私には素敵なお姉様がいます。誰に対しても隔たり無く優しく、作る料理やお菓子はとても美味しく、バンドで甘美なベースを奏でる、素敵なお姉様。
いえ、素敵な言葉だけでは足りないわ。可憐で純情、自分の事よりも周りの誰かのために行動する、まさに慈愛の女神様。
「あぁ、お姉様……。お姉様……」
部屋中にお姉様の写真を貼り付けたい、そうすればお姉様に何時も一緒に居られるって感じられるのに……。お姉様の洋服を手元に置いておきたい、そうすればお姉様の匂いからお姉様を感じられるのに……。
お姉様の、お姉様の、お姉様の、お姉様の、お姉様の、お姉様の、お姉様の、お姉様の、お姉様の、お姉様の、お姉様の お姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様のお姉様の……。
でも、実際は私に出来ることは限られています。何故?それはですね、
「あ〜レナ〜、今日も疲れたよ〜……」
「はい…、お姉様。今日も一日、学校、バンドの練習ととても頑張っていましたね」
「お姉ちゃん、大変なんだよ……。先生からは急に仕事任されるし……」
「そうなんですか?でも、それだけ先生から信頼されいるんですね、お姉様は…ふふ…」
「そうなのかな?でその所為で友希那とのお昼待たせちゃったし……」
「……、また友希那さんの話……」
「うん?レナ、どうしたの?」
「いいえ、何でも無いですよ。ただ、本当に友希那さんとは仲が良いなと……。それと、友希那さんなら理由を話せばわかってくださるでしょ?」
「そうだけどさ〜…、やっぱり悪いかな〜って……」
「っつ……、私だけのお姉様なのに……」
「レナ?やっぱり何処か具合悪いの?」
「そんな事は無いですよ、お姉様。私は元気ですよ」
「そっか、良かった〜。レナは私の大好きな妹だもんね」
「私も、お姉様の事は大好きですよ……」
気が遠くなる程、気が狂ってしまいそうな程にね……。
「本当にレナは家だと私に甘えん坊だもんね〜」
「それはお姉様もでしょ。私に抱きついて、いつの間にか勝手に膝枕までしてるんですから」
「えぇ〜、だってレナは抱きしめると幸せな気分になるし。レナの膝の上柔らかくて寝心地い良いよ」
「ふふ…、まったく困ったお姉様だこと。でも、褒めて頂けて嬉しいですよ…」
お姉様の綺麗で柔らかな髪をそっと撫でる。
「ねぇ、レナ?今日は久しぶりに一緒に寝よ?」
「良いですよ、お姉様の頼みですもの」
「ありがとう、じゃあ今日はレナの布団で寝るね」
「はい……、お姉様の安眠を約束しますわ」
こうしてお姉様はほぼ毎日のように、一日の疲れを癒やそうと私を求めてくるんですから。部屋中にお姉様の写真を貼っていたら、流石にお姉様は来なくなってしまいますの……。ですので、机の上にある小さな写真立ての写真で我慢しています。
それともう一つは、
「すぅすぅ……」
「あぁ、愛しのお姉様……」
無防備で、安心しきった寝顔が、今私だけの前で晒されている……。この綺麗な髪も、この綺麗な眉毛も、この綺麗な頬も、この綺麗な耳も、この綺麗な……唇も……何もかも……。
「全て私だけの物にしたい……」
お姉様のこの緩んだ表情の一つ一つが、私の理性を保ち、私の理性を犯すのです……。
「愛していますわ、お姉様……」
だから、頬へのキスは見逃して下さいませ……。
私には自慢の妹が居る。何処までも、何処までも、絵に書いたような真面目で、私みたいに髪は染めないし、アクセサリーも着けない。まぁ、着けなくても可愛いんだけど。それに私以外には最低限の会話しかしないけれど、その言葉の裏で相手の事を考えている。多分不器用なんだと思う、私の前では素直で良い子なんだけど。
そして私は、
「あ〜レナ〜、今日も疲れたよ〜」
何時ものように、私は妹のレナに抱きついてしまう。
「はい…、お姉様。今日も一日、学校、バンドの練習ととても頑張っていましたね」
そんな私をただ、ただ笑顔で受け止めてくれる。
私は皆から『お母さん』とか、『お姉さん』とか言われるけど、本当はそこまで私は器用じゃない。皆みたいに、楽器を上手く奏でることも、勉強も良く出来るわけでも無いのだ。
皆が見ていない裏で、地道に努力して、努力して、努力してるのだ。それでもまだついて行けてない気がするのだ……。
でも、レナは受け止めくれる。私が普段言えない事や、悩み、個人的な話を聞いてくれる。
いや、私の方がお姉ちゃんで妹に甘えるのも、っていう自覚はあるけど……。
「レナは私の大好きな妹だもんね」
「私も、お姉様の事は大好きですよ……」
この微笑み、優しくて、包み込むような優しい暖かさを感じる。太陽のようには眩しくなくて、月のように優しい感じ。
「本当にレナは家だと私に甘えん坊だもんね〜」
自然と心が穏やかになって、心にゆとりが出来たおかげかからかいたくなる。
「それはお姉様もでしょ。私に抱きついて、いつの間にか勝手に膝枕までしてるんですから」
からかったはずが、まさかレナにこんな事を言われる日が来るだなんて……。
「えぇ〜、だってレナは抱きしめると幸せな気分になるし。レナの膝の上柔らかくて寝心地い良いよ」
けど、レナの膝の上ってレナのいい匂いするから、何か離れたくなくなるんだよね。あぁもう駄目……、今日はもうレナと一緒が良い……。
「ねぇ、レナ?今日は久しぶりに一緒に寝よ?」
疲れている所為で、自分でも分かるくらいに判断能力が鈍っているし、ちょっとわがままを言い過ぎてる。
「良いですよ、お姉様の頼みですもの」
あれ…?意外とあっさりと……、思い出せば割と私今でも添い寝してたわ。
「ありがとう、じゃあ今日はレナの布団で寝るね」
「はい……、お姉様の安眠を約束しますわ」
もう本当に私の妹は可愛いんだから……。
「おはようございます、お姉様」
目が覚めると、大好きなお姉様の顔が間近にある。
「おはよう、レナ」
目が覚めると、大好きな妹の顔が間近に見える。
この小さな幸せが、もしも無くなったら私はそれだけでも狂ってしまいそう。だから、毎日お祈りをするのです。
『お姉様と、これからも一緒に居られますように』と、『そして、私だけのお姉様になりますように』。