今井さん家のヤンデレ   作:龍宮院奏

3 / 7
只今、全力で話数を増やそうと頑張っています。
クオリティーは下げずに、上げるように努力していく所存です。
コラボ企画回も製作中です。


私達姉妹の朝。アノ人さえ居なければもっと幸せです……。

 私達姉妹には少し変わった決まりがあります。それは互いが、互いのご飯を作ること。

 どういう事か?簡単な話です。自分で自分の食べる物を作らない、ただそれだけです。自分で作ってしまうと、栄養が偏ったり、同じものをたべていたりと不健康だからです。

 本当は私が自分で自分の為に料理すると、カップラーメンwithサラダになるので……。

 

 

『レナ、またそんな物食べて。野菜も食べるのは褒めてあげるけど、女の子なんだから。もう少しちゃんとした物食べないと』

 

 

 あの時のお姉様、『困ったな〜』と言いつつも、口元には笑みを浮かべて鼻歌を歌いながら私に料理を作ってくれていたんでしたっけ。

 

 

 

 

 

 お母様とお父様は、朝早く夜遅くの仕事が続く日々。中学に上がるまでは、料理は本当にお姉様が担当して、お弁当まで作ってくれました。クラスでは度々私のお弁当が話題になりましたが、お姉様が凄いのは当たり前という気持ちと、忙しい中で作ってくれて有難うと、嬉しさと感謝の気持ちで一杯でした。

 

「ねぇレナ、今日練習で遅くなるかも」

 

「最近多くないですか?バイトもあるのに」

 

「いや〜、友希那が今度ライブをやろうって話になって。それでみんな気合入っちゃってさ…」

 

「そうなんですか……。ですが、お姉様の身体は一つだけ、とても脆いんですよ」

 

「そんな脆いだなんて、言い過ぎだよ」

器用に卵焼きをさえ箸で形を整えながら苦笑する。

 

「言い過ぎなんかじゃ無いですよ……。私、大好きなお姉様に何かあったりしたら……」

 

「わかってるよ……、もし本当にレナから見て危ないと思ったら止めてね」

フライパンの火を止めて、くしゃくしゃと頭を撫でてくるお姉様。こ、こんな事で、私は止められないんですからね……。

 

「わかりました……。その時は、私の独断でお姉様を止めさせて貰います」

 

「うん、宜しくね」

お姉様は自分の力量をあのバンドで誰よりも理解っている。

 だから『自分が足を引っ張っている』『もっと頑張らなくちゃ』と焦って練習に励む。

 身体は一つで、バイト、学業、家事、それらをこなしなているのに、お姉様は常に上を目指していく。

 

「はい…お姉様……」

ひたむきな向上心と、周りへの気遣いは本当に素晴らしい姿だと、妹の私も尊敬はしています。けれど、やっぱりお姉様の体調があってこそなので、心配なことは変わりません。

 

 

 

「「頂きます」」

姉妹二人、向き合うようにして取る朝食。私はお姉様の好きな和食中心、お姉様は私の好きな和洋折衷。

 

「うん、レナ。このお味噌汁、すっごく美味しいよ」

 

「それは良かったです、インターネットでだしの取り方を調べて正解ですね」

 

「なぁに〜?もしかして私の為に調べてくれたの?」

 

「他に何があると言うのですか?私の料理は、お姉様が今日という日を元気に過ごしてくれる為に作っているですから。美味しいのは勿論、栄養にも気を遣い、何時でも万全の状態でって」

 

「あ〜もう、レナ〜。好き〜、お姉ちゃん嬉しいよ〜」

 

「お行儀が悪いですよ……。でも、良かった……」

椅子から素早い動きで私の後ろに回り込んで、マフラーの様に腕を絡めれて抱きしめてくる。お姉様の匂い……、落ち着く……。

 

「ねぇもしもだよ……。もしもまた私が壊れそうになったら……」

 

「その時は私がお姉様の全てを受け止めます……。泣いて、騒いで、疲れ果てるまで何をしようと、私はお姉様の側に居ます……」

微かに震える手を握りしめて、私の頬に手を動かす。昔お姉様が『レナの頬、触ってると落ち着く』と言ってくれたので、こういう時はそっと支えるのが私の役目。

 

「そっか……、ありがとう……」

姉妹だから『当たり前』というのは少し違う、私の知っているある姉妹はこんな風な事はしなかっただろう。今は違うそうですが……。

 

 

 

「レナ、今日はサイド?」

 朝食をあの後しっかりと取り、食器を洗い片付けていると登校するには良い時間になっていた。鞄の中には、教科書等の授業に関するもの、お姉様が作って下さったお弁当をしっかりと入れてある。

 

「はい、今日は木曜日なので」

これは私のこだわりなのだが、学校のある月・火・水・木・金で髪型を変えている。曜日ごとの髪型を帰るのは、気分転換になるのと……。

 

「じゃあちょっと待ってね。今レナに似合う髪留め持ってくるから」

お姉様が私のヘアスタイルに合わせて、何かしらのアクセサリーを付けて下さるから。

 

「はいじゃあ、結うから髪さわるよ」

慣れた手付きで髪をまとめて、素早く髪留めで留める。

 

「今日の髪留めは何ですか?」

 

「今日はね、私のイヤリングと同じウサギの髪留めだよ。あ、ちゃんと色は深紅だよ」

 

「お揃いですか……」

 

「あれ?もしかして嫌だった?」

不安そうな声で尋ねてくるお姉様、

 

「そんな事は無いですよ。ただ…嬉しくて…」

 

普段はあまり感情を出すのは控えているのだけれど、お姉様の前だと自然と出てしまうのだ……。

 

「むふぅ〜、お姉ちゃんとお揃いで嬉しいだなんて。本当にレナは可愛い、はい完成」

手鏡を差し出して来たので、鏡で完成した髪を確認してみる。うん、今日もお姉様のヘアサロンは完璧。髪留めのウサギも、ただ可愛いとうより、『ダーク』な感じを含んだ可愛さがある。

 

「有難う御座います、お姉様」

 

「どういたしまして。それじゃあ、行こうか」

 

「はい」

お互いに準備を終えたので、私は鞄を両手で持ち、お姉様はベースの入ったケースを背負い鞄を肩に掛ける。靴を履き終えて、

 

「「行ってきます」」

私達姉妹の日常生活が始まるのだった。

 

 

 

 

 

「リサ、レナ、おはよう」

家を出ると、丁度お隣で私達姉妹の幼馴染の湊友希那さんが同じ様に家を出てくる所だった。

 

「友希那、おはよう!」

 

「おはようございます」

お姉様の声が私の時よりも、0.1トーン高い……。

 この同い年で、幼馴染で、お姉様が居ないと何も出来ない『歌姫』が……。歌の才能は認めましょう、その努力も……。

 けれど……、お姉様に負担をあまり掛けないで欲しいものです。貴女の所為で、お姉様が一体どれだけ苦しんだと思いで……。所詮は赤の他人、お姉様を心の底から理解できるのはこの私。貴女の様な人には任せられません。

 

「ねぇリサ……。レナから黒いオーラを感じるのだけど……」

 

「え?そう、レナは何時も通りだけど」

 

「私は何も変わりませんが、何か」

私には表・外と裏・中、二つの顔がある。

 

 表・外、つまりは学校や家以外の場所に於いては一切の感情を出さない。

 簡単な話です、私はこの世界が嫌いです。人間が嫌いです。穢らわしくて、醜くて、お姉様の美しさ、その慈悲深い優しさが失われてしまいそうだからです。

 

 逆に裏・中、そこでは感情を出すのかと言われたら……。あまり出そうと言う気は無いですね、お姉様が見ている前では。見せられませんよ、実の姉に対して好意を持っている私の本性は……。

 だから、外ではよく『影の女王』、『慈愛の女神の黒い方』、『闇の魔女』と噂されていますが。別にお姉様に悪口を言っていないので無視しています。

 ただ『氷の女王』だけは止めて欲しいですね……、『氷の女王』は今現在お姉様の横で笑顔で離している『湊友希那』の異名なので、心底不愉快です……。

 

「ねぇ、やっぱり今日のレナは機嫌が悪いのかしら?」

 

「そんな事は無いと思うけど?ねぇレナ?」

 

「はい、普段通りです」

 

「ほら、友希那の考え過ぎだよ」

お姉様は本当に湊さんの事を大切に思っている。それは私には理解し得ない程に。羨ましいと思うが、それがお姉様にとって必要な事ならば、私はお姉様の笑顔の為に見守っていましょう。




あんどぅーサンシャイン先生のコメントに、励まされて執筆が楽しいですね。
私としては、あんどぅーサンシャイン先生作『私女なんだけどおおおおおお!!!?』程、キャラのイメチェン具合が激しく、所々に特撮ネタを混ぜながら展開していく物は無いと思います。
偶に予想を超えるイメチェンを見せるキャラも居ますが…、私は好きですよ!
ぜひ!読んでみてください!(告知?宣伝されたので、私もします)
『私女なんだけどおおおおおお!!!?』、これは凄まじい作品です!

今回もご閲覧していただきありがとうございました。
感想などありましたら、宜しくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。