《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜   作:ねここねこねこ

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第三十六話

「おい、時雨(しぐれ)! お前の見ていた未来でもあんな()()()とリオン達は戦っていたのか!?」

『い、いや……あんなのはいなかった……。あれではまるで……ダオ……』

 

 時雨(しぐれ)はそれきり黙ってしまい、舌打ちをしたエドワードが構える。

 ウッドロウとハロルドも武器を構えて戦闘態勢に入る。

 

(なんてこった……神の眼の力があそこまでとは……あれは……あれはまるで……()()()()()()()そのものじゃないか!)

 

 時雨(しぐれ)は転生者であるからこそ、相手がどれほど強大な存在になってしまったのかに気付いていた。

 テイルズオブデスティニー。その前作であるテイルズオブファンタジアという作品に出てくる最終ボス”ダオス”。

 ダオスの最終進化形態こそフェザーダオスであり、グレバムは神の眼の力を使い、フェザーダオスそのままの姿に変化していた。

 

 「グ、グ……グァァァァァァ!!!」

 

 グレバムが叫びだし、人間の頭ほどの大きさの火球を四つ呼び出した。

 そして腕を振るうと、エドワード達めがけて放たれていく。

 

「みんな! 避けるんだ!!」

 

 ウッドロウが指示を出し、エドワードとハロルドも回避行動を取る。

 そしてエドワードがそのまま突撃して、攻撃を加える。

 

「行くぞ! 秋沙雨・一閃!」

 

 流れるような無数の突きの後に、横薙ぎ一閃の斬撃を加えていく。

 しかし、グレバムには一切攻撃が通じていなかった。

 グレバムはエドワードを腕で薙ぎ払い、数メートル吹き飛ばす。

 

「ぐ、ぐぁぁ!!」

「エド! よくもやったわね! ────プリズムフラッシャー!!」

 

 ハロルドが十本の光の槍を上空から呼び出し、グレバムに突き立てる。

 グレバムは少し呻くが、すぐに光の槍をかき消す。

 

「な……!?」

「次は私の番だ! 風神剣!!」

 

 ウッドロウが風の衝撃波を放つが、グレバムに片手で防がれてしまい、一切のダメージを与えることが出来なかった。

 グレバムが反撃とばかりに人を飲み込むレベルの大きさのレーザーをウッドロウとハロルドに放つ。

 

「危ない!!」

 

 ウッドロウは咄嗟にハロルドを抱えてギリギリ回避することに成功する。

 しかし、既に二人の顔からは絶望が浮かんでいた。

 

「ぐっ……いってぇな……」

 

 乱暴な口調でエドワードが起き上がる。

 そしてグレバムの放ったレーザーの威力を見て、愕然とする。

 

「おいおい……こんなの勝てるのかよ……」

『いや……恐らく無理だ』

「……時雨(しぐれ)()()()のことを何か知っているのか?」

『見た目だけはな……。もし強さも同じなら……最強最悪の敵だよ。今の俺達では天地がひっくり返っても勝てない相手だ』

「くそ! どうすれば……」

 

 エドワードが諦めかけたとき、そこに数人の足音が聞こえてくるのだった。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「おい、スタン! もう少し速く走れないのか! 置いていくぞ!」

「待ってくれよ、リオン!」

 

 リオン達はハイデルベルグ城に入り、戦いの音がする場所を目指していた。

 街で戦っていたチェルシーと話し、グレバムがハイデルベルグ城にいること、エドワードとウッドロウが先に向かったことなどを聞いたリオンはすぐに駆け出していた。

 その焦り方はエドワードが生きていたことに対しての喜びからなのか、次こそグレバムを逃さないという意思からなのかは本人以外分からない。

 それでも誰よりも速く走るリオンの姿に、全員が頼もしさを感じていた。

 

 城に入ると地震のように床が揺れる。

 リオンは戦いの気配を辿り、休むことなく走り始める。

 スタン、ルーティ、マリー、フィリアも後についていくが、リオンの足の速さに置いていかれていた。

 

 そして玉座の間に辿り着く直前で光とともに更に大きく地面が揺れる。

 フィリアが倒れそうになるが、マリーに支えてもらいなんとか体勢を直す。

 

「全員、この先だ! 戦闘準備!」

 

 リオンの号令で突撃した先に見たものは──絶望を体現した姿だった。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「エドワード! 端的に説明しろ!」

「リ、リオンか……。こいつがグレバムだ! 以上!」

「ちっ……」

『坊っちゃん。恐らくですが、神の眼の力を自身に取り込んだんですよ!』

『あやつめ……そんなことをしたら二度と元に戻れないじゃろうに』

 

 状況を把握し、異形と化したグレバムを倒す方法を考えるリオン。

 しかし、エドワードのボロボロになった様子を見て、見た目通りの強さであることを察知し、一歩が踏み出せずにいた。

 

「ディムロス! 何か手はないのか!?」

「そうよ! アトワイト!」

『手段がないわけではない……だが今の時代では不可能だ』

()()()がいてくれたら……』

「え? 手段ならあるじゃない。()()()が神の眼を操作すればいいだけでしょ?」

 

 スタンとルーティが自身のソーディアンと話していたところに、一人の女性の声が割って入った。

 後から入ってきた()()()には彼女が誰なのか分かっていなかった。

 しかし、その姿を見た途端、()()()()()()()が驚きの反応を示す。

 

『お前……ハロルドか!?』

『何でここに!?』

『もしや時雨(しぐれ)のやつに()()()()()()()()!?』

「そうよ。久しぶりね、ディムロス、アトワイト、シャルティエ、クレメンテ。

あたしがいるんだから神の眼の操作に関しては大丈夫。あとは……」

『そうか! 僕達がグレバムを引きつけて時間稼ぎをすればいいのですね!』

「そゆこと♪ さっきまでだとエドとウッドロウしかいなかったから正直難しかったけど、これだけ頭数いればイケるでしょ!」

 

 ハロルドがエドワードのことを()()と親しげに呼んだことに反応した者がいたが、今は誰もそれには気付いていなかった。

 何よりもグレバムをどう押さえつけるかを考える必要があったからだ。

 

「分かったわ! じゃあ、あそこでボロボロになってるエドワードにも手伝ってもらいましょ! ……ヒール!!」

 

 ルーティがヒールを唱えてエドワードを癒やしていく。

 全回復とまではいかないが、体が動くようになったエドワードは袋からグミを取り出して口に突っ込みながら、体勢を整える。

 

「それじゃあ、あんたらは時間稼ぎを頼むわ。連携はリオンを軸にして動きなさい。

エド! ウッドロウ! あんた達はリオン達の連携を邪魔しないように補助に回りなさい!」

「承知した!」

「分かった!」

「な、なんで僕がお前の命令なん──」

「男ならぶつくさ言わない! さっさと指揮を取りなさい!」

「……ちっ。いつも通り、僕とスタンとマリーが前衛でルーティが回復、フィリアが後方から晶術攻撃だ!

エドワードは遊撃として動いて、ウッドロウはフィリアの護衛だ!」

 

 ハロルドの指示の下にリオンが指揮を取る。

 初めは文句を言っていたリオンだったが、ハロルドの強引さに押されてしまい、全員の役割を伝える。

 リオン達は今まで一緒に戦ってきた連携があるので、その邪魔をしないようにエドワードは遊撃として動くようにした。

 それにウッドロウが王子であると気付いていたので、なるべく死ぬ可能性が少ないフィリアの護衛に回るようにしたのであった。

 

「よし! じゃあ神の眼奪還作戦……行くわよ!!!」

「「「「「おうっ!!!」」」」」

 

 ハロルドの号令で全員が動き出すのだった。

 




ウッドロウはイクティノスのマスターになれましたが、強さ的には初めてスタンと出会った頃の強さと同じです。
つまり弱いので、正直に戦力にはなりません。

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