《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜   作:ねここねこねこ

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間話 それぞれの修行

「フィリア、クレメンテのマスターになって何か変わったか?」

「えっと……まだそこまで実感は湧いていないです」

「そうだろうね。剣術に関しては今から少しずつ学んでいくしかないからな。

多分見た感じだが……クレメンテの切れ味はあまり良くないだろう?」

『なんじゃ、エドワード。そんなにすぐに分かるのかの?』

「ああ。それなら晶術を中心にしつつ、防御の仕方を覚えたほうが効率いいな」

 

 輸送艦(ラディスロウ)の中で出てくるモンスターを相手にしながら、エドワードが戦い方を教えていく。

 フィリアは力が強くないため、敵の攻撃を受けるよりも受け流す方に特化して教えていた。

 

「よし! そんな感じだ!」

「はい! ありがとうございます! ……ライトニング!」

 

 攻撃を受け流した後、晶術を唱えるフィリア。

 モンスターの頭上から光が発生し、いかずちが落ちる。

 ライトニングを受けて、モンスターは黒焦げになっていた。

 

「次はスタン、お前だ。スタンは猪突猛進なところがあるから、フィリアが晶術で敵を倒すのに集中できるように守る練習だ」

「ちょとちゅもうちん……?」

「あー……馬鹿みたいに突っ込むなってことだよ。できるよな?」

「ああ、そういうことかぁ! 分かった!」

 

 ちょうどよくモンスターが二体現れて、戦闘が始まる。

 

「スタン! 適度に敵を引きつけろ! モンスターのヘイトを稼いで、自分に集中するようにするんだ!」

「分かった!」

 

 モンスターが後ろに行かないように、敵を引きつける。

 隙を与えないように細かく攻撃を加えることで、ヘイトを上手く稼いでいた。

 

「……行きます! ライトニング!」

 

 モンスターが二体まとめて黒焦げになる。

 スタンが上手く立ち回り、フィリアがライトニングを唱える直前に二体が一箇所にまとまるようにしたのだ。

 

(こいつ(スタン)……やっぱり才能(センス)はあるんだよな。今のも多分無意識にやっていただろうし。……バカじゃなければなぁ)

 

 心の中でため息を吐くエドワード。

 だが、スタンの純粋さがなくなってしまうと彼本来の魅力も失われるような気がしていて、完全な否定は出来ないのであった。

 

「うん、そんな感じだ! いいぞ!」

 

 その声にスタンとフィリアは嬉しそうな顔をしてハイタッチをする。

 とりあえず褒めて伸ばすことにしたエドワードだった。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「そういえばクレメンテはなんでフィリアをマスターにしたんだっけ? マリーさんだって良かったんじゃないのか?」

 

 スタンが素朴な疑問を投げかける。

 クレメンテは少し考えた後に答える。

 

『マリーというのは、もう一人の仲間かな? おそらくじゃが、その娘にはソーディアンを扱う素質がなかったのじゃ』

「素質?」

『そうじゃ。我らの声を聞くことが出来るのが大前提なのじゃが……あとはフィーリングかの?』

「……なんかお見合いみたいだな」

『ふぉっふぉっふぉ。そうじゃのぉ……それに儂もどうせ素質がある新たなマスターを得るのなら、ピチピチの娘の方が良かったからのぉ』

『クレメンテ老……』

『相変わらずのすけべ(じじい)だな』

 

 クレメンテの言葉に苦笑いする一行

 ただ一人、クレメンテだけが笑っていた。

 

 話をしていると、スタンがディムロスを抜き天井に隠れていたモンスターに斬りかかる。

 モンスターはスタンに斬られて、地面に落ちていく。

 

「スタンさん、避けてください!」

 

 フィリアが服の中から何かを取り出したかと思うと、モンスターに投げる。

 モンスターに当たった瞬間、爆発が起き、モンスターは粉々に吹き飛んだ。

 

「え……」

 

 その威力にエドワードとスタンは絶句していた。

 先程まで使っていたライトニング以上の威力だったからだ。

 

「実は……皆さんの足手まといにならないようにと()()の研究していたのです」

「それにしてもすごい威力だな」

『あれだな、爺さんがいなくてもフィリアは十分強かったんじゃないか?』

『む……むぅ……』

 

 フィリアがフラスコを取り出し見せると、エドワードは感心していた。

 そして時雨(しぐれ)の冗談に対して、クレメンテが黙ってしまうのであった。

 

「え、でもクレメンテがいてくれて攻撃の幅が広がったのは助かりますわ!

この爆弾(フィリアボム)は投げられる範囲が狭いので、クレメンテの晶術があると皆様のお役に立てますし」

『そ、そうじゃろう、そうじゃろう! 時雨(しぐれ)も滅多なことを言うでないぞ!』

 

 フィリアのフォローに対して気を良くするクレメンテ。

 単純な爺さんだなと時雨(しぐれ)は思いつつ、内心で苦笑いをしていた。

 

「よし、輸送艦(ラディスロウ)の入り口に着いたぞ」

「これからカルビオラに向けて出発するんだよな?」

「ああ、リオン達に早く追いつこう」

 

 エドワードは急がなくてはいけないと分かっていたのだが、スタンとフィリアのために輸送艦(ラディスロウ)内で少し時間を取っていた。

 それはリオンに対し、少しでも二人が良い印象を持ってもらえるためにしていることでもあり、今後の戦闘が楽になるために必要なことでもあったのだ。

 

(リオンがいるところで急にこれをやったら、「時間の無駄だ」とか言って不機嫌になりそうだからな。少しでも意味があると思わせておこう)

 

 思いがけない収穫(フィリアボム)もあったので、エドワードは心の中で笑いながら海竜に乗り込むのであった。

 そしてフィリアは海竜に乗るときも降りるときも、手を差し伸べてレディーファーストを心掛けてくれるエドワードにかすかなときめきを覚えるのであった。

 




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