《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜   作:ねここねこねこ

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第七話

「それではこれよりセインガルド王国武術大会の決勝を始めます! エドワード選手とリオン選手は中央に来てください」

 

 エドワードとリオンは中央に歩いていき、お互いのソーディアンを抜いて構える。

 リオンは準決勝までには持っていなかった短剣を逆手に持っていた。

 

『リオンはおそらく全力で来るはずだ。こっちもいくぞ』

「ああ。負けられないな」

 

 エドワードは正眼に構え、どんな攻撃でも対応できるようにした。

 時雨(しぐれ)からはリオンの戦闘スタイルを聞いているとはいえ、それが本当か分からないので、まずは様子を見ようと思っていた。

 

「それでは決勝戦! はじめ!」

 

 開始合図とともにリオンが突っ込んでくる。

 エドワードですら微かに見えるレベルのスピードでくるので、観客の兵士達にはほぼ見えていない。

 リオンがシャルティエを横薙ぎにして攻撃してくるので、時雨(しぐれ)で受け流す。

 

 しかしその勢いのまま短剣で追撃してくるリオン。

 エドワードも躱しきれずに左腕を浅く切られてしまう。

 

「ぐっ!」

『エド! 大丈夫か!?』

「ああ!」

 

 その後もリオンの追撃は止まらない。

 シャルティエと短剣を使った連続攻撃にエドワードは防御するしかできない。

 

「ふん、この程度か」

「なに!?」

 

 リオンはエドワードの防御の隙を突いて、腹に思い切り蹴りを加える。

 攻撃を受けたエドワードは思いっきり吹き飛ぶが、そのままバク宙をして地面に着地をする。

 

「……刀を盾にしたか」

「あ、あぶな!」

 

 今の攻撃を食らっていたら、確実に終わっていたと思うエドワード。

 周りはあまりの光景に黙ってしまっているが、どちらが優勢なのかは最後のシーンを見て予測出来た。

 

「やっぱり客員剣士って肩書きは伊達じゃないんだな」

「ああ、これじゃあエドワードは勝てないかもな」

 

(……余計なお世話だっつの! 俺だって分かってるさ! 仕方ない……使()()())

 

 エドワードが時雨(しぐれ)を構えながら、昌術の詠唱に入る。

 ある程度距離があるのと、この晶術であれば詠唱も短いので使えると判断したのだ。

 

『坊っちゃん! 晶術の詠唱です!』

「ちっ! 分かっている!」

「もう遅い! ──”加速(アクセル)”!」

 

 エドワードが唱えると、自身を光が淡く包み出す。

 そしてリオンが再度突撃してくるが、攻撃した先にエドワードはいなく──

 

「遅い!」

「……何!?」

 

 ──リオンの後ろから声が聞こえたと思ったら、背中を時雨(しぐれ)によって切られる。

 後ろを向くが、すでにエドワードの姿はなく、今度は横から切られるのであった。

 

「……ちっ!」

時雨(しぐれ)の得意な晶術です! 対象の素早さを増幅しています!』

「分かっている! ……そこだ!」

 

 再度エドワードが攻撃を仕掛けるが、リオンはエドワードの攻撃を見切りシャルティエで防御する。

 攻撃を防がれたエドワードはバックステップですぐに離れる。

 

「へぇ。俺の場所がよく分かったね」

「ふん。その晶術……まだ使い慣れていないだろう? 先ほどとは違って、動きに無駄がありすぎる。だから読まれるんだ」

 

(……ちっ。気付かれたか。さてどうするかね)

(いる場所はわかるが、こちらとしても攻撃に移ることが出来ないな。しかも……さっきよりもキレが増しているのか……?)

 

 時雨(しぐれ)の効果で持ち主の剣の技術が上がっているのもあるが、試合を重ねるごとに徐々に本人の技術も上達し、さらに時雨(しぐれ)の効果で剣の技術が上がるという効果がエドワードにはとても良い循環をもたらしていた。

 さらにリオンと戦っていて技術を盗んでいるのもあり、戦いながら上達しているのだった。

 

(このままだと埒が明かないな。だがこれ以上身体に負担をかけるのはまずい)

 

 加速(アクセル)という晶術は時雨(しぐれ)が転生時に神様から貰ったオリジナル晶術であるが、慣れていないと身体に相当負担が掛かるというデメリットもある。

 まだ慣れていないエドワードには相当の負荷がかかっていたため、短期決戦に持ち込みたいのであった。

 そのため、エドワードは時雨(しぐれ)を納めて、抜刀術の構えを取る。

 

(これで仕留めきれなければ、俺の負けだ)

 

 リオンも最後の攻撃が来ると察して、迎え撃つように構えを取った。

 そして、両者が突っ込んでいった────

 

「失礼します!! 恐れながらご報告いたします! アルメイダの村がモンスターの襲撃に遭っている模様です!」

「な、なんだと!?」

 

 エドワードとリオンは兵士が乱入してきたので、剣がぶつかる寸前でお互いの武器を止めていた。

 セインガルド王が驚き、七将軍に確認を取らせるが、事実のようだったので急いで討伐隊を組む必要があった。

 

「陛下、恐れながらご提案がございます」

「なんだ、ニコラス?」

「ここにいるリオンとエドワードを先遣隊としてアルメイダに向かわせるのはいかがでしょうか? 実力も今見た通りで申し分ないかと」

「……ふむ」

 

 セインガルド王は少し考えた後に、「そうだな。一旦武術大会は中止として、リオン、エドワード両名は先遣隊としてすぐにアルメイダに迎え」と指示を出す。

 断ることが出来ない二人は跪いて「かしこまりました」と言い、その場を去っていく。

 

 

 

 

 

 王城を出るまでの道すがら、リオンとエドワードは準備について話し始める。

 

「試合は途中で終わってしまったけど、とりあえずアルメイダに向かおうか。準備は大丈夫か?」

「誰に言っている? このまま向かっても大丈夫だ」

「いやいや、ダメでしょ。じゃあ準備して、一時間後にダリルシェイドの入り口に集合で」

「……」

 

 何も言わずに去っていくリオンに対し、不安を覚えるエドワードであったが、すぐに準備を開始するために自宅へ戻ったのであった。

 




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