《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜   作:ねここねこねこ

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第四十一話

「ようやく終わったなあ」

「神の眼が今後どうなるのかを見届けないといけませんでしたからね」

「それにしても現ソーディアンチーム(私達)にまで神の眼の封印場所を教えないだなんて、失礼しちゃうわよね!」

 

 スタンとフィリアが話しているところにルーティが口を挟んでくる。

 しかし、それは仕方がないことだと全員が理解していた。

 

「まぁそれはハロルド殿の意見なので仕方がないことだな。実際にソーディアン諸君だけの助言だと不備があったかもしれなかったからね。ただ、そのお陰で万全の封印設備を作ることが出来たよ。

今後はソーディアンとセインガルド国王、そしてファンダリア国王のみがこの場所を知ることとなる」

「え……ウッドロウさん、それって……」

「ああ、スタン君。先日父上から手紙が来てな。ファンダリア王国に戻り次第、王位に就くことが決まった」

 

 ウッドロウの思わぬカミングアウトに、スタン達は驚き、祝福の声を上げる。

 ひとしきり喜んだあと、クレメンテとディムロスも会話に加わる。

 

『この時代にやれることはすべてやった。あとは信じるしかあるまいて』

『そうだな。ハロルドがいてくれたお陰で、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ』

 

 その言葉を聞いて、ルーティは場所を探りたくなる衝動に駆られたが、そのことに気づいたアトワイトにたしなめられていた。

 

 

 

 そして、別れのときが来る。

 

 

 

「それでは私とチェルシー、マリーさんはジェノスを通って帰国するよ」

「皆さん、またファンダリアに遊びに来てくださいね!」

「城にも気軽に立ち寄って欲しい。君たちなら大歓迎だ」

「サイリルにもぜひ遊びに来てくれ。ダリルと二人で歓迎するぞ」

「……マリー」

 

 マリーの言葉を聞いて、ルーティが少し悲しそうな顔をする。

 

「ルーティ……本当にありがとう。記憶を失った私はルーティに助けられていなかったら、ダリルと再会することもなかった。

ルーティと一緒に冒険できたことも本当に楽しかったぞ」

「……私もよ。あなたがいてくれて本当に助かったわ。マリーも私の街に遊びに来てね!」

「ああ!」

 

 二人は笑顔で握手をする。そしてウッドロウ一行はその場から去っていった。

 

「……では私もそろそろ神殿へ戻るといたしますわ」

「フィリア……本当に大変だったね。お疲れさま」

「とんでもありません。終わってみれば、楽しい旅でしたわ。神殿の中しか知らなかった私には、外の世界を知るいい機会になりました。

みなさんがきっかけを下さったからですわ。感謝しております」

「こちらこそ。フィリアのお陰で、本当に助かったよ」

 

 スタンの言葉にフィリアは頭を下げると、エドワードをちらっと見てから「……それでは、ごきげんよう」と言って去っていく。

 エドワードは自分を見た理由が分かっていたが、どうしようか二の足を踏んでいた。

 

『エド、行かなくていいのか?』

「……えっ?」

「そうよ、エド。どんな気持ちであれ、今行かないとでしょ」

「あらら〜、エドワードったらフィリアとどこまで進展しちゃったのかなぁ〜?」

「え? え?……どういうこと?」

「……ふん」

 

 時雨(しぐれ)とハロルドに後押しされるがままにエドワードはフィリアの後を追った。

 「こいつはあたしに任せなさい!」と時雨(しぐれ)を取り上げたハロルドに感謝をしつつ、全力で走るのであった。

 

『どうやら来たようじゃよ』

「……え?」

「フィリア!!」

「……え、エドワードさん!?」

 

 フィリアに追いついたエドワードは、フィリアを呼び止める。

 エドワードの声を聞いて驚いて振り向くが、フィリアは自分の愛しい人の顔を見ることが出来て微笑んでいた。

 

「ごめん、急に呼び止めて」

「いえ……大丈夫ですわ」

 

 そこから二人は目を合わせたまま、黙ってしまっていた。

 フィリアもエドワードもこういうときにどんな話をすればいいのかが分かっていなかったのだ。

 時雨(しぐれ)にこんな恥ずかしい姿を見られなくてよかったと、ハロルド()に感謝をするエドワード。

 

「えっ……と、前に部屋で話したことなんだけどさ……」

「は、はい……」

「俺も急なことで感情が上手くまとまっていないというか……ああ、なんて言えばいいんだ!」

「……ふふっ」

「……フィリア?」

「あ、いえ、ごめんなさい。なんかエドワードさんらしいなって思って」

「そうかな?」

「はい、そんな急に気持ちを整理しなくてもいいと思いますわ。私はそんなエドワードさんが……す、好きなんですもの」

 

 自分の言葉にしてフィリアがエドワードに気持ちを初めて伝えたフィリア。

 その告白を聞いて、エドワードも顔を赤くして直立不動で固まる。

 その姿を見て、恥ずかしそうにしていたフィリアは再び笑みを溢す。

 

「またストレイライズ神殿にも遊びに来てくださいませんか?」

「え、あ、ああ。そうだね。近いうちに遊びに行くよ」

「それと……」

「ん? ど、どうしたの?」

「よかったら……私もエドワードさんのこと、()()()()って呼んでもいいですか?」

「……ああ、それならぜひ」

 

 エドワードの了承を聞いて、嬉しそうに笑うフィリア。その笑顔を見て、エドワードは自身の胸が高鳴るのを感じる。

 そして、それがどういう感情なのかをすぐに知る。

 だがいつまでもこの時間は続かない。もう少しもう少しと話している間にフィリアが戻らなくてはいけない時間になり、お別れすることとなった。

 必ず会いに行くと約束をして、フィリアを見送り、エドワードはスタン達が待つところに戻るのだった。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 エドワードが戻ると、そこにはスタンとリオンとハロルド以外に兵士がいた。

 スタンが兵士にディムロスを返却しているところだった。

 ディムロスは元々セインガルド王国の所有物であり──スタンがマスターとはいえ──返却しなくてはいけなかったのであった。

 返却後、去っていく兵士を横目にスタンがリオンに話しかける。

 

「リオンはこれからどうするんだ?」

「新たな指令を待つだけだ」

「のんびり休んでもいられないか。大変だなあ」

「それが客員剣士たる、僕の責任だ」

「俺、リオンと旅できてよかったよ。色々あったけど、すごく楽しかった」

 

 そしてスタンがリオンに右手を差し出す。

 リオンは怪訝そうな顔をしてその手を見つめる。

 

「……なんだ、この手は?」

「……なんだ、この手は?」

「マネをするな!」

「……なあ、リオン。リオンにとって、俺は今でも対等な関係じゃないのか?」

「それは……」

「俺はリオンのこと、大切な友達だと思っているんだけどな」

「なっ…! …ええい、くだらないことを! いいか、何度も言わせるなよ」

 

 

 

 

 ──僕はお前のように、能天気で、図々しくて、馴れ馴れしい奴が大嫌いだ!──

 

 

 

 

 

 リオンの言葉を聞いて、エドワードの中にフラッシュバックしてくる。

 それは時雨(しぐれ)と出会うよりも前に見ていた夢のことだった。

 

 

 

 

 

 

 ──だから……あとは任せた。

 

 

 

 

 洞窟に水が入り込み、座りながら水に沈んでいく黒髪の少年(リオン)がいたあの夢。

 そこには夢を見ていたときには出会っていなかった現ソーディアンメンバーもいたが、スタンとリオンが握手している姿を見ながら、そんなことが起こるわけがないとエドワードは考えていた。

 そのときエドワードも見知った兵士が歩いてきて、スタンに話しかける。

 

「スタン殿、飛行竜の準備が整いました。いつでも出発できます」

「あ、はい! じゃあ俺行くな! ……ってルーティは? さっきまでいなかった?」

『ルーティならエドが戻ってくる前に城に向かっていったぞ?』

「そっか、探してみるよ。すみません、少し待っててもらえますか?」

「わかりました」

 

 そう言って、スタンはエドとハロルド、時雨(しぐれ)やシャルにも挨拶したあと、兵士とともに城へと向かっていった。

 リオンは城へ急いで向かっていくスタンを呆れた顔で見ながら呟く。

 

「まったく……忙しいやつだな」

『スタンとルーティって、何かあるんでしょうかね?』

「くだらない詮索はよせ」

『でも坊っちゃんのお姉さんのことですよ?気になりませんか?』

「……気にならんな。所詮、僕とルーティは他人だ」

「その言い方は気になっている証拠だぞ、リオン」

「な……!? う、うるさい!! 貴様に何が分かる!?」

「……言うなら早めにな、リオン」

「……」

 

 リオンは黙ってそのまま屋敷へと戻っていった。

 ハロルドはその様子を心配そうに見つめていた。

 

「か……ハロルドさん、リオンは何かあったのですか?」

「ん〜、そろそろ話してもいい頃合いかもね。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「え……?」

「それよりもそろそろ()()()って呼んでくれてもいいんじゃないかな〜?」

「う……か……」

「……か?」

「……母さん」

「はい、よく出来ました! エドは可愛い子ねぇ!」

「〜〜〜!!」

 

 上手く誤魔化されてしまい、エドワードは真っ赤になりながらハロルドに撫でられていた。

 しかし、ハロルドの言葉をもっと早く知っておけばよかったとエドワードが後悔するのは、もう少し経ってからのことであった。

 

 

〜第一部 完〜

 




大変遅くなりましたが、これで第一部が完です。
間話を挟んでから、第二部を開始していきます。


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