《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜   作:ねここねこねこ

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第二十七話

「カルバレイスに着いたぞ! あっついなー!! でもなんか元気出てきたぁ!」

 

 スタンがカルバレイスに着いたと思いきや、大声を出す。

 エドワードとフィリアはおかしい人を見る目で、スタンを見つめる。

 

「リオンがここにいるのか?」

「多分ね。とりあえず探しに行こうか」

『ここの町にはもういないと思うぞ。首都のカルビオラに向かおう』

「え、なんでそんなのが分かるんだ?」

「……スタン。いい加減に慣れろよ。時雨(しぐれ)、首都カルビオラなんだな?」

『ああ、リオン達に早く合流しよう』

 

 港町チェリクの北にあるというカルバレイスの首都カルビオラ。

 エドワード達は、リオン達を追って急いで向かうのであった。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 道中、モンスターに苦労することもなく進んでいく。

 ラディスロウの中で戦闘訓練をした効果が出てきているようであった。

 エドワードも戦闘に参加しているので、殲滅スピードは更に上がっていた。

 

「いやぁ〜! エドワードは強いよなぁ!」

「まぁ修行をしていたからね」

「今度手合わせしてくれよ!」

「暇になったらね。……っとあそこがカルビオラだな。フィリア、大丈夫か?」

「は、はい……」

「無理するなよ。着いたら一旦休憩をしようか」

「あ、ありがとうございます」

 

 暑い中をずっと歩いているため、フィリアは体力の限界が近付いていた。

 スタンは逆に暑いと元気が出るのか、いつもよりも声も大きくなっていて、その声は二人にとっても少し厄介な存在になっていた。

 だがそれを口に出すことなく黙々と歩き続け、ようやくカルビオラに到着したのであった。

 

 

「とうちゃーく! リオンはどこにいるのかなー?」

「……ん? あんたら旅のもんかい? どこから来たんだい?」

 

 カルビオラに到着したところで、見知らぬ女性が話しかけてくる。

 エドワードは一瞬警戒するが、スタンは気にせずに会話を始める。

 

「俺達チェリクから来たんだ!」

「そうかいそうかい。暑い中ご苦労だったねぇ!」

「ところでちょっと前に俺達のような三人組の旅人が来ませんでしたか?」

「……ああ! そういえば来てたよ。なんでもストレイライズ神殿に行きたいから場所を教えてくれとか言われたねぇ」

「それ多分リオン達だ!」

「神殿は……どこにあるのでしょうか?」

「ああ、街の北さ。その旅人にも言ったんだが、あんまり関わるんじゃないよ。

あんなくだらん物、いくらこさえたって無駄だよ。

あたしらには、あたしらの神がいる。よそ者の神なんぞに用はないからね」

 

 そう言ってその場から立ち去っていく女性。

 あまりにも突然立ち去っていくので、三人は呆然とするのであった。

 そこでフィリアが話し出す。

 

「前にアイルツ司教様から聞いたことがあります。

カルバレイスの住民とは、過去にあった天地戦争での敗者側だったのだと。

だから独自の信仰が根強くて、勝者側が作った宗教は受け入れづらいため、布教に苦労しているのだとか」

「そうだったのか。とりあえずストレイライズ神殿に行くのもいいが、一旦宿を取ろう。

フィリアも休憩をしたほうがいいからね」

「エドワードさん……ありがとうございます」

 

 エドワード達が宿に向かうと、ちょうど宿から出てきたリオンと出くわす。

 リオンはこちらに気付き、近付いてくる。

 

「……エドワード。なぜ僕らがここにいると分かった」

「んー、時雨(しぐれ)が多分首都に向かったんじゃないかと言い出してね。

暑かったから宿で休憩を取ろうとしていたところだったんだ。リオンは何か情報を得られたのか?」

「ああ。とりあえず街を散策しながら、様子を見ようと思っていた」

「お、それなら俺も付き合うよ。スタンとフィリアは宿で休んでいてよ」

「分かった!」

「分かりましたわ」

 

 リオンとエドワードはスタン達と別れて、お互いの近況について報告し合う。

 エドワードはクレメンテ入手から、マスターがフィリアになったこと。そして道中で戦い方などを教えていたことなど。

 

 リオンはチェリクに着いてから、バルック基金に向かったが情報を得られなかったこと、その後に情報屋からカルビオラに何かが持ち込まれたことを聞いたので、カルビオラに向かったこと。

 カルビオラではストレイライズ神殿に大きな荷物が運ばれたことなど。

 

「情報共有はこんなところか?」

「ああ。これからだが……」

「それは宿に戻ってから全員で話すとするか」

「そうだな」

 

 リオンとエドワードは情報共有をし終えて、街の様子を見終えた二人は場所を高台に移す。

 そこでリオンが静かに話し出す。

 

「……なぁエドワード。この国の住人は本当に凄いと思わないか?

こんな砂漠の中でよく生活している。僕だったらとてもじゃないが無理だ」

「まぁ、彼らなりに精一杯生きているのかもしれないな」

「こんな過酷な砂漠で生きていけるなんて、不自然じゃないか。

もしかして……彼らは生きるために足手まといを見捨ててきたんじゃないか?

だからこそ彼らは強い……いや、逆か。強いものしか生き残れない」

「どうしたんだ? リオン」

「……いつか僕もその決断を迫られるような気がするんだ……。その時の決断を間違えたらと考えると、僕は……」

 

 リオンは顔を俯くと、そのまま黙ってしまった。

 エドワードは少し考えるとリオンに話しかける。

 

「リオン。俺さ、人生って選択の連続だと思うんだ」

「……」

「俺もなんだけどさ、今後も選択を間違えることはたくさんあると思う。

だから迷ったら……周りを見てみるといいさ」

「周り……を……?」

「そう。周りをね。シャルティエやマリアンだけじゃなくてさ、リオンの周りには俺やスタン達もいるしね。

一人じゃ弱くて生き残れないような状態だとしても、みんな集まれば生き残れるかもしれないから」

「……」

「……まぁスタンはちょっと頼りないけどな!」

 

 笑いながらスタンのことを言うエドワード。

 リオンは軽く笑い、「ありがとう」と呟く。その声はシャルティエにだけしか聞こえないほど小さな声だった。

 そしてエドワードに向き合う。

 

「僕はああいう能天気で図々しくて馴れ馴れしい奴が大嫌いだ。……だが、少しは考えておいてやらんでもない」

「そうか。じゃあそろそろ戻ろうぜ。あいつらも休憩出来ただろう」

 

 リオンとエドワードは揃って宿へと戻っていくのであった。

 




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