《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜   作:ねここねこねこ

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第二十八話

 宿に戻ったエドワード達はスタン達と合流した。

 各々休憩を取っており、フィリアも顔色が良くなっていた。

 

「お! リオンとエドワード! 戻ったのか!」

「ああ。これからについて話し合うぞ」

「それについて考えたことがあるのですが……」

 

 宿に戻り、話し合いを始めたところでフィリアから提案があると話してきた。

 

「ストレイライズ神殿に神の眼が運ばれたということでしたら、私が先に入っておきますわ。

裏口の鍵を開けておきますので、夜になったら入ってくるというのはいかがでしょうか?」

「……悪くないな」

「ああ、でもフィリアは大丈夫なのか?」

「ええ、エドワードさん。心配してくださってありがとうございます。では早速行ってまいりますわね」

 

 フィリアは話がまとまると、準備もそこそこに宿から出ていってしまった。

 残りの全員は夜になるまで待機することとなった。

 

 

 

 

 夜になり、宿を出ようとしていたが、スタンだけが全く起きる気配を見せなかった。

 

『スタン、起きろ。そろそろ出発するぞ』

「すかー……」

「こいつ、本当に寝起きが悪いわね」

「リリス……飯まだ……?」

『リオン、この際だ。例の電撃を見舞ってやってくれ』

 

 リオンは呆れるルーティとディムロスにお願いされたので、スイッチを出し電撃のスイッチを押す。

 すると電流がスタンを駆け巡り、大きな声を出して痙攣する。

 少ししてリオンがスイッチを切ると、スタンはむくっと起き上がった。

 

『目が覚めたか、スタン』

「う、うん……さ、覚めた」

「さっさと行くぞ。ストレイライズ神殿の裏口だ」

 

 リオン達は全員でストレイライズ神殿へと向かう。

 裏口らしき場所に着いたとき、鍵が開いているのをエドワードが確認する。

 

「ここが裏口だな……。中は暗いが大丈夫なのか?」

「……エドワードさんですか?今明かりを付けますね」

 

 中に入ろうとすると、フィリアの声がしたあとに明かりが灯る。

 全員が静かに神殿の中に入ると、フィリアは裏口の扉を音を立てずに閉めるのであった。

 

「中の様子はどうだった?」

「グレバムやその一味を見かけることはありませんでした。

ただ……セインガルドの神殿同様、ここにも大聖堂があります。

そこから地下の秘密の間へ通じているかもしれません」

「よし、行ってみるぞ」

「見張りの神官が巡回しています。バレないように隠れていきましょう」

 

 リオンの質問に対し、大聖堂があるので向かってみようと提案するフィリア。

 神官にバレると厄介なことになるので、隠れながら進む一行。

 

「ちょっと止まってください。この先に見張りがいるのですが、このままだと鉢合わせてしまいます」

「……どうするんだ?」

「私に任せてください。皆さんは近くの部屋に隠れていてください」

 

 そう言って、堂々と姿を見せて歩き出すフィリア。

 見張りの神官に見つかると「何をしている?」と質問を受ける。

 

「実は……寝れなくなってしまったものですから、大聖堂へ行って神へ祈りを捧げようと思いまして……」

「そうか。場所はわかるのか?」

「はい。この先を真っ直ぐでよろしいんですよね?」

「ああ。照明があまりないから足元に気を付けるようにな」

 

 見張りの神官は、そのまま歩いて行ってしまった。

 フィリアは安堵のため息をつくと、エドワード達が隠れている部屋に戻った。

 

「皆さん。見張りはなんとかやり過ごせました。この先に大聖堂がありますので、急ぎましょう」

 

 フィリアの後ろについて数分ほど歩くと、大聖堂へと続く扉を見つける。

 扉を開けて中へ進むと、そこにはセインガルドの神殿と同じような構造の大聖堂があった。

 

「ここが大聖堂か。本当に地下へ通じているのかな?」

「調べてみます。私に任せてください」

 

 フィリアはそう言って、女神像の前に行き祈りを捧げ始める。

 すると大聖堂の真ん中に地下へと通じる階段が現れたのであった。

 

「セインガルドの神殿にあった仕掛けと基本的な構造は同じでしたわ」

「よし、下りてみよう」

 

 フィリアの声にスタンが反応し、全員で慎重に階段を下りていく。

 階段を下りていくと、その先に広間があり淡い光を放つ大きな物体と一人の人間がいた。

 

『あれは……神の眼だ!』

『本当ね! じゃああそこにいるのが……』

「ええ、グレバムですわ」

 

 ディムロスとアトワイトの会話にクレメンテを抜きながらフィリアも入り、警戒しながら進んでいく。

 足音に気付いたグレバムが後ろを振り返ると驚いたような顔をする。

 

「何だ貴様ら……どこから入った!? ……む、フィリアか!」

「グレバム! もうやめなさい!」

「誰に向かってそんな口を利く。偉くなったものだな、フィリアよ」

「……もはやお前に逃げ場はない。覚悟しろ」

 

 リオンが話を遮るようにシャルティエを抜き放ち、前に出て構える。

 

「そのソーディアン……! 貴様、リオン・マグナスか!?」

「おっと、俺もいるぞ。おっさん!」

「貴様ぁぁ! 前回の屈辱は忘れておらんぞ!

……だがリオン・マグナスが私を追ってくるとは……そういうことか! すべて飲み込めたぞ!」

「お前何を言っている?」

 

 リオンの質問に対し、グレバムは大きな声を上げて笑い始める。

 全員が更に警戒をする。

 

「まぁいい。そういうことなら、ここからは私の自由にさせてもらおう。

そうとも。何も恐れることはない。神の眼を持っているのは私なのだからな」

「全員構えろ!」

 

 グレバムが神の眼に触れた瞬間、神の眼がまばゆい光を放ち始める。

 エドワードが時雨(しぐれ)を抜き、全員に構えるように言う。

 

 

 

 

 

 

 光が収まると、そこには無数のモンスターが現れたのであった。

 

 

「こいつは……バジリスクだ! 石化攻撃に注意しろ!」

「くははははは! お前らはこいつらの相手でもしているがいい!」

 

 グレバムは別のモンスターを召喚すると、神の眼を運び出しながら悠々と広間から立ち去っていく。

 

「ちょっと! どうするのよ! このままだと逃げられちゃうわよ!」

「流石にまずいな……ここは二手に分かれたほうがいいのでは?」

「マリーさんの言うとおりですわ! グレバムを逃してはいけません!」

 

 バジリスクに囲まれた状態でルーティ、マリー、フィリアの女性陣がすぐに頭を切り替えて二手に分かれる提案をする。

 その声を聞きエドワードはリオンと目を合わせると、お互いに頷きあった。

 

虚空蒼破斬(こくうそうはざん)!!」

 

 エドワードは広間の入り口に向かって、光弾で自身の周囲を守りつつ蒼き斬撃波を放つ。

 その衝撃波にバジリスクが吹っ飛んでいき、道が出来る。

 

「よし! 全員入り口に向かって走るぞ!」

 

 リオンを先頭に入り口に向かって走り出す一行。

 そして、入り口を全員が抜けたところでエドワードだけが立ち止まり、リオン達に背を向ける。

 

「エドワード!? 何してるんだ! 早く行くぞ!」

「……スタン。ここは俺に任せて先にいけ。お前達はグレバムを追うんだ」

 

 エドワードはスタンに対し、グレバムを追うように伝えて殿(しんがり)を務めると話す。

 リオンと目を合わせたときに、どちらかが殿(しんがり)を務めて足止めをして、どちらかがグレバムを追うということを決めていたのであった。

 しかしそれで納得するスタンではなかった。

 

「ダメだ! こんなにたくさんいたらエドワードだって危ない! 俺も残る!」

『スタン! エドワードの気持ちを考えろ! 今の優先は神の眼だろう!』

「ディムロスの言うとおりだ。……リオン、こいつらはまだまだ未熟だがいくらでも強くなる。

いずれ頼れる存在になるはずだから、今は導いてやってくれ」

「ふん。そんなことは分かっている」

「……グレバムを捕まえろよ」

「……ああ」

 

 エドワードはその声を聞くと軽く微笑み、晶術の詠唱を始める。

 

「………エナジーブラスト!」

 

 唱えた先はバジリスクではなく、リオン達とエドワードの間の天井であった。

 小規模な爆発が起こり、天井が崩れていく。

 スタンのエドワードを呼ぶ声だけが一際大きく聞こえるのであった。

 




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