《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜 作:ねここねこねこ
『いやー! 海は広くて気持ちがいいですねー!
船の旅っていうのも久々ですし、坊ちゃんも楽しみましょうよ!』
「シャル、物見遊山の旅じゃないんだ。僕たちは何が何でも神の眼を取り戻さなきゃならない。それを忘れないでくれ」
「まぁそんなに力を入れても仕方ないだろう。力の入れどころと抜きどころを間違えないほうがいいぞ」
シャルティエとリオンが話しているところに、エドワードが現れる。
「……うるさい」
「ま、そう言うなって。……ところで一つ聞いてもいいか?」
「……なんだ?」
「ルーティに自分が実の弟だと伝えないのか?」
「……僕はあいつのことが好きじゃない。だから伝える必要もない」
「んー、そんなもんか? でもいずれは言うんだろ? そのときにタイミング逃して、
言えるタイミングで言うのが一番だからな」
「……」
『あれ? ディムロスが呼んでいるな。船室に戻るぞ』
戻ると各々が座ってくつろいでいた。エドワード達が戻ると全員が集まる。
「呼んでいたみたいだけど、どうした?」
『これからグレバムを追跡するにあたり、お前達に一つ提案がある』
『相手が神の眼を持っている以上、こちらも戦力を強化すべきだと思うの』
『実はこの近くの海域に、もう一本ソーディアンの眠る場所があるんです』
『正確には第二大陸近くの海中に沈んだ大昔の輸送船の中ね』
『ソーディアンの名前はクレメンテだ。変態爺さんだが、役には立つぞ』
『こら
回収しようという提案に対して、「ふむ……」と悩むリオン。
「いいじゃない、回収していきましょうよ。せっかくの機会だもの。……今度こそ、売り飛ばすって手もあるしね」
ルーティが冗談なのか本気なのか分からないことを言い出したので、全員で無視をすることにする。
「その輸送艦とやらが沈んでいる場所の正確な位置はわかるか?」
『分かる』
「よし、ならば向かおう」
「……ちょっと待て。本当にそれでいいのか?」
クレメンテ回収に関して、エドワードが待ったを掛ける。
全員がエドワードを見たので、自身が思っていることを口に出す。
「前回のストレイライズ神殿のとき……こっちがもっと早く着いていれば神の眼は奪われることは無かった。
クレメンテというソーディアンが強力なのは分かるが……本当に全員で行ってもいいのか?」
『しかし……今は少しでも戦力を揃えておかねばならないだろう』
「ああ、取りに行くのはOKだ。でもそれなら二手に分かれないか?
クレメンテ回収チームが回収している間に、もう一チームはカルビオラで情報収集をするんだ。
これで無駄な時間を過ごさずに済むだろ?」
エドワードの疑問に対してディムロスが反論するが、エドワードが妥協案を出す。
二手に分かれる提案は、一時的に戦力は落ちるが行動量が二倍になるため、こういうときは策として悪くはない。
「……そうだな。そうしようか」
「リオンが言うなら、俺も大丈夫だぞ!」
「馴れ馴れしく近付くな」
「なんだよー! 別にいいじゃんかよ!」
リオンに冷たくあしらわれて少し拗ねるスタン。
それを無視して、どういうチーム分けにするかを話し出すリオン。
「チーム分けはどうする?」
『エドとスタンとフィリアが回収チームで、リオンとルーティとマリーが情報収集チームでいいでしょ?』
『
『んー、そんな感じだね。フィリアは回収チームに入れる。あとは危険度と戦力バランスを考えた結果だな』
「僕はそれでいいぞ。エドワードもいいか?」
「ああ、大丈夫だ。早めに戻るから、情報収集を頼んだ」
チーム分けに関してディムロスは不服そうだったが、
回収チームのエドワード、スタン、フィリアがデッキに出て、もう一隻の船に乗り換える。
情報収集チームはそのままカルビオラに向かって進んでいった。
「そういえば取りに行くのはいいんだが、海の底にどうやって取りに行くんだ?」
「あれ? 泳いでいくんじゃないのか?」
『エド、スタン。ソーディアンを海に掲げてくれ』
エドワードとスタンは、
するとソーディアンが光りだす。
「うお! なんか光りだした!」
「何が起こるんだ……?」
スタンとエドワードが驚いていると、急に船の前方の海面が震えだす。
海鳥が逃げていくのが見え、エドワードは警戒する。
その瞬間、海が思い切り吹き上がり、海面とともに船が大きく揺れる。
「きゃあ!」
「フィリア! 俺に掴まれ!」
スタンが手を差し伸べるがフィリアが掴みそこねる。
そのまま飛ばされるとフィリアが思った瞬間、エドワードの手がフィリアを掴み引き寄せる。
「……大丈夫か?」
「え……あ、は、はい。ありがとうございます……」
抱き締めるような格好になっていたので、フィリアは思わず顔を赤くしていた。
エドワードはそれに気付き、「あ、失礼」と言ってすぐに離すが、フィリアは顔を赤くしたままだった。
「な、なんだこの化け物は!!」
スタンが叫んだ先を全員が見てみると、そこには船よりも大きな首の長い生き物がいたのであった。
『慌てるな、海竜だ! 飛行竜に似たものだと思えば良い』
「これも乗り物!? すげえ!」
『俺達の呼びかけに応じて、クレメンテが送ってきてくれたんだ』
「よし、じゃあ行くぞ」
海竜に乗り込もうとする一行。
その時、かすかにフィリアだけには、自身を呼ぶ声が聞こえていた。
「今……誰かが私を呼んだ……?」
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