《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜   作:ねここねこねこ

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今話から第二部に入っていきます。

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完結まで頑張りますので、これからもよろしくお願いします!



第二章 原作開始(第二部)
第四十二話


「────というわけで、あたしは明日にでも元の世界に帰るわ」

「……え?」

 

 その日、エドワードの家で向かいに座っているハロルドとエドワード。テーブルの上には時雨(しぐれ)が乗っていた。

 ハロルドはエドワードに自身が元の世界に戻るということを告げた。突然のことに驚くエドワードに対して、時雨(しぐれ)は理由を説明する。

 

『ハロルドは元々俺の英霊召喚(サモン・エージェント)という呪文で呼び出されただけなんだ。その効果がそろそろ切れそうでな。

だからハロルドといられるのも今夜が最後になると思う』

「そ、そんな突然言われても……」

「まあ神の眼を封印するところまで()ったから良しとしましょう」

 

 いつもと違う優しい笑顔を見せるハロルド。だが、エドワードからすると全てが急なことなので、話についていけていないのである。

 実の母(ハロルド)が急に現れて、相棒の時雨(しぐれ)が実の父だと分かり、世界を巻き込む大事件に遭遇し、全てが終わってようやく落ち着いてハロルドや時雨(しぐれ)のことを考えられると思った途端に、ハロルドと会えなくなるという事実を告げられる。

 まだ19歳のエドワードは、叫び出したいのを我慢するので精一杯なのであった。

 

「エドの成長した姿を見られただけでもここに来てよかったわ。本当にありがとうね」

「…………」

「混乱するわよね……でもね、()()()()()()()なのよ」

「本題……?」

 

 ハロルドが優しい顔から急に真面目な顔に変わる。エドワードは今の話以上に重要なことなのだと理解し、深呼吸をして無理やり頭を切り替えた。

 エドワードが話を聞く態勢になったことが分かったハロルドと時雨(しぐれ)は、本題を話し出す。

 

「まずはね、時雨(しぐれ)について本人から話してもらうわ。私も初めて聞いたときはびっくりしたんだから。というわけで、時雨(しぐれ)お願いね」

『分かった。エド、今まで話せなくてすまないな。まず、ソーディアンは歴史上、全部で6()()だという話はしたな?』

「あ、ああ。その時はなぜ時雨(しぐれ)がいるのかについては話せないって言ってたよな」

『そうだ。天地戦争時、実際にはソーディアンは7()()あった。そして、歴史書には()()()()()()()()()()()()6()()()()()んだ』

「なんでそんなことを?」

俺の存在(イレギュラー)を世に広めないためだ』

「イレギュラー?」

『ああ、俺は()()()()()()()()()()()()なんだ』

 

 時雨(しぐれ)が話す内容には信じられないことが多くあり、それをどう理解すればいいのかエドワードは分からずにいた。

 時雨(しぐれ)──ソーディアンになる前の本人──は()()()()()()()()()()()()であり、この世界の元の歴史を知っている人物だった。

 なぜ違う世界の存在である時雨(しぐれ)が歴史を知っているのかについては誰にも話していないため、時雨(しぐれ)本人以外は知らなかったが、天地戦争時代の地上軍の上層部はその事実を信じて受け入れた。

 

「なぜ地上軍は……時雨(しぐれ)の話を信じたんだ?」

「それについては私から話すわね。もちろん初めは嘘だと思われていたわ。でもね、時雨(しぐれ)が未来のことを話して、実際にそのことが何回も起こるとね……私達(上層部)としても信じざるを得なかったのよ」

 

 その後、追い詰められた地上軍は、地上へと亡命した天上人──選民思想を嫌った”ベルクラント開発チーム”──が最新のレンズ技術を提供し、そのサポートを受けてハロルドが最終兵器(ソーディアン)を開発することで天上軍へと勝利するのである。

 そして、そのことすらも時雨(しぐれ)から情報を得ていた地上軍は、事前に”ベルクラント開発チーム”を受け入れる態勢を作り、ソーディアンを作る施設を元の歴史以上に精度高く準備することが出来ていた。

 

「そこでソーディアンを誰の分を作るかというところで、時雨(しぐれ)からも立候補があったってわけ」

『これに関しては、転生のときの()()ってやつなんだ』

「特典?」

 

 時雨(しぐれ)が転生する際、この世界の神であるアタモニ神と転生前の世界の神により”特典”がいくつか与えられていた。

 自身の能力向上に、自身のソーディアン、その能力など様々な特典が与えられていた。

 このことを知っているのは、旧ソーディアンチームと一部の上層部だけである。しかも特典に関してすべて知っているのは、時雨(しぐれ)以外には結婚後にハロルドが聞かされただけであった。

 

『まあここまでの話で、俺がイレギュラーだと言った理由が分かったと思う。そして、俺という存在が歴史上に残ってしまうことで、()()()()()()()()()()()が出てしまうのを防ぎたかったんだ』

「……ここまでは分かった。でもなんで今後の歴史に大きな影響が出るのを防ぎたかったんだ?」

『ああ。それは、今まさにこれから起きるであろう1()()()()を、どうしても止めたいんだ』

「1人の……死?」

『そうだ。そいつはお前も知っている人間だ。そいつの名は────』

 

 エドワードは時雨(しぐれ)からある人物の名前を聞き、驚きのあまり口が開いたままになってしまっていたのであった。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 神の眼事件から2ヶ月ほどが経過した。

 その日、リオンは夜も遅くなってからヒューゴ邸に戻っていた。

 家の中に入ったリオンは、屋敷の中が暗くなっており、出迎えもないことを(いぶか)しんでいた。

 

(どうしたんだ? 誰もいないのか?)

 

『坊っちゃん、何か様子がおかしいですね……』

「マリアン! 戻ったぞ!」

『…………やっぱりおかしいですよ!』

「嫌な予感がする……マリアン……!」

 

 普段であればすぐに現れるであろうマリアンが、呼んでも返事がないことに言いようのない不安に襲われるリオン。

 シャルティエをすぐに抜ける状態にしつつも屋敷内を探す。しかし、いつもマリアンがいそうな場所を探すが見当たらないどころか人の気配も全くしない。

 

 そしてリオンの自室を念の為探し、マリアンがいないことを確認して部屋から出ようとしたとき、扉から4人の人間が現れた。

 4人は同じ仮面を被り、全員頭まで覆う黒いマントを着ていた。

 リオンはシャルティエの柄に左手を置き、「誰だ、貴様ら! どこから入った!?」と叫ぶが、4人は返事をすることもなくリオンを取り囲む。

 その様子を見て、味方ではないと判断しシャルティエを抜くリオン。そこでリオンの正面にいた1人がようやく口を開く。

 

「……私がここにいて悪いのかな?」

「その声は……!」

『ヒューゴ様!?』

 

 仮面を被ったままだが、聞き慣れたその男の声を間違えるはずがないリオンとシャルティエ。

 リオンの目の前にいたのはヒューゴ・ジルクリストであった。リオンはシャルティエを仕舞い、ヒューゴに説明を求める。

 

「その仮面、何のつもりですか? 僕はそのような遊びに付き合うつもりは──」

「──遊びなどではない。お前にはやってもらうことが出来た」

「……やってもらうこと?」

「そうだ。お前には今から()()()()()()()()()()()()

「飛行竜を盗む? 何を言い出すかと思えば……」

 

 リオンはヒューゴがいきなり訳の分からないことを言い出すので、ふざけているのだと思い、肩をすくめる。

 しかし、ヒューゴはいたって真面目であった。

 

「今夜のうちに決行だ。我らも時間がない。急げ」

「…………断ると言ったらどうする?」

「……」

「リオン、言う通りにするんだ」

 

 ヒューゴ以外にいた3人のうちの1人がリオンに話しかける。

 その声の主が誰だか分かったリオンは右を向き、声の主に返事をする。

 

「その声……バルックか。お前までこんな真似を……!」

「我らには崇高なる目的がある。その為に飛行竜が必要なのだ。ヒューゴ様に従え、リオン!」

「……断る!」

「……お前には国へ背くことに思えるかもしれないが──」

「──バルック。お前は勘違いをしている」

「なんだと?」

「飛行竜が欲しければ、自分達でやればいい。止めはしないさ。

ただ、僕はもうお前に従う理由などないだけだ。分かったか、ヒューゴ!」

 

 リオンは腕を組みながらバルックへヒューゴへの恭順(きょうじゅん)を断った理由を話す。

 しかし、ヒューゴは「言いたいことはそれだけか?」とだけ言うと、左手をリオンの方へと伸ばし、()()()()()()()()()()()()()()()

 不意打ち──油断は全くしていなかったのだが──を喰らったリオンは、後ろの壁へと激突して倒れ込む。

 

『坊っちゃん!!』

「まったく強情な奴だ。おとなしく私に従えばいいものを」

 

 倒れながらも「……断る」と告げるリオン。

 リオンに対し、更に攻撃を加えようとするヒューゴに待ったを掛ける声がする。

 

(この声は……レンブラントか)

 

「坊っちゃん。扉の向こうにいる人物が誰か分かりますかな?」

 

 レンブラントが部屋の入口の扉を開ける。

 リオンが起き上がり、開け放たれた入り口の方へ顔を向けると────

 

 

 

 

 

 ──────そこにはリオンの大切な人(マリアン)が縛られて地面に座らされていたのであった。

 




というわけで、ハロルドはさらっといなくなりました!

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