日菜先輩と校門の所で合流した私はそのまま、日菜先輩に連れられるが如く屋上まで連れてこさされた。そして星空の下で私は市ヶ谷さんの家であった事を日菜先輩に包み隠さず話す。
「それで美咲ちゃんはなんで答えたの」
その話を一通り聞いた日菜先輩が、私の隣でフェンスに寄りかかりながらそう聞いてくる。空を見上げていた私はそれに対してただ首を横に振る。
「私は……答えられなかったです……ただ呆然と心の奥底で黒い何かが蠢いているとしかわからなかったです」
市ヶ谷さんの前では言えなかった抽象的な言葉を言う。あまりその事を気にせず日菜先輩はそっかーっと少しつまらならそうに返してきた。
「それはるん♪っと来ないねー」
そう答えた日菜先輩にの方を見て、私は苦笑する。
「るん♪っかどうかは知りませんが、さっきも言った様に、こう凄いなんとも言えない物が存在しているのは認めます」
んーっと目を閉じて悩んだ後に日菜先輩はキラキラの消えた目でじっと私の事を見てくる。
「ねぇ、みさきちゃん、その事でなんか思い当たる事とかある?」
「思い当たる事……」
ここに来るまでもその事を考えていたが思い当たる事は何もなかった。
「いや、ない……ですね……」
「そんな事無い筈だよーだってそうやって悩んで、何かがあるのを理解している以上必ずある筈だよ」
どこか自信のある声で言われる。何処からそんな自信が出てくるですかね。
「……なんでそんな断言できるんですか」
「私がみさきちゃんの事信用してるからだよ」
恥ずかしげもなく日菜先輩が言ってくる。それから日菜先輩はフェンスを指で弾く。
「パスパレのみんなと一緒に行った江ノ島での事件からみさきちゃんはとても変わって凄いるん♪って来てたんだ、だけど、今のみさきちゃんは江ノ島に行く前のみさきちゃんの様になってるんだよ」
「…………そうなんですか」
私が聞くと日菜先輩は大きく首を縦に振る。まぁ、確かにあの金髪の少女の隣に立ちたいって、そう自覚させてくれたのは日菜先輩だし、その点なら日菜先輩を信用しても問題ないのかな。未だにるん♪がなんなのかはわからないけど。
「そうだよ!それじゃ、これ考えるの一旦やめよっか!みさきちゃん!」
えっと頰を引きつらせた私に対して目をキラキラさせ始めた日菜先輩が言葉を続ける。
「考えても、考えても分からない問題は一回置いて、それでリラックスしてからまた考え直せばいいんだよ!」
じゃ!星みよっか!っと言われるがまま私は日菜先輩とレジャーシートを引いて、その上で横になって星を見始めるのであった。