会ったときにと用意しておいた奥義である。

 まだ完璧に使いこなしてはいないのだが、時雨(しぐれ)が得意としていた奥義の一つでもあった。

 

 バルバトスは背中に時雨(しぐれ)を刺したまま、立ち上がれないようであった。

 

「ぐ……ぐぅぅ。ま、またしても貴様にやられるとは……だが俺はまだ負けていないぞぉぉ!

覚えていろ! ソーディアンマスタァァァ!!!」

 

 そう言い残し、消えていった。

 バルバトスが消えた直後、時雨(しぐれ)が地面に落ちる音が鳴り、戦闘が終了したことが分かった。

 

「よ、ようやく終わったな」

 

 時雨(しぐれ)を拾い、一息つくエドワード。

 だが、そこには安堵ではなく厳しい顔が浮かんでいた。

 

『グレバムには……逃げられてしまったか』

「ああ。あいつらはこれからどこに行くのかを調べないといけないな」

『その前にバティスタを拘束して、フィリアを介抱しよう』

「……おっと、そうだった。バティスタもこのままだと死んでしまうかもしれないからな」

 

 そう言って、エドワードはバティスタを拘束後、応急処置をするのであった。

 




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