《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜   作:ねここねこねこ

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第三十八話

「あんた達のおかげで()()()()()()が終わったわ!」

 

 解析を終えたハロルドが神の眼に手を掲げると、神の眼が輝き出す。

 するとグレバムから淡い光のようなものが神の眼に流れ込んでいく。

 

「グゥ? グゥゥゥゥァァァ!」

 

 グレバムは少し苦しそうな素振りを見せ、徐々に縮んでいく。

 そして最後は元の人間のグレバムの姿に戻るのであった。

 

 エドワードとリオンはグレバムに近寄っていき、もはや虫の息であることを確認する。

 時雨(しぐれ)とシャルティエを仕舞う二人に対し、グレバムが顔を上げて話し出す。

 

「結局は……奴の思惑通りか……。さぞ満足だろうな。リオンよ」

「思惑だと? 誰のだ?」

「……くくく……なるほどな。所詮は貴様も私と同じということか」

「お前……なんの話をしている?」

「己が、駒に過ぎないことを……自覚していない……奴は、幸せ、だ……な……」

「グレバム! おい!! ……ちっ。息絶えたか」

『…………』

 

 グレバムが息絶えたのを確認したエドワードとリオンは、ハロルドと三人で倒れている全員を介抱するのであった。

 幸いにもハロルドが”キュア”を唱えられたため、ルーティを回復したあとは手分けをして回復し、全員が生き延びたのを喜んでいた。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「神の眼の今後の取り扱いだが……セインガルドへ持ち帰る気かね?」

 

 傷の手当を終えたウッドロウが、エドワードとリオンに話しかける。

 

「それが僕達の使命だからな。グレバムの乗ってきた飛行竜で運ぶつもりだ」

「私も同行するか……神の眼のことはセインガルドだけに任せるわけにも行かないし、父上がまだ完全でない以上、私が名代としていくのが筋であろう」

 

 神の眼の今後についてウッドロウとエドワード、リオンが話していると、フィリアがふとしかめ面をしているスタンを見つける。

 そのことをスタンに問いかけると、スタンが「今この場で神の眼を壊したい」と提案するのであった。

 

「こんな物があるから、多くの人が苦しい目に遭うんだ。いっそ無いほうが良いと思う」

 

 スタンの言葉に全員が真剣に考えるが、ディムロスが『それは無理だ』とバッサリと否定する。

 しかしやってみなければ分からないと言うスタンに対し、ハロルドが話す。

 

「まぁいいんじゃないの〜? こういう単純バカには、やって理解させるしかないんだって。

あたしはああいう単純バカな奴は嫌いじゃないけどね。

人から聞かされた程度で初めから諦めるなんて、科学者としても失格だからね」

「……スタン君、私も協力しよう」

「ハロルドさん! ウッドロウさん……ありがとうございます!」

「神の眼の存在は、国家間の関係に悪影響を及ぼす可能性がある。私は一国の責任者代行として、神の眼の破壊を遂行しよう」

「実は……私もスタンさんと同じことを考えていたんです」

「フィリア……」

「アイルツ司教様に怒られるかもしれませんが、これが正しい選択だと思います」

 

 ウッドロウとフィリアがイクティノスとクレメンテを抜き、構える。

 ルーティも「またどこかのバカに悪用されても困るしね」と言い、アトワイトを抜く。

 マリーも斧を構えて、同じく神の眼を破壊する意思を見せる。

 

「リオンとエドワードはどうする?」

「お前は僕達の任務がなんだったのか忘れたのか?国王陛下のご命令に逆らうことを、僕が許すわけがないだろう」

「リオン……でも……」

 

 それでもごねるスタンに対し、リオンは諦めた顔をして「ふん……やるならさっさとやるぞ」と言ってシャルティエを抜く。

 

「まぁ……俺も付き合うくらいはするよ。これ運ぶの大変そうだし」

「エドがやるっていうなら、私も付き合ってあげるわよ」

「……!?」

 

 エドワードが時雨(しぐれ)を抜き、そのとなりでハロルドが杖を構える。

 フィリアは一瞬だけエドワードとハロルドを見るが、首を振って神の眼を見据える。

 

「よし! ぶっ壊すぞ!!」

 

 スタンの号令の下、全員が全力で奥義を放つのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダメだ……傷一つつかない。どれだけ硬いっていうんだ……」

「まぁ()()()()()()()()だと難しいわよね」

「ハロルドさん……それって……?」

「……だったら仕方ないわね。これ、セインガルドに運びましょ。私達は精一杯やったわ。あとは偉い人がなんとかしてくれる。そうよね、ウッドロウ?」

「ああ、それは約束する」

「だったらもういいじゃない。本来の目的は果たしたんだし」

「……ルーティ。……そうだな。うん、そうだな! 胸を張ってセインガルドへ戻ろう!」

 

 ハロルドの言葉にエドワードが反応するが、ルーティの言葉に遮られてしまい、詳細を聞くことが出来なかった。

 結果、スタンも神の眼は壊せなかったが、ルーティの説得もあり、セインガルドに戻ることを了承する。

 そして慎重に神の眼を飛行竜に乗せたあと、ファンダリアからセインガルドに向けて飛び立つのであった。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 飛行竜の中ではベッドに入って横になっているリオンの姿があった。

 シャルティエに励まされているが、明らかに顔色は悪かった。

 そこにスタンとルーティが部屋に入ってくる。

 

 心配をする二人に対して、邪険に扱うリオンだったが、ルーティがベッドに腰を掛けてリオンの手を取る。

 

「な、なにを!?」

「掌のツボを刺激すると少し楽になるわよ。ほら」

 

 リオンはルーティのマッサージにされるがままになり、そのうちに酔いが和らいでいくのを感じていた。

 ルーティが「どう?」と優しく問いかけると、「ふ、ふん。多少はマシになったかもな」とリオンは強がるしか出来なかった。

 その様子を見て、スタンは気を遣って静かに部屋を出ていく。

 

「そういえばさ、あんたにまだお礼を言ってなかったわね」

「一体何の話だ?」

 

 ルーティのお礼に対して思い浮かぶことがなかったリオンが素直に聞くと、シデンの洞窟で地面が崩れてルーティとスタンが落ちてしまった際に、リオンがロープを借りるために駆け回ったことに対してお礼を言ってなかったと話し、「ありがとうね」と伝えていた。

 リオンは照れ隠しなのか「別に任務だから礼を言われることでもない」と顔をそむける。

 

「ルーティ……お前は……」

「え? 何よ?」

「……いや、何でもない」

「何よ! 気になるじゃない!」

「いずれ話す……かもしれないな」

「何よそれ! まぁいいわ。もうすぐ着くみたいだから、あんたも準備してきなさいよ!」

 

 ルーティは笑いながら部屋を出ていく。

 リオンは出ていくルーティを見て、「……姉さん」と呟くのであった。

 




もうすぐ一部が終わります!

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