炎天下の本日。天気、晴れ。つまり絶好のセッ◯ス日和。
この暑さに負けず、私ーー星ノ守心春は宣言したのである。
「今日こそは、雨野先輩のチェリーを奪ってやる!」
なぜ女子高生が一人、興奮した様子で叫んでいるのか。それは、さかのぼること30分前。1本の電話がきっかけであった。
『もしもし、心春さん?雨野ですけど』
『どうしたんですかセンパイ?』
『実は今、家に弟の友達が何人か来ていて、僕は邪魔者みたいになってまして』
センパイは苦笑い混じりに話すと、小さな溜息をついた。まあ、光正が実際センパイを邪魔者だと思う訳はないのだが、そんなもったいないことは言わない。なぜなら、この電話は、
「(デートの誘いキタコレ!)」
『ん?なんか言いましたかコノハさん』
『な、何も言ってませんよ!?』
コホン!、っとわざとらしく咳をして話を戻す。
『で?結局どうしたんですか?』
『そうそう、コノハさん今日暇ですか?よかったら僕と、その、デートでも、と思いまして……』
『暇じゃないです』
『そうですか……』
『でもセンパイの誘いが一番優先なのでもちろんデートはOKですよ』
『……コノハさん。ありがとうございます』
『そのかわり、私の家でデートしましょう』
『はい!って、ええ!?』
このような会話があって今にいたる。
私は先輩とのお家デートのため、そしてセンパイとムンムンでエロエロな時間を過ごすために、お姉ちゃんを家から追い出し、渋谷ギャルでも「やばたにえん」と驚くような露出度の高い服を着て待機していた。
エロい格好で一人、部屋で放置プレイ。
「えへへ」
私のムラムラゲージがMAXになろうとしていた瞬間ーー「ピンポーン」とチャイムが鳴った。
私が素早く玄関へ行き、ドアを開けるとやっぱりセンパイが立っていた。いろんな意味で。
「センパイこんにちはー」
「……」
「センパイ?」
律儀なセンパイが珍しく挨拶を無視、どころが荒々しく、素早く家の中に入りドアを閉めた。
センパイは真面目な顔をして上着を脱ぐと私の肩を掴み、そして、私に上着を着せた。
「へ?」
エロエロな展開を期待していた私が素っ頓狂な声を出すと、今度は先輩が私を正面からじっと見て声を出した。
「コノハさん。ちょっとこっちに来なさい」
リビングに連行された私は、「そんな露出度の高い服を着て、誰かに見られでもしたらどうするんだ」と約10分のお叱りを受けたのだった。
「まったくコノハさんは、あんなの変な男に見られたらどうなっていたかわかりませんよ」
「センパイが心配してくれるのは嬉しいですけど怒りすぎじゃ無いですか?」
「そ、そんなことないですよ!」
「もしかして照れ隠しですかー?」
「違いまそん!」
「どっちですかそれ……」
さっきまでの勢いはどこへやら、センパイは下を向いてしまった。
「顔をあげてください。センパイはムラムラしてしまったんですよね。私と同じように」
「なんであなたもムラムラしてるんですか!!」
「そりゃあセンパイが放置プレイなんてするからですよ」
「してませんよ!?」
「「ふふっ、はは!」」
私はセンパイが今日やっと笑顔になったことにホッとして、話を続ける。
「ところで今、センパイ言いましたよね?」
「はい?何をですか」
「さっき『なんであなたもムラムラしてるんですか』って」
「ええ。それがなにか?」
「『あなたも』ってことはセンパイもムラムラしてたってことですよね」
「ギクっ!?」
「「ギクっ』って実際に言ってる人初めて見ましたよ」
「いやいやいや、ムラムラしてませんから。言葉のあやですよ!」
「本当ですか?私はセンパイのためにこんな服着て放置プレイに耐えてたんですよ。セ・ン・パ・イ」
「いや放置プレイはさせた覚えないですけど!?ていうか、楽しんでましたよね絶対!」
「バレましたか」
「バレバレですよ!……まあ実際、僕も、変な気持ちになったの、バレましたけど」
「やっぱりですか」
「……はい」
センパイは顔を真っ赤にしているがかまわず話を続ける。まあ、私も真っ赤なんだけど。
「もっと素直になってもいいんですよ。私はあなただけのものですから」
「でも僕はあなたをもっと大切にしたい」
「私は十分大切にされてますよ。すごく愛する人に」
「……コノハさん」
「愛してますよセンパイ」
「僕も愛してます」
私たちの唇が重なり、そのまま体も重ねようとしたとき、
「コノハ、どこにもポケ◯ンの最新作売ってないじゃないですか、ってケータ!?」
お姉ちゃんが帰ってきた……。
なんてタイミング!今回ばかりはお姉ちゃんを恨む。なんでこんなときに。
「あ、ごめん。来年だったよ◯ケモン」
「どうりで!おかしいと思ったんですよね、ええ。先週新作出たばかりなのに、また出すなんて」
「なんでそんなの信じたのチアキは……」
「ケータは黙っててください!っていうかなんでいるんですか!」
「本当にごめんねお姉ちゃん。じゃあまた」
そさくさと私たちは私の部屋に入り、今度こそムンムンでエロエロなことをしたのであった。
ちなみにその日以来お姉ちゃんから「ギシギシいってましたけど何してたんですか?」と聞かれるようになったとさ、めでたしめでたし。
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