裏門に連れて行かれた私は裏門の所で待っていた紗夜先輩と合流する事ができた。何故、沙夜先輩が裏門にいたかと言うと、紗夜先輩が私の学校の前で少し狼狽えていたのを黒服さんがたまたま見つけたらしく、裏門まで連れてきてくれたとの事らしい。黒服さんとはそこで、私の上履きを戻しに行ってくるといい別れ、私と紗夜先輩は落ち着ける場所として某バーガー店内にいた。ただ、いつもお互いそこまで関わりのない人物と言うせいで中々話の切り口が見つけられず、紗夜先輩に(勿論、大丈夫ですって言ったけど強引に)奢って貰ったポテトをお互い啄みつつ無言の時間を過ごしていた。
「……それで、えーと、何の用ですか」
少し勇気を振り絞りそう聞くと、それに反応して紗夜先輩がこちらに視線を向ける。
「あ、そうですね、その、昨日のお話を少し聞かせてくれないでしょうか」
あ、やっぱ、その事か、思いつつ、昨日有った事の端末や、パスパレと一時的にコラボを組んている話を包み隠さず言う。
「……っとまぁ、そんな事がありました」
一通り話すと紗夜先輩が深々と頭を下げてくる。
「うちの妹が本当にすみません」
「あっ、頭下げなくていいですよ!乗った私もいけないと言えばいけませんし」
頭上げてください!っと言うと渋々と言った感じで紗夜先輩が頭を上げる。
「それに、ほら、私にはそこまで被害被ってないですし、紗夜先輩が謝る必要は……」
「いいえ、今日、凄い被害被ってましたよね」
鋭い棘の一突きと思えるほどに正確に否定してきたのに対して私は苦笑いを浮かべてしまう。まぁ、その通りです。あの学校の玄関での出来事とか、実名じゃないけどテレビに全国放映されてしまったとか……ソウデスネ……
「いや、でも、だからといって紗夜先輩が謝る必要はないと思うんですが……」
すると、こちらと目を合わせてくる。深い水の底の様な美しくも儚い雰囲気が漂う目がジッとこちらを捉え、それはまるでこちらを見透かしているかの様に感じる。しかしながら、その奥で少しばかりキラッと何かが輝くのを私は見た。次の言葉絶対に日菜先輩を思って物事を言うなと感覚的に理解する。
「あの子は基本的に謝る事ができない子なんです、だから私が謝らなくてはならないのです。あの子は何でもできるだけど、人としてどこか抜けてる部分があるのは認めます。そこを姉である私が補填してあげなくてはいけないと思ってまして、だからこうして会おうと思った次第です」
「……紗夜先輩と日菜先輩ってやっぱ思いやりができる仲のいい双子なんですね」
無意識にそう言うと紗夜先輩は目線を外し、顔を少し赤くする。
「ちょ、何言ってるんですか!奥沢さん!私はただ日菜が変なことしてないか心配で、心配でっ……」
そこまで言って自分が墓穴を掘ったことに気がついた紗夜先輩顔を真っ赤にし少し俯いた後、顔を上げる。それから、コホンと咳をする。
「それはそれで、日菜から話を聞いたんですが、ロゼリアの曲にもミッシェルとして参加する予定なんですよね」
「あ、はい、そういう話になってます」
苦笑しながら頷くと、そうですかっと紗夜先輩が言葉を返す。
「私にはそれを決定する決定権はありませんが、こちらでもなるべく話が通る様にロゼリアの皆さんにお伝えしておきます」
「あ、そうしてもらえると嬉しいです」
そう返答すると、紗夜先輩は"では、家に日菜を待たせてるので"っと言い立ち上がり、それに伴って私も特にこのバーガー店に居座る理由も無いので立ち上がる。お互い無言のまま店の外に出て私と紗夜先輩は"それでは"と言い、私は"また、会いましょう"と言って店前で別れたのであった。