《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜 作:ねここねこねこ
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ラディスロウが動き出したあと、誰にもバレないようにダリルシェイドに侵入したエドワードとリオンは、設置されていた無重量エレベーターを使ってラディスロウへとワープする。
誰かが侵入したのを感知したリトラーは警備マシンを放つが、彼らによって瞬殺され中枢部への進行を許してしまう。
そして
『な……
『久しぶりなのに随分な挨拶だな』
『本当ですよ。とは言っても、あのままだと僕と坊っちゃんは本当に死んでましたけどね』
「エ、エドワードさんとリオンさん!? 生きていたんですか!?」
「レイノルズもいたのか。ああ、お陰様でな」
「僕はリトラーの助手としてここに来たんですよ。リオンさんって今裏切り者ってなってますよ!?」
「とりあえずここに俺達がいるのは内緒にしておいてくれ」
リトラーとセインガルドの科学者であり、今回本人の強い希望により助手となったレイノルズ。
その2人に今までの経緯とこれからについて伝えると、疑問をぶつけられる。
『……大体の事情は分かった。だが、それならばお前達が現ソーディアンチームに合流してもらえたほうが、作戦も成功に近付くのではないか?』
『まぁそれはその通りだな。だが、それではきっと
『むむぅ……。1,000年前から
『ああ。だから俺達のことはリトラーからも言わないようにしてくれ』
リトラーは渋々了承する。本心では納得していないのであろうが、それは地上軍の最高司令官としての立場があるので仕方がない。
1,000年前も含めて、今行っていることは戦争なのだ。そこに相手のことを
『スタン達はアンスズーン経由でクラウディスに向かっているんだろ?』
『な、なぜそれを!? ……
『そういうことだ。俺達もバレないように後を追う。また後で再会しよう』
(
エドワードはリトラーと
それだけ
そして挨拶もそこそこにエドワード達は現ソーディアンチームを追って、ラディスロウから外殻大地へと出たのであった。
◇◇◇◇◇◇
空中都市クラウディス。
ベルクラントを守る守護竜のコントロールルームがある場所であり、その場所へは他の空中都市イグナシーと空中都市アンスズーンを通り、さらに外殻大地へと出てから歩いていく必要がある。
それはまだ外殻大地の形成が完全ではないため、エドワード達もかなり回り道をして向かった。
スタン達にはイグナシーの途中で追いつき、気配を消して後ろから付いていく。
現ソーディアンチームの道中での戦闘はまだまだ未熟な部分が多く、口を出したくなる気持ちを抑えて黙っているエドワード。
彼らは協力しながらも進んでいき、クラウディスの最奥でオベロン社カルバレイス支部を統括しているバルック・ソングラムを打ち倒したのであった。
バルックは1,000年前の天地戦争で敗北した天上軍の子孫であるカルバレイス人であり、苦汁をなめさせられたカルバレイス人の復讐のためにヒューゴに協力していた。
そのバルックを倒したスタン達は守護竜を停止させることに成功。そしてリトラーの指示により、ラディスロウへと帰還していった。
「……これで、私も終わりか」
「無様なものだな、バルック」
「リ、リオン!? お前は海底洞窟で死んだはずでは!?」
「僕がそう簡単に死ぬわけがないだろう。お前達に借りを返すために戻ってきたんだ」
「…………ふっ、そうか。お前にならいいかもな。さぁ、ひと思いにやってくれ!」
バルックは目を瞑り、覚悟を決めてリオンからの一撃を待つ。
しかしリオンはシャルティエを抜くことはなく、バルックにライフボトルを振りまいたのであった。
傷が癒えて、身体が軽くなっていくのを感じ、目を開き驚くバルック。
「こ、これは何の真似だ」
「ふん。死にたければ勝手に死ね。だがな、
「……なに?」
「全てを憎んで、全てに絶望して。地上の民は全員本当にそういう奴らだけだったのか?」
「………………」
「天上の民であろうと、地上の民であろうと。良い人間もいれば悪い人間もいる。それが分かっているからこそ、オベロン社のカルバレイス支部で尽力してきたのだろう。
こうして生き延びることが出来たのであれば、一度死んだつもりで残りの人生を全て賭けて足掻いてみせろ。
お前は1人じゃない。……僕にだって
リオンはバルックに伝えたいことを伝えると、その場を去ろうとする。
エドワードは口を開くことなく、リオンについていく。
リオン達が入り口を出ようとしたところで、バルックがふらふらと起き上がり、リオンを呼び止める。
「ま、待て……お前の言うとおりにすれば先が見えるというのか?」
「何を言っている? 誰かの言うとおりに生きているだけの人間が世の中を変えられるわけがないだろう。お前が判断して、お前が動くんだ」
「…………ふふふ。はっはっはっは! そうだな。その通りだよ。
まだまだ俺にもやれることがあるなら、救える命があるなら、この人生を賭けてみる価値はあるか。」
バルックはまだ満身創痍の状態ではあったが、その目には輝きが戻っていた。
その様子を確認したリオンはバルックのところへ戻り、有無を言わさず大量のグミを彼の口に放り込む。
いきなり口の中がグミでいっぱいになったバルックは驚いて目を見開くが、黙って飲み込むと傷の回復と身体の状態が戻ったのを確認してリオン達の後についていくのであった。
◇◇◇◇◇◇
空中都市ヘルレイオス。
ベルクラントを守る鏡面バリアーを中和する装置を作るための素材がある場所であり、空中都市イグナシーから空中都市ロディオンを経由して向かうことが出来る都市である。
ヘルレイオスを守っていたのは、オベロン社フィッツガルド方面部長のイレーヌ・レンブラント。
彼女は”誰もが憎しみ合うことなく、笑い合える世界を作りたい”と理想を掲げて活動をしていたが、ノイシュタットの貧富の差は広がり、バルックとは違う意味でこの世界に絶望していた。
それであれば一度全てを無に帰してからやり直せばよいという結論に至り、ヒューゴに忠誠を誓っていた。
だがスタン達に破れ、彼の説得も届かずに背後にあった扉から飛び降りて自らの命を絶とうとしていた。
しかし、ここでは
その分、鏡面バリアーの中和装置の作成が少しだけ遅れてしまうことになるのだが、人の命には変えられないとリトラーは納得する。
「な、なんで助けたのよ……私は……」
ポツポツと自身の考えを語りだすイレーヌ。その中で理想の追求のためにリオンを利用してしまったことに後悔があるようであったが、自ら選んだ死を邪魔されたことに対しては納得していなかった。
しかし、エドワードはその行動について理解も納得も出来なかった。
(バルックさんもだけど……なんで負けたからって死ぬって選択肢を取るんだ?)
「なんだ、お前も死にたがりか。ヒューゴの部下は甘ちゃんばかりだったんだな」
「……なんですって?」
「そうだろう? 『理想を掲げて精一杯やったけど、ノイシュタットの貧富の差は広がる一方だ』だと? そんなの
それをなぜ民のせいにする? なぜ自らの過ちを認めない?」
「…………」
リオンの言葉にイレーヌは何も言えなくなる。心の中では分かっていた。
だがそれを認めてしまうと、今までの努力が全て間違っていたことになる。
だからこそ、そのことに蓋をして、一度全て無かったことにすればよいというヒューゴの甘い囁きに乗ってしまっていた。
「……でも、でも! じゃあどうしろって言うのよ! 私は精一杯やったのよ! それでダメならもうこの手しか……無いじゃない……」
「ふう。バルックもだが、お前もすぐに人に頼るのだな」
「バルック……も? 彼も……生きているの?」
イレーヌがリオンの言葉に気付いたとき、バルックが姿を現す。
まさかバルックが生きているとは思っていなかったイレーヌ。バルックは彼女に話しかける。
「イレーヌ、私は考えを改めることにしたよ。いつまでも誰かに頼っていてはいけない、とね」
「頼っては……いけない?」
「ああ。自分で叶えたい理想なのに、一度ダメだったからと言ってすぐに楽な方へいくべきじゃないという方が正しい言い方かな。
ヒューゴ様のお考えや行動は、確かに私達の理想の実現には最短に近い道のりかもしれない。
だがな、それはあくまで
イレーヌはバルックの言葉に対して、考え始める。
「自らの道は自らの力で切り拓け、ということかしら?」
「そうだ。ダメならまたやり直せばいい。成功するまでやり続ければ、負けることはないのだから」
「…………ふふっ。バルックってば、夢を語る子供みたいな顔しちゃって」
「当たり前だろう。我々の夢は子供が考えることと同じなのだからな」
「そっか……そうよね。失敗したからといってそれで全てを投げ出してしまうのは、それこそ私達が絶望してしまった人間以下だわ。
継続してこそ先がある。だからこそ理想を実現したときは心の底から気持ち良くなるのね」
イレーヌも理想を追い求めていた以前の顔つきに戻り、目には力がこもっていた。
リオンやエドワードは今のイレーヌの様子を見て、安心した表情を見せるのであった。
◇◇◇◇◇◇
空中都市ミックハイル。
ベルクラント突入作戦において、浮遊クルーザーを管理している都市。空中都市イグナシーから空中都市シュサイアを経由して向かう。
そこにはイレーヌの父親であり、ヒューゴ邸の執事をしていたシャイン・レンブラントがスタン達を待ち構えていた。
彼はヒューゴが貧乏な考古学者の頃から世話になっており、誰よりもヒューゴのために行動するということを優先して動いていた。
それはミクトランに操られて、人が変わったかのような性格になったとしても忠誠心が揺らぐことはなかった。
そしてスタン達の前に立ち塞がった理由に1つには、
「イレーヌ……敵を討てず……すま──」
「──お父さん」
「……おおお、イレーヌ。まさか死の間際にお前の姿が見れるとは……迎えに来てくれたのか……」
「いいえ、私は生きているわよ」
「……な、なん……だと……?」
スタン達が浮遊クルーザーに乗っていなくなったところをイレーヌと一緒に現れたエドワード達。
娘をヘルレイオスにて失ったと思っていたレンブラントは、目の前の出来事が信じられなかった。
イレーヌはレンブラントにライフボトルを使い、さらにグミを使ってレンブラントの傷を癒やす。
「イレーヌ……な、なぜお前が生きているのだ? ヘルレイオスから飛び降りて死んだとばかり……」
「エドワード君達が助けてくれたのよ。説得されてね……一生懸命に生きてみようと思ったの」
「そうか。しかし、私はヒューゴ様を裏切ることは出来ない。イレーヌ、お前だけでも生きてく──」
「──レンブラント」
「ぼ、坊っちゃん!?」
イレーヌを見ていて、リオンが生きていたことに気付いていなかったレンブラントは驚く。
「一つ聞くが、お前が今忠誠を誓っている男は
「な……なにを……」
「ヒューゴは考古学者の頃、誠実で優しく、妻と子を大切にしていた人物であったというが……お前から見てどうだった?」
「…………はい、確かにそうでした。クリス様……それにルーティ様に対していつも優しい笑顔を向けておりました」
「そうか。そして、ある遺跡にて
「はい……し、しかしそれをどこで……?」
まるでその場面を見てきたかのようなリオンの言葉にレンブラントは疑問をぶつけるが、それを無視して話を続ける。
「おかしいと思わないか? お前の目から見ても変わったと思えるほどの出来事を少しでも不思議に思わなかったのか?」
「……そ、それは」
「もし……もしも
「…………それが本当のことであるならば、私は今のヒューゴ様に仕える必要はありません。しかしそれは何の証拠もないこと。もし私を説得したいのであれば証拠を──」
「証拠ならある。今はまだ出すことは出来ないが、もうすぐ分かるだろう。もしそのときにそれでも納得出来ないようであれば、ヒューゴの息子である僕が──
「……分かりました。そこまで仰るのであれば……そのときまで坊っちゃんに私の命を預けましょう。」
リオンは
彼も今でも本気で信じているわけではない。だが、自身を助けてくれたエドワードと
そして、残るはあと1人────
なぜかバルックの口の中に大量のグミを詰め込んでやりたい衝動に駆られました。
空中都市ヘルレイオスは、原作ではイクティノスを直すために向かう場所です。
ただ、この物語ではイクティノスは壊れていないため、中和装置を作る素材が置いてあるという設定にしました。
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