《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜   作:ねここねこねこ

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第二話です!
合計で……あと三話〜四話くらいで終わるかな?と思います!
短いですが、よろしくお願いいたします!



第二話 リリス、異世界に行きます!

 次の日の朝、リリス達は昨日訪れた施設へと来ていた。

 

『ここに異世界へと渡る装置があるのか?』

『そうよ。リリス、奥にある引き出しを開けてちょうだい』

 

 ディムロスの質問にベルセリオスが頷き、リリスに引き出しを開けるように指示をする。

 

「えっと……ここでいいの?」

 

 リリスがゆっくりと引き出しを開けると、そこには手のひらサイズの長方形の機械が置いてあった。

 

『それが異世界へと渡るための装置よ。』

『随分と小さいのじゃな?』

『当たり前じゃない。帰ってくるときも必要なのだから、大きいと持ち運びが不便なのよ』

 

 リリスは装置を持ち、色々な角度から観察していた。

 ハロルドが作った装置を不用意に触ると危ないのだが、何も知らないリリスにとってどれほど危険な行為なのかということに気付いていなかった。

 

『ちょっと、勝手に色々と触ると危ないわよ』

「えっ! あ、わっ! ……ふう」

 

 ベルセリオスに注意され、驚きのあまり危うく装置を落としそうになったが、リリスは間一髪のところでキャッチした。

 危ないと聞かされていたので、恐る恐る装置を元あった場所へ遠く。

 その間もソーディアン達はこれから向かう世界について話し合っていた。

 

『それで……その装置はどのように使うのだ?』

『使い方は簡単よ。人間が持って、どこの世界に行きたいか念じるだけでいいわ』

『ということは……』

『ええ、リリスが使うことになるわね』

「え!? 私!?」

 

 リリスは装置が危ないものだという認識が出来てしまったため、自身が使うことに戸惑いを見せる。

 そして、先程のリリスの挙動を見たディムロス達は不安を隠すことが出来なかった。

 

『い、今からでもエドワードやフィリアに来てもらったほうが良いのではないか?』

『僕もそう思いますね……』

 

 イクティノスとシャルティエが不安の声を上げ、残りのソーディアン達からそれに反対する声はなかった。

 

「え……ここまで来てそれは嫌よ! ……よし! 私がやるんだから!」

『……心配じゃのう』

 

 急にメンバーチェンジを言い渡されそうになるリリス。

 しかしここまで来た以上、彼女に帰るという選択肢はない。彼女は先程置いた装置にゆっくりと手を伸ばしていく。

 

『──別に持つ分には何の問題もないわよ』

「わっ! ちょ、ちょっと! 急に話しかけて脅かさないでよー!」

 

 ベルセリオスが声を掛けたことに驚き、手を引っ込めるリリス。

 一旦深呼吸をすると、落ち着いたのか今度はあっさりと装置を持ち上げる。

 

「も、持ったわよ。次はどうすればいいの?」

『行きたい世界を念じればいいのだけれど……まずは〝最高位精霊〟がいる世界を念じて欲しいわね』

「〝最高位精霊〟ね……わ、分かったわ」

 

 リリスは再度深呼吸をすると、目を瞑り集中をする。

 行き先は〝最高位精霊〟がいる世界。精霊という存在があまり良く分かっていないのだが、念じれば大丈夫ということだったので、その言葉だけを必死に念じる。

 

(〝最高位精霊〟がいる世界……〝最高位精霊〟がいる世界──)

 

『──あ! ちょっと待った!』

 

 リリスの集中がピークに達しようかというところで、時雨(しぐれ)がストップを掛ける。

 せっかくの集中が途切れてしまったリリスは少し不満げな声を上げる。

 

「こ、今度はなによ〜?」

『どうした時雨(しぐれ)?』

『いやさ、この別世界に渡る装置に名前を付けるのは……と思いまして……いや、その、なんでもな──』

『その程度のことを今の場面で言うのか!』

 

 時雨(しぐれ)からの装置に名前を付けようという案に、今の場面で言うことではないだろうとディムロスが怒る。

 その雰囲気に気付いた時雨(しぐれ)は話の途中でやめようとしたが、既に遅かった。

 その提案に味方をしたのが、ベルセリオスであった。

 

『まぁいいんじゃないの? 装置装置って言うのもなんか味気ないしね』

『で、ですよね! さすがベルセリオスさん! ほら、ディムロス! 作成者がこう言ってるんだから!』

『む……むむう。それなら言い出しっぺの時雨(しぐれ)には案があるんだろうな?』

 

 装置を作成したベルセリオスが賛成したことで、ディムロスが何故か怒るのを止め、そのまま時雨(しぐれ)に名前の案を出すように言う。

 

『う〜ん、そうだなぁ。ここは俺のハイセンスでナイスガイでスーパーな名前付けを──』

『いいから早くしろ』

『……う、分かったよ。じゃあ……〝異世界渡り君DX(デラックス)〟というのはどう──』

『却下だ』

 

 時雨(しぐれ)は名前を付けるのが物凄い下手であった。

 

『ふふ……相変わらずのネーミングセンスよね』

『ソーディアンになっても変わらないのね』

『ふぉっふぉっふぉ』

『エドの名前をハロルドが決めて良かったですね』

時雨(しぐれ)に名付けさせないで良かったな』

 

 全員からネーミングセンスの無さを指摘されていたのだが、時雨(しぐれ)自身としては本当に格好が良いと思っていたので、少しヘコんでいたのはまた別のお話。

 しかし、名前を決めるというのに全員で悩んだものの、これといった案が出てこず、結局〝異世界渡り君DX(デラックス)〟という名前が採用されることになった。

 

「じゃ、じゃあ今度こそ行くわよ……」

 

 リリスはソーディアン達の茶番で緊張がほぐれたのか、今度はすぐに集中することが出来ていた。

 〝最高位精霊〟がいる世界を強く念じたところで、〝異世界渡り君DX(デラックス)〟が輝き始める。

 光がリリス達を包み込み、大きく弾けたとき、そこには誰もいなくなっていた。

 

 

 

     ◇

 

 

 

 リリスが目を開けると、そこは暗がりの階段の途中であった。

 

「ここは……?」

 

 辺りを見回すが、階段以外は何も見えない。

 

「ちゃんと異世界に……来たのよね?」

『ええ、たぶん大丈夫よ。ここはどこかのお城かしら?』

 

 リリスの問いにベルセリオスが答える。しかし、異世界の城の中に転移した以外の情報は何もなかった。

 すると、階段の下から声が聞こえてくる。

 

「下に誰かいるのかしら?」

『……リリス、多分大丈夫だから行ってみるといい』

 

 突然時雨(しぐれ)がリリスに階段の下に行くように伝える。

 少し戸惑ったリリスであったが、覚悟を決めて階段を降りていく。

 

「あら? 見かけない子だけど、何か用なの?」

「えっと……ここは?」

「ああ、道に迷ったのね。ここはアルヴァニスタの魔法研究所よ」

 

 階段を降りきったところで、入り口にいた女性に話し掛けられる。

 リリスの話し振りから、道に迷った子だと判断され、「出口は逆よ」と伝えられる。

 

「あ、あはは! 失礼しました!」

「ええ…………あら?」

 

 笑いながらリリスが戻ろうとしたところで、女性の持っていた本が淡く光る。

 

「これは……もしかして……」

「え? その本がどうかしたのですか?」

「ええ、これは実は……」

 

 女性が言うには、先程光った本は偶然手に入れたもので、〝呪文書〟と似ているが実は違うのではないだろうかということだった。

 なぜならハーフエルフである自身が会得することが出来ず、そもそも読み解くことすら出来なかったためである。

 

「……というわけなのよ。だからもしかしたらあなたなら会得できるのではないかしら?」

『少しだけ借りてみてはどうだ?』

 

 時雨(しぐれ)の提案を聞き、リリスはハーフエルフの女性へ話し掛ける。

 

「あのー……少しだけ読ませてもらうことって出来ますか?」

「ええ、もちろん構わないわ」

 

 本を受け取り、表紙を見る。

 

「あ、それ表紙の文字すら読めなかったの──」

「〝サンダー…………ソード〟」

 

 急にリリスの雰囲気が変わり、ハーフエルフですら読めなかった文字を解読する。

 そして〝サンダーソード〟という文字を読んだ瞬間、本が(まばゆ)く光り出し、一枚一枚に分割され、リリスの周囲を囲っていく。

 

『な、何が起きているんだ!! 時雨(しぐれ)!!』

『俺にも分からん! でも多分大丈夫だ!』

『分からんのに大丈夫とはどういうことだ!』

 

 ディムロスは時雨(しぐれ)の言葉にツッコミを入れるが、そのツッコミをしても遅かった。

 一枚一枚の紙が目を瞑っているリリスへと吸収されていく。

 そして全ての紙が無くなり、光も消えていくのであった。

 

「な……なに? これ……?」

 

 ハーフエルフの女性は驚いた顔をしており、研究所にいたスタッフ達も全員が驚くか珍しいものを見ることが出来たといった表情をしていた。

 そんな中、リリスはゆっくり目を開ける。

 

「これは……分かるわ……って、ごめんなさい! お借りしていた本を──!」

 

 借りていた本が失くなってしまったことに対し、リリスは謝罪を述べる。

 今現在リリスは無一文のため、お金を請求されたら何も出来なくなる。

 

「いえ、それは良いのだけれど……あなたは……一体……」

「あ、あはは! 私はただの田舎者ですよ! ちょっとこの辺に〝最高位精霊〟はいないかな〜と思っているただの田舎娘です!」

 

 自分が何を言っているのか分からなくなっているリリスは、怪しまれるような発言を繰り返す。

 

「〝最高位精霊〟……?」

『リリス……』

「あ、あははははっ! 私、何を言ってるんですかね……? し、失礼しま──」

 

 勢いに任せて魔法研究所を出ようとしたところで、ハーフエルフの女性に腕を掴まれる。

 

「……ちょっと待ちなさい」

「……え? や、やっぱりダメですよね〜」

 

 勝手にハーフエルフですら解読できなかった呪文書を使用してしまっただけでなく、〝最高位精霊〟を探しに来たという訳の分からないことを話す見た目完全な田舎娘を怪しいと思わないはずがない。

 リリス自身でもそう思っているのだから、周りの人間も怪しがるのが当然である。

 しかし────

 

「〝最高位精霊〟ってオリジンのことよね? 探しているなら無駄よ……エルフの住んでいるユミルの森の最奥にいるのだけれど、人間やハーフエルフは入ることが出来ないから……」

 

 ハーフエルフの女性──名前をシータと名乗っていた──は詳細を説明する。

 エルフは元々人間と暮らしていいたのだが、ある日を境にユミルの森の奥へ一族全員で籠もってしまっていた。

 そしてハーフエルフに対しより敵対的になり、人間とはほぼ交流が無いということであった。

 

アルヴァニスタ(ここ)の王様であれば、ユミルの森に入る通行証を持っているのだけれど……」

 

 そう言いながらリリスを眺める。

 

「あ、あはは。私にはくれそうにないですよね……はぁ」

「ごめんなさいね」

「いえ! オリジンがいるという場所が分かっただけでも助かりました! 本当にありがとうございます!」

 

 お礼を言いつつ、魔法研究所を出るリリス。

 

『まさか人間には入れない場所にあるとはな……』

『こっそり侵入するわけにもいかないわよね』

『アトワイト……ルーティの性格が移ってますよ』

「どうしようかしら……」

 

 アルヴァニスタ城から城下町に向かって歩きながら、途方に暮れる一同。

 しかしそこで時雨(しぐれ)がいつものごとく口を挟む

 

『ちょっといいか?』

『やはりお主には何か案があるんじゃな?』

『俺もそうだと思っていた』

 

 クレメンテとイクティノスが時雨(しぐれ)の言葉に待っていましたとばかりに反応する。

 時雨(しぐれ)は苦笑しながら話を続ける。

 

『……()()()()だと難しいのならば、もしかしたら()()なら何か良くなっているかもしれないぞ。例えば()()()()()とか』

『すごい具体的な数字ね』

 

 時雨(しぐれ)のいつものことだとソーディアン一同はすでに諦めており、せっかくであればその年代へ行こうという雰囲気になる。

 リリスはそこまで具体的な数字が出たのは疑問だったが、解決するのであればよいかと〝異世界渡り君DX(デラックス)〟を取り出す。

 

「じゃあこの世界の未来に行くってことで大丈夫?」

『まぁ時雨(しぐれ)が言うのであれば仕方がない……不本意だが、本当に不本意だがな!』

『あ、あはは……』

 

 渋々認めたディムロスの言葉で最終決定となり、街を出たリリスは人気のないところまで移動する。

 そして〝異世界渡り君DX(デラックス)〟を手に持ち、集中するのであった。

 

(百五十年後の未来へ私達を連れて行って!!)

 

 光がリリス達を包み込み、大きく弾け、リリス達は未来へと旅立つのであった。

 




ここは話自体がオリジナルになります。
サンダーソードっていつ入手したんだろう?と思っていたので、この話を入れたかったのです。
もっと良さそうな話の繋げ方があればお聞きしたいです!

リリスはヴェスペリアの世界に行ってほしい?

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