《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜 作:ねここねこねこ
「ん……? あれ……ここは……?」
エドワードは硬い地面に寝心地の悪さを感じながらも目を覚ました。
そして徐々に自分がなぜここにいるのかを思い出していた。
(そうだ……! 俺はここでカンバラーベア・亜種と戦ったが、剣を折られて死にかけていたんだった……でもなんで俺は生きているんだ……?)
身体に痛みを感じるが、それはカンバラーベア・亜種に攻撃されたからではなく、硬い床で寝たときに感じる痛みだった。
ゆっくりと起き上がり、辺りを見回すとそこには首が胴体と離れた状態で倒れているカンバラーベア・亜種がいた。
そして、少しずつ思い出していく。
「そうだ……頭の中で声が聞こえて……石を抜いたと思ったら、カンバラーベア・亜種の首が切れて……俺はそのまま意識を失ったんだった……」
『そうだ。ようやく目を覚ましたか』
「……え!? だ、誰だ!?」
慌てて周りを見回すが、誰もいないのはさっき確認したばかりである。
頭の中に声が響いてくるので、これが気絶する前に聞こえた声だと確信する。
そしてエドワードは自分の右手に収まっている不思議な形をした剣を見るのであった。
『そうだよ。お前が持っている”刀”が”俺”だよ』
「か……かたな?」
『あー……なんて言えばいいかな? 東の国で作られている剣のことだと思えばいい』
「東ってことは、シデン領とかのことか?」
『そうだ。実際に作られたのは違うけどな。そういう認識でいてくれ』
エドワードはいきなりのことで混乱しており、頭が働いていない。
それもそのはずだ。”話す剣”など見たことがないし、そんなのが実在するはずがないと思っている。
「俺を毎晩夢で呼んでいたのは……君? なのか……?」
『ん? 俺は助けてくれと叫んではいたが、誰かの夢に入り込むことなんて出来ないぞ? あと、俺には”
「し、しぐれ……? あ、俺の名前はエドワード・シュリンプだ」
『エドワードか。よろしくな、俺の
「……マスター?」
エドワードはさらに混乱する。いきなり話す刀に”マスター”と言われても、なんのことか分からない。
『ああ、マスターだ。俺の声を聞くことができて、俺を抜くことが出来る者はなかなかいなくてな。
そんな奴に俺を使ってもらえたら嬉しいんだが……幸か不幸かエドワードの剣も折れてしまっただろ?』
床に転がっている折れた剣を見て── 一年と少し愛用していたため──少し寂しい気持ちになった。
(まぁ確かにこの刀のお陰で助かったんだし、今使える武器も無いから別に構わないか)
「分かった。これからよろしくな。それと、礼を言い忘れていたよ。俺を助けてくれてありがとう、
『気にするな。俺も新しいマスターを見つけることが出来たし、お互いに良い出会いができたと思っておこう』
「そうだな。ところでカンバラーベア・亜種はどうやって倒したんだ? あと、俺は傷が無いのはなんでだ?」
『ああ、それはな──』
マスターになった際に使える特技や術などがあること。今回使ったのは〈魔神剣〉という剣撃を飛ばす特技を
傷が無いことに関しては、
「れ、レベル……?」
『ああ、レベルというのは”強さの質”だと思ってくれればいい。あいつを倒して以前よりも強くなった気がしないか?』
たしかにここにくる前よりも力強くなっていたり、身体が軽くなっている感じがしていた。
「たしかにその通りかもしれない……」
『それが”レベルアップ”という現象なんだ。モンスターを倒したときに”経験値”を吸収して強くなるんだ。俺のマスターになった特典だと思ってもらっていい』
「そうなのか。じゃあモンスターを倒しまくれば、さらに強くなるのかな?」
『まぁ簡単に言うとそうだな。でも本人の技術が向上しないと、力に振り回されるだけになるからそこは気を付けろよ』
色々と説明を受けて頭がパンクしそうなエドワードだったが、考えるのを諦めて全て受け入れることにした。
それよりも今はここを離れた方が良いと感じた。
エドワードは
(柄は白なんだな。
今までは両刃だったから、そこには慣れないといけないな。それにしても……本当に綺麗だな)
『……ん? どうした?』
「いや……
『おう! それか! そうだろう? 俺がそのように望んだんだから、もっと見惚れてもらわないと困るぞ!』
笑いながら、褒められたことに満更でもない様子の
エドワードは苦笑いをしながら、鞘に
そして、洞窟から出たときにはちょうど朝日が登ったところであった。
「俺って結構な時間気絶していたんだな」
『そうだな! 何回声掛けても起きないから死んだかと焦ったよ』
「出会ったばかりのマスターが死んだら笑えるよな」と笑いながら話す
不吉なことをさらっと言う
(まぁ性格も合いそうだし、良い相棒になりそうだな)
◇◇◇◇◇
ダリルシェイドに戻ったエドワードは、街に入る前に
『人がいるところで俺に話しかけるなよ。俺の声を聞こえるやつは、周りには”ほとんど”いないからな』
「”ほとんど”? ……ってことは聞こえる人もいるってことか?」
『ああ。俺のように話す剣を持っているやつには聞こえるし、会話もできる』
「……待て待て!
『俺以外は刀じゃなくて”剣”だけどな。あと六本あるぞ。まぁその辺はおいおい話すよ』
それでも
(色々と聞きたいことはあるが……まぁ後で話してくれるって言っているし、今は一旦家に戻ってからフリックに戻ったことの報告をしに行こう)
街に戻ったことで本来のユルさが戻ってきたエドワードは、いつもの調子に戻りつつ自宅に帰った。
数日ぶりの自宅は特に何も変わったことはなく、軽く荷物の整理をしてから城に向かうことにした。
(今の時間なら……フリックは訓練場にいるはずだ)
ちょうど訓練の時間帯だったので、訓練場に向かったエドワードは衝撃的な光景を目にした。
そこで見た光景は、セインガルドの兵士が全員倒れている姿と、唯一立っていた”黒髪の少年”の姿だった。
(こ、これは一体どうなってるんだ? なんで全員倒れているんだ……? しかもあそこに立っている少年は夢で見た……)
『……ちっ。厄介なやつがいたな』
手には
少年はエドワードに対して話しかける。
「……お前は何者だ?」
まだまだ原作前です。
エドがレベルという言葉を知らないのは、一般人にはあまり知られていないという認識でいてください。
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